パート26
ぱーと
part
Part 26.
Parte 26.
「 しかし 本当の 問題 は こんな こと じゃ ない 。
|ほんとうの|もんだい|||||
But this is not the real problem.
ただ 単に 愚 劣 な 種族 は めったに 宇宙 に 飛び出したり し ない から な 。
|たんに|ぐ|おと||しゅぞく|||うちゅう||とびだしたり||||
|simply|foolish|||species||seldom|||jumped out||||
It's just because stupid races rarely fly into space.
Просто потому, что глупые расы редко летают в космос.
だが 、 われわれ に は 彼ら が 怖 れる 別の 特徴 が ある 。
||||かれら||こわ||べつの|とくちょう||
||||||scared|||characteristic||
||||||恐れ|passive||||
But we have another feature that scares them.
Но у нас есть еще одна особенность, которая их пугает.
それ は 破壊 性 だ よ 。
||はかい|せい||
||destructiveness|nature||
It's destructive.
彼ら は われわれ の 歴史 の 趨勢 を 計算 し 、 未来 を 推測 した 。
かれら||||れきし||すうせい||けいさん||みらい||すいそく|
||||||trend||calculated||future||guess|
They calculated trends in our history and speculated on the future.
Они рассчитали тенденции в нашей истории и размышляли о будущем.
もしも われわれ を 宇宙 に 飛び出さ せたり したら 、 戦争 と 対立 が 引き起こさ れる だろう 」
|||うちゅう||とびで さ|||せんそう||たいりつ||ひきおこさ||
|||universe||jump out|might make||war||conflict||would be caused||
If we let us jump into space, it would cause war and confrontation. "
「 そんな こと 、 わかる もの か !
I don't know how you can know that!
「 彼ら は わかる と 言って いる 。
かれら||||いって|
They say they understand.
われわれ は 抗議 できる 立場 に ない 」
||こうぎ||たちば||
||protest||position||
We are in no position to protest."
Мы не можем протестовать ".
「 それ で われわれ を 滅亡 さ せよう と して いる んだ な ――」
||||めつぼう|||||||
||||destruction|||||||
"That is why you are trying to destroy us..."
«Вот почему мы пытаемся уничтожить нас».
「 いい や 。
No, thanks.
以前 、 ほんの 数 回 行わ れた 実験 を 試して みよう と して いる のだ 。
いぜん||すう|かい|おこなわ||じっけん||ためして|||||
previously|||times|conducted||experiment|||||||
I'm trying to experiment with just a few experiments before.
Я пытаюсь поэкспериментировать с несколькими экспериментами раньше.
彼ら は 、 彼ら が 『 臨界 質量 』 と 呼ぶ われわれ の 状態 を 縮減 しよう と して いる 」
かれら||かれら||りんかい|しつりょう||よぶ|||じょうたい||しゅくげん||||
||||critical|mass|||||condition||reduction||||
||||||||||||縮小||||
They are trying to reduce our condition, which they call the "critical mass." "
Они пытаются уменьшить наше состояние, которое они называют «критической массой» ».
「 臨界 質量 ?
りんかい|しつりょう
critical|critical mass
Critical mass?
"Критическая масса?
原子 力 に 関して 使わ れる 言葉 だ な 」
げんし|ちから||かんして|つかわ||ことば||
atom||||||||
It's a word used for atomic power. "
「 そうだ 。
そう だ
That's right.
爆発 寸前 と いう 意味 だ 。
ばくはつ|すんぜん|||いみ|
explosion|just before|||meaning|
|just before||||
It means we're on the verge of an explosion.
それ が われわれ の 状態 な のだ よ 。
||||じょうたい|||
||||condition|||
That is our current situation.
半 世紀 の あいだ に 小規模 と は いえ ない 核 戦争 が 二 回 起きた 。
はん|せいき||||しょうきぼ|||||かく|せんそう||ふた|かい|おきた
half|century||||small scale|||||nuclear|war|||times|occurred
Two non-small-scale nuclear wars broke out in half a century.
За полвека разразились две немалые ядерные войны.
彼ら は われわれ が 宇宙 に 破壊 性 を 持ち込み 、 宇宙 で 争い 合い 、 敵意 を ほか の 種族 に も 広げる だろう と 考えて いる 。
かれら||||うちゅう||はかい|せい||もちこみ|うちゅう||あらそい|あい|てきい||||しゅぞく|||ひろげる|||かんがえて|
||||universe||destruction|||bringing in|||conflict||hostility||||race|||will spread|||thinking that|
They think that we will bring destruction into space, fight among ourselves in the cosmos, and spread hostility to other species.
しかし われわれ を 小さな 集団 に 分割 し 、 戦争 の 道具 を 取り上げ 、 別の 発達 の 道 を たどら せれば ―― まあ 、 われわれ を 救う 可能 性 も ある と いう わけだ 」
|||ちいさな|しゅうだん||ぶんかつ||せんそう||どうぐ||とりあげ|べつの|はったつ||どう|||||||すくう|かのう|せい|||||
||(object marker)||group||divide||||tool||taken away||development||||followed|if we could||||save|||||||
||||||分ける||||||||||||たどらせる||||||||||||
However, if we are divided into small groups, disarmed of the tools of war, and guided on a different path of development -- well, there is a possibility that we could be saved.
「 むちゃくちゃ だ !
crazy|
"That's ridiculous!"
連中 は なに を 企んで いる んだ ?
れんちゅう||||たくらんで||
they||||plotting||
||||企んでいる||
What are they up to?
Что они планируют?
地球 人 を グループ に わけて 、 ほか の 世界 に 強制 輸送 し ―― 永久 に ばらばら に しよう と いう の か ――?
ちきゅう|じん||ぐるーぷ|||||せかい||きょうせい|ゆそう||えいきゅう||||||||
|||||divided|||||forced|transportation||permanently||scattered||||||
Divide the earthlings into groups and forcibly transport them to other worlds ――Are you trying to separate them forever ――?
メル は 胸 に 冷たい もの を 感じた 。
||むね||つめたい|||かんじた
||chest|||||
Mel felt something cold against her chest.
彼 は ジェイムズ ・ コネモーラ を 見つめ 、 ゆっくり と 宇宙 船 の 部屋 の 壁 を 見まわし 、 外 の 星 へ と 視線 を 移した 。
かれ|||||みつめ|||うちゅう|せん||へや||かべ||みまわし|がい||ほし|||しせん||うつした
|||||stared at|slowly|||||||||looked around||||||||moved
He stared at James Connemora, slowly looked around the walls of the spaceship's room, and shifted his gaze to the stars outside.
黒い 船 。
くろい|せん
A black ship.
「 この 船 は ――!
|せん|
This ship is--"
あんた は 乗客 を この 宇宙 船 に 移して 、 ほか の 世界 に 強制 輸送 して いる んだ な !
||じょうきゃく|||うちゅう|せん||うつして|||せかい||きょうせい|ゆそう||||
||passenger||||||transferring|||||forced|||||
You are transferring passengers to this space ship and forcing them to other worlds, aren't you?
いや 、 しかし 、 乗客 は 戻って きて いる が ――」
||じょうきゃく||もどって|||
No, but the passengers are coming back.
「 彼ら は 地球 に 似た 世界 の コロニー に 送ら れる ―― 似て いる と 言って も 重要な ちがい は ある んだ が ね 。
かれら||ちきゅう||にた|せかい||ころにー||おくら||にて|||いって||じゅうような||||||
||earth||similar to|world||colony||sent|||||||significant||||||
"They are sent to a colony in a world that resembles the Earth--although there are important differences to say that they are similar.
この コロニー は どれ も 小さい 。
|ころにー||||ちいさい
|colony||||
All of these colonies are small.
いちばん 大きな もの でも たった 数 千 人 だ 。
|おおきな||||すう|せん|じん|
||||just||||
Even the biggest ones have only a few thousand people.
Даже самых крупных - всего несколько тысяч.
そこ に は 地球 に は ない ような 問題 が ある ―― しかも やっかいな 問題 だ 。
|||ちきゅう|||||もんだい|||||もんだい|
||||||||||||troublesome||
||||||||||||厄介な||
There is a problem there that does not exist on Earth-and it is a troublesome problem.
Там есть проблема, которой нет на Земле, и это серьезная проблема.
天然 資源 も 同じじゃ ない 。
てんねん|しげん||おなじじゃ|
natural|resources||not the same|
Natural resources are not the same.
そこ から 生まれる 文化 は 地球 の もの と は 大いに 異なる だろう 。
||うまれる|ぶんか||ちきゅう|||||おおいに|ことなる|
||||||||||greatly||
The culture that emerges from it will be very different from that of the earth.
銀河 系 評議 会 は 結果 に 大きな 関心 を 抱いて いる ―― はっきり した 結果 が 出る まで 千 年 か そこら は かかる だろう が 」
ぎんが|けい|ひょうぎ|かい||けっか||おおきな|かんしん||いだいて||||けっか||でる||せん|とし||||||
||council|||result|||interest||holding|||||||||||||||
The Galactic Council is very interested in the results-although it will take a thousand years or so to get clear results. "
「 しかし 乗客 は 戻って きて いる 」 と メル は くり返した 。
|じょうきゃく||もどって||||||くりかえした
|||||||||repeated
But the passengers are coming back," Mel reiterated.
「 あんた が 連れ戻して いる じゃ ない か 」
||つれもどして||||
you||bringing back||||
"You're bringing him back."
「 送り出さ れた 地球 人 ひとりひとり にたいして 、 身代わり が 送り 返さ れる のだ 。
おくりださ||ちきゅう|じん||に たいして|みがわり||おくり|かえさ||
sent out||earth||each person|toward|substitute|||returned||
|||||||||返される||
For each person sent out, a substitute is sent back.
評議 会 が 提供 する アンドロイド だ よ 」
ひょうぎ|かい||ていきょう||||
|||provides||android||
|||||Android||
It's an android provided by the council."
「 アンドロイド !
Android !
」 メル は しだいに 理性 的で いられ なく なった 。
|||りせい|てきで|いら れ||
||gradually|reason|rational|could not||
Mel was becoming less and less rational.
Постепенно Мэл утратил способность рассуждать.
自分 が 怒鳴り 声 を 出して いる こと が わかった 。
じぶん||どなり|こえ||だして||||
||yelling|||||||
I knew I was yelling.
Я кричал.
「 それ じゃ 、 アリス は ―― 死んだ アリス は アンドロイド で 、 妻 じゃ なかった んだ な !
||||しんだ|||||つま||||
||||||||||well|||
So Alice - the dead Alice - was an android, not his wife!
ぼく の アリス は まだ 生きて いる んだ な !
|||||いきて|||
My Alice is still alive, isn't she?
彼女 の いる ところ へ 連れて いって くれ ――」
かのじょ|||||つれて||
|||||to take||
Take me to her.
コネモーラ は うなずいた 。
Kone Mora||nodded
Cone Mora nodded.
「 アリス は まだ 生きて いる 。
|||いきて|
Alice is still alive.
元気だ よ 。
げんきだ|
well|
I'm fine.
なんの 危害 も 加えられて いない 」
|きがい||くわえ られて|
|harm||added|
No harm has been done."
「 彼女 の ところ へ 連れて いって くれ !
かのじょ||||つれて||
"Take me to her!
」 自分 が 懇願 して いる こと は わかって いた が 、 胸 の 張り裂け そうな 想い に 、 自尊心 など かまって いられ なかった 。
じぶん||こんがん||||||||むね||はりさけ|そう な|おもい||じそんしん|||いら れ|
||pleading||||||||chest||about to burst||feelings||self-esteem||didn't care||
||||||||||||張り裂けそう||||プライド||気にして||
I knew I was begging, but I couldn't let my pride get in the way of my heartbreaking feelings.
コネモーラ は 彼 の 懇願 を 無視 して いる ようだった 。
||かれ||こんがん||むし|||
||||plea||ignored|||
Cone Mora seemed to ignore his pleas.
「 地球 の 人口 は 上流 階級 の 人々 を 取り除く こと で ゆっくり と 減り つつ ある 。
ちきゅう||じんこう||じょうりゅう|かいきゅう||ひとびと||とりのぞく|||||へり||
||population||upper class|upper class||people||remove|||||decreasing||
"The Earth's population is slowly declining by removing upper class people.
アンドロイド は なり かわった 人々 と そっくりに 行動 する が 、 地球 人 に 内在 する 破壊 性 に は 反応 し ない よう あらかじめ 調整 されて いる 」
||||ひとびと|||こうどう|||ちきゅう|じん||ないざい||はかい|せい|||はんのう|||||ちょうせい|さ れて|
|||changed|||exactly like|act|||||locative particle|inherent||destructiveness||||reaction||||in advance|adjusted||
||なり||||||||||||||||||||||||
Androids behave exactly like the people they impersonate, but are pre-tuned to not react to the destructive nature of the Earth. "
Андроиды ведут себя точно так же, как люди, которых они олицетворяют, но предварительно настроены так, чтобы не реагировать на деструктивную природу людей на Земле ».
猛烈な 怒り が メル の 中 に 湧いて きた ようだった 。
もうれつな|いかり||||なか||わいて||
intense|||||||boiled up||
It was as if a fierce anger had welled up inside Mel.
「 ぼく と アリス を 分かれ 分かれ に する 権利 は あんた に は ない ぞ 。
||||わかれ|わかれ|||けんり||||||
||||separate|separate|||right||||||
You have no right to separate me from Alice.
彼女 の ところ へ 案内 しろ !
かのじょ||||あんない|
||||guide|
Take me to her!
怒り が 燃え上がり 、 彼 は 前 に 飛び出した 。
いかり||もえあがり|かれ||ぜん||とびだした
||flared up|||||
His anger flared and he leaped forward.
コネモーラ の 手中 に あった 小型 拳銃 が 二 度 火 を 噴いた 。
||しゅちゅう|||こがた|けんじゅう||ふた|たび|ひ||ふいた
||in hand|||small|handgun||||||fired shots
||||||handgun||||||
A small pistol in the hands of Conemora blew fire twice.
メル は 驚愕 の その 瞬間 、 身体 に 二 回 、 衝撃 を 感じた 。
||きょうがく|||しゅんかん|からだ||ふた|かい|しょうげき||かんじた
||astonishment||||||||shock||
||shock||||||||||
At that moment of astonishment, Mel felt two shocks to his body.
こんなふうに 終わる はずじゃ なかった 、 と 彼 は 思った 。
|おわる||||かれ||おもった
like this||wasn't|||||
It wasn't supposed to end this way, he thought.
アリス に 再会 でき ない まま 死んで いく なんて 。
||さいかい||||しんで||
||reunion||||||
I can't believe I'm going to die without seeing Alice again.
せめて 一 度 だけ でも ――
|ひと|たび||
at least||||
Just this once...