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江戸小話, やぶ先生のぐち

やぶ 先生 の ぐち

やぶ 先生 が 薬 の 調合 を 間違えて 、 ある お 店 の 番頭 ( ばんとう → 従業 員 の リーダー ) さん を 死な せて しまい ました 。 「 この 人殺し め ! 医者 の くせ に 薬 を 間違える と は どういう 事 だ ! お上 ( おかみ → お 役所 ) に 訴えて やる から 、 覚悟 しろ ! 」 お 店 の 主人 に 怒鳴ら れた やぶ 先生 は 、 まっ 青 な 顔 に なって 泣いて 謝り ました 。 「 どんな つぐない で も し ます 。 ですから どうぞ 、 それ だけ は お 許し を ・・・」 そして やっと 許して もらい ました が 、 やぶ医者 は 責任 を 取って 、 お 葬式 ( そうしき ) の 準備 ( じゅんび ) を し なければ なり ませ ん 。 まずは 、 番頭 さん を 寺 まで 運んで 行く のです が 、 人 を やとって 運ぶ お 金 が ない ので 、 家 から 女房 と 息子 を 連れて 来て 二 人 に かつが せて 運ば せ ました 。 すっかり しょげ返った やぶ 先生 が 、 弱々しい 声 で 言い ました 。 「 ああ 、 こんな 事 に なる の なら 、 医者 など に なら なければ よかった 。 ・・・ まったく 医者 ほど 、 損な 商売 は ない わ 」 する と それ を 聞いた 女房 も 、 「 本当です よ 。 お前 さま が 下手くそな ばっかりに 、 こんなに 重い 死人 まで 運ぶ はめ に なって 」 と 、 ぶつぶつ 文句 を 言い出し ました 。 そして 後ろ で かついで いた 息子 も 、 ヨタヨタ と 足 を ふらつか せ ながら 言い ました 。 「 父上 、 今度 から 診る ( みる → 診察 する こと ) 病人 は 、 やせた 人 だけ に して ください ね 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )


やぶ 先生 の ぐち

やぶ 先生 が 薬 の 調合 を 間違えて 、 ある お 店 の 番頭 ( ばんとう → 従業 員 の リーダー ) さん を 死な せて しまい ました 。 「 この 人殺し め ! 医者 の くせ に 薬 を 間違える と は どういう 事 だ ! お上 ( おかみ → お 役所 ) に 訴えて やる から 、 覚悟 しろ ! 」   お 店 の 主人 に 怒鳴ら れた やぶ 先生 は 、 まっ 青 な 顔 に なって 泣いて 謝り ました 。 「 どんな つぐない で も し ます 。 ですから どうぞ 、 それ だけ は お 許し を ・・・」   そして やっと 許して もらい ました が 、 やぶ医者 は 責任 を 取って 、 お 葬式 ( そうしき ) の 準備 ( じゅんび ) を し なければ なり ませ ん 。 まずは 、 番頭 さん を 寺 まで 運んで 行く のです が 、 人 を やとって 運ぶ お 金 が ない ので 、 家 から 女房 と 息子 を 連れて 来て 二 人 に かつが せて 運ば せ ました 。 すっかり しょげ返った やぶ 先生 が 、 弱々しい 声 で 言い ました 。 「 ああ 、 こんな 事 に なる の なら 、 医者 など に なら なければ よかった 。 ・・・ まったく 医者 ほど 、 損な 商売 は ない わ 」   する と それ を 聞いた 女房 も 、 「 本当です よ 。 お前 さま が 下手くそな ばっかりに 、 こんなに 重い 死人 まで 運ぶ はめ に なって 」 と 、 ぶつぶつ 文句 を 言い出し ました 。 そして 後ろ で かついで いた 息子 も 、 ヨタヨタ と 足 を ふらつか せ ながら 言い ました 。 「 父上 、 今度 から 診る ( みる → 診察 する こと ) 病人 は 、 やせた 人 だけ に して ください ね 」

♪ ちゃん ちゃん ( おしまい )