Re ：ゼロ から 始める 異 世界 生活 (16) re|||はじめる|い|せかい|せいかつ

（ ラッセル ･ フェロー ） この たび の クルシュ 様 の 狙い が なる の で あれ ば ― ||||||さま||ねらい||||||

ヴィルヘルム 殿 に とって も 悲願 と なり ま しょ う |しんがり||||ひがん|||||

期待 し て おり ます よ きたい|||||

これ は これ は 珍しい 方 に も お 目 に かかれ まし た ね ||||めずらしい|かた||||め|||||

これ は 失礼 いた し まし た ||しつれい||||

私 は 王 都 の 商業 組合 で 会計 係 を し て おり ます ― わたくし||おう|と||しょうぎょう|くみあい||かいけい|かかり|||||

ラッセル ･ フェロー と 申し ます 以後 お 見 知り おき を |||もうし||いご||み|しり||

ナツキ ･ スバル 殿 |すばる|しんがり

（ ナツキ ･ スバル ） ヴィルヘルム さん 今 の は ？ |すばる|||いま||

（ ヴィルヘルム ･ ヴァン ･ アスト レア ） ラッセル ･ フェロー

ああ おっしゃって い まし た が ―

王 都 で の 財 貨 の ― おう|と|||ざい|か|

表 と 裏 の 動き に 携わる 辣腕 ( ら つ わ ん ) です ひょう||うら||うごき||たずさわる|らつわん|||||

さて ―

そろそろ 中 に 戻 ろ う か と 思い ます が |なか||もど|||||おもい||

何 か お 話 が ある の で は ？ なん|||はなし|||||

（ スバル ） ３ 日 後 魔女 教 って 連中 が ― すばる|ひ|あと|まじょ|きょう||れんちゅう|

ロズワール の 領地 の 襲撃 を 企 ( たくら ) ん でる ||りょうち||しゅうげき||たくら|||

それ を たたき 潰す ため に クルシュ さん の 力 が 借り たい |||つぶす||||||ちから||かり|

（ クルシュ ･ カルステン ） なるほど やはり 動き出し て き た よう だ な ||||うごきだし||||||

（ フェリックス ･ アーガイル ） です ね まあ ハーフ エルフ の エミリア 様 が ― |||||はーふ||||さま|

表 舞台 に 立った 時点 で ― ひょう|ぶたい||たった|じてん|

その 辺 の ところ は 予想 さ れ て た とおり です けど |ほとり||||よそう|||||||

（ クルシュ ） 事情 は 把握 し た |じじょう||はあく||

次 は 協力 者 に 当 家 を 選ぶ 理由 だ が つぎ||きょうりょく|もの||とう|いえ||えらぶ|りゆう||

（ スバル ） ぶっちゃ け 今 の 状況 で １ 番 可能 性 が 高い はず だ から だ すばる|||いま||じょうきょう||ばん|かのう|せい||たかい||||

俺 と レム が こう し て 世話 に なって る って の も … おれ|||||||せわ||||||

（ クルシュ ） 誤解 する な |ごかい||

卿 ( けい ) ら の 扱い に 対し て は 約定 が ある から だ きょう||||あつかい||たいし|||やくじょう||||

交渉 で ある なら ば こちら に どんな 利益 が ある の か ― こうしょう||||||||りえき||||

それ を 示さ なけ れ ば 交渉 と は 言 えん ||しめさ||||こうしょう|||げん|

卿 ら は 当 家 の 力 を 借りる こと で 魔女 教 と いう 脅威 を 排除 できる きょう|||とう|いえ||ちから||かりる|||まじょ|きょう|||きょうい||はいじょ|

ならば 当 家 は どう だ それ を 聞か せ て もら お う |とう|いえ||||||きか|||||

（ スバル ） 例えば 今回 の 窮地 に 手 を 借 し て もら える こと で ― すばる|たとえば|こんかい||きゅうち||て||かり||||||

そっち の 陣営 は こっち に 大きな 貸し が 作 れる ||じんえい||||おおきな|かし||さく|

その 提案 を 受け入れる 場合 ― |ていあん||うけいれる|ばあい

それ は エミリア の 王 選 から の 脱落 を 意味 する が ― ||||おう|せん|||だつらく||いみ||

それ が 分かって の 発言 か ？ ||わかって||はつげん|

当然 だ ろ とうぜん||

自分 の 領地 の 危機 を よそ の 領主 に 丸 投げ する など ― じぶん||りょうち||きき||||りょうしゅ||まる|なげ||

王 たる 器 以前 の 問題 だ おう||うつわ|いぜん||もんだい|

その うえ で 再度 問 お う |||さいど|とい||

今回 の 件 で 貸し を 作る の で あれ ば ― こんかい||けん||かし||つくる||||

それ は エミリア の 陣営 の 敗退 を 意味 する ||||じんえい||はいたい||いみ|

それ で 本当 に いい の か ||ほんとう||||

それ でも ―

手 を 貸し て ほしい て||かし||

死 ん じ まったら 何もかも おしまい な ん だ から し||||なにもかも|||||

分かった わかった

それ なら ば カルステン 家 は 一切 の 戦力 を 卿 に は 貸し出さ ない ||||いえ||いっさい||せんりょく||きょう|||かしださ|

（ スバル ） は ？ すばる|

まず １ つ 卿 が こちら に 提示 し た 利点 で あり ― ||きょう||||ていじ|||りてん||

苦渋 の 末 に 飲み込 ん だ エミリア の 王 選 脱落 だ が ― くじゅう||すえ||のみこ|||||おう|せん|だつらく||

これ は この 交渉 に おい て 手 札 に なら ない |||こうしょう||||て|さつ|||

（ スバル ） 何で だ よ すばる|なんで||

ライバル が 減る の は そっち に とって も 十分 な 見返り で … らいばる||へる|||||||じゅうぶん||みかえり|

言って い て 気づか ない の か ？ いって|||きづか|||

エミリア の 脱落 に 関し て 言え ば ― ||だつらく||かんし||いえ|

私 の 関与 に 関わら ず 発生 する 事柄 で ある の だ と わたくし||かんよ||かかわら||はっせい||ことがら|||||

（ スバル ） じゃあ 魔女 教 に 襲わ れる ロズワール の ― すばる||まじょ|きょう||おそわ|||

領地 の あの 村 の 連中 は 見殺し に す ん の か ！ りょうち|||むら||れんちゅう||みごろし|||||

話題 を すりかえる な ナツキ ･ スバル わだい|||||すばる

領地 を 守る 力 が ない の は エミリア で あり ― りょうち||まもる|ちから|||||||

無能 さ で 民 草 を 失う の も エミリア だ むのう|||たみ|くさ||うしなう||||

断じて 私 で は ない だんじて|わたくし|||

（ スバル ） けど 知って て 見捨てる って の は 悪 じゃ ねえ の か すばる||しって||みすてる||||あく||||

力 が あん なら 助け られる なら どう し て 助け ない ！ ちから||||たすけ||||||たすけ|

ちょっと 黙って 聞い て … |だまって|ききい|

（ クルシュ ） いい

ひと つ 卿 の 考え を 正 そ う ||きょう||かんがえ||せい||

魔女 教 が 動く こと は あり 得よ う その 推測 は 成り立つ まじょ|きょう||うごく||||えよ|||すいそく||なりたつ

だが 問題 は その 先 だ |もんだい|||さき|

（ スバル ） その 先 ？ すばる||さき

簡単 な 話 だ かんたん||はなし|

なぜ 奴 ら が 次に 狙う 場所 と 日時 を 卿 に 特定 できる ？ |やつ|||つぎに|ねらう|ばしょ||にちじ||きょう||とくてい|

（ スバル ） そ … それ は … すばる|||

卿 も また 魔女 教 で ある なら 知り 得 て 当然 だ が きょう|||まじょ|きょう||||しり|とく||とうぜん||

ふざけ …

（ レム ） クルシュ 様 お 戯れ は よし て ください ||さま||たわむれ||||

スバル くん が 魔女 教 だ なんて そんな はず が ない じゃ … すばる|||まじょ|きょう|||||||

そう かな

ナツキ ･ スバル の 発言 を 顧み て ― |すばる||はつげん||かえりみ|

知り 得 た 理由 が 口 に でき ない なら そう 断言 する ほか に ない しり|とく||りゆう||くち||||||だんげん||||

卿 は そう いった 心当たり を 感じ た こと は ない の か きょう||||こころあたり||かんじ||||||

あり ませ ん

いずれ に せよ それ ら の 理由 が 信ぴょう性 を 欠く ため ― ||||||りゆう||しんぴょうせい||かく|

当 家 が エミリア に 手 を 貸す こと は でき … とう|いえ||||て||かす|||

魔女 教徒 は 来る ん だ よ ！ まじょ|きょうと||くる|||

あいつ ら が 村 の 人 たち を 皆殺し に する ん だ |||むら||じん|||みなごろし||||

殺す 殺せ ば いい ん だ ころす|ころせ||||

魔女 教 の 奴 ら なんか ― まじょ|きょう||やつ||

あいつ ら なんか みんな ぶ っ 殺し ち まえ ば いい ん だ ！ ||||||ころし||||||

そう すれ ば 全部 全部 丸く 収まる ん だ よ ！ |||ぜんぶ|ぜんぶ|まるく|おさまる|||

分かる だ ろ わかる||

あいつ ら なんか 生かし て おい たら いけ ねえ ん だ ！ |||いかし|||||||

奴 ら を 殺す ！ やつ|||ころす

力 を 貸し て くれよ ！ ちから||かし||

卿 の 行い の 源泉 は それ か きょう||おこない||げんせん|||

魔女 教 憎し まじょ|きょう|にくし

それ が 卿 が エミリア に 近づ い た 本当 の 理由 な の か ||きょう||||ちかづ|||ほんとう||りゆう|||

違う ！ 俺 は … ちがう|おれ|

（ クルシュ ） 今 卿 の 瞳 に 宿る 光 を ― |いま|きょう||ひとみ||やどる|ひかり|

殺意 で ある と 呼ば ず し て 何と する さつい||||よば||||なんと|

俺 が エミリア を ダシ に し て ― おれ||||だし|||

奴 ら に 復讐 ( しゅう ) しよ う と し てる って の か ！ やつ|||ふくしゅう|||||||||

俺 の 憎しみ と 奴 ら の 邪悪 さ は 関係ない ！ おれ||にくしみ||やつ|||じゃあく|||かんけいない

あいつ ら は 生き て たら ダメ な ん だ よ |||いき|||だめ||||

だから 皆殺し に する べき な ん だ ！ それ で みんな 助かる ん だ ！ ！ |みなごろし||||||||||たすかる||

言った はず だ ぞ ナツキ ･ スバル いった|||||すばる

自分 すら だま せ ない ウソ で は 他者 は 欺 け ない じぶん|||||うそ|||たしゃ||あざむ||

どう し て …

（ クルシュ ） 分から ない の か ？ 卿 は １ 度 も ― |わから||||きょう||たび|

エミリア を 助け たい と 口 に し て い ない ||たすけ|||くち|||||

それ 以上 は 前 に 進む こと は 許さ れ ませ ん な |いじょう||ぜん||すすむ|||ゆるさ||||

（ レム ） スバル くん |すばる|

落ち着 い て 下さい おちつ|||ください

私 に は 相対 し て いる 人間 が ウソ を つい て いる か どう か ― わたくし|||そうたい||||にんげん||うそ|||||||

おおよそ 見抜く こと が できる |みぬく|||

昔 から 交渉 事 で ― むかし||こうしょう|こと|

他者 に 欺か れる 経験 が ない こと が 自慢 で な たしゃ||あざむか||けいけん|||||じまん||

その 経験 を ふまえ て 言わ せ て もらえ ば ― |けいけん||||いわ||||

卿 は ウソ を 言って は い ない きょう||うそ||いって|||

なら …

妄言 を 真実 だ と かたくな に 信じ込 ん で いる ぼうげん||しんじつ|||||しんじこ|||

それ は もはや 狂気 の 沙汰 狂 人 と いう もの だ よ |||きょうき||さた|くる|じん|||||

ナツキ ･ スバル |すばる

（ スバル ） くっ すばる|

フェリス 治し て やる と いい |なおし||||

（ スバル ） いら ね えよ すばる|||

レム 行く ぞ |いく|

（ クルシュ ） ほか に 当て は ある の か ？ |||あて||||

（ スバル ） せいぜい いい 王 様 に なれ よ 弱者 を 切り捨てる 独裁 者 的 な すばる|||おう|さま||||じゃくしゃ||きりすてる|どくさい|もの|てき|

（ レム ） お 世話 に なり まし た ||せわ||||

当 家 の 主 ( あるじ ) に 代わり お 礼 を 申し上げ ます とう|いえ||おも|||かわり||れい||もうしあげ|

どう し ます か ？

スバル くん の お 話 が 本当 なら 猶予 も あり ませ ん すばる||||はなし||ほんとう||ゆうよ||||

本当 なら ？ ほんとう|

猶予 も あり ませ ん ゆうよ||||

ロズワール 様 の お 屋敷 に 戻り ます か ？ |さま|||やしき||もどり||

いや 今 俺 ら だけ で 戻って も たいした こと は でき ない |いま|おれ||||もどって||||||

戦 力 が 足りない ん だ いくさ|ちから||たりない||

ロズワール は 何 し て や がん だ よ ||なん||||||

ロズワール 様 は ― |さま|

領 内 の 関係 者 の 所 を 訪問 する こと に なって い て ― りょう|うち||かんけい|もの||しょ||ほうもん||||||

数 日 は 逗 ( とう ) 留 し て いる 予定 で … すう|ひ||ず||りゅう||||よてい|

それ が 襲撃 に 対処 でき ない 原因 な の か ||しゅうげき||たいしょ|||げんいん|||

やっぱり 援軍 を 連れ て 戻ら なきゃ どう に も なら ねえ な |えんぐん||つれ||もどら|||||||

あ …

ラインハルト なら 力 を 貸し て くれる ん じゃ ねえ の か ||ちから||かし|||||||

昨日 ご挨拶 の 折り に ― きのう|ごあいさつ||おり|

王 都 に は しばらく ご 不在 だ と おっしゃって い まし た おう|と|||||ふざい||||||

（ スバル ） クソッ ！ すばる|

ど いつ も こいつ も 使え ねえ ！ |||||つかえ|

明日 ほか の 協力 者 を 探す しか ない あした|||きょうりょく|もの||さがす||

レム は 騎士 団 詰め所 に 行って くれ ||きし|だん|つめしょ||おこなって|

俺 は あと １ 人 の 候補 者 に あたって みる おれ|||じん||こうほ|もの|||

（ レム ） はい

（ プリシラ ･ バーリ エル ） 魔女 教 か |||まじょ|きょう|

（ スバル ） そう だ 放置 し て おけ ば たくさん の 人 たち を 傷つける すばる|||ほうち|||||||じん|||きずつける

被害 は エミリア だけ じゃ とどまら ない ひがい||||||

そう なる 前 に 奴 ら を 倒し たい ||ぜん||やつ|||たおし|

その ため に … （ プリシラ ） ウフフ フフ

アハハ ハハ 面白い 面白い な 貴 様 ||おもしろい|おもしろい||とうと|さま

なるほど

道化 も ここ まで くれ ば 芸 と し て 極 まった もの じゃ な どうけ||||||げい||||ごく||||

う … 何 が 面白い ん だ |なん||おもしろい||

なりふり 構わ ず は 結構 じゃ が 考え が 足りな すぎる |かまわ|||けっこう|||かんがえ||たりな|

助けよ う と し て ― たすけよ||||

味方 を 窮地 に 追いやり 敵 に 利する みかた||きゅうち||おいやり|てき||りする

始末 に 負え ん 死 ん だ ほう が 死 ん だ ほう が いくらか マシ じゃ しまつ||おえ||し|||||し|||||||

いっそ 妾 ( わらわ ) が そ っ 首 を ― |めかけ|||||くび|

たたき 落とし て やって も よい ぞ |おとし|||||

が こう まで 手 ひどい 扱い を 受け ながら も ― |||て||あつかい||うけ||

主 を 思って 行動 する 貴 様 の 忠義 だけ は 見上げ た もの じゃ おも||おもって|こうどう||とうと|さま||ちゅうぎ|||みあげ|||

そこ で ―

機会 を 与える きかい||あたえる

き … 機会 ？ |きかい

（ プリシラ ） そう 機会 じゃ チャンス と いう やつ じゃ な ||きかい||ちゃんす|||||

なめろ （ スバル ） え ？ |すばる|

（ プリシラ ） 床 に は いつ くばり 羞恥 と 屈辱 を かみしめ て ― |とこ|||||しゅうち||くつじょく|||

無 様 ( ぶざま ) な 野獣 の よう に ― む|さま|||やじゅう|||

母 の 乳 を しゃぶる 赤子 の よう に 妾 の 足 を なめろ はは||ちち|||あかご||||めかけ||あし||

それ が でき れ ば 貴 様 の 提案 を 考え て やる |||||とうと|さま||ていあん||かんがえ||

え …

イヤ なら いい ん じゃ ぞ いや|||||

己 の ちっぽけ な 矜持 ( きょうじ ) を 優先 し ― おのれ||||きょうじ|||ゆうせん|

しっぽ を 振った 主人 を ― ||ふった|あるじ|

荒野 へ 見捨てる と いう なら それ も よい こうや||みすてる||||||

どちら で あれ 妾 に とって は 一興 よ |||めかけ||||いっきょう|

わ … 分かった |わかった

本当 に 貴 様 つまら ん 男 で しか ない よう じゃ な ほんとう||とうと|さま|||おとこ||||||

貴 様 の それ は 忠義 でも 忠誠 心 で も ない とうと|さま||||ちゅうぎ||ちゅうせい|こころ|||

もっと 薄汚い 犬 の よう な 依存 と 豚 の よう な 欲望 じゃ |うすぎたない|いぬ||||いぞん||ぶた||||よくぼう|

欲し がる だけ の 怠 惰 な 豚 め ！ ほし||||おこた|だ||ぶた|

豚 の 欲望 が 最も 醜い ぶた||よくぼう||もっとも|みにくい

仮に 魔女 教 を 退け た と し て も ― かりに|まじょ|きょう||しりぞけ|||||

貴 様 の よう な 畜生 を 要する 陣営 など 妾 が 打ち 滅ぼし て やる ！ とうと|さま||||ちくしょう||ようする|じんえい||めかけ||うち|ほろぼし||

貴 様 の 軽率 な 行い と 態度 が 妾 に そう 決意 さ せ た ！ とうと|さま||けいそつ||おこない||たいど||めかけ|||けつい|||

（ スバル ） ああ ！ あっ すばる||

あっ

アルデバラン

（ アルデバラン ） おいおい これ は どう し た って ん で

その 不愉快 な 愚 物 を 放り出せ なん なら 切り捨て て も かまわ ん |ふゆかい||ぐ|ぶつ||ほうりだせ|||きりすて||||

（ アルデバラン ） そら 構う だ ろ いろいろ と ||かまう||||

ほら 行く ぜ 兄弟 |いく||きょうだい

そう 怒 ん な よ 姫 さん |いか||||ひめ|

かわいい 顔 が 凶暴 さ で 価値 を 落とす ぜ ？ |かお||きょうぼう|||かち||おとす|

貴 様 の 崩壊 顔 を より 破壊 し て ほしく ない なら ― とうと|さま||ほうかい|かお|||はかい|||||

とっとと 連れ て いけ アルデバラン |つれ|||

（ アルデバラン ） その 名前 で 呼ぶ な っつ の ||なまえ||よぶ|||

立てる か ？ 兄弟 たてる||きょうだい

（ スバル ） ああ … すばる|

（ アルデバラン ） 大丈夫 そう だ な |だいじょうぶ|||

何 の 話 し て た ん だ か 知ら ねえ けど ― なん||はなし|||||||しら||

あの 様子 じゃ うまく いか なかった み て え だ し |ようす|||||||||

ん ー |-

戻る の が 遅 ( おせ ) えと 姫 さん が 本気 で ― もどる|||おそ|||ひめ|||ほんき|

兄弟 を ぶった 斬れ と か 言い出し かね ねえ から 戻る ぜ きょうだい|||きれ|||いいだし||||もどる|

じゃあ な 兄弟 ||きょうだい

（ スバル ） あの クソ 傲慢 女 が すばる||くそ|ごうまん|おんな|

初めて 会った 時 助け て やった 恩 も 忘れ や がって はじめて|あった|じ|たすけ|||おん||わすれ||

くっ …

切り替えろ きりかえろ

（ スバル ） あんな バカ ども に 引っかかって る 場合 じゃ ねえ すばる||ばか|||ひっかかって||ばあい||

（ ミミ ･ パール バトン ） スン スン スン スン ||ばとん||||

お 兄さん すごい 痛 そう だいじょう び ？ |にいさん||つう|||

（ スバル ） は あ ？ すばる||

（ ミミ ） お 兄さん 口 だけ じゃ なく て 血 の におい する よ ||にいさん|くち|||||ち||||

鼻血 ダバダバ 出 た ？ はなぢ||だ|

（ アナスタシア ･ ホー シン ） こ ー ら ミミ おいた し たら あか ん よ ||||-||||||||

（ ミミ ） あー い

（ アナスタシア ） えらい すみません うち の 子 が ご 迷惑 かけ て |||||こ|||めいわく||

ん ？

確か … そう ナツキ くん や たしか||||

エミリア の 騎士 ナツキ ･ スバル くん ||きし||すばる|

これ は 奇 遇 や ない の ||き|ぐう|||

（ スバル ） アナスタシア ･ ホー シン すばる|||

（ ミミ ） いった だ っき ま ー す |||||-|

（ スバル ） それ で 竜 車 の こと だ けど すばる|||りゅう|くるま||||

さっそく 本題 に 入 ろ う と する |ほんだい||はい||||

自分 の 目的 ばっかり 優先 や と 相手 は 喜ば ん よ じぶん||もくてき||ゆうせん|||あいて||よろこば||

交渉 の 基本 は どん だけ 相手 の 懐 に 入れる か こうしょう||きほん||||あいて||ふところ||いれる|

ナツキ くん は そこ が アカン ね

悪い けど 本当 に 困って る ん だ よ わるい||ほんとう||こまって||||

明日 に は 王 都 から 出発 し たい だ から … あした|||おう|と||しゅっぱつ||||

情 に 訴え かける ん も ― じょう||うったえ|||

うち み たい な 人種 が 相手 や と 下 策 中 の 下 策 や ね ||||じんしゅ||あいて|||した|さく|なか||した|さく||

でも 頑張り は 認めよ か |がんばり||みとめよ|

確か に 今 ― たしか||いま

王 都 で 竜 車 確保 する ん は だいぶ 骨 や し ね おう|と||りゅう|くるま|かくほ|||||こつ|||

どこ ぞ の 誰 か が 買い 集め た と か で |||だれ|||かい|あつめ||||

ほら ここ に 竜 車 が 残って る はず の お 店 の 場所 と ― |||りゅう|くるま||のこって|||||てん||ばしょ|

うち の 名前 で サイン し とい た わ ||なまえ||さいん||||

これ で 都合 つけ られる ||つごう||

もったいぶる な よ

もったいぶる よ

やって タダ で 渡し たら 面白く ない やろ ？ |ただ||わたし||おもしろく||

うち は ただ 世間話 に つきあって ほしい だけ |||せけんばなし||||

何で そこ まで … 得る もの なんて ない だ ろ なんで|||える|||||

何 の 意味 も ない こと なんて ― なん||いみ||||

この世 の ど っこ に も ない と うち は 思う とる よ このよ||||||||||おもう||

どこ の 誰 から どんな 着想 が 得 られる か なんて 分から ん もん ||だれ|||ちゃくそう||とく||||わから||

何 を 話し たら い い ん だ ？ なん||はなし|||||

（ ミミ ） ねえ ねえ お 嬢 お 嬢 ― ||||じょう||じょう

ミミ もっと 食べ たい 頼 ん で い ー い ？ ||たべ||たの||||-|

（ アナスタシア ） ええ よ 好き な だけ 食べ |||すき|||たべ

あっ でも お ソース で お 口 汚す ん は ダメ |||そーす|||くち|けがす|||だめ

くし ゅく しゅ 拭い て ー |||ぬぐい||-

ん ん ん ー ん |||-|

やった ー ！ 行って くる ！ |-|おこなって|

（ アナスタシア ） ああ 見え て も あの 子 うち の 私 兵 団 の ２ 番手 な ん や から ||みえ||||こ|||わたくし|つわもの|だん||ばんて||||

私 兵 団 ？ わたくし|つわもの|だん

（ アナスタシア ） カラ ラギ や と 有名 な ん や けど ね |から||||ゆうめい|||||

うち の ホー シン 商会 の 専属 の 傭 ( よう ) 兵 団 鉄 の 牙 ||||しょうかい||せんぞく||よう||つわもの|だん|くろがね||きば

めちゃめちゃ かわい い ん や 抱 い て 寝る と もう たまら へん よ |||||いだ|||ねる|||||

ん ？

この 王 都 も 最近 いろんな 人 が 集まって る ん や なあ |おう|と||さいきん||じん||あつまって||||

雰囲気 が 前 と 違う やろ ナツキ くん は 気づか ん ？ ふんいき||ぜん||ちがう|||||きづか|

（ スバル ） そう 言わ れ れ ば ― すばる||いわ|||

殺気 立って た よう な 感じ は あった な さっき|たって||||かんじ|||

王 選 だ から か ？ おう|せん|||

（ アナスタシア ） 上 が 動け ば 人 が 動く 人 が 動け ば 物 が 動く |うえ||うごけ||じん||うごく|じん||うごけ||ぶつ||うごく

ちなみに 今 の 王 都 で は ― |いま||おう|と||

いろいろ と 物 の 価 値 が 変動 し てる ん や けど ― ||ぶつ||か|あたい||へんどう|||||

特に 重宝 さ れる ん は 鉄製 品 とくに|ちょうほう|||||てつせい|しな

剣 やら 槍 ( やり ) やら の 武器 が 王 都 の 内外 から 集め られ とる よ けん||やり||||ぶき||おう|と||ないがい||あつめ|||

鉄 と 武器 って 集め てる 奴 は まさか ― くろがね||ぶき||あつめ||やつ||

戦争 でも する 気 で いる ん じゃ ねえ だ ろ う な せんそう|||き|||||||||

（ アナスタシア ） 目的 は 物 その もの より ― |もくてき||ぶつ|||

経済 を 回す こと って 可能 性 も ある よ けいざい||まわす|||かのう|せい|||

（ スバル ） 今 の 口ぶり だ と ― すばる|いま||くちぶり||

鉄 を 集め てる 奴 が 誰 な の か 有名 な の か ？ くろがね||あつめ||やつ||だれ||||ゆうめい|||

ナツキ くん も よう 知って る お 人 や よ ||||しって|||じん||

クルシュ ･ カルステン 公爵 ||こうしゃく

クルシュ が …

そう いえ ば ひっきりなし に 来客 が あった が … |||||らいきゃく|||

そう か

ラッセル って 男 が 顔 を 見せ て た の も それ が 理由 ||おとこ||かお||みせ|||||||りゆう

ラッセル ･ フェロー ？ 大物 や ねえ ||おおもの||

まあまあ 参考 に なった か なあ |さんこう||||

ありがとう な ナツキ くん

ケンカ 別れ し て クルシュ さん とこ 出 た ん が ― けんか|わかれ||||||だ|||

昨日 の 夜 やろ ？ きのう||よ|

今 なら 口 も 目 も 表情 も ― いま||くち||め||ひょうじょう|

いろんな ところ が 滑ら せ やすい ん 違う か な と 思 た ん よ |||すべら||||ちがう||||おも|||

最初 から 仕組 ん で い た の か よ さいしょ||しく|||||||

こんな やり 方 し て 満足 な の か よ ？ ||かた|||まんぞく||||

こんな … だまし 討ち み たい な やり 方 で ||うち|||||かた|

自分 の 正し さ を 信じ て もらい たい なら ― じぶん||ただし|||しんじ||||

相応 の もの を 見せ な アカン よ そうおう||||みせ|||

そして うち は ナツキ くん に それ を 見 ない ||||||||み|

評価 を 変える に は 別 の 評価 で 覆す 以外 に ない ひょうか||かえる|||べつ||ひょうか||くつがえす|いがい||

評価 を 決める ん は それ まで の 行い つまり 過去 や ひょうか||きめる||||||おこない||かこ|

何 を どう し て も 過去 は 変わら ん なん||||||かこ||かわら|

や から うち の 中 の ナツキ くん の 評価 も 変わら ん まま ||||なか|||||ひょうか||かわら||

やら かし た こと は 絶対 に 消え て なく なら ん よ |||||ぜったい||きえ|||||

くっ

お 兄さん お 嬢 に それ 以上 近づ い たら ダメ |にいさん||じょう|||いじょう|ちかづ|||だめ

ミミ 超 強い から |ちょう|つよい|

（ アナスタシア ） ありがとう ミミ

でも 何 ( なん ) も せ ん で え えよ |なん|||||||

ナツキ くん も 何 も でき ひ ん はず や から |||なん|||||||

（ ナツキ ） お前 ら は 主従 そろって 最悪 だ ！ クソ 食らえ だ ！ |おまえ|||しゅじゅう||さいあく||くそ|くらえ|

（ アナスタシア ） ユリウス も 報 わ れ ん なあ うち の せい で も ある けど |||ほう|||||||||||

さすが に そこ まで バカ は し いひん の や ね ||||ばか||||||

安心 し た わ あんしん|||

ミミ 行く よ |いく|

（ ミミ ） あー い

（ アナスタシア ） 最後 に １ 個 だけ |さいご||こ|

（ アナスタシア ） 交渉 の 秘けつ は 交渉 の テーブル に 着く 前 に ― |こうしょう||ひけつ||こうしょう||てーぶる||つく|ぜん|

どれ だけ 準備 できる か で 決まる ||じゅんび||||きまる

自分 が 知って て 相手 が 欲し がる もん を ぶら下げる じぶん||しって||あいて||ほし||||ぶらさげる

欲しい 欲しい ばっかり の ナツキ くん に 足ら ん の は そこ や ね ほしい|ほしい||||||たら||||||

ほん なら 行 こ か みんな ||ぎょう|||

な っ …

（ ミミ ） お 兄さん また ね ||にいさん||

バイバーイ

クソ が ！ くそ|

（ レム ） スバル くん どう し た ん です か |すばる|||||||

何 か あった … （ スバル ） 何でもない なん|||すばる|なんでもない

レム 結果 は どう だった |けっか|||

騎士 団 詰め所 の ほう に 魔女 教 の 暗躍 を 報告 し て き まし た きし|だん|つめしょ||||まじょ|きょう||あんやく||ほうこく|||||

ロズワール 様 の お 名前 を 出し た の です けど … |さま|||なまえ||だし||||

（ スバル ） いい 返事 は もら え なかった か すばる||へんじ|||||

（ レム ） 似 た よう な 報告 が 騎士 団 に いく つ も 上がって いる みたい です |に||||ほうこく||きし|だん|||||あがって|||

魔女 教 は 背景 が 不鮮明 です から ― まじょ|きょう||はいけい||ふせんめい||

確かめよ う の ない 密告 が あと を 絶た ない らしく て たしかめよ||||みっこく||||たた|||

それ で 本物 が 隠れ ち まっ てる って ん なら ― ||ほんもの||かくれ||||||

笑え ねえ わらえ|

戦力 を かき集める の が 不可能 だって いう なら ― せんりょく||かきあつめる|||ふかのう|||

（ レム ） どう し ます か

（ ペテルギウス ･ ロマネコンティ ） アハ ハハ ！ アハハ ハハ ！

（ スバル ） 屋敷 に 帰る ん だ すばる|やしき||かえる||

戻って エミリア や ラム を 連れ出す もどって|||||つれだす

王 都 でも ロズワール が 出かけ てる 先 で も いい おう|と||||でかけ||さき|||

とにかく あの 場所 は 危険 な ん だ ||ばしょ||きけん|||

時間 が ない すぐ に でも 出よ う じかん||||||でよ|

（ スバル ） 今 の ペース なら 朝 に は 屋敷 に 着ける すばる|いま||ぺーす||あさ|||やしき||つける

そう すれ ば エミリア たち を 連れ出し ― ||||||つれだし

魔女 教 から 逃げる 時間 は 十分 に ある まじょ|きょう||にげる|じかん||じゅうぶん||

問題 は どう やって 運ぶ か だ もんだい||||はこぶ||

あ …

あいつ は …

（ オットー ･ スー ウェン ） これ から メイザース 領 まで ？ ||||||りょう|

（ スバル ） ああ すばる|

（ オットー ） もう 夜 です し 危険 で は ？ ||よ|||きけん||

僕 たち は 今夜 ここ で 野営 する つもり な の で ― ぼく|||こんや|||やえい|||||

よけ れ ば ご 一緒 さ れ ませ ん か ？ ||||いっしょ|||||

（ 行商 人 ） そんな こと 言って オットー ぎょうしょう|じん|||いって|

お前 時期 外し て 在庫 に し た 油 を ― おまえ|じき|はずし||ざいこ||||あぶら|

少し でも 減らし たい だけ なん じゃ ねえ か ？ すこし||へらし||||||

（ 一同 の 笑い声 ） いちどう||わらいごえ

そんな つもり じゃ あり ませ ん よ

まあ 少し でも 油 を ご 利用 頂 けれ ば … |すこし||あぶら|||りよう|いただ||

と いう 欲 が ない 訳 で は あり ませ ん が ||よく|||やく||||||

油 が どう か さ れ た ん です か ？ あぶら|||||||||

（ オットー ） いえ ちょっと ヘマ を やら かし て しまい まし て ―

今 の 時期 売りもの と し て 価値 が 微妙 な 油 を ― いま||じき|うりもの||||かち||びみょう||あぶら|

大量 に 抱え て いる ん です たいりょう||かかえ||||

王 都 に 行って も この 油 を 全部 さばける か は 分かり ませ ん おう|と||おこなって|||あぶら||ぜんぶ||||わかり||

そし たら 僕 は 破産 です ！ ||ぼく||はさん|

破産 です … はさん|

オットー 話 … いや 商談 が ある |はなし||しょうだん||

え ？

お前 の 竜 車 に 積 ん でる 油 全部 買い取って やる おまえ||りゅう|くるま||せき|||あぶら|ぜんぶ|かいとって|

代わり に 足 を 貸し て くれ かわり||あし||かし||

ここ に いる 商人 と 竜 車 ― |||しょうにん||りゅう|くるま

足 を 金 で 売って くれる 奴 は 全員 俺 に 買わ れ て くれ あし||きむ||うって||やつ||ぜんいん|おれ||かわ|||

運ぶ の は 人 だ はこぶ|||じん|

人 ？ 人身 売買 は 勘弁 です よ じん|じんしん|ばいばい||かんべん||

そんな サイド ビジネス は し て ねえ よ |さいど|びじねす|||||

メイザース 領 の 屋敷 近く に 村 が ある |りょう||やしき|ちかく||むら||

そこ の 村民 たち を 乗っけ て 移動 さ せ たい ん だ ||そんみん|||のっけ||いどう|||||

（ 硬貨 の 音 ） （ 一同 ） おお こうか||おと|いちどう|

お 礼 は きちんと さ せ て 頂き ます |れい||||||いただき|

（ オットー ） 夜 半 の 間 も 走り 続け て ― |よ|はん||あいだ||はしり|つづけ|

メイザース 領 へ 入る の は 朝方 に なる でしょ う かね |りょう||はいる|||あさがた|||||

休憩 なし で 悪い な きゅうけい|||わるい|

（ オットー ） あっ いえいえ ―

在庫 処分 が できる うえ に 運賃 も はず ん で もら える と なれ ば ― ざいこ|しょぶん|||||うんちん|||||||||

僕 は 無敵 です ぼく||むてき|

（ レム ） スバル くん ごめんなさい |すばる||

残り の 距離 を 確かめ たく て 地図 を 確認 し たい ん です のこり||きょり||たしかめ|||ちず||かくにん||||

地図 ？ ちず

スバル くん の 荷物 の 中 に 入って いる ん です すばる|||にもつ||なか||はいって|||

（ スバル ） これ か すばる||

って … この 暗 さ じゃ 何 も 見え ない な ||あん|||なん||みえ||

そう だ

お っ

スバル くん それ って ？ すばる|||

失わ れ た ロスト テクノロジー うしなわ||||てくのろじー

いや 未来 テクノロジー の 携帯 電話 だ |みらい|てくのろじー||けいたい|でんわ|

かろうじて 充電 が 生き て た みたい で 助かった って いう べき か |じゅうでん||いき|||||たすかった||||

これ 見 て み |み||

ナツキ さん 何 です か ？ それ ||なん|||

見 た こ と ない 結晶 灯 だ な み|||||けっしょう|とう||

辺境 伯 に 持た さ れ てる 秘密 の 道具 な ん だ よ へんきょう|はく||もた||||ひみつ||どうぐ||||

悪い けど 見 た こと は 忘れ た ほう が いい ぞ わるい||み||||わすれ|||||

う わ … 何 です か その お 金 の におい しか し ない 裏 事情 は ||なん|||||きむ||||||うら|じじょう|

もう 少し 走った 先 に ― |すこし|はしった|さき|

フリューゲル の 大樹 が 見え て くる はず です ||たいじゅ||みえ||||

そこ から 北東 に 向かえ ば もう すぐ メイザース 領 です よ ||ほくとう||むかえ|||||りょう||

（ スバル ） フリューゲル の 大樹 ？ すばる|||たいじゅ

（ オットー ） リー ファウス 街道 の 真ん中 に そびえる ― |||かいどう||まんなか||

雲 を 突く よう な で っ かい 木 です くも||つく||||||き|

（ 行商 人 ） なんでも 数 百 年 前 ― ぎょうしょう|じん||すう|ひゃく|とし|ぜん

フリューゲル って 賢 者 が 植え た って 伝承 が 残って る ||かしこ|もの||うえ|||でんしょう||のこって|

なるほど こら すげ え と しか 言 え ねえ よ ||||||げん|||

お … ん ？

バンダナ の お っ さん どこ 行った ？ ||||||おこなった

まさか 大樹 に 見とれ て は ぐれ た ん じゃ ねえ だ ろ う な |たいじゅ||みとれ|||||||||||

どう し まし た ？ ナツキ さん

お前 ら の 仲間 どこ 行った ？ おまえ|||なかま||おこなった

さっき まで こっち 側 を 走って た バンダナ の 渋い ダンナ は |||がわ||はしって||||しぶい||

何 を 言って る ん です か ？ なん||いって||||

僕 の 反対 側 なんて 誰 も 走って い ませ ん でし た よ ぼく||はんたい|がわ||だれ||はしって||||||

は ？

（ 何 か が ほえる 声 ） なん||||こえ

ん ？

あ …

あっ ！

（ 何 か が ほえる 声 ） なん||||こえ

う っ う っ あ あー っ ！

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