三 姉妹 探偵 団 3 Chapter 05 みっ|しまい|たんてい|だん|chapter

５　 ライバル らいばる

「 変だ なあ ……」 へんだ|

夕 里子 は 、 首 を かしげた 。 ゆう|さとご||くび||

待ち合せ の 喫茶 店 で 、 首 を かしげて いる と いって も 、 相手 が 約束 の 時間 に 現われ ない と いう ので は ない 。 まちあわせ||きっさ|てん||くび|||||||あいて||やくそく||じかん||あらわれ||||||

まだ 、 約束 の 五 時 に は 十五 分 ほど あった 。 |やくそく||いつ|じ|||じゅうご|ぶん|| It was still fifteen minutes at 5 o'clock of the promise.

会い たく ない 相手 と いう わけで も ない 。 あい|||あいて||||| It is not meant to be a person you do not want to meet.

いや 、 むしろ 大いに 会い たい 相手 で ── 国 友 と 待ち合せて いる のだ 。 ||おおいに|あい||あいて||くに|とも||まちあわせて||

で は 何 が 変な の か ？ ||なん||へんな||

学校 で 最後 の 授業 が 終り 、 片 瀬 敦子 と 帰り 仕度 を して いる と 、 事務 の 女性 が 、 がっこう||さいご||じゅぎょう||おわり|かた|せ|あつこ||かえり|したく|||||じむ||じょせい|

「 佐々 本 さん 、 電話 よ 」 ささ|ほん||でんわ|

と 、 呼び に 来た のだった 。 |よび||きた|

「── や あ 、 夕 里子 君 か 」 ||ゆう|さとご|きみ|

国 友 は いやに 楽し げだった 。 くに|とも|||たのし|げ だった

「 今日 、 帰り に 会え ない か な 」 きょう|かえり||あえ|||

「 いい けど ……。

仕事 は いい の ？ しごと||| まだ あの 事件 を 調べて る んでしょ ？ ||じけん||しらべて|| 「 うん 、 実は ね 、 その 件 で 、 例の 問題 を 作った 数学 の 教師 と 会う こと に なって る んだ 」 |じつは|||けん||れいの|もんだい||つくった|すうがく||きょうし||あう|||||

「 じゃ 、 その後 に ？ |そのご|

「 いや 、 君 も 興味 ある だろう と 思って さ 。 |きみ||きょうみ||||おもって|

同席 しちゃ どう だい ？ どうせき||| 夕 里子 は 面食らった 。 ゆう|さとご||めんくらった

「 そりゃ 構わ ない けど ……。 |かまわ||

でも 、 いい の 、 私 なんか が 一緒で ？ |||わたくし|||いっしょで 「 うん 。

ぜひ 一緒に いて ほしい んだ 」 |いっしょに|||

── 変だ わ 、 と 夕 里子 が 思った の も 分 る だろう 。 へんだ|||ゆう|さとご||おもった|||ぶん||

国 友 は 、 夕 里子 を 事件 に 巻き 込む の を 嫌って いる のである 。 くに|とも||ゆう|さとご||じけん||まき|こむ|||きらって||

夕 里子 が 首 を 突っ込もう と する と 却って 怒る 。 ゆう|さとご||くび||つっこもう||||かえって|いかる

もちろん 、 夕 里子 の 身 に 危険 が 及ぶ の を 心配 して の こと だ 。 |ゆう|さとご||み||きけん||およぶ|||しんぱい||||

それなのに 、 今日 に 限って 、 自分 の 方 から 、 一緒に 話 を 聞いたら 、 と 言い 出した のだ から ……。 |きょう||かぎって|じぶん||かた||いっしょに|はなし||きいたら||いい|だした||

夕 里子 が 首 を ひねる の も 分 る と いう もの である 。 ゆう|さとご||くび|||||ぶん|||||

「 いらっしゃい ませ 」

店 の ウェイトレス の 声 に 、 夕 里子 は 入口 の 方 を 向いた 。 てん||||こえ||ゆう|さとご||いりぐち||かた||むいた

国 友 で は ない 。 くに|とも|||

でも 、 もしかしたら 、 これ が 例の 数学 教師 か な 、 と 思った 。 ||||れいの|すうがく|きょうし||||おもった

いかにも 教師 らしい タイプ の 男 な のである 。 |きょうし||たいぷ||おとこ||

年齢 は 四十 前後 か 。 ねんれい||しじゅう|ぜんご| 地味な 背広 に ネクタイ 、 メガネ 、 少し 禿げ 上った 頭 ……。 じみな|せびろ||ねくたい|めがね|すこし|はげ|のぼった|あたま

いや 、 夕 里子 は 、 もしかしたら 一 度 や 二 度 、 この 顔 を 見て いた の かも しれ ない 。 |ゆう|さとご|||ひと|たび||ふた|たび||かお||みて||||| No, Riko Yuri maybe I saw this face once or twice.

母親 代り に 、 珠美 の 中学校 の 父母 会 へ 出た こと が ある から だ 。 ははおや|かわり||たまみ||ちゅうがっこう||ふぼ|かい||でた|||||

その とき に 、 目 に して いた と したら 、 何となく 目 を ひか れて も 当然だろう 。 |||め||||||なんとなく|め|||||とうぜんだろう If you were to see it at that time, it would be natural that you could get an eye out.

いささか くたびれた 革 鞄 を 持って いる の も 、 教師 らしい 印象 を 与えた 。 ||かわ|かばん||もって||||きょうし||いんしょう||あたえた

店 の 中 を キョロキョロ と 見 回し 、 どうやら 待ち合せた 相手 が 来て い ない らしい と 知る と 、 ホッと した ような 顔 に なる 。 てん||なか||||み|まわし||まちあわせた|あいて||きて|||||しる||ほっと|||かお||

そして 、 入口 が 見える 席 に 、 落ちつか ない 様子 で 腰 を おろした 。 |いりぐち||みえる|せき||おちつか||ようす||こし||

あと 十二分 。 |じゅうにぶん Later.

── 国 友 さん 、 時間 通り に 来る の か な 、 と 夕 里子 は 表 に 目 を やった 。 くに|とも||じかん|とおり||くる|||||ゆう|さとご||ひょう||め|| ── Kunio Fumi, I wonder if he will come on time, Riko Yuriko looks at the table.

若い 女性 が 一 人 、 せかせか と 歩いて 来る 。 わかい|じょせい||ひと|じん|||あるいて|くる

濃い えんじ の オーバー を 着 込んで 、 寒 そうに 首 を すぼめて 。 こい|||おーばー||ちゃく|こんで|さむ|そう に|くび|| Put on a thick overpunch, pull the neck down like a cold. ── まあ 、 確かに 風 も 冷たい の は 事実 だ けれど 、 まだ 五 時 で 、 外 は うっすら 明るい 。 |たしかに|かぜ||つめたい|||じじつ||||いつ|じ||がい|||あかるい よほど の 寒 がり なんだろう 、 と 思った 。 ||さむ||||おもった

その 女性 、 喫茶 店 の 方 に は 目 も くれ ず に 、 夕 里子 の 目の前 を 通り 過ぎた と 思う と ── クルッ と 向き を 変え 、 入口 の 自動 扉 が 開く の も もどかしい 様子 で 、 中 に 入って 来た 。 |じょせい|きっさ|てん||かた|||め|||||ゆう|さとご||めのまえ||とおり|すぎた||おもう||||むき||かえ|いりぐち||じどう|とびら||あく||||ようす||なか||はいって|きた

「 いらっしゃい ませ 」

と 声 が 飛ぶ 。 |こえ||とぶ

店 の 中 の 暖か さ で ホッと した の か 、 肩 が 落ちて 、 力 が 抜けた 。 てん||なか||あたたか|||ほっと||||かた||おちて|ちから||ぬけた

へえ 、 と 夕 里子 は 思った 。 ||ゆう|さとご||おもった

なかなか の 美人 である 。 ||びじん|

よく 見る と そう 若く も なくて 、 たぶん 三十 に は なって いる だろう 。 |みる|||わかく||||さんじゅう||||| If you look closely it is not so young and probably thirty.

でも 、 どことなく 派手な 印象 が あって 、 若く 見せて いる のだ 。 ||はでな|いんしょう|||わかく|みせて||

おや 、 と 思った の は 、 その 女性 が 、 つい 今しがた 入って 来た 、 あの 教師 らしい 男 の 方 を 見て いた から だった 。 ||おもった||||じょせい|||いましがた|はいって|きた||きょうし||おとこ||かた||みて||| Oh, I thought because the woman was watching those teacher-like guy who came in right now.

予め 、 いる こと を 知って いた 、 と いう 目つき だ 。 あらかじめ||||しって||||めつき|

二 人 の 視線 が 、 ほんの わずかの 間 だ けど 、 出会って 、 女 の 方 が 、 ちょっと 微笑んで 見せた 。 ふた|じん||しせん||||あいだ|||であって|おんな||かた|||ほおえんで|みせた Although the gaze of the two people is only a few minutes, the woman smiled a bit with a meeting.

待ち合せた 相手 は この 女 だった の か 、 と 思う と ── 女 は 、 さっさと 他の 席 に 座って しまった 。 まちあわせた|あいて|||おんな|||||おもう||おんな|||たの|せき||すわって|

変だ な 、 と 夕 里子 は 、 また 何となく 思った のである 。 へんだ|||ゆう|さとご|||なんとなく|おもった|

国 友 が やって 来た の は 、 約束 の 五 時 に 、 五 分 前 だった 。 くに|とも|||きた|||やくそく||いつ|じ||いつ|ぶん|ぜん| It was five minutes before the appointment that the national friend came.

夕 里子 は 、 国 友 が 隣 の テーブル に つく の を 見て 、 知らん顔 を する こと に した 。 ゆう|さとご||くに|とも||となり||てーぶる|||||みて|しらんかお||||| Yuriko decided to notice it, watching the national friend go to the next table.

その辺 は 慣れて いる から 、 臨機応変 に 対応 できる のである 。 そのへん||なれて|||りんきおうへん||たいおう||

国 友 は 、 寒 そうに 手 を こすり 合せて 、 ココア を 注文 した 。 くに|とも||さむ|そう に|て|||あわせて|ここあ||ちゅうもん|

「 それ から ──」

と 、 ウェイトレス へ 、「 丸山 って 人 が 来たら 、 教えて くれ ない か 」 |||まるやま||じん||きたら|おしえて|||

大きな 声 が 、 店 の 中 に 響いて 、 あの 、 教師 らしい 男 が ギクリと する の が 分 った 。 おおきな|こえ||てん||なか||ひびいて||きょうし||おとこ||ぎくりと||||ぶん|

もちろん 国 友 とて 刑事 の はしくれ である 。 |くに|とも||けいじ||| Of course he is a criminal taker with a national friend.

店 に 入った とき から 、 あの 男 の こと は 目 に 止めて いた に 違いない のだ 。 てん||はいった||||おとこ||||め||とどめて|||ちがいない| From the time I entered the store, I must have stopped eyeing that man. ただ 、 気付か ない ふり を して 、 相手 を こっち の 席 へ 呼ぶ つもりな のだ 。 |きづか|||||あいて||||せき||よぶ|| But I pretend not to notice and I will call the other party to this seat.

男 は 、 そろそろ と 立ち上る と 、 国 友 の 方 へ やって 来て 、 おとこ||||たちのぼる||くに|とも||かた|||きて

「 国 友 さん です か 」 くに|とも|||

と 声 を かけた 。 |こえ||

「 は あ 。

── あ 、 丸山 さん で ？ |まるやま|| 「 そうです 」 そう です

「 これ は 失礼 し ました ！ ||しつれい||

いや 、 遅れて みえる と いう お 話 でした ので 、 気 が 付き ませ ん で 」 |おくれて|||||はなし|||き||つき||| No, I was told that I will be late, so I do not notice it. "

「 いえ ── 用事 が 早く 終った ので ……」 |ようじ||はやく|しまった|

「 そう です か 。

じゃ 、 どうぞ お かけ 下さい 。 ||||ください 君 ！ きみ そこ の コーヒー を ここ へ 持って 来て ！ ||こーひー||||もって|きて と 、 国 友 が ウェイトレス へ 呼びかける 。 |くに|とも||||よびかける

隣 の テーブル だ から 、 夕 里子 も ちゃんと 話 を 聞ける 。 となり||てーぶる|||ゆう|さとご|||はなし||きける

── 国 友 さん 、 なかなか やる じゃ ない 、 と 夕 里子 は 、 そっぽ を 向き ながら 、 内心 に や にやして いた 。 くに|とも|||||||ゆう|さとご||||むき||ないしん|||| ─ ─ Ms. Kuno, it is not easy going out, Riko Yuri was pointing to the inner heart while turning at the other side.

丸山 は 、 国 友 と 向かい合った 席 に 腰 を おろした 。 まるやま||くに|とも||むかいあった|せき||こし||

「 ご 足 労 いただいて 恐縮 です 」 |あし|ろう||きょうしゅく|

国 友 は 身分 証明 書 を 見せて 、「── いや 、 今度 の 件 で は 、 こちら も 困って いる んです よ 、 正直な ところ 」 くに|とも||みぶん|しょうめい|しょ||みせて||こんど||けん|||||こまって||||しょうじきな|

「 私 ども と して も 、 大変 迷惑な こと で ──」 わたくし|||||たいへん|めいわくな||

「 いや 、 全く です 。 |まったく|

手がかり 一 つ つかめ ない ので は 、 お 詫び する しか あり ませ ん 」 てがかり|ひと|||||||わび|||||

国 友 が 、 ポケット から 、 例の 問題 の コピー を 出して 、 テーブル に 広げた 。 くに|とも||ぽけっと||れいの|もんだい||こぴー||だして|てーぶる||ひろげた

「 これ は 先生 が 作った もの です ね 」 ||せんせい||つくった|||

いきなり 本題 に 入る 。 |ほんだい||はいる

丸山 は 、 ちょっと たじろいだ ようだった 。 まるやま||||

「 ええ ……。

そ の ようです 」

と 、 曖昧な 口調 で 言った 。 |あいまいな|くちょう||いった

「 確かです ね 」 たしかです|

と 、 念 を 押さ れて 、 何しろ 手書き である 、 否定 する わけに も いか ない と 思った の か 、 |ねん||おさ||なにしろ|てがき||ひてい|||||||おもった||

「 そうです 」 そう です

と 、 渋々 肯 いた 。 |しぶしぶ|こう|

「 これ が 、 殺さ れた 有田 信子 の バッグ に 入って いた んです よ 」 ||ころさ||ありた|のぶこ||ばっぐ||はいって|||

「 聞いて い ます 」 きいて||

と 、 丸山 は 言って 、 コーヒー を 飲んだ 。 |まるやま||いって|こーひー||のんだ

「── どういう こと か 、 全然 見当 も つき ませ ん よ 」 |||ぜんぜん|けんとう|||||

「 これ は 、 いつ 作ら れた んです か 」 |||つくら|||

「 ええ と ……。

たぶん 一 週間 ぐらい 前 じゃ ない か な 」 |ひと|しゅうかん||ぜん||||

「 はっきり 分 り ませ ん か 」 |ぶん||||

「 どうも ねえ 」

と 、 首 を ひねる 。 |くび||

「 ともかく 年中 、 似た ような もの を 作って る わけです から 」 |ねんじゅう|にた||||つくって|||

「 なるほど 」

国 友 は 肯 いた 。 くに|とも||こう|

「 しかし 、 これ が 有田 信子 の バッグ に あった の は 事実 です 。 |||ありた|のぶこ||ばっぐ|||||じじつ| と いって 、 彼女 の 子供 は 、 あの 中学 に 通って い ない 」 ||かのじょ||こども|||ちゅうがく||かよって||

「 ええ 、 それ も 知って い ます 」 |||しって||

「 息子 を ご存知 でした か ？ むすこ||ごぞんじ||

「 勇一 と か いう 名 だ そうです ね 。 ゆういち||||な||そう です|

私 も 教えた こと が ある の かも しれ ない が 、 全然 憶 えて い ませ ん 」 わたくし||おしえた|||||||||ぜんぜん|おく||||

「 なぜ 、 この コピー が 有田 信子 の バッグ に 入って いた か 、 お 考え は あり ませ ん か 」 ||こぴー||ありた|のぶこ||ばっぐ||はいって||||かんがえ|||||

「 一向に 」 いっこうに

と 、 丸山 は 首 を 振った 。 |まるやま||くび||ふった

「 そう です か 」

国 友 は 、 ちょっと 間 を 置いて 、「── 問題 を こう やって 作る と 、 どこ へ 渡す んです か 」 くに|とも|||あいだ||おいて|もんだい||||つくる||||わたす||

「 それ は ── まあ 、 事務 の 方 です ね 。 |||じむ||かた||

そこ で きちんと タイプ して もらって 、 刷る わけです 」 |||たいぷ|||する|

「 タイプ が 終る と 、 その 原稿 は どう なり ます ？ たいぷ||おわる|||げんこう||||

「 色々です ね 。 いろいろです|

先 に 返して もらう 場合 も ある し 、 こっち が い ない と 、 後 で 印刷 した テスト の 用紙 と 一緒に 返って 来る こと も あり ます 」 さき||かえして||ばあい|||||||||あと||いんさつ||てすと||ようし||いっしょに|かえって|くる||||

「 この 場合 は どっち でした ？ |ばあい|||

丸山 は 肩 を すくめて 、 まるやま||かた||

「 憶 えて い ませ ん ね 。 おく|||||

何しろ 教師 と いう の は 雑用 が 多い んです よ 」 なにしろ|きょうし|||||ざつよう||おおい||

「 そう でしょう ね 」

と 、 国 友 は 肯 いて 、「 ところで 、 やはり 数学 の 問題 が 、 生徒 の 鞄 から 見付かった こと が あり ます ね 」 |くに|とも||こう||||すうがく||もんだい||せいと||かばん||みつかった|||||

「 ああ 、 佐々 本 です ね 」 |ささ|ほん||

「 そう でした 。

そんな 名前 でした ね 。 |なまえ|| ── あれ も 先生 の 作った 問題 でした ね ？ ||せんせい||つくった|もんだい|| 「 そうです 」 そう です

と 、 丸山 は 、 ちょっと 不安 そうに 、「 それ が どうした と おっしゃる んです ？ |まるやま|||ふあん|そう に||||||

「 いや 、 偶然に して は 妙だ と 思った もの です から 」 |ぐうぜんに|||みょうだ||おもった|||

と 、 国 友 が 言う と 、 丸山 は 、 |くに|とも||いう||まるやま|

「 あれ は もう 処理 が 済んで ます よ 」 |||しょり||すんで||

と 、 強い 口調 で 言った 。 |つよい|くちょう||いった

「 佐々 本 が 認めて 、 停学 処分 に なった はずです 」 ささ|ほん||みとめて|ていがく|しょぶん|||

「 認めた 、 と は ──？ みとめた||

「 もちろん 、 問題 を 盗んだ こと です よ 」 |もんだい||ぬすんだ|||

「 それ は 変だ 。 ||へんだ

私 が 当った ところ で は 、 当人 は 否定 して いた ようです が 」 わたくし||あたった||||とうにん||ひてい||||

「 一応 口 じゃ そう 言って る だけ でしょう 、 大体 、 佐々 本 と いう 子 は 、 問題 の ある 生徒 な んです 」 いちおう|くち|||いって||||だいたい|ささ|ほん|||こ||もんだい|||せいと||

「 ほう 。

どんな 風 に ？ |かぜ| 国 友 は 、 何 食わ ぬ 顔 で 訊 いた 。 くに|とも||なん|くわ||かお||じん|

「 要するに ── 不良です な 。 ようするに|ふりょうです|

つまり 、 一見 おとなし そうで 、 その実 、 色々 悪い こと に 手 を 出して いる と いう 、 一 番 たち の 悪い 生徒 な んです 」 |いっけん||そう で|そのじつ|いろいろ|わるい|||て||だして||||ひと|ばん|||わるい|せいと||

「 は あ 」

── 夕 里子 は 聞いて いて 頭 に 来て いた 。 ゆう|さとご||きいて||あたま||きて| ── Riko Yuri was at the top of my head listening.

よっぽど 、 コップ の 水 を 頭から ぶっか け て やろう か と 思った が 、 何とか 我慢 した ……。 |こっぷ||すい||あたまから|||||||おもった||なんとか|がまん|

「 タバコ 、 酒 は もちろん やって る でしょう 。 たばこ|さけ|||||

男の子 と も 遊んで る ようだ し 、 それ に ともかく 何かと いう と 、 すぐ お 金 の こと を 言う 奴 です 」 おとこのこ|||あそんで|||||||なにかと|||||きむ||||いう|やつ| It seems that they are also playing with boys, and anything, regardless, it is a guy who says about money soon. "

最後 の 点 は 、 夕 里子 も 否定 でき ない 。 さいご||てん||ゆう|さとご||ひてい||

しかし 、 それ 以外 は ── あんまり ひどい ！ ||いがい|||

「 金 に なる と 思えば 、 どんな こと でも 平気で やる でしょう ね 」 きむ||||おもえば||||へいきで|||

丸山 は 、 調子 に 乗って しゃべって いる 。 まるやま||ちょうし||のって||

国 友 も 、 これ 以上 聞いて いる と 、 丸山 を 殴って しまい かね ない ので 、 くに|とも|||いじょう|きいて|||まるやま||なぐって||||

「 一 つ 、 うかがい たかった の は です ね ──」 ひと|||||||

と 、 話 を 変えた 。 |はなし||かえた

「 あの とき 、 突然 、 鞄 の 中 を 調べる こと に なった の は 、 どうして な んです か ？ ||とつぜん|かばん||なか||しらべる||||||||| 「 それ は ──」

丸山 は 、 言い淀んだ 。 まるやま||いいよどんだ

「 それ は ── 噂 が あった んです よ 、 噂 が 」 ||うわさ|||||うわさ|

「 どんな 噂 です ？ |うわさ|

「 そりゃ あ …… 誰 か が 、 問題 の コピー を 盗んだ 、 と いう ……」 ||だれ|||もんだい||こぴー||ぬすんだ||

「 どこ から 、 そんな 話 が 出た んでしょう ね 」 |||はなし||でた||

「 分 り ませ ん ね 」 ぶん||||

丸山 は 強く 首 を 振る と 、「 私 は 教師 です 。 まるやま||つよく|くび||ふる||わたくし||きょうし|

いちいち そんな こと に 関り 合っちゃ い られ ませ ん よ 」 ||||かかわり|あっちゃ||||| I can not keep in touch with such a thing every one. "

と 、 ほとんど 食ってかかる ような 調子 で 言った 。 ||くってかかる||ちょうし||いった

夕 里子 は 、 さっき 入って 来た 、 えんじ 色 の コート の 女 が 、 立ち上る の を 見た 。 ゆう|さとご|||はいって|きた||いろ||こーと||おんな||たちのぼる|||みた

先 に 支払い を 済ませて 、 店 を 出て 行く 。 さき||しはらい||すませて|てん||でて|いく

どうして 先 に 出た んだろう 、 と 夕 里子 は 眉 を 寄せて 考え 込んだ 。 |さき||でた|||ゆう|さとご||まゆ||よせて|かんがえ|こんだ

「── で は 、 ちょっと 用事 が ある ので 、 失礼 」 |||ようじ||||しつれい

と 、 丸山 が 立ち上る 。 |まるやま||たちのぼる

「 こりゃ どうも 。

お 忙しい ところ 、 失礼 し ました 」 |いそがしい||しつれい||

国 友 は 無理に 引き止め なかった 。 くに|とも||むりに|ひきとめ|

丸山 が 出て 行く と 、 国 友 は 夕 里子 を 見て 、 ニヤリ と 笑った 。 まるやま||でて|いく||くに|とも||ゆう|さとご||みて|||わらった

「 どう だい ？

「 出 ま しょ 」 だ||

夕 里子 は 立ち上った 。 ゆう|さとご||たちのぼった

「 え ？

「 後 を 尾 ける の 。 あと||お||

説明 する から 」 せつめい||

「 よし 、 分 った 」 |ぶん|

国 友 も 、 すぐ に 腰 を 上げる 。 くに|とも||||こし||あげる

外 に 出る と 、 丸山 が 急ぎ足 で 遠ざかって 行く 後ろ姿 が 見えた 。 がい||でる||まるやま||いそぎあし||とおざかって|いく|うしろすがた||みえた

「 ついて 行こう 」 |いこう

と 、 国 友 が 低い 声 で 言った 。 |くに|とも||ひくい|こえ||いった

「 何 か 気 が 付いた の ？ なん||き||ついた| "Did you notice anything? 「 女 が いた の 」 おんな|||

と 、 夕 里子 は 、 丸 山 から 目 を 離さ ず に 言った 。 |ゆう|さとご||まる|やま||め||はなさ|||いった Said Yuriko, keeping an eye on Maruyama.

「 女 だって ？ おんな|

夕 里子 が 手短 か に 説明 する と 、 国 友 は 軽く 肯 いて 、 ゆう|さとご||てみじか|||せつめい|||くに|とも||かるく|こう| Yuriko explains briefly, the national friend refused lightly,

「 そう か 。

良かった 。 よかった 君 が 相棒 だ と 心強い 」 きみ||あいぼう|||こころづよい

「 変な お 世辞 、 やめて よ 」 へんな||せじ||

夕 里子 は ちょっと 国 友 の 方 を にらんで から 、「 でも ── どういう 心境 の 変化 な の ？ ゆう|さとご|||くに|とも||かた||||||しんきょう||へんか||

と 訊 いた 。 |じん|

「 何の こと だい ？ なんの||

「 あんなに 、 私 が 首 を 突っ込む の を いや が って た じゃ ない 」 |わたくし||くび||つっこむ||||||||

「 うん ……。

それ が ちょっと ね ── 困った こと に なって る んだ 」 ||||こまった|||||

国 友 は 頭 を かいて 、「 君 に 誤解 さ れて も 困る し 、 と いって 危 い 目 に 遭わ せる の も いやだ し ……」 くに|とも||あたま|||きみ||ごかい||||こまる||||き||め||あわ|||||

「 誤解 って 何の こと ？ ごかい||なんの|

「 実は ね 、 この 前 話 した 杉 下 って いう ──」 じつは|||ぜん|はなし||すぎ|した||

「 ああ 。

国 友 さん が ひっぱ たいた 、 って 人 ね ？ くに|とも||||||じん| やっぱり 何 か 言って 来た の ？ |なん||いって|きた| 「 苦情 なら 、 まだ 良かった んだ けど ね 」 くじょう|||よかった|||

と 、 国 友 が 言った 。 |くに|とも||いった

「 どういう こと ？

── 二 人 は 、 丸山 の 姿 を 見失わ ない ように し ながら 、 話して いた のだ が 、 ちょうど 横断 歩道 を 渡ろう と した とき だった 。 ふた|じん||まるやま||すがた||みうしなわ|||||はなして|||||おうだん|ほどう||わたろう||||

「 見付けた ！ みつけた

と 、 甲高い 声 が して 、 国 友 は トン 、 と 背中 を 突か れて 、 飛び上った 。 |かんだかい|こえ|||くに|とも||とん||せなか||つか||とびあがった

「 君 か ！ きみ|

「 へ へ 」

と 舌 を 出して ニヤニヤ して いる の は ──。 |した||だして|||||

「 ね 、 今 は 仕事 中 な んだ 。 |いま||しごと|なか||

邪魔 し ないで くれ 」 じゃま|||

「 あら 、 女の子 と 楽し げに しゃべって る じゃ ない 。 |おんなのこ||たのし|げ に||||

この 人 、 誰 な の ？ |じん|だれ|| と 、 夕 里子 を 見る 。 |ゆう|さとご||みる

夕 里子 は 、 ちょっと 呆 気 に 取ら れて いた が 、 ゆう|さとご|||ぼけ|き||とら|||

「 国 友 さん ！ くに|とも|

ほら 、 丸山 が 見え なく なっちゃ う 」 |まるやま||みえ|||

「 そう か 。

行こう 」 いこう

国 友 と 夕 里子 が 歩き 出す と 、 もう 一 人 の 女の子 も 、 一緒に 歩き 出した 。 くに|とも||ゆう|さとご||あるき|だす|||ひと|じん||おんなのこ||いっしょに|あるき|だした

「 ねえ 、 何 して ん の ？ |なん|||

誰 を 尾行 して る わけ ？ だれ||びこう||| 「 子供 は 邪魔 し ないで 」 こども||じゃま||

と 、 夕 里子 が にらむ と 、 |ゆう|さとご|||

「 子供 って 誰 の こと よ 」 こども||だれ|||

と 、 言い 返した その 少女 、「 私 、 杉 下 ルミ よ 。 |いい|かえした||しょうじょ|わたくし|すぎ|した|るみ|

あんた は ？ 「 杉 下 ……。 すぎ|した

じゃ 、 国 友 さん が ひっぱ たいた ──」 |くに|とも||||

「 そう よ 。

あんた この 人 に ひっぱ たかれ たこ と ある ？ ||じん|||||| と 、 得意 げ に 、 ツンと 上 を 向く 。 |とくい|||つんと|うえ||むく And, I'm proud, I look up and down.

「 ない わ よ 」

「 暴力 は ね 、 愛 の 表現 な の よ 」 ぼうりょく|||あい||ひょうげん||| "Violence is an expression of love"

「── 何で すって ？ なんで|

夕 里子 は 思わず 訊 き 返した 。 ゆう|さとご||おもわず|じん||かえした

「 私 ね 、 この 人 の 愛 の ムチ に しびれちゃ った の ！ わたくし|||じん||あい||むち||||

夕 里子 は 、 丸山 を 尾行 して いた の も 忘れて 、 ポカン と して 国 友 を 見た 。 ゆう|さとご||まるやま||びこう|||||わすれて||||くに|とも||みた

「 ねえ 、 君 」 |きみ

国 友 が うんざり した 様子 で 、「 いい加減に して くれ よ 。 くに|とも||||ようす||いいかげんに|||

僕 の 恋人 は ね 、 この 子 な んだ よ 」 ぼく||こいびと||||こ|||

と 言った 。 |いった

「 まあ ！

杉 下 ルミ は 、 キッ と なって 、「 こんな 男 みたいな 女 の 、 どこ が いい の よ 」 すぎ|した|るみ||||||おとこ||おんな||||||

これ に は 夕 里子 も カチン と 来た 。 |||ゆう|さとご||||きた

「 ちょっと あんた 。

それ 、 どういう 意味 ？ ||いみ あんた 中学生 な んでしょ ？ |ちゅうがくせい|| 「 中学生 だって 、 女 は 女 。 ちゅうがくせい||おんな||おんな

高校 生 だって 、 ガキ は ガキ よ 」 こうこう|せい||がき||がき|

「 ガキ と は 何 よ ！ がき|||なん|

「 ちっとも 色気 なんか ない じゃ ない 。 |いろけ||||

私 は ね 、 女 と して 国 友 さん を 愛して る の 」 わたくし|||おんな|||くに|とも|||あいして||

「 子供 が 何 言って ん の よ 」 こども||なん|いって|||

「 私 、 国 友 さん と 結婚 する って 決めた の 。 わたくし|くに|とも|||けっこん|||きめた|

あんた 、 邪魔 よ 。 |じゃま| あっ ち 行って 」 ||おこなって

もう 丸山 の 尾行 どころ じゃ ない 。 |まるやま||びこう|||

夕 里子 も カッ と なった 。 ゆう|さとご||||

「 私 と 国 友 さん は ね 、 何度 も 命がけ で 事件 に ぶつかって 来た 仲 な の よ ！ わたくし||くに|とも||||なんど||いのちがけ||じけん|||きた|なか|||

「 それ が どうした の ？

結婚 相手 と 探偵 ごっこ は わけ が 違う わ 」 けっこん|あいて||たんてい|||||ちがう|

「 探偵 ごっこ は そっち でしょ ！ たんてい||||

子供 は お 人形 さん 相手 に して りゃ いい の よ 」 こども|||にんぎょう||あいて|||||| Children should make it a doll. "

「 フン だ 。 ふん|

未経験の くせ に 、 私 は もう 女 に なって る んだ から ね 」 みけいけんの|||わたくし|||おんな||||||

国 友 が 、 たまり かねて 、 くに|とも||| Family friends, for a while,

「 おい 、 いい加減に して くれ よ 」 |いいかげんに|||

と 割って 入る 。 |わって|はいる

「 ともかく 、 今 は 仕事 の 途中 な んだ から ──」 |いま||しごと||とちゅう|||

「 そう だ わ ！

夕 里子 が ハッと して 、「 丸山 は ？ ゆう|さとご||はっと||まるやま|

「 知ら ない よ 。 しら||

あっ ち へ 行 っ ち まった 」 |||ぎょう|||

「 追い かけ なきゃ ！ おい||

夕 里子 が 駆け 出す 。 ゆう|さとご||かけ|だす

「 おい 、 待って くれ よ 」 |まって||

国 友 が あわてて 夕 里子 の 後 を 追う と 、 杉 下 ルミ が 、 くに|とも|||ゆう|さとご||あと||おう||すぎ|した|るみ|

「 待って 、 私 の 国 友 さん ！ まって|わたくし||くに|とも|

と 、 また その後 を 追う 。 ||そのご||おう

── 見失っちゃ った の か な 。 みうしなっちゃ||||

走って 来て 、 夕 里子 は 、 息 を 弾ま せ ながら 、 足 を 止めた 。 はしって|きて|ゆう|さとご||いき||はずま|||あし||とどめた

ちょうど 、 電車 の ガード 下 。 |でんしゃ||がーど|した

暗く なった 道 を 、 誰 か が 、 フラフラ と やって 来る シルエット が 見えた 。 くらく||どう||だれ|||ふらふら|||くる|しるえっと||みえた

酔っ払い か な 、 と 思った 。 よっぱらい||||おもった

── その 相手 が 明り の 中 へ 出て 来た とき 、 夕 里子 は 、 思わず 声 を 上げた 。 |あいて||あかり||なか||でて|きた||ゆう|さとご||おもわず|こえ||あげた

丸山 だった 。 まるやま|

── 胸 から 腹 に かけて 、 血 が 大きく 広がって いる 。 むね||はら|||ち||おおきく|ひろがって| びっくり した ように 目 を 見開いて ── そして 、 夕 里子 の 手前 、 数 メートル の 所 まで 来る と 、 バタッ と 倒れた 。 |||め||みひらいて||ゆう|さとご||てまえ|すう|めーとる||しょ||くる||||たおれた

夕 里子 は 、 ハッと した 、 誰 か が 立って いる 。 ゆう|さとご||はっと||だれ|||たって|

手 に ナイフ を 持って 、 呆然と した 様子 で 、 影 の 中 から 出て 来た 。 て||ないふ||もって|ぼうぜんと||ようす||かげ||なか||でて|きた

少年 だった 。 しょうねん|

── 十五 、 六 の 、 ジャンパー 姿 の 少年 。 じゅうご|むっ||じゃんぱー|すがた||しょうねん

「 どうした ん だ ！

国 友 が 叫び ながら 駆けて 来る 。 くに|とも||さけび||かけて|くる

その 声 を 聞いて 、 少年 は 我 に 返った ようだった 。 |こえ||きいて|しょうねん||われ||かえった|

ナイフ を 投げ 捨てる と 、 ワッ と 一気に 駆け 出した 。 ないふ||なげ|すてる||||いっきに|かけ|だした

「── 丸山 じゃ ない か 」 まるやま|||

国 友 が 、 足 を 止め 、 急いで か が み込んだ 。 くに|とも||あし||とどめ|いそいで|||みこんだ

「 今 、 走って 行った の は ？ いま|はしって|おこなった||

「 分 ら ない わ 。 ぶん|||

男の子 よ 。 おとこのこ| 顔 は 知ら ない けど ……」 かお||しら||

国 友 は 、 立ち上った 。 くに|とも||たちのぼった

「── もう 死んで る な 」 |しんで||

「 じゃ …… 今 の 男の子 が ？ |いま||おとこのこ|

「 うん 」

国 友 は 、 眉 を 寄せて 、 首 を 振った 。 くに|とも||まゆ||よせて|くび||ふった

「 チラッ と 見た だけ だ が 、 あれ は たぶん ──」 ||みた||||||

「 知って る の ？ しって||

「 有田 勇一 だ と 思う 」 ありた|ゆういち|||おもう

「 じゃ 、 殺さ れた 女性 の 息子 ？ |ころさ||じょせい||むすこ

「 おそらく ね 。

── 悪い けど 、 一一〇 番 して 来て くれ ない か 。 わるい||いちいち|ばん||きて||| 僕 は ここ を 見て る 」 ぼく||||みて|

「 分 った わ 」 ぶん||

夕 里子 が 走り 出そう と する と 、 目の前 に 立った の は 杉 下 ルミ 。 ゆう|さとご||はしり|だそう||||めのまえ||たった|||すぎ|した|るみ

「 邪魔 よ 。 じゃま| ど いて 」

「 もう いい わ よ 」

「 何 が ？ なん|

「 一一〇 番 。 いちいち|ばん

私 、 今 そこ の 電話 ボックス で 、 かけちゃ った 」 わたくし|いま|||でんわ|ぼっくす|||

と 、 ルミ は 腕組み して 、「 刑事 の 妻 に なる に は 、 これ くらい 機転 が きか なくちゃ ね 」 |るみ||うでぐみ||けいじ||つま|||||||きてん||||

夕 里子 は 、 国 友 じゃ ない が 、 本当に この 小 生意気な 娘 を ぶん 殴り たく なって 来た ……。 ゆう|さとご||くに|とも||||ほんとうに||しょう|なまいきな|むすめ|||なぐり|||きた