7.1 穢れた血と幽かな声 - Mudbloods and Murmurs
あい れた ち と ゆう かな こえ|mudbloods||murmurs
7.1 Schlammblüter und Murmeln - Schlammblüter und Murmeln
7.1 Mudbloods and Murmurs
7.1 Sang de boue et murmures - Sang de boue et murmures
7.1 Mudbloods and Murmurs - Mudbloods and Murmurs
7.1 Mudbloods and Murmurs - Mudbloods and Murmurs
第 7 章 穢 れた 血 と 幽 かな 声 - Mudbloods and Murmurs
だい|しょう|あい||ち||ゆう||こえ|mudbloods||murmurs
Chapter 7 Mudbloods and Murmurs
それ から 二 、 三 日 は 、 ギルデロイ ・ ロックハート が 廊下 を 歩いて くる の が 見える たび に 、 サッと 隠れる と いう 事 の 繰り返し で 、 ハリー は ずいぶん 時間 を 取ら れた 。
||ふた|みっ|ひ|||||ろうか||あるいて||||みえる|||さっと|かくれる|||こと||くりかえし|||||じかん||とら|
Then, for a few days, Harry took a lot of time to hide quickly every time he saw Gilderoy Lockhart walking down the hallway.
それ より 厄介な の が コリン ・ クリービー だった 。
||やっかいな|||||
More troubling was Colin Creevy.
どうも ハリー の 時間割 を 暗記 して いる らしい 。
|||じかんわり||あんき|||
Apparently he memorizes Harry's timetable.
「 ハリー 、 元 気 かい ?」 と 一 日 に 六 回 も 七 回 も 呼びかけ 、「 や ぁ 、 コリン 」 と ハリー に 返事 を して もらう だけ で 、 たとえ ハリー が どんなに 迷惑 そうな 声 を 出そう が 、 コリン は 最高に わくわく して い る ようだった 。
|もと|き|||ひと|ひ||むっ|かい||なな|かい||よびかけ|||||||へんじ||||||||||めいわく|そう な|こえ||だそう||||さいこうに|||||
"Harry, how are you?" six or seven times a day. six or seven times a day, and just to have Harry reply, "Hi, Colin," no matter how annoyed he sounded, seemed to thrill Colin to no end.
ヘドウィグ は あの ひどく 惨めな 空 の ドライブ の こと で 、 ハリー に 腹 を 立てっぱなし だった し 、 ロン の 杖 は 相変わらず 使い物 に なら なかった 。
||||みじめな|から||どらいぶ||||||はら||たて っぱなし|||||つえ||あいかわらず|つかいもの|||
Hedwig was angry with Harry for that terribly miserable empty drive, and Ron's wand remained useless.
金曜日 の 午前 、「 妖精 の 魔法 」 の 授業 中 に 、 杖 は キレ て ロン の 手 から 飛び出し 、 チビ の 老 教授 、 フリットウィック 先生 の 眉間 に まと も に 当たり 、 そこ が 大きく 腫れあがって 、 ズキンズキン 痚 そうな 緑色 の 瘤 を 作った 。
きんようび||ごぜん|ようせい||まほう||じゅぎょう|なか||つえ||きれ||||て||とびだし|||ろう|きょうじゅ||せんせい||みけん|||||あたり|||おおきく|はれあがって|||そう な|みどりいろ||こぶ||つくった
On Friday morning, during "Fairy Magic" class, the wand snaps out of Ron's hand and hits little old Professor Flitwick right between the eyes, causing a large, swollen, green bump to form that looks like it could throb.
あれ や これ や で 、 ハリー は やっと 週 末 に なって ほっと した 。
||||||||しゅう|すえ||||
After all that had happened, Harry was relieved that the end of the week had finally arrived.
土曜日 の 午前 中 に 、 ロン や ハーマイオ ニー と 一緒に 、 ハリー は は グリッド を 訪ねる 予定 だった 。
どようび||ごぜん|なか|||||||いっしょに||||||たずねる|よてい|
ところが 、 起きたい と 思って いた 時間 より 数 時間 も 早く 、 グリフィンドール ・ クィディッチ ・ チーム の キャプテン 、 オリ バー ・ ウッド に 揺り起こさ れた 。
|おき たい||おもって||じかん||すう|じかん||はやく|||ちーむ||きゃぷてん||ばー|||ゆりおこさ|
However, several hours earlier than he had hoped to wake up, he was roused by Oliver Wood, captain of the Gryffindor Quidditch team.
「 に ゃに ごと な の ?」 と ハリー は 寝ぼけ 声 を 出した 。
||||||||ねぼけ|こえ||だした
What the hell? Harry said in a sleepy voice.
「 クィディッチ の 練習 だ ! 起きろ !」 ウッド が 怒鳴った 。
||れんしゅう||おきろ|||どなった
ハリー は 薄 め を 開けて 窓 の 方 を 見た 。
||うす|||あけて|まど||かた||みた
Harry opened his eyelids and looked at the window.
ピンク と 金色 の 空 に うっすら と 朝靄 が かかって いる 。
ぴんく||きんいろ||から||||あさもや|||
The pink and golden sky was slightly covered with morning mist.
目 が 覚めて みれば 、 こんなに 鳥 が 騒がしく 鳴いて いる のに 、 よく 寝て いられた もの だ と 思った 。
め||さめて|||ちょう||さわがしく|ないて||||ねて|いら れた||||おもった
When I woke up, I thought that the bird was so noisy, but I slept well.
「 オリバー 、 夜 が 明けた ばかりじゃ ない か 」 ハリー は かすれ 声 で 言った 。
|よ||あけた|||||||こえ||いった
"Oliver, isn't it just dawn?" Harry said in a faint voice.
「 その 通り 」
|とおり
" that's right "
ウッド は 背 が 高く たくましい 六 年生 で 、 その 目 は 、 今や 普通 と は 思え ない 情熱 で ギラギラ 輝 いて いた 。
||せ||たかく||むっ|ねんせい|||め||いまや|ふつう|||おもえ||じょうねつ||ぎらぎら|あきら||
Wood was a tall and strong sixth grader, and his eyes were shining with an unusual passion.
「 これ も 新しい 練習 計画 の 一部 だ 。
||あたらしい|れんしゅう|けいかく||いちぶ|
This is part of the new practice plan.
さあ 、 箒 を 持て 、 行く ぞ 」 ウッド が 威勢 よく 言った 。
|そう||もて|いく||||いせい||いった
「 他の チーム は まだ どこ も 練習 を 開始 して いない 。
たの|ちーむ|||||れんしゅう||かいし||
“No other team has started practicing yet.
今年 は 我々 が 一番乗り だ ......」
ことし||われわれ||いちばんのり|
あくび と 一緒に 、 尐 し 身震い し ながら 、 ハリー は ベッド から 降りて 、 クィディッチ 用 の ロー ブ を 探した 。
||いっしょに|||みぶるい|||||べっど||おりて||よう|||||さがした
「 それ で こそ 男 だ 。
|||おとこ|
"That's why he's a man.
十五 分 後 に 競技 場 で 会おう 」 と ウッド が 言った 。
じゅうご|ぶん|あと||きょうぎ|じょう||あおう||||いった
See you on the field in 15 minutes," Wood said.
チーム の ユニフォーム 、 深紅 の ローブ を 探し出し 、 寒い ので その 上 に マント を 着た 。
ちーむ||ゆにふぉーむ|しんく||||さがしだし|さむい|||うえ||まんと||きた
He found a team uniform, a crimson robe, and put on a cape over it because it was cold.
ロン に 走り書き で 行き先 を 告げる メモ を 残し 、 ハリー は ニンバス 2000 を 肩 に 、 螺旋 階段 を 下 り 、 談話 室 へ 向かった 。
||はしりがき||いきさき||つげる|めも||のこし|||||かた||らせん|かいだん||した||だんわ|しつ||むかった
肖僕 画 の 穴 に 着いた その とき 、 後ろ で ガタガタ 音 が した か と 思う と 、 コリン ・ クリービー が 、 螺旋 階段 を 転がる ように 駆け 下りて きた 。
しょうぼく|が||あな||ついた|||うしろ||がたがた|おと|||||おもう|||||らせん|かいだん||ころがる||かけ|おりて|
首 から かけた カメラ が ブランブラン 大きく 揺れ 、 手 に 何 か を 握りしめて いた 。
くび|||かめら|||おおきく|ゆれ|て||なん|||にぎりしめて|
The camera around his neck was swinging wildly, and he was clutching something in his hand.
「 階段 の ところ で 誰 か が 君 の 名前 を 呼ぶ の が 聞えた んだ 。
かいだん||||だれ|||きみ||なまえ||よぶ|||きこえた|
I heard someone calling your name on the stairs.
ハリー ! これ 、 なんだか わかる ? 現像 した んだ 。
||||げんぞう||
Harry! Do you know what this is? I developed it.
君 に これ を 見せ たくて ――」
きみ||||みせ|
I wanted to show you this.
コリン が 得意 げ に ヒラヒラ さ せて いる 写真 を 、 ハリー は なんだか わから ない まま に 覗いた 。
||とくい|||ひらひら||||しゃしん|||||||||のぞいた
Harry peeked at the photo that Colin was proud of, without knowing what it was.
白黒 写真 の ロック ハート が 、 誰 か の 腕 を ぐいぐい 引っ張って いる 。
しろくろ|しゃしん||ろっく|はーと||だれ|||うで|||ひっぱって|
Lockhart, in the black-and-white photo, is pulling on someone's arm.
ハリー は それ が 自分 の 腕 だ と わかった 。
||||じぶん||うで|||
Harry knew it was his arm.
写真 の ハリー が なかなか がんばって 、 画面 に 引き込ま れ まい と 抵抗 して いる の を 見て ハリー は 嬉しく なった 。
しゃしん||||||がめん||ひきこま||||ていこう|||||みて|||うれしく|
Harry was happy to see Harry in the picture doing his best and resisting being drawn into the screen.
ハリー が 写真 を 見て いる うち に 、 ロックハート は ついに 諦 め 、 ハーハー 息 を 切らし ながら 、 写真 の 白 枞 に もたれて へたり込んだ 。
||しゃしん||みて|||||||てい|||いき||きらし||しゃしん||しろ|||もた れて|へたりこんだ
While Harry was looking at the photo, Lockhart finally gave up, and while he was out of breath, he leaned against the white shackles of the photo and sank.
「 これ に サイン して くれる ?」 コリン が 拝む ように 言った 。
||さいん|||||おがむ||いった
"Will you sign this?" Colin said to worship.
「 ダメ 」
だめ
" No good "
即座に 断り ながら 、 ハリー は あたり を 見回し 、 ほんとうに 誰 も 談話 室 に いない か どう か 確か め た 。
そくざに|ことわり||||||みまわし||だれ||だんわ|しつ||||||たしか||
With an immediate refusal, Harry looked around and made sure that no one was really in the lounge.
「 ごめん ね 、 コリン 、 急ぐ んだ ―― クィディッチ の 練習 で 」
|||いそぐ||||れんしゅう|
"Sorry, Colin, I'm in a hurry - Quidditch practice."
ハリー は 肖僕 画 の 穴 を よじ登った 。
||しょうぼく|が||あな||よじのぼった
「 ウヮッ ! 待って よく クィディッチって 、 僕 、 見た こと ない んだ !」 コリン も 肖像 画 の 穴 を 這い上がって ついてきた 。
|まって||クィディッチ って|ぼく|みた||||||しょうぞう|が||あな||はいあがって|
"Whoa! I've never seen Quidditch before! Colin crawled up through the portrait hole and followed me.
「 きっと ものすごく つま ん ない よ 」
"I'm sure it's really boring."
ハリー が 慌てて 言った が 、 コリン の 耳 に は 入ら ない 。
||あわてて|いった||||みみ|||はいら|
興奮 で 顔 を 輝か せて いた 。
こうふん||かお||かがやか||
The excitement made her face shine.
「 君って 、 この 百 年間 で 最 年 尐 の 寮 代表 選手 なん だって ? ね 、 ハリー 、 そう な の ?」 コリン は ハリー と 並んで トコトコ 小走り に なって 歩いた 。
きみ って||ひゃく|ねんかん||さい|とし|||りょう|だいひょう|せんしゅ||||||||||||ならんで||こばしり|||あるいた
"You're the youngest varsity sorority girl in a hundred years, aren't you? Isn't that right, Harry? Colin trotted alongside Harry.
「 君って 、 きっと ものすごく 巧 いんだ ね 。
きみ って|||こう||
"You're definitely very good at it, aren't you?
僕 、 飛んだ こと ない んだ 。
ぼく|とんだ|||
I've never flown.
簡単 ? それ 、 君 の 箒 な の ? それって 、 一 番 いい やつ な の ?」 ハリー は どう やって コリン を 追っ払えば いい の か 途方 に くれた 。
かんたん||きみ||そう|||それ って|ひと|ばん|||||||||||つい っ はらえば||||とほう||
Easy? Is it your broom? Is that the best one? "Harry was at a loss how to get rid of Colin.
まるで 、 恐ろしく おしゃ べ り な 自分 の 影法師 に つきまとわれて いる ようだった 。
|おそろしく|||||じぶん||かげぼうし||つきまとわ れて||
It was as if he was obsessed with his horribly talkative shadow master.
コリン は 息 を はずま せて しゃべり 続けて いる 。
||いき|||||つづけて|
Colin continues to talk, but with his breath held back.
「 クィディッチって 、 僕 、 あんまり 知ら ない んだ 。
クィディッチ って|ぼく||しら||
ボール が 四 つ あるって ほんと ? そして そ の うち の 二 つ が 、 飛び回って 、 選手 を 箒 から 叩き 落とす んだって ?」 「 そうだ よ 」 ハリー は やれやれ と 諦めて 、 クィディッチ の 複雑な ルール に ついて 説明 する こと に した 。
ぼーる||よっ||ある って|||||||ふた|||とびまわって|せんしゅ||そう||たたき|おとす|ん だって|そう だ||||||あきらめて|||ふくざつな|るーる|||せつめい||||
Really there are four balls? And two of them fly around and knock the player off the broom? "" That's right. "Harry gave up and explained Quidditch's complicated rules. I decided to do it.
「 その ボール は ブラッジャーって いう んだ 。
|ぼーる||ブラッジャー って||
チーム に は 二 人 の ビーター が いて 、 クラブって いう 棍棒 で ブラッジャー を 叩いて 、 自分 の チーム から ブラッジャー を 追っ払う んだ 。
ちーむ|||ふた|じん|||||くらぶ って||こんぼう||||たたいて|じぶん||ちーむ||||お っ はらう|
There are two beaters on the team, hitting the braggers with a club club and driving them away from their team.
フレッ ド と ジョージ ・ ウィーズリー が グリフィンドール の ビーター だ よ 」
|||じょーじ|||||||
「 それ じゃ 、 他の ボール は なんの ため な の ?」
||たの|ぼーる|||||
コリン は ポカッ と 口 を 開けた まま ハリー に 見とれて 、 階段 を ニ 、 三 段 踏みはずし そうに なり ながら 聞いた 。
||||くち||あけた||||みとれて|かいだん|||みっ|だん|ふみはずし|そう に|||きいた
Colin was staring at Harry with his mouth open, and heard as he was about to step down the stairs and three steps.
「 えー と 、 まず クァッフル ―― 一 番 大きい 赤い やつ ―― これ を ゴール に 入れて 点 を 取る 。
||||ひと|ばん|おおきい|あかい||||ごーる||いれて|てん||とる
Well, first of all, the quaffle - the biggest red one - is put into the goal to score a point.
各 チーム に チェイサー が 三 人 いて 、 クァッフル を パス し 合って 、 コート の 端に ある ゴール を 通 過 さ せる ―― ゴールって 、 てっぺん に 輪っか が ついた 長い 柱 で 、 両端 に 三 本 ずつ 立って る 」 「 それ で 四 番 目 の ボール が ――」 「 金色 の スニッチ だ よ 」 ハリー が あと を 続けた 。
かく|ちーむ||||みっ|じん||||ぱす||あって|こーと||はしたに||ごーる||つう|か|||ごーる って|||りん っか|||ながい|ちゅう||りょうたん||みっ|ほん||たって||||よっ|ばん|め||ぼーる||きんいろ|||||||||つづけた
Each team has three chasers who pass the quaffle to each other to get it past the goal at the end of the court--a goal is a long pole with a ring on the end, and there are three of them at each end. --The fourth ball is the Golden Snitch, Harry followed.
「 とても 小さい し 、 速くって 、 捕まえる の は 難しい 。
|ちいさい||はやく って|つかまえる|||むずかしい
だけど シーカー は それ を 捕まえ なく ちゃ いけない んだ 。
|||||つかまえ||||
But the Seeker has to catch it.
だって 、 クィディッチ の 試合 は 、 スニッチ を 捕まえる まで は 終わら ない んだ 。
|||しあい||||つかまえる|||おわら||
シーカー が スニッチ を 捕まえた 方 の チーム に は 一五〇 点 追加 さ れる 」
||||つかまえた|かた||ちーむ|||いちご|てん|ついか||
「 そして 、 君 は グリフィンドール の シーカー な んだ 。
|きみ||||||
ね ?」 コリン は 尊敬 の まなざし で 言った 。
|||そんけい||||いった
「 そうだ よ 」
そう だ|
二 人 は 城 を あと に し 、 朝露 で しっとり 塗れた 芝生 を 横切り はじめた 。
ふた|じん||しろ|||||あさつゆ|||ぬれた|しばふ||よこぎり|
They left the castle and began to walk across the lawn, which was moist with morning dew.
「 それ から キーパー が いる 。
||きーぱー||
Then there is the keeper.
ゴール を 守る んだ 。
ごーる||まもる|
それ で だいたい おしまい だ よ 。
That's pretty much it.
うん 」
それ でも コリン は 質問 を やめ なかった 。
||||しつもん|||
芝生 の 斜面 を 下りる 間 も 、 クィディッチ 競技 場 に つ くまで ずっと ハリー を 質問 攻め に し 、 やっと 振り払う こと が できた の は 、 更衣室 に たどり 着 いた とき だった 。
しばふ||しゃめん||おりる|あいだ|||きょうぎ|じょう|||||||しつもん|せめ||||ふりはらう||||||こういしつ|||ちゃく|||
It was only when I arrived at the changing room that I was able to attack Harry asking questions all the way down the grass slopes to the Quidditch stadium and finally shake them off.
「 僕 、 いい 席 を 取り に 行く !」 コリン は ハリー の 後ろ から 上ずった 声 で 呼びかけ 、 スタンド の 方 に 走って 行った 。
ぼく||せき||とり||いく|||||うしろ||うわずった|こえ||よびかけ|すたんど||かた||はしって|おこなった
グリフィンドール の 選手 たち は もう 更衣室 に 来て いた 。
||せんしゅ||||こういしつ||きて|
バッチリ 目覚めて いる の は ウッド だ け の ようだった 。
|めざめて||||||||
It seemed that only Wood was awake.
フレッド と ジョージ は 腫れぼったい 目 で 、 くしゃくしゃ 髪 の まま 座り込 ん で いたし 、 その 隣 の 四 年生 の チェイサー 、 アリシア ・ スピネット と きたら 、 後ろ の 壁 に もたれて コックリコックリ して いる ようだった 。
||じょーじ||はれぼったい|め|||かみ|||すわりこ|||||となり||よっ|ねんせい|||||||うしろ||かべ||もた れて||||
Fred and George sat with swollen eyes and mussed hair, while their fourth grade chaser, Alicia Spinnette, leaned against the back wall and cocked her head back.
その 向かい 側 で 、 チェイサー 仲間 の ケイティ ・ ベル と アンジェリーナ ・ ジョンソナ が 並んで あくび を して いた 。
|むかい|がわ|||なかま|||べる|||||ならんで||||
Across from them, fellow chasers Katie Bell and Angelina Johnson were yawning side by side.
「 遅い ぞ ハリー 。
おそい||
"You're late, Harry.
どうかした か ?」 ウッド が きびきび と 言った 。
||||||いった
What's wrong? Wood said briskly.
「 グラウンド に 出る 前 に 、 諸君 に 手短に 説明 して おこう 。
ぐらうんど||でる|ぜん||しょくん||てみじかに|せつめい||
"Before going out to the ground, let me give you a brief explanation.
ひと 夏 かけて 、 まったく 新しい 練 習 方法 を 編み出した んだ 。
|なつ|||あたらしい|ね|なら|ほうほう||あみだした|
Over the course of a summer, we developed a whole new way of training.
これ なら 絶対 、 今 まで と は でき が 違う ......」
||ぜったい|いま||||||ちがう
If this is the case, it will definitely be different than before ... "
ウッド は クィディッチ 競技 場 の 大きな 図 を 掲げた 。
|||きょうぎ|じょう||おおきな|ず||かかげた
図 に は 線 やら 矢印 やら バッテン が いく つ も 、 色とりどりの インク で 書き込まれて いる 。
ず|||せん||やじるし|||||||いろとりどりの|いんく||かきこま れて|
ウッド が 杖 を 取り出して 図 を 叩く と 、 矢印 が 図 の 上 で 毛虫 の ように もぞもぞ 動き はじめた 。
||つえ||とりだして|ず||たたく||やじるし||ず||うえ||けむし||||うごき|
ウッド が 新 戦略 に ついて の 演説 を ぶち 挙げ は じ め る と 、 フレッド ・ ウィーズリー の 頭 が コトン と アリシア ・ スピネット の 肩 に 乗っかり 、 いびき を かき はじめた 。
||しん|せんりゃく||||えんぜつ|||あげ|||||||||あたま|||||||かた||のっかり||||
As Wood began giving a speech on the new strategy, Fred Weasley's head rested on the shoulders of Coton and Alicia Spinnet and began to snore.
一 枚 目 の 説明 に ほとんど 二十 分 かかった 。
ひと|まい|め||せつめい|||にじゅう|ぶん|
It took almost 20 minutes to explain the first piece.
その 下 から 二枚目 、 さらに 三枚目 が 出て きた 。
|した||にまいめ||さんまいめ||でて|
The second and third ones came out from the bottom.
ウッド が 延々と ぶち 挙げ 続ける の を 聞き ながら 、 ハリー は 、 ぼ ーっと 夢見 心地 に なって いった 。
||えんえんと||あげ|つづける|||きき|||||- っと|ゆめみ|ここち|||
Harry became a little dreamy, listening to Wood slamming endlessly.
「 と いう こと で ――」
"By that--"
やっと の こと で 、 ウッド が そう 言う の が 聞えた 。
|||||||いう|||きこえた
Finally, I heard Wood say so.
今ごろ 城 で は どんな 朝食 を 食べて いる んだ ろうと 、 おいしい 空想 に 耽って いた ハリー は 、 突然 現実 に 引き戻さ れた 。
いまごろ|しろ||||ちょうしょく||たべて|||||くうそう||たん って||||とつぜん|げんじつ||ひきもどさ|
Harry, who had been indulging in a delicious fantasy about what they were having for breakfast at the castle, was suddenly jolted back to reality.
「 諸君 、 わかった か ? 質問 は ?」
しょくん|||しつもん|
「 質問 、 オリバー 」 急に 目 が 覚めた ジョージ が 聞いた 。
しつもん||きゅうに|め||さめた|じょーじ||きいた
"Question, Oliver," George asked, suddenly awake.
「 今 まで 言った こと 、 どうして 昨日 の うち に 、 俺 たち が 起きて る うち に 言って くれ なかった ん だい ?」
いま||いった|||きのう||||おれ|||おきて||||いって||||
"What I said so far, why didn't you tell me yesterday while we were awake?"
ウッド は むっと した 。
Wood was disgusted.
「 いい か 、 諸君 、 よく 聞けよ 」 ウッド は みんな を にらみつけ ながら 言った 。
||しょくん||きけよ|||||||いった
Listen up, gentlemen," Wood said, glancing at everyone.
「 我々 は 去年 クィディッチ に 勝つ はずだった んだ 。
われわれ||きょねん|||かつ||
"We were supposed to beat Quidditch last year.
まちがい なく 最強の チーム だった 。
||さいきょうの|ちーむ|
Without a doubt, they were the best team.
残念 ながら 、 我々 の 力 で は どうにも なら ない 事態 が 起きて ......」
ざんねん||われわれ||ちから||||||じたい||おきて
Unfortunately, things happen that are beyond our control. ......
ハリー は 申し訳な さ そうに もじもじ した 。
||もうしわけな||そう に||
Harry grimaced apologetically.
昨年 の シーズン 最後 の 試合 の とき 、 ハリー は 意識 不明で 、 医務 室 に いた 。
さくねん||しーずん|さいご||しあい|||||いしき|ふめいで|いむ|しつ||
In the last game of the season last year, Harry was in the infirmary, unconscious.
グリフィンドール は 選手 一 人 欠場 の まま 、 この 三百 年 来 、 最悪 と い う 大 敗北 に 泣いた 。
||せんしゅ|ひと|じん|けつじょう||||さんびゃく|とし|らい|さいあく||||だい|はいぼく||ないた
Gryffindor was left without a player and cried the worst defeat in its 300-year history.
ウッド が 平静 を 取り戻す のに 、 一 瞬間 を 置いた 。
||へいせい||とりもどす||ひと|しゅんかん||おいた
It took Wood a moment to regain his composure.
前回 の 大 敗北 が ウッド を 胃 まで も 苦しめて いる に 違いない 。
ぜんかい||だい|はいぼく||||い|||くるしめて|||ちがいない
The last defeat must have been hard on Wood's stomach.
「 だ から 、 今年 は 今 まで より 厳しく 練習 したい ...... よ ー し 、 行こう か 。
||ことし||いま|||きびしく|れんしゅう|し たい||-||いこう|
新しい 戦術 を 実践 す る んだ !」
あたらしい|せんじゅつ||じっせん|||
We need to practice new tactics!
ウッド は 大声 で そう 言う なり 、 箒 を ぐ いと つかみ 、 先頭 を 切って 更衣室 から 出て 行った 。
||おおごえ|||いう||そう|||||せんとう||きって|こういしつ||でて|おこなった
他 の 選手 たち は 、 足 を 引きずり 、 あくび を 連発 し ながら あと に 続いた 。
た||せんしゅ|||あし||ひきずり|||れんぱつ|||||つづいた
ずいぶん 長い 間 更衣室 に いた ので 、 競技 場 の 芝生 に は まだ 名残 の 霧 が 漂って は いた が 、 太陽 は もう しっかり 昇って いた 。
|ながい|あいだ|こういしつ||||きょうぎ|じょう||しばふ||||なごり||きり||ただよって||||たいよう||||のぼって|
I had been in the changing room for so long that there was still some remnant fog on the lawn of the stadium, but the sun had already risen.
グラウンド を 歩き ながら 、 ハリー は ロン と ハーマイオニー が ス タンド に 座って いる の を 見つけた 。
ぐらうんど||あるき|||||||||||すわって||||みつけた
「 まだ 終わって ない の かい ?」 ロン が 信じられ ない と いう 顔 を した 。
|おわって||||||しんじ られ||||かお||
"Isn't it over yet?" Ron said he couldn't believe it.
「 まだ 始まって も いない んだ よ 。
|はじまって||||
It hasn't even started yet.
ウッド が 新しい 動き を 教えて くれた んだ 」
||あたらしい|うごき||おしえて||
Wood has taught me a new dynamic."
ロン と ハーマイオニー が 大広間 から 持ち出して きた マーマレード ・ トースト を ハリー は 羨ま し そうな 目 で 見た 。
||||おおひろま||もちだして|||とーすと||||うらやま||そう な|め||みた
Harry looked enviously at the marmalade toast that Ron and Hermione had brought out of the Great Hall.
箒 に またがり 、 ハリー は 地面 を 蹴って 空中 に 舞い上がった 。
そう|||||じめん||けって|くうちゅう||まいあがった
冷たい 朝 の 空気 が 顔 を 打ち 、 ウッド の 長たらしい 演説 より ずっと 効果 的な 目覚まし だった 。
つめたい|あさ||くうき||かお||うち|||ながたらしい|えんぜつ|||こうか|てきな|めざまし|
クィディッチ ・ グラウンド に また 戻って きた 。
|ぐらうんど|||もどって|
I'm back on the Quidditch field again.
なんて すばらしい んだろう 。
ハリー は フレッド や ジョージ と 競争 し ながら 競技 場 の 周り を 全速力 で 飛び回った 。
||||じょーじ||きょうそう|||きょうぎ|じょう||まわり||ぜんそくりょく||とびまわった
Harry flew around the field at full speed, competing with Fred and George.
「 カシャッカシャッ て 変な 音 が する けど 、 なんだ ろ ?」
||へんな|おと|||||
"It makes a strange noise, but what is it?"
コーナー を 回り込み ながら フレッド が 言った 。
こーなー||まわりこみ||||いった
ハリー が スタンド の 方 を 見る と 、 コリン だった 。
||すたんど||かた||みる|||
最 後部 の 座席 に 座って 、 カメラ を 高く 掲 げ 、 次 から 次 へ と 写真 を 撮り まくって いる 。
さい|こうぶ||ざせき||すわって|かめら||たかく|けい||つぎ||つぎ|||しゃしん||とり||
人気 の ない 競技 場 で 、 その 音 が 異常に 大きく 聞 えた 。
にんき|||きょうぎ|じょう|||おと||いじょうに|おおきく|き|
The sound sounded unusually loud on an otherwise unpopular playing field.
「 こっち を 向いて 、 ハリー ! こっち だ よく 」 コリン は 黄色い 声 を 出した 。
||むいて|||||||きいろい|こえ||だした
「 誰 だ ? あいつ 」 と フレッド が 言った 。
だれ||||||いった
「 全然 知ら ない 」
ぜんぜん|しら|
ハリー は 嘘 を ついた 。
||うそ||
そして 、 スパート を かけ 、 コリン から できる だけ 離れた 。
|すぱーと|||||||はなれた
Then, I spurted it and kept it as far away from Colin as possible.
「 いったい な んだ ? あれ は 」
"What the hell is that? What is that?
しかめっ面 で ウッド が 二 人 の 方 へ 、 スイーッ と 風 に 乗って 飛んで きた 。
しかめ っ おもて||||ふた|じん||かた||||かぜ||のって|とんで|
With a frown on his face, Wood swooped toward them on the wind.
「 なんで あの 一 年 坊主 は 写真 を 撮って る んだ ? 気 に 入ら ない なあ 。
||ひと|とし|ぼうず||しゃしん||とって|||き||はいら||
"Why is that one-year-old boy taking pictures? I don't like it.
我々 の 新しい 練習 方法 を 盗み に きた 、 スリザリン の スパイ かも しれ ない ぞ 」
われわれ||あたらしい|れんしゅう|ほうほう||ぬすみ|||||すぱい||||
It could be a Slytherin spy trying to steal our new training methods."
「 あの 子 、 グリフィンドール だ よ 」 ハリー は 慌てて 言った 。
|こ||||||あわてて|いった
She's a Gryffindor," Harry said hurriedly.
「 それ に 、 オリバー 、 スリザリン に スパイ なんて 必要 ない ぜ 」 と ジョージ も 言った 。
|||||すぱい||ひつよう||||じょーじ||いった
「 なんで そんな こと が 言える んだ ?」 ウッド は 短気に なった 。
||||いえる||||たんきに|
"Why can you say that?" Wood became impatient.
「 ご 本人 たち が お出まし さ 」
|ほんにん|||おでまし|
"They are here to see you."
ジョージ が 指差した 方 を 見る と 、 グリーン の ローブ を 着込んで 、 箒 を 手 に 、 数 人 が 競技 場 に 入って くる ところ だった 。
じょーじ||ゆびさした|かた||みる||ぐりーん||||きこんで|そう||て||すう|じん||きょうぎ|じょう||はいって|||
I looked in the direction George pointed and saw several people entering the stadium wearing green robes and holding brooms.
「 そんな はず は ない 」 ウッド が 怒り で 歯ぎしり した 。
||||||いかり||はぎしり|
"That shouldn't be the case," Wood bruxed with anger.
「 この 競技 場 を 今日 予約 して る の は 僕 だ 。
|きょうぎ|じょう||きょう|よやく|||||ぼく|
話 を つけて くるり 」
はなし|||
Talk to me, Kuru."
ウッド は 一直線 に グラウンド に 向かった 。
||いっちょくせん||ぐらうんど||むかった
Wood headed straight for the field.
怒り の ため 、 着地 で 勢い あまって 突っ込み 気味に なり 、 箒 から 降りる とき も 尐 し よろめいた 。
いかり|||ちゃくち||いきおい||つっこみ|ぎみに||そう||おりる|||||
In his anger, he became so energetic on landing that he almost plunged into the air and staggered a bit when he got off his broom.
ハリー 、 フレッド 、 ジョージ も ウッド に 続いた 。
||じょーじ||||つづいた
Harry, Fred and George followed Wood.
「 フリント !」
ウッド は スリザリン の キャプテン に 向かって 怒鳴った 。
||||きゃぷてん||むかって|どなった
「 我々 の 練習 時間 だ 。
われわれ||れんしゅう|じかん|
その ため に 特別に 早起き した んだ ! 今 すぐ 立ち去って もらおう !」
|||とくべつに|はやおき|||いま||たちさって|
マーカス ・ フリント は ウッド より さらに 大きい 。
||||||おおきい
Marcus Flint is even bigger than Wood.
トロール 並み の ずる そうな 表情 を 浮かべ 、 「 ウッド 、 俺 たち 全部 が 使える ぐらい 広い だ ろ 」 と 答えた 。
|なみ|||そう な|ひょうじょう||うかべ||おれ||ぜんぶ||つかえる||ひろい||||こたえた
With a sly look like a troll, he replied, "Wood, it's wide enough for us all to use."
アンジェリーナ 、 アリシア 、 ケイティ も やってきた 。
スリザリン に は 女子 選手 は 一 人 も いない ―― グリフィンドール の 選手 の 前 に 肩 と 肩 を くっつ け て 立ちはだかり 、 全員 が ニヤニヤ して いる 。
|||じょし|せんしゅ||ひと|じん|||||せんしゅ||ぜん||かた||かた|||||たちはだかり|ぜんいん||||
There are no female athletes in Slytherin--all grinning, standing in front of Gryffindor's athletes with their shoulders stuck together.
「 いや 、 ここ は 僕 が 予約 した んだ !」 怒り で 唾 を 飛び 散らし ながら ウッド が 叫んだ 。
|||ぼく||よやく|||いかり||つば||とび|ちらし||||さけんだ
No, I'm the one who booked this place! Wood shouted, spitting in anger.
「 僕 が 予約 した んだ ぞ ?」
ぼく||よやく|||
"I made the reservations. What do you mean?"
「 ヘン 、 こっち に は スネイプ 先生 が 、 特別に サイン して くれた メモ が ある ぞ 。
|||||せんせい||とくべつに|さいん|||めも|||
"Hen, I have a note signed especially for you by Professor Snape.
『 私 、 スネイ プ 教授 は 、 本日 クィディッチ 競技 場 に おいて 、 新人 シーカー を 教育 する 必要 が ある ため 、 ス リザリン ・ チーム が 練習 する こと を 許可 する 』」
わたくし|||きょうじゅ||ほんじつ||きょうぎ|じょう|||しんじん|||きょういく||ひつよう||||||ちーむ||れんしゅう||||きょか|
「 新しい シーカー だって ? どこ に ?」 ウッド の 注意 が 逸れた 。
あたらしい|||||||ちゅうい||それた
"A new Seeker? Where? Wood's attention was diverted.
目の前 の 大きな 六 人 の 後ろ から 、 小さな 七 番 目 が 現れた 。
めのまえ||おおきな|むっ|じん||うしろ||ちいさな|なな|ばん|め||あらわれた
From behind the big six in front of me, a small seventh appeared.
青白い 尖った 顔 いっぱい に 得意 げ な 笑い を 浮かべて いる 。
あおじろい|とがった|かお|||とくい|||わらい||うかべて|
ドラコ ・ マルフォイ だった 。
「 ルシウス ・ マルフォイ の 息子 じゃ ない か 」 フレッド が 嫌悪 感 を むき出しに した 。
|||むすこ||||||けんお|かん||むきだしに|
「 ドラコ の 父親 を 持ち出す と は 、 偶然 の 一致 だ な 」
||ちちおや||もちだす|||ぐうぜん||いっち||
"It's a coincidence to bring out Draco's father."
フリント の 言葉 で 、 スリザリン ・ チーム 全員 が ますます ニヤニヤ した 。
||ことば|||ちーむ|ぜんいん||||
「 その方 が スリザリン ・ チーム に くださった ありがたい 贈 物 を 見せて やろう じゃ ない か 」
そのほう|||ちーむ||||おく|ぶつ||みせて||||
"Let's show him what a generous gift he's given to the Slytherin team."
七 人 全員 が 揃って 自分 の 箒 を 突き出した 。
なな|じん|ぜんいん||そろって|じぶん||そう||つきだした
七 本 と も ピカピカ に 磨き上げられた 新品 の 柄 に 、 美しい 金 文字 で 銘 が 書かれて いる 。
なな|ほん|||ぴかぴか||みがきあげ られた|しんぴん||え||うつくしい|きむ|もじ||めい||かか れて|
「 ニンバス 2001」
グリフィンドール 選手 の 鼻先 で その 文字 は 朝 の 光 を 受けて 輝いて いた 。
|せんしゅ||はなさき|||もじ||あさ||ひかり||うけて|かがやいて|
「 最新 型 だ 。
さいしん|かた|
先月 出た ばかり さ 」
せんげつ|でた||
フリント は 無造作に そう 言って 、 自分 の 箒 の 先 に ついて いた 埃 の かけら を 指 で ヒョイ と 払った 。
||むぞうさに||いって|じぶん||そう||さき||||ほこり||||ゆび||||はらった
Flint said this carelessly and brushed a speck of dust off the end of his broom with a flick of his finger.
「 旧 型 2000 シリーズ に 対して 相当 水 を あける はずだ 。
きゅう|かた|しりーず||たいして|そうとう|すい|||
"It should be quite watery for the old 2000 series.
旧 型 の クリーンスイープ に 対して は 」
きゅう|かた||||たいして|
For older clean sweeps. "
フリント は クリーンスイープ 5 号 を 握りしめて いる フレッド と ジョージ を 鼻先 で 笑った 。
|||ごう||にぎりしめて||||じょーじ||はなさき||わらった
Flint laughed at Fred and George holding Clean Sweep No. 5 with his nose.
「2001 が クリーンに 圧勝 」
|くりーんに|あっしょう
"2001 wins cleanly"
グリフィンドール ・ チーム は 一瞬 誰 も 言葉 が 出 なかった 。
|ちーむ||いっしゅん|だれ||ことば||だ|
No one spoke the Gryffindor team for a moment.
マルフォイ は ますます 得意 げ に ニターッ と 笑い 、 冷たい 目 が 二 本 の 糸 の ように なった 。
|||とくい|||||わらい|つめたい|め||ふた|ほん||いと|||
Malfoy became more and more proudly laughing, and his cold eyes became like two threads.
「 おい 、 見ろ よ 。
|みろ|
競技 場 乱入 だ 」 フリント が 言った 。
きょうぎ|じょう|らんにゅう||||いった
It's a stadium intrusion, "Flint said.
ロン と ハーマイオニー が 何事 か と 様子 を 見 に 、 芝生 を 横切って こっち に 向かって いた 。
||||なにごと|||ようす||み||しばふ||よこぎって|||むかって|
Ron and Hermione were heading across the lawn to see what was going on.
「 どうし たんだい ? どうして 練習 し ない んだ よ 。
どう し|||れんしゅう||||
"What's wrong? Why don't you practice?
それ に 、 あいつ 、 こんな とこ で 何 して る ん だい ?」
||||||なん||||
And what is he doing in a place like this?
ロン は スリザリン の クィディッチ ・ ローブ を 着て いる マルフォイ の 方 を 見て 言った 。
|||||||きて||||かた||みて|いった
「 ウィーズリー 、 傍 は スリザリン の 新しい シーカー だ 」 マルフォイ は 満足げに 言った 。
|そば||||あたらしい|||||まんぞくげに|いった
「 僕 の 父上 が 、 チーム 全員 に 買って あげた 箒 を 、 みんな で 賞 賛 して いた ところ だ よ 」
ぼく||ちちうえ||ちーむ|ぜんいん||かって||そう||||しょう|さん|||||
"My father was just praising the broom that he bought for the whole team."
ロン は 目の前 に 並んだ 七 本 の 最高 級 の 箒 を 見て 、 口 を あん ぐ り 開けた 。
||めのまえ||ならんだ|なな|ほん||さいこう|きゅう||そう||みて|くち|||||あけた
「 いい だろう ?」 マルフォイ が こともなげに 言った 。
|||||いった
「 だけど 、 グリフィンドール ・ チーム も 資金 集め して 新しい 箒 を 買えば いい 。
||ちーむ||しきん|あつめ||あたらしい|そう||かえば|
But the Gryffindor team can also raise money to buy new brooms.
クリーンスイープ 5 号 を 慈善 事業 の 競売 に かければ 、 博物 館 が 買い を 入れる だろう よ 」
|ごう||じぜん|じぎょう||きょうばい|||はくぶつ|かん||かい||いれる||
If Clean Sweep No. 5 is auctioned off for charity, the Natural History Museum will buy it. "
スリザリン ・ チーム は 大 爆笑 だ 。
|ちーむ||だい|ばくしょう|
「 尐 なく と も 、 グリフィンドール の 選手 は 、 誰一人 と して お 金 で 選ば れたり して ない わ 。
||||||せんしゅ||だれひとり||||きむ||えらば||||
"None of the Gryffindor players have been chosen for money."
ハ リー は 純粋に 才能 で 選手 に なった の よ 」
|||じゅんすいに|さいのう||せんしゅ||||
Harry became a player purely talented. "
ハーマイオニー が きっぱり と 言った 。
||||いった
マルフォイ の 自慢 顔 が ちらり と ゆがんだ 。
||じまん|かお||||
「 誰 も おまえ の 意見 なんか 求めて ない 。
だれ||||いけん||もとめて|
"No one is asking for your opinion.
生まれ そこない の 『 稼 れた 血 』 め 」
うまれ|||かせ||ち|
"Because of the unborn" blood earned ""
マルフォイ が 吐き捨てる ように 言い返した 。
||はきすてる||いいかえした
Malfoy spat back at him.
とたん に 轟 々 と 声 が あがった ので 、 マルフォイ が ひどい 悪態 を ついた らしい こと は 、 ハリー に も すぐ わかった 。
||とどろき|||こえ|||||||あくたい||||||||||
Harry soon knew that Malfoy seemed to have been terribly cursed, as the roaring voices rose immediately.
フレッド と ジョージ は マルフォイ に 飛びかかろう と した し 、 それ を 食い止める ため 、 フリン ト が 急いで マルフォイ の 前 に 立ちはだかった 。
||じょーじ||||とびかかろう||||||くいとめる|||||いそいで|||ぜん||たちはだかった
アリシア は 「 よくも そんな こと を !」 と 金切り声 を あげた 。
|||||||かなきりごえ||
ロン は ローブ に 手 を 突っ込み 、 ポケット から 杖 を 取り出し 、「 マルフォイ 、 思い知れ !」 と 叫んで 、 かんかんに なって フリント の 脇 の 下 から マルフォイ の 顔 に 向かって 杖 を 突きつけ た 。
||||て||つっこみ|ぽけっと||つえ||とりだし||おもいしれ||さけんで|||||わき||した||||かお||むかって|つえ||つきつけ|
Ron thrust his hand into his robe, took the wand out of his pocket, and shouted, "Malfoy, think!"
バーン と いう 大きな 音 が 競技 場 中 に こだま し 、 緑 の 閃光 が 、 ロン の 杖 先 ではな ? 反対 側 から 飛び出し 、 ロン の 胃 の あたり に 当たった 。
|||おおきな|おと||きょうぎ|じょう|なか||||みどり||せんこう||||つえ|さき||はんたい|がわ||とびだし|||い||||あたった
A loud buzzing sound echoed throughout the stadium, and a green flash, not at Ron's wand tip? It popped out from the other side and hit Ron's stomach.
ロン は よろめいて 芝生 の 上 に 尻もち を ついた 。
|||しばふ||うえ||しりもち||
Ron staggered and hung his butt on the lawn.
「 ロン ! ロン ! 大丈夫 ?」 ハーマイオニー が 悲鳴 を あげた 。
||だいじょうぶ|||ひめい||
ロン は ロ を 開いた が 、 言葉 が 出て こ ない 。
||||あいた||ことば||でて||
Ron opened B, but no words came out.
かわり に とてつもない ゲップ が 一 発 と 、 ナメクジ が 数 匹 ボクボタ と 膝 に こぼれ落ちた 。
|||||ひと|はつ||||すう|ひき|||ひざ||こぼれおちた
Instead, I got a huge burp and a few slugs that landed in my lap.
スリザリン ・ チーム は 笑い転げた 。
|ちーむ||わらいころげた
フリント など 、 新品 の 箒 に すがって 腹 を よじって 笑い 、 マルフォイ は 四 つ ん 這い に なり 、 拳 で 地面 を 叩き ながら 笑って いた 。
||しんぴん||そう|||はら|||わらい|||よっ|||はい|||けん||じめん||たたき||わらって|
Flint, for example, was bellyaching over his new broom, while Malfoy was on all fours, pounding the ground with his fists, laughing.
グリフィンドール の 仲間 は 、 ヌメヌメ 光る 大 ナメクジ を 次々 と 吐き出して いる ロン の 周り に 集まり は した が 、 誰 も ロン に 触れ たく は ない ようだった 。
||なかま|||ひかる|だい|||つぎつぎ||はきだして||||まわり||あつまり||||だれ||||ふれ||||
Gryffindor's companions gathered around Ron, who was spitting out a series of slugs, but no one seemed to want to touch Ron.
「 ハグリッド の ところ に 連れて 行こう 。
||||つれて|いこう
一 番 近い し 」
ひと|ばん|ちかい|
ハリー が ハーマイオニー に 呼びかけた 。
||||よびかけた
ハーマイオニー は 勇敢に も うなずき 、 二 人 で ロン の 両側 から 腕 を つかんで 助け 起こした 。
||ゆうかんに|||ふた|じん||||りょうがわ||うで|||たすけ|おこした
「 ハリー 、 どうした の ? ねえ 、 どうした の ? 病気 な の ? でも 君 なら 治 せる よ ね ?」
||||||びょうき||||きみ||ち|||
"Harry, what's wrong? Hey, what's wrong? Are you sick? But you can fix it, can't you?"
コリン が スタンド から 駆け 下りて きて 、 グラウンド から 出て 行こう と する 三 人 に まとわり つ いて 周り を 飛び 跳ねた 。
||すたんど||かけ|おりて||ぐらうんど||でて|いこう|||みっ|じん|||||まわり||とび|はねた
Colin ran down from the stand, clinging to the three men trying to get out of the ground and jumping around.
ロン が ゲポッ と 吐いて 、 また ナメクジ が ボクボタ と 落ちて きた 。
||||はいて||||||おちて|
Ron vomited, and the slugs fell again.
「 おわ ぁ ?」 コリン は 感心 して カメラ を 構えた 。
||||かんしん||かめら||かまえた
「 ハリー 、 動か ない ように 押さえて て くれる ?」
|うごか|||おさえて||
"Harry, can you hold me down so that it doesn't move?"
「 コリン 、 そこ を ど いて !」
"Colin, go there!"
ハリー は コリン を 叱りつけ 、 ハーマイオニー と 一緒に ロン を 抱えて グラウンド を 抜け 、 森 の 方 に 向かった 。
||||しかりつけ|||いっしょに|||かかえて|ぐらうんど||ぬけ|しげる||かた||むかった