Ranpo Kitan : Game of Laplace Episode 3
( さち子 ) 大丈夫 ?
( さち子 ) こんな 所 で 寝 たら 凍え ちゃ う よ 。
( 影 男 ) 3 日 ほど 何 も 食べ て い なく て ね … 。
( 影 男 ) もう お 帰り 。 君 が 風邪 を ひ い て しまう 。
( さち子 ) お 兄 ちゃん これ 。
( 影 男 ) あっ … 。
あっ … 。
ありがとう … 。
♪ ~
( 小林 ) この 2 カ月 で 失踪 し た 少女 が 9 人 。
( 明智 ) また 失踪 か … 。
( 明智 ) 今度 は 机 に でも さ れ た か ?
( 加賀 美 ) 不謹慎 だ ぞ 。
( せきばらい )
今回 の 事件 は 影 男 に よる 犯行 の 可能 性 あり と み られ て いる 。
( 羽柴 ) 影 男 と いう の は ?
変装 の 達人 に し て 希 代 の 怪 盗 。
まあ 俺 に 言わ せ れ ば 義 賊 気取り の 変人 さ 。
やつ は 少女 愛 者 だ が
実際 に 少女 に 手 を 出し た と いう 話 は 聞か ない 。
( 加賀 美 ) 行方 不明 の 子 の 自宅 付近 で
紙袋 を かぶった 不審 者 の 目撃 情報 が あって ね 。
紙袋 ? やつ は
自ら が 影 男 で ある と 明かす とき 紙袋 を かぶる ん だ 。
( 小林 ) それ は 何 か 意 味 が ある ん です か ?
フン … やつ なり の ポリシー な ん じゃ ない か ?
( 小林 ) 影 男 大 怪 盗 少女 愛 者 。
明智 先輩 調査 する ん です よ ね ?
俺 に は 関係ない 事件 だ な 。
えー っ ! ? 明智 君 ホント に 君 は
興味 が ない 事件 に は 関わ ろ う と し ない ん だ な 。
だったら 僕 が 捜査 し ます 。 君 が ! ? いや それ は … 。
[ TEL ] 明智 先輩 が やら ない ん だったら
僕 が やり ます 。 いい でしょ ? ちょっと 失礼 。
好き に しろ 。 ホント です か ! ? やった ー !
分かった 。 いや どっち でも 。 適当 じゃ ない って 。
ああ 。
ああ 分かった から 。 それ じゃあ 。 フゥ … 。
警察 から か ?
いや 妹 から だ 。 夕飯 の メニュー の こと で な 。
電話 まで かけ て こ なく て いい のに 。 仕方ない やつ だ 。
ハァ … シスコン め 。 な っ ! ? 違う と 言って る だ ろ !
( せきばらい )
小林 君 誘拐 事件 の こと だ が 素人 の 捜査 は 容認 でき ない 。
今回 の 協力 要請 は なかった こと に し て くれ 。
では 。
≪ ( ドア の 閉まる 音 )
さて まず 聞き込み から 始め よっ か 。
聞き込み って … 小林 まさか 勝手 に 捜査 する つもり な の か ?
捜査 資料 に 失踪 し た 子 たち が よく 行って た 場所 が
リスト アップ さ れ て た ん だ 。 いや 待て 小林 … 。
≪ じゃあ 捜査 を 始める か 。
明智 さん ? 捜査 する 気 に なった ん です ね 。
まあ な 。 放っておく わけ に も いか ない だ ろ 。
あなた に も そんな 常識 的 な … 。
明智 先輩 じゃ ない 。 えっ ! ?
ほう … 。 すごい 。
本物 と 見分け が つき ませ ん 。
( 影 男 ) 小林 君 だ ね ? 君 と 話 を し たい 。
僕 も あなた に 興味 が あり ます 。
本当 に 紙袋 かぶって る ん だ な … 。
誘拐 犯 が なぜ 自ら 姿 を ?
≪ ( 少女 ) すみ ませ ~ ん ! ( 影 男 ) 少女 と いう 存在 は
私 に とって 神 に 等しい 。
( 少女 ) ありがとう ! ( 影 男 ) 故 に 私 は
少女 を 傷つける など 絶対 に し ない 。
まして 誘拐 など … 。
むしろ 私 は 誘拐 犯 を 追って いる 。
守る べき 少女 大曽根 さち子 君 が
やつ に 捕らわれ た 可能 性 が あって ね 。
漫画 喫茶 の 会員 カード ?
でも これ 女性 の カード です けど … 。
あっ なるほど 。 女装 し て 潜入 しろ と 。
僕 に おとり に なれ と いう ん です ね 。
何 ! ? ( 影 男 ) 私 は 少女 に だけ は
変装 でき なく て ね 。
君 が 少女 の ふり を し て 犯人 を あぶり出す 。
有効 な 方法 だ ろ う 。
待て 。 おとり なんて … 。 し … しかも 女装 なんて
さ せ られる わけな い だ ろ う !
おい 。 待て よ おい !
やら せ ない から な 絶対 ! 絶対 だ ぞ !
聞い てる の か ! ? お ー い !
( 影 男 ) < 大曽根 さち子 は 幼い とき に 母 を 亡くし た >
< それ でも 笑顔 を 絶やさ ず けなげ に 日々 を 生き て き た >
< ある 日 彼女 は 病 に 倒れ た >
( 医師 ) 頑張って 病気 を 治 そ う ね 。
( さち子 ) うん 。
( さち子 ) いつ 学校 に 行 ける よう に なる かな … 。
( 看護 師 ) えっ そう な の ? ( 看護 師 ) そう よ 。
母親 と 同じ 病気 。 ( 看護 師 ) じゃあ あの 子 も … 。
( さち子 の 父 ) 痛い 所 は ない かい ?
つらい こと が あったら 何でも 言う ん だ よ 。
うん 平気 。
お 父さん 仕事 が 忙しかったら 無理 に 来 なく て 大丈夫 だ よ 。
< 父親 は 娘 の 顔 を 見よ う と し なく なった >
< 死 ん だ 母 を 思い出し て つらい の だ ろ う と 思い
むしろ 彼女 は 父 を 気遣った >
( 男性 ) さち子 ちゃん は 今日 も いい 子 に し て た かな ?
うん 。 ご飯 も いっぱい 食べ て 偉い ね って 褒め られ た よ 。
< 別 の 病室 の 老人 が よく 彼女 の 所 を 訪れ て い た >
< 見舞い に 来る 人 は 少なかった が
老人 と 話し て いる とき 彼女 は いつも 笑顔 を 見せ た >
( さち子 の 父 ) そんな 金額 払 える わけない じゃ ない です か !
< 病 を 治す ため に 必要 な 手術 費用 は
あまり に も 莫大 だった >
( さち子 の 父 ) さち子 … すま ない … 。
う うん 。 私 平気 だ よ 。
( 看護 師 ) 元気 に なったら さち子 ちゃん は 何 が し たい ?
う ~ ん … 。
お 花見 ! 海 に も 行き たい し 遊園地 も いい な 。
でも … 。
一 番 は 学校 … 。
学校 に 行き たい … 。
学校 の みんな 私 の こと 忘れ ちゃ う よ … 。
( 看護 師 ) きっと もう すぐ … 。
もう すぐ よく なる から … 。
( さち子 の 泣き声 )
< 窓 から 見える 季節 の 移り変わり を
見慣れ て しまった ころ >
( さち子 の 父 ) さち子 手術 の 日 が 決まった ぞ !
手術 費 を 寄付 し て くれ た 人 が い た ん だ !
本気 な の か ? おとり に なる って 。
本気 だ よ 。 危険 だ !
9 人 も さらわ れ てる ん だ ぞ !
う ~ ん … 。 だったら 携帯 の GPS で
羽柴 君 が 僕 の 位置 を 分かる よう に し て おく よ 。
ん 。 それ なら 安心 でしょ ? だ … だけど … 。
あっ ! し … 下着 !
ここ こ … これ を 俺 は どう すれ ば … 。
どう も し ない で ちょっと 持って て くれ れ ば いい から 。
そ … そ そそ … そ っか 。 そう だ よ な 。
あっ … 。
どう かな ?
か … か … うん 。
い … いい ん じゃ ない か な 。 うん ?
深夜 の 漫画 喫茶 。
一 人 で やって 来る 少女 は 誘拐 犯 に とって 格好 の 獲物 だ 。
獲物 が 来 たら 運び やすい 席 を 勧め て あてがう 。
えっ あっ … 。
獲物 が 注文 し た 食べ物 に 睡眠 薬 を 入れ て 眠ら せ
店 内 の 監視 カメラ を 逃れる ため ダストボックス に 隠し て 運ぶ 。
運ぶ 途中 足 が 付き そう な 持ち物 は 全て 処分 する 。
これ で 整った 。
( 綿貫 ) 僕 の カワイイ 娘 たち 。
今日 から この 子 が 新しい お 姉さん や 。
( 少女 ) わ ー い ! ( 少女 ) 家族 が 増え て うれしい わ 。
( 少女 ) やった ー !
( 綿貫 ) 起き たら この 子 の 歓迎 会し よ な 。
( 綿貫 ) 彼女 の 服 を 用意 せ ん と いか ん な 。
≪ ( ドア の 開閉 音 )
潜入 成功 。 けど 手錠 が … 。
君 たち は 誘拐 さ れ た ん だ ね ?
拘束 さ れ て いる わけ で も ない の に 何で 逃げ ない の ?
( 少女 ) 逃げる … 。 ( 少女 ) 嫌 … 。
へ ぇ ~。
《 誘拐 犯 へ の 恐怖 かな … 》
《 逃げる 意思 を 持て なく なって る ん だ 》
ハァ ハァ … 。
明智 さん こ … 小林 が !
靴 脱げよ 。
そんな こと より も … 。
脱げ 。 分かり まし た よ !
小林 が さらわ れ た ん です !
影 男 が 小林 に おとり 捜査 を 提案 し て 。
俺 が もっと 強く 止め て い れ ば … 。
聞い て ます か ! ?
聞い て いる さ 影 男 だ ろ ?
問題 ない 。 えっ ?
君 が 出ろ 。 はっ ! ?
あ ~ 眠い 。 はい 明智 探偵 事務 所 です 。
はい 。 えっ ! ? はい 。
( 綿貫 の 母 ) 息子 が ご 迷惑 を お 掛け し て … 。
《 誘拐 犯 の 母親 ? 》
あっ … 。
≪ ( ドア の 開閉 音 )
≪ ( ドア の 開く 音 ) あっ 。
誘拐 に 協力 し てる ん です か ?
( 綿貫 の 母 ) いや … 。
彼女 は 協力 し て いる と いう より
自分 の 息子 に おびえ て 口出し でき ない だけ だ 。
あなた 影 男 さん ?
( 影 男 ) すま なかった ね 。 君 を 危険 に さらし て 。
あなた が 会員 カード に NGPS を 仕込 ん で い た こと
分かって まし た から 。
ここ は 犯人 の 家 の 敷地 内 に ある 倉庫 で ね
彼 の 家 は 裕福 な 元 土建 業者 だ 。
彼女 たち は 娘 と 呼ば れ て い まし た 。
この 空間 は きっと … 。
家庭 です 。
彼 は 家族 愛 を 求め て い た 。
いびつ な 人 な ん です ね 。
でも よかった です 。 捜し てる 少女 が 見つかって 。
あっ … 待て い ない 。 えっ ?
( 影 男 ) なぜ だ … 。
どこ だ 。 どこ に いる さち子 君 !
( 影 男 ) 君 たち 他 の 子 は どう し た ん だ ! ?
向こう の 壁 の 布 … 。
♪ ~
( 影 男 ) あっ … まさか … 。
( 影 男 ) ありがとう 。
( さち子 ) 私 の 方 こそ ありがとう 。
( 影 男 ) なぜ お礼 を ?
私 が 入院 し て た とき
毎日 お 見舞い に 来 て くれ た お じいさん は お 兄ちゃん だ よ ね ?
( 影 男 ) えっ ! ?
( さち子 ) 時々 看護 師 さん に も なって
私 の こと 励まし て くれ た 。
( 影 男 ) どう し て 私 の 変装 を … 。
分かる よ 。 声 も 姿 も 変わって て も
優しい 空気 は 同じ だ から 。
私 の 手術 代 出し て くれ た の も きっと お 兄ちゃん だ よ ね ?
あの 後 一 度 も 遊び に 来 て くれ なかった から
私 お礼 言う こと が でき なく て 。
( 影 男 ) 私 は 君 が 元気 に なって くれ た だけ で … 。
( さち子 ) ありがとう 。
お 兄ちゃん の おかげ で 私 の 体 治った よ 。
今 は 毎日 学校 が 楽しい の 。
友達 たくさん でき た ん だ 。
春 に は お 花見 し た よ 。 夏 に は 海 に 行った し 。
今度 は お 父さん の お 休み に 遊園地 に 行く ん だ 。
( 影 男 ) 毎日 幸せ かい ?
うん !
( 影 男 ) 着け て ごらん 。 きっと よく 似合う 。
何 これ ~ 気持ち 悪 ~ い 。
( 影 男 ) そう か 気持ち 悪い か 。 ハハッ 。
さち子 君 。 君 の 苦しい 時間 は 終わった ん だ 。
これ から は ずっと 幸せ な 時間 が 続く 。
もし また つらい こと が 降り掛かって も
必ず 私 が 助け に 行く 。
約束 だ 。 ( さち子 ) 約束 ?
( 影 男 ) そう 。 約束 だ 。
( 影 男 ) やく … そく … 。
( 影 男 ) すま ない … 。
約束 … 守 れ なかった … 。
( 影 男 の 泣き声 )
≪ ( ドア の 開く 音 )
( 綿貫 ) 誰 なん ?
何 して ん の ? 何 や ? 君 。
( 影 男 ) うわ ー ! !
( 綿貫 ) う っ … 何 する ん や 。
( 影 男 ) ぐ は っ !
( 影 男 ) う う う … 。 ( 綿貫 ) 君 影 男 か ?
ネット の 噂 じゃ 聞い て た けど な 。
僕 あんた の 格好 まね て 娘 を 家 に 招待 し た こと も ある ん や 。
( 影 男 ) なぜ 殺し た … 。 ( 綿貫 ) あ ?
( 影 男 ) なぜ さち子 君 を 殺し た ー !
さち子 ? ああ 大曽根 さち子 な 。
あいつ は 僕 の 娘 に な ろ う と せ ん かった ん や 。
せ や から な すぐ に 砕 い て セメント に 混ぜ て
壁 に し て もう てん 。
僕 の 娘 に なら へん 少女 は い らん わ 。
( 影 男 ) いら ない 少女 など い ない !
全て の 少女 が 幸せ に なる 権利 が ある !
( 影 男 ) ぐ あっ !
( 影 男 ) う っ ! う う … 。
( 綿貫 ) うん ? ( 影 男 ) さち子 君 は
幸せ に … な れる はず だった !
ずっと … 幸せ が … 続く はず だった !
( 綿貫 ) いいかげん に しい や 。 ( 影 男 ) ぐ っ !
( 影 男 ) さち子 君 の … 幸せ を … 笑顔 を … !
君 うっとうしい で 。
( 影 男 ) ぐ あっ ! 奪った … 幸せ を … !
( 綿貫 ) 君 怖い わ 。
( 影 男 ) 許さ ない … 許さ ない … 許さ … ない … 許さ ない !
( 綿貫 ) 怖 っ 。 しつこい しつこい で ! ホンマ !
( 影 男 ) 許さ ない ! 許さ ない ! 許さ ない !
ひ い … ! ( 影 男 ) 許さ な い ー っ ! !
≪ ( 加賀 美 ) そこ まで だ 綿貫 !
小林 ! 小林 は どこ だ ! ?
( 中村 ) 焦る な よ お 坊ちゃん 。
( 綿貫 ) あっ … 来る な !
僕 の 家庭 を また 壊し に 来た ん か ー !
あっ おい !
( 綿貫 ) あ あっ !
綿貫 未 成年 者 誘拐 の 容疑 で 逮捕 する !
影 男 から 電話 が あって この 場所 を 教え て くれ た ん だ 。
小林 最初 から 携帯 なんて 役 に 立た ない って
分かって た ん だ な 。 君 を 巻き込み たく なかった から 。
あっ … 。 バカ 頼れ よ 僕 を 。
あっ … ごめん 。
ん ?
どう し た ん です か ? 加賀 美 さん 。
いや … 綿貫 は 以前 に も 未 成年 の 少女 に 対し て
事件 を 起こし て いる ん だ 。
その とき は 精神 鑑定 で 無罪 釈放 に なって ね 。
再 犯 者 だった ん です か ? ああ 。
それ と 小林 君 無事 だった から よかった もの の
勝手 な 捜査 は … 。 ≪ ( 中村 ) 加賀 美 警視 !
影 男 が 見当たり ませ ん よ 。 あっ … 。
( 中村 ) 逃げ られ まし た か ね … 。
( 加賀 美 ) そう です か … 。
引き続き 影 男 の 捜査 は 続け ま しょ う 。
結局 影 男 に 使わ れ て しまった な 。
関わる つもり は なかった ん だ が … 。
小林 が 無事 だった から よかった じゃ ない です か 。
その 湿布 は ? あの デブ を やった とき に な 。
痛め た ん です か ?
蹴った とき に 股 関節 も 脱臼 し た 。
あっ 。 少年 湿布 を 買って き て くれ !
( トイレ の 水 を 流す 音 )
は ー い 。 で も 本当 に 無事 で
よ か … た ! ? はっ はっ ! ? 待て ! 小林 !
何で また その 格好 な ん だ ! ? ハァ ~。
普段 から この 方 が 捜査 し やすい か と … 。
頭痛 が ひどい … 。 だ ー ! 駄目 だ 駄目 だ 破廉恥 だ !
そんなに 足 出し て 。 肌色 の 面積 が 多 過ぎる じゃ ない か !
♪ ~