RDG : Red Data Girl Episode 3

やっぱり ほっと する

もう いい の か 起き 出し て ||||おき|だし|

うん 家 で 一晩 寝 たら よく なった みたい |いえ||ひとばん|ね||||

そんな こと だ ろ う と 思った けど な ||||||おもった||

もう 稽古 始め た の ？ |けいこ|はじめ||

勘 を 取り戻さ ない と かん||とりもどさ||

そう … あ … あの ね

今朝 は 山 の 上 から 海 が 見える かも しれ ない の 行って み ない ？ けさ||やま||うえ||うみ||みえる|||||おこなって||

ここ は いい 所 だ な |||しょ||

よかった 深 行 君 が いる うち に 見え て |ふか|ぎょう|きみ|||||みえ|

いる うち ？

相楽 さん が 意見 を 変え た ん だ って さがら|||いけん||かえ||||

前 の 学校 に 転校 し 直す の でしょ う よかった ね ぜん||がっこう||てんこう||なおす|||||

いや 戻る の は 無理 だ ろ う な |もどる|||むり||||

まあ 俺 自身 それほど 未練 が ない と いう か |おれ|じしん||みれん|||||

今回 の こと で 分から なかった 雪 政 の 考え が ひと つ 判明 し た 気 が する こんかい||||わから||ゆき|まつりごと||かんがえ||||はんめい|||き||

鈴 原 お前 は もう 思い出せ る の か 姫 神 の こと は すず|はら|おまえ|||おもいだせ||||ひめ|かみ|||

え ー と うん ただ 自分 の した こと と は 思え ない |-||||じぶん||||||おもえ|

私 自身 は その そば に い て 誰 か の 言葉 を 聞い て いる よう な 感じ わたくし|じしん|||||||だれ|||ことば||ききい|||||かんじ

増し な 方 じゃ ない か 憑依 の こと まるっきり 思い出せ ない 人 も 多い らしい まし||かた||||ひょうい||||おもいだせ||じん||おおい|

憑依 ？ ひょうい

霊 が 取り付く こと を 憑依 と いう ん だ れい||とりつく|||ひょうい||||

雪 政 は 彼女 の こと を よく 知って い た ゆき|まつりごと||かのじょ|||||しって||

あの 姫 神 こそ 雪 政 が ずっと 追い求め て き た もの な ん だ |ひめ|かみ||ゆき|まつりごと|||おいもとめ|||||||

相楽 さん は 私 で は なく あの 人 が 大事 だった の ね さがら|||わたくし|||||じん||だいじ|||

鈴 原 と は 別人 と 考え て い い ん だ ろ う な すず|はら|||べつじん||かんがえ||||||||

それ なら 私 は 姫 神 じゃ ない の だ から ||わたくし||ひめ|かみ|||||

何も でき ない と 言って もう 私 に 当たる こと は し ない と 思って いい の ね なにも||||いって||わたくし||あたる||||||おもって|||

笑う こと ない でしょ う わらう||||

いや そうだ な 心配 する 必要 ない よ |そう だ||しんぱい||ひつよう||

俺 は もう すぐ 東京 へ 転校 する ん だ し おれ||||とうきょう||てんこう||||

東京 ？ とうきょう

ああ 雪 政 は 最初 俺 を 鳳城 学園 に 行か せ た がって い た |ゆき|まつりごと||さいしょ|おれ||おおとりしろ|がくえん||いか|||||

恐らく そこ に は 山伏 に とって の 何 か が ある ん だ おそらく||||やまぶし||||なん|||||

鳳城 学園 … お 父さん も 私 に 勧め て い た おおとりしろ|がくえん||とうさん||わたくし||すすめ|||

同じ 土俵 に 立つ こと を 避け て まわる の は もう やめ た おなじ|どひょう||たつ|||さけ|||||||

俺 は 俺 で 山伏 と して の 力 を 身 に つけ たい おれ||おれ||やまぶし||||ちから||み|||

私 って お 父さん に 逆らって まで どうして 外 津川 高校 へ 行き た がった ん だ っけ ？ わたくし|||とうさん||さからって|||がい|つがわ|こうこう||いき|||||

き た き た 泉 水子 体調 は もう いい の ||||いずみ|みずこ|たいちょう||||

うん

あの さ 大事 な 話 が ある の ||だいじ||はなし|||

実は 和 宮 の こと な ん だ じつは|わ|みや|||||

和 宮 君 ？ わ|みや|きみ

あいつ 目立た ない から ついつい 忘れ て 平気 に なって る けど |めだた||||わすれ||へいき||||

それ じゃ いけなかった ん だ よ ね

はい この お土産 泉 水子 が 代表 し て 渡し て あげて よ ||おみやげ|いずみ|みずこ||だいひょう|||わたし|||

一 番 に 和 宮 を 気遣った の は 泉 水子 な ん だ から ひと|ばん||わ|みや||きづかった|||いずみ|みずこ||||

大丈夫 ライバル は どこ に も い ない から だいじょうぶ|らいばる|||||||

私 … そんな つもり じゃ … わたくし|||

勇気 を 出し て 渡し て ごらん よ ゆうき||だし||わたし|||

あいつ が 一緒 に 来 られ なく て 残念 だ と 思って い た の は 本当 な ん でしょ う ||いっしょ||らい||||ざんねん|||おもって|||||ほんとう||||

うん …

和 … 和 … 和 宮 君 わ|わ|わ|みや|きみ

これ 女子 から |じょし|

僕 に ？ もらって も いい の ？ ぼく|||||

もらって ほしい の

修学 旅行 に 行け なかった の 残念 だった ね しゅうがく|りょこう||いけ|||ざんねん||

うん 鈴 原 さん は 行って よかった ？ |すず|はら|||おこなって|

大変 な 思い も し た けど でも 行って よかった と 思う ところ も あって たいへん||おもい||||||おこなって|||おもう|||

行か ない 方 が よかった ん だ よ いか||かた|||||

あんなに 汚れ 切った 場所 へ 行って は いけなかった ん だ |けがれ|きった|ばしょ||おこなって||||

旅行 へ 行く 前 と は まるで 違って しまって いる りょこう||いく|ぜん||||ちがって||

私 が ？ わたくし|

君 は ここ を 出 て いか ない よ ね きみ||||だ|||||

東京 へ 行 こ う なんて 思って い な いよ ね とうきょう||ぎょう||||おもって||||

どうして そんな こと を 聞く の ？ ||||きく|

鈴 原 さん この 前 相楽 君 は 嫌い だ と 言った よ ね すず|はら|||ぜん|さがら|きみ||きらい|||いった||

言った けど でも … いった||

心変わり し た ん だ こころがわり||||

君 を 変え させ た の が あいつ なら あいつ を 排除 し なけ れ ば なら ない きみ||かえ|さ せ||||||||はいじょ||||||

いきなり どういう つまり な ん だ

俺 たち は 今 まで お前 に 我慢 して やって いた ん だ おれ|||いま||おまえ||がまん|||||

態度 が でか い ん だ よ たいど||||||

これ でも 調整 し た つもり だ けど な ||ちょうせい||||||

て め え な ん か ここ から 叩き出し て やる ||||||||たたきだし||

和 宮 だって そう 言って る ん だ わ|みや|||いって|||

和 宮 って 誰 だ よ わ|みや||だれ||

うる っせ え

よ ー し 最初 の 手出し は そっち だ から な |-||さいしょ||てだし|||||

黒幕 は 和 宮 って やつ か そい つ は どこ に いる くろまく||わ|みや|||||||||

お前 … おまえ

消え な よ きえ||

目障り な ん だ よ お前 み たい な やつ めざわり|||||おまえ||||

六 根 清浄 真 清浄 に し て 諸々 の 汚れ は なし むっ|ね|せいじょう|まこと|せいじょう||||もろもろ||けがれ||

無事 かい 深 行 君 ぶじ||ふか|ぎょう|きみ

深 行 君 ふか|ぎょう|きみ

大した こと じゃ ない たいした|||

泉 水子 さん の おっしゃる 通り で し た いずみ|みずこ||||とおり|||

まさか 和 宮 君 と … |わ|みや|きみ|

和 宮 って 誰 だ よ わ|みや||だれ||

和 宮 君 は 和 宮 君 よ 同じ クラス の 和 宮 悟 君 わ|みや|きみ||わ|みや|きみ||おなじ|くらす||わ|みや|さとし|きみ

俺 は 知ら ない おれ||しら|

何 を 言って る の なん||いって||

出席 を 取る 時 渡辺 あゆみ の 次に 呼ば れる の は 転入 し た 俺 の 名 で それ が 最後 だ しゅっせき||とる|じ|わたなべ|||つぎに|よば||||てんにゅう|||おれ||な||||さいご|

和 宮 と いう 生徒 は い ない よ わ|みや|||せいと||||

そんな はず …

泉 水子 さん どうして 深 行 君 に よく ない こと は 起きる と 思わ れ た ん です いずみ|みずこ|||ふか|ぎょう|きみ||||||おきる||おもわ||||

和 宮 君 が いつも の 感じ で は なかった の わ|みや|きみ||||かんじ||||

排除 する と 言って い て その … 深 行 君 の こと を はいじょ|||いって||||ふか|ぎょう|きみ|||

なぜ ？

あの … 私 和 宮 君 に 深 行 君 は 嫌い だ と 言った こと が あって |わたくし|わ|みや|きみ||ふか|ぎょう|きみ||きらい|||いった|||

なん だ よ それ は

だって 本当 に 意地悪 だった でしょ う |ほんとう||いじわる|||

すみません が すこし 飛ばし ます |||とばし|

車 を 追って くる もの が くるま||おって|||

人 で は ない の は 確か だ じん||||||たしか|

なん だ 鈴 原 ||すず|はら

深 行 君 は 見え ない の ？ ふか|ぎょう|きみ||みえ||

見え ない ただ 何 か 変 だ と 思う 野々 村 さん は ？ みえ|||なん||へん|||おもう|のの|むら||

霊 気 が 集まって いる の が 見える れい|き||あつまって||||みえる

神霊 かも しれ ない しんれい|||

ただ の クラスメート で は あり ませ ん ほか の 生徒 を 操る 力 さえ 持って いる の です ||||||||||せいと||あやつる|ちから||もって|||

それ なら 和 宮 君 は 何 な の ？ ||わ|みや|きみ||なん||

もしも 神霊 なら 神霊 は 祟 る もの で あり ます |しんれい||しんれい||たたり|||||

その 怒り に 触れる 何 か を 人間 の 物差し で 測る こと は でき ない |いかり||ふれる|なん|||にんげん||ものさし||はかる||||

心変わり し た ん だ こころがわり||||

和 宮 君 が 怒って る の は 深 行 君 だけ じゃ ない から わ|みや|きみ||いかって||||ふか|ぎょう|きみ||||

私 も だ から 私 の せい で 深 行 君 の こと も 怒って いる の わたくし||||わたくし||||ふか|ぎょう|きみ||||いかって||

具体 的 に 言え よ ぐたい|てき||いえ|

東京 へ 行った から よ とうきょう||おこなった||

何 だって ？ なん|

追い払う こと は でき ない でしょ う が 神社 まで は 逃げ切って みせ ます おいはらう||||||||じんじゃ|||にげきって||

社 の 聖域 に 入れ ば 加護 の もと に あれ と 向かい合う こと も できる かも しれ ない しゃ||せいいき||いれ||かご||||||むかいあう||||||

鈴 原 生き てる か すず|はら|いき||

怪我 は ？ 気分 は どう だ ？ けが||きぶん|||

痛い けれど なんとか いたい||

怪我 が ない の は 何より です けが|||||なにより|

二 人 ども 気 を つけ て 車 の 外 に 出 なさい ふた|じん||き||||くるま||がい||だ|

ガソリン の 引火 に 気 を つけ て がそりん||いんか||き|||

野々 村 さん あっ 血 … 血 が のの|むら|||ち|ち|

大丈夫 です ただ 抜け出す の に 少々 かかり そう です だいじょうぶ|||ぬけだす|||しょうしょう|||

そんな …

この ぐらい の こと は 肝 を 据え なく て は いけ ませ ん |||||かん||すえ||||||

姫 神 に 近づく もの は 誰 も が 命懸け を 要求 さ れる の です ひめ|かみ||ちかづく|||だれ|||いのちがけ||ようきゅう||||

それ は あなた 自身 で あって も |||じしん|||

和 宮 って カラス 天狗 だったり する の か わ|みや||からす|てんぐ||||

その 発想 は どう か と 思う よ |はっそう|||||おもう|

お前 が 和 宮 ？ おまえ||わ|みや

やっと 僕 が 見え た ん だ ね どう 見える ？ |ぼく||みえ||||||みえる

ただ の 中学生 に 見える ||ちゅうがくせい||みえる

僕 は ただ の 中学生 だ よ ぼく||||ちゅうがくせい||

本当 だ よ 鈴 原 さん が 望 ん で いる 間 は ね ほんとう|||すず|はら|||のぞみ||||あいだ||

私 和 宮 君 の こと 小学校 から 知って いる と ばかり 思って い た わたくし|わ|みや|きみ|||しょうがっこう||しって||||おもって||

僕 は ずっと 一緒 に い た よ 小学校 だって その 前 だって ぼく|||いっしょ|||||しょうがっこう|||ぜん|

僕 の こと が 目 に 見える よう に なった の は 君 が 前髪 を 切って から だ ね ぼく||||め||みえる||||||きみ||まえがみ||きって|||

僕 は 古く から この 山 に い た 者 だ ぼく||ふるく|||やま||||もの|

所 を 定め ず に 漂って い た の が 鈴 原 さん の 願い の 元 に 寄り集まって 生まれ た ん だ よ しょ||さだめ|||ただよって|||||すず|はら|||ねがい||もと||よりあつまって|うまれ||||

私 の … 願い ？ わたくし||ねがい

友達 が ほしかった ん でしょ う 分かって もらえ る 友達 が ともだち||||||わかって|||ともだち|

違う と は 言わ せ ない よ こうして 僕 を 作り上げ た の だ から ちがう|||いわ|||||ぼく||つくりあげ||||

そして 勝手 に もう 要ら ない と も 言わ せ ない |かって|||いら||||いわ||

深 行く ん トランク に 私 の 錫 杖 が 入って いる ふか|いく||とらんく||わたくし||すず|つえ||はいって|

それ を 使う ん だ ||つかう||

でも 俺 に は |おれ||

そこ に いる の は 真に 力 を 持つ もの だ |||||しんに|ちから||もつ||

全員 やら れ て しまう ぞ ぜんいん|||||

僕 を 調 伏 できる と 思う の かい ぼく||ちょう|ふ|||おもう||

ここ は 僕 の 根城 な ん だ よ ||ぼく||ねじろ||||

深 行く ん 錫 杖 を 持て ふか|いく||すず|つえ||もて

俺 そこ まで 修行 でき て ませ ん おれ|||しゅぎょう||||

そんな こと を 言って いる 場合 か |||いって||ばあい|

目の前 で 起こって いる こと を 受け入れろ めのまえ||おこって||||うけいれろ

受け入れ て ます よ うけいれ|||

だから 分かる ん です 俺 に は 無理 だ |わかる|||おれ|||むり|

このまま 君 も 僕 も 外 津川 高校 へ 行く ん だ |きみ||ぼく||がい|つがわ|こうこう||いく||

これ から は 皆 鈴 原 さん に 親切 に し て くれる よ |||みな|すず|はら|||しんせつ|||||

もしも 私 が 気 を 変え た と し たら どういう こと に なる の |わたくし||き||かえ|||||||||

君 に その 選択 は ない きみ|||せんたく||

鈴 原 さん が 僕 を 見捨てる と 言う なら すず|はら|||ぼく||みすてる||いう|

ここ へ 雷 を 呼ぶ こと くらい は 簡単 な ん だ ||かみなり||よぶ||||かんたん|||

自分 の 目的 を 見失って い ない か じぶん||もくてき||みうしなって|||

そんな こと で 鈴 原 を 殺し て どう する |||すず|はら||ころし|||

力 の 代価 は 支払って もらわ ない と ちから||だいか||しはらって|||

鈴 原 すず|はら

あいつ を 納得 さ せろ よ ||なっとく|||

和 宮 くん の 言う こと を 聞け と 言う の わ|みや|||いう|||きけ||いう|

それ しか ない だ ろ う

従わ ない と 殺す と 言って いる ん だ ぞ したがわ|||ころす||いって||||

この 山 の 神 霊 な ん だ ぞ |やま||かみ|れい||||

何 を 言って る の 深 行く ん それ でも 深 行く ん な の なん||いって|||ふか|いく||||ふか|いく|||

勝手 な こと を 言わ ない で 許さ ない の は こっち よ かって||||いわ|||ゆるさ|||||

あなた が 私 の 願い で 作ら れ た と いう なら 私 の 考え に 従い なさい ||わたくし||ねがい||つくら||||||わたくし||かんがえ||したがい|

私 を 脅し たり 二 度 と し ない で わたくし||おどし||ふた|たび||||

もしも 従わ ない と し たら |したがわ||||

あなた を 嫌い に なる ||きらい||

嫌い に なったら 私 は 二 度 と この 山 に 来 られ なく なる きらい|||わたくし||ふた|たび|||やま||らい|||

それ でも いい の

嫌い に なって も なら なく て も 君 は 山 を 出て 行く ん でしょ う きらい||||||||きみ||やま||でて|いく|||

それ でも 二 つ が 同じ こと に は なら ない はず よ ||ふた|||おなじ|||||||

よく 考え なさい |かんがえ|

おい 鈴 原 |すず|はら

平気 ほっと し た だけ へいき||||

和 宮 と いう の は 多分 お 使い だった の でしょ う ね わ|みや|||||たぶん||つかい|||||

お 使い ？ |つかい

姫 神 の お 使い です ひめ|かみ|||つかい|

主 神 に 仕える 従属 神 と 言い ます か おも|かみ||つかえる|じゅうぞく|かみ||いい||

泉 水子 さん に その 自覚 が 生まれ ない うち は 暴走 する 力 の ある 強い 神霊 で し た いずみ|みずこ||||じかく||うまれ||||ぼうそう||ちから|||つよい|しんれい|||

ぎりぎり の ところ で 泉 水子 さん が ある べき 主従 に 抑え 込 ん だ の でしょ う ||||いずみ|みずこ|||||しゅじゅう||おさえ|こみ|||||

お 見事 で し た |みごと|||

つまり 和 宮 くん は 私 が 作って 消し て しまった の ね |わ|みや|||わたくし||つくって|けし||||

悔やむ こと は あり ませ ん くやむ|||||

和 宮 は 消滅 し た 訳 で は なく あなた と の 新しい 関わり を 待って いる こと でしょ う わ|みや||しょうめつ|||やく|||||||あたらしい|かかわり||まって||||

いつのまに 鳳城 学園 へ 行く 気 に なって いた ん だ |おおとりしろ|がくえん||いく|き|||||

私 も 和 宮 くん に 言わ れる まで はっきり し て い なかった の わたくし||わ|みや|||いわ||||||||

和 宮 くん の 方 が 先 に 分かって い て それ で わ|みや|||かた||さき||わかって||||

つまり 鈴 原 が 気 を 変え た おかげ で |すず|はら||き||かえ|||

野々 村 さん も 俺 も 危うく 殺さ れる ところ だった ん だ な のの|むら|||おれ||あやうく|ころさ||||||

私 も 同じ 目 を 見 た の だ から もう いい でしょ う わたくし||おなじ|め||み||||||||

結局 は 和 宮 くん を 止める こと が でき た ん だ し けっきょく||わ|みや|||とどめる|||||||

姫 神 か ここ まで 厄介 な もの と は 思わ なかった ひめ|かみ||||やっかい|||||おもわ|

俺 は 姫 神 の 神霊 に 触れ て も おれ||ひめ|かみ||しんれい||ふれ||

ちょっと や そっと で は 命 を 落とさ ない 者 に なって やる よ |||||いのち||おとさ||もの||||

山伏 に なる 決心 が つい た と いう こと やまぶし|||けっしん||||||

鳳城 は 多分 そういう 人種 を 集める 学校 な ん だ よ おおとりしろ||たぶん||じんしゅ||あつめる|がっこう||||

きっと 鈴 原 に とって も ふさわしい 場所 だ |すず|はら|||||ばしょ|

俺 が 先 に 転校 し て 中 の 様子 を 教え て やる おれ||さき||てんこう|||なか||ようす||おしえ||

うん あて に し て いる

その 前 に 一 つ いい かな |ぜん||ひと|||

お 別れ くらい は 言って おき たい と 思って ね |わかれ|||いって||||おもって|

お っ お 別れ ？ |||わかれ

「 和 宮 さとる 」 を 解 い て もらい に 来 た ん だ わ|みや|||かい|||||らい|||

もう 必要 じゃ なく なった なら |ひつよう||||

解く って どういう こと な の とく|||||

鈴 原 さん よく 山頂 で 一 人 舞い を 舞って た でしょ う すず|はら|||さんちょう||ひと|じん|まい||まって|||

同じ 舞 で 解く こと だって できる はず だ よ おなじ|まい||とく||||||

舞 で ？ まい|

お前 自覚 も なし に そんな こと を し て い た の か おまえ|じかく||||||||||||

だって 私 の 舞って 運動 の 代わり だった の よ |わたくし||まって|うんどう||かわり|||

だけど そい つ が 言う の なら 嘘 じゃ ない ん だ ろ う ||||いう|||うそ||||||

舞 が 山 の 神 霊 を 操った ん だ まい||やま||かみ|れい||あやつった||

そう だ よ 僕 の ため に 鈴 原 さん の 舞 を 見せ て よ |||ぼく||||すず|はら|||まい||みせ||

鈴 原 その 格好 すず|はら||かっこう

ジャージ でも 構わ ない けれど 袖 が あった 方 が 舞い やすい から ||かまわ|||そで|||かた||まい||

いい の か 俺 が 見て い て も |||おれ||みて|||

一 人 に 見せる の も 二 人 に 見せる の も 同じ だ も の ひと|じん||みせる|||ふた|じん||みせる|||おなじ|||

本当 は 私 ここ に いる 私 を 誰 か に 分かって ほしい と 思って い た の か な ほんとう||わたくし||||わたくし||だれ|||わかって|||おもって|||||

だから 和 宮 くん が 寄って 来 た |わ|みや|||よって|らい|

見 られる こと が 怖い の は 傷つけ られる の が 怖い から み||||こわい|||きずつけ||||こわい|

見 られる こと が 恥ずかしい の は 自分 で 自分 を 否定 し て いる から み||||はずかしい|||じぶん||じぶん||ひてい||||

私 は これほど 冴え ない 鈴 原 泉 水子 で は なく 他 の もの に なり たい わたくし|||さえ||すず|はら|いずみ|みずこ||||た|||||

梓 弓 あずさ|ゆみ

引き み 緩 へ み ひき||ゆる||

来 ず は 来 ず らい|||らい|

来 ば 来 其 を 何 ぞ らい||らい|その||なん|

来 ず は 来 ば 其 を らい|||らい||その|

どこ が 何も でき ない 女の子 だ よ ||なにも|||おんなのこ||

とうとう これ で 負け た かな |||まけ||

彼女 は 君 の 前 で 舞って いる かのじょ||きみ||ぜん||まって|

まだ 諦め て い なかった の か |あきらめ|||||

往生 際 が 悪く ない か おうじょう|さい||わるく||

往生 した こと は 一 度 も ない よ おうじょう||||ひと|たび|||

誰 か が 私 を 呼ぶ の だれ|||わたくし||よぶ|

どこ か で 私 を 呼ぶ |||わたくし||よぶ

遠く から 近づ い てる とおく||ちかづ||

優しい 響き やさしい|ひびき

心 動き出し て こころ|うごきだし|

一 つ 教え て ひと||おしえ|

この 切ない 予感 の 前 で |せつない|よかん||ぜん|

まだ 知ら ず に い た |しら||||

思い が 広がり かけ てる の おもい||ひろがり|||

夢見 て い た 自由 に ゆめみ||||じゆう|

戸惑い がち の まま とまどい|||

小さな 声 で 願う ちいさな|こえ||ねがう

みんな と 一緒 に ||いっしょ|

笑い 合い たい ね わらい|あい||

ここ が 鳳城 学園 だ よ ||おおとりしろ|がくえん||

よかった じゃ ない です か

思った より 自然 の 残って いる 場所 で おもった||しぜん||のこって||ばしょ|

お 父さん が 悪い 学校 を 薦める はず が ない って こと |とうさん||わるい|がっこう||すすめる|||||

分かって もらえ たかな わかって||

や あ 久しぶり だ ね ||ひさしぶり||

半年 ぶり いや もっと かな はんとし||||

お 久しぶり です |ひさしぶり|

父 から 今日 お目にかかれ ない の が 残念 だ と 言付かり まし た ちち||きょう|おめにかかれ||||ざんねん|||ことづかり||

今 でも 東京 に 来 れ ば 何でもかんでも 怖い の か いま||とうきょう||らい|||なんでもかんでも|こわい||

そんな こと ない よ

今回 は もう 平気 だった もの こんかい|||へいき||

そりゃ よかった

新 学期 が 始まって も 自分 の 身元 や 能力 は 他人 に 話す な よ しん|がっき||はじまって||じぶん||みもと||のうりょく||たにん||はなす||

言う 気 なんて ない けど どうして いう|き||||

お前 無 試験 で 入った だ ろ う おまえ|む|しけん||はいった|||

試験 免除 で 入れる 奴 は そう 多く は い ない しけん|めんじょ||いれる|やつ|||おおく|||

なぜ 私 無 試験 だった の |わたくし|む|しけん||

なぜ だ と 思う |||おもう

鳳城 学園 は ただ の 学園 じゃ ない おおとりしろ|がくえん||||がくえん||

大成 さん や 雪 政 が 肩入れ する 何 か が ある ん だ たいせい|||ゆき|まつりごと||かたいれ||なん|||||

あの ー |-

あなた が 鈴 原 さん ||すず|はら|

宗 田 真 響 です はじめ|た|まこと|ひび|

かわいい ー |-

かわいい ねぇ 泉 水子 ちゃん ||いずみ|みずこ|

ルーム メイト が こんなに かわいい 子 だった なんて るーむ|||||こ||

超 ラッキー ちょう|らっきー

えっ と