江戸小話, おいはぎ

おいはぎ

無敵 流 指南 ( むてき りゅうし なん ) と 書か れた 大きな 看板 を かけた 、 道場 ( どうじょう → 武術 など を 習う ところ ) が あり ました 。 むてき|りゅう|しなん|||||かか||おおきな|かんばん|||どうじょう||ぶじゅつ|||ならう|||| ある 日 の 事 、 弟子 たち が 集まって 言い ました 。 |ひ||こと|でし|||あつまって|いい| 「 知っている か ？ しっている| この頃 は 宿 は ずれ の 松原 ( まつばら ) に 、 夜な夜な おいはぎ が 出る そうな 」 「 知っている ぞ 。 このごろ||やど||||まつばら|||よなよな|||でる|そう な|しっている| 確か ゆう ベ も 、 侍 が が 身ぐるみ は が さ れた そうな 」 「 へえ 、 侍 が ねえ 」 「 そう よ 。 たしか||||さむらい|||みぐるみ|||||そう な||さむらい|||| おいはぎ の 奴 は 、 えらく 腕 が 立つ らしい 」 　 する と 、 そこ へ 現れた この 道場 の 主 、 無敵 流 の 大 先生 が 言い ました 。 ||やつ|||うで||たつ||||||あらわれた||どうじょう||おも|むてき|りゅう||だい|せんせい||いい| 「 あっ は は は は 。 いくら 腕 が 立つ と 言って も 、 たかが おいはぎ 　 やられた 侍 が 、 ふがいない の さ 。 |うで||たつ||いって|||||さむらい|||| ど ー れ 、 今夜 は 一 つ 、 拙者 ( せっし ゃ → 武士 が 、 自分 を ふり くだって いう 言葉 ) が 、 そや つ の 着物 を はぎ取って くれよう 」 「 おお っ 、 さすが は 大 先生 」 「 大 先生 、 お 頼み し ます 」 |-||こんや||ひと||せっしゃ|||ぶし||じぶん|||||ことば|||||きもの||はぎとって||||||だい|せんせい|だい|せんせい||たのみ||

さて 、 夜 に なる と 大 先生 は 、 十 人 ばかりの 弟子 を 引き連れて 、 おいはぎ の 出る 松原 ヘ と 出かけ ました 。 |よ||||だい|せんせい||じゅう|じん||でし||ひきつれて|||でる|まつばら|||でかけ| 「 さあ 、 お前たち は ここ で 待って おれ 。 |おまえたち||||まって| ここ から 先 は 、 拙者 一 人 で 行って くる 」 　 そう 言って 大 先生 は 一 人 で 行った のです が 、 しばらく する と 身ぐるみ は が さ れて 、 真っ 裸 で 帰って きた のです 。 ||さき||せっしゃ|ひと|じん||おこなって|||いって|だい|せんせい||ひと|じん||おこなった|の です|||||みぐるみ|||||まっ|はだか||かえって||の です 弟子 たち は 、 びっくり して 尋ね ました 。 でし|||||たずね| 「 大 先生 ！ だい|せんせい どう なさ い ました ！ |な さ|| 」 　 する と 大 先生 は 、 口 に 指 を 当てて 言い ました 。 ||だい|せんせい||くち||ゆび||あてて|いい| 「 し ー っ 、 静かに 。 |-||しずかに 大声 を 出す と おいはぎ 様 に 聞こえる で は ない か 」 おおごえ||だす|||さま||きこえる||||

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )