RDG : Red Data Girl Episode 6

早く 早く はやく|はやく

遅い よ 真夏 おそい||まなつ

こっち は 荷物 が ある ん だ ぞ ||にもつ|||||

私 たち み たい に 先 に 送って おか ない から よ わたくし|||||さき||おくって||||

まだ 余裕 で 間に合う だ ろ う |よゆう||まにあう|||

そんな こと 言って 結局 いつも 慌てる 羽目 に なる ん じゃ ない ||いって|けっきょく||あわてる|はめ|||||

段取り が 悪い って 言わ れ てる ぞ シン コウ だんどり||わるい||いわ|||||

はっ ？ 俺 ？ |おれ

って いう か シン コウ

深 行 を 音読み し た ん だ ふか|ぎょう||おんよみ||||

深 行って 呼 ん だ ら 嫌がって た じゃ ん ふか|おこなって|よ||||いやがって|||

き た き た

なんだか 信じ られ ない |しんじ||

ええ ？ 何 が ？ |なん|

私 が 新幹線 に 乗って 長野 の 真 響 さん の 家 に 遊び に 行く こと わたくし||しんかんせん||のって|ながの||まこと|ひび|||いえ||あそび||いく|

それ だけ じゃ ない よ その後 戸隠 で 生徒 会 執行 部 の 合宿 も ある ん だ から |||||そのご|とがくし||せいと|かい|しっこう|ぶ||がっしゅく|||||

生徒 会 執行 部 せいと|かい|しっこう|ぶ

やっぱり 信じ られ ない な |しんじ|||

そう かな 泉 水子 ちゃん が 一緒 に 入って くれ て 助かって る よ ||いずみ|みずこ|||いっしょ||はいって|||たすかって||

最初 に 相楽 くん に 誘わ れ た の は 真 響 さん だ し さいしょ||さがら|||さそわ|||||まこと|ひび|||

私 は その おまけ みたい な もの で わたくし|||||||

一 度 聞い て み たい と 思って た ん だ ひと|たび|ききい|||||おもって|||

泉 水子 ちゃん どうして 相楽 の パートナー 枠 に なった の ？ いずみ|みずこ|||さがら||ぱーとなー|わく|||

うち の お 父さん と 相楽 くん の お 父さん が 決め た の |||とうさん||さがら||||とうさん||きめ||

家 の 問題 ？ いえ||もんだい

そんな 感じ 今 は すこし 慣れ た けど |かんじ|いま|||なれ||

そう は 見え なかった ||みえ|

普通 に 男女 で 役割 分担 でき て たし ふつう||だんじょ||やくわり|ぶんたん|||

ほら 高柳 の 式 神 に し た み たい に |たかやなぎ||しき|かみ||||||

普通 に 男女 ？ ふつう||だんじょ

彼 氏 彼女 かれ|うじ|かのじょ

そ … そ … それ 絶対 に ない から |||ぜったい|||

でも 相楽 って かなり 硬い よ |さがら|||かたい|

彼女 が でき て おかしく ない のに かのじょ||||||

もう 決め た 人 が いる みたい に 誘い は 断って る し |きめ||じん|||||さそい||たって||

それ そっくり 真 響 さん の こと じゃ ない ||まこと|ひび|||||

彼 氏 を 作る 余裕 なんて ない もの かれ|うじ||つくる|よゆう|||

私 たち って 普通 の 人 より いろんな もの を 抱え ちゃ う じゃ ない わたくし|||ふつう||じん|||||かかえ||||

それ に …

それ に 真澄 は … ||ますみ|

真澄 は 大人 に なら ない ますみ||おとな|||

真澄 くん の 命日 って いつ ？ ますみ|||めいにち||

今月 の 5 日 こんげつ||ひ

いく つ の 時 ？ |||じ

６ 歳 さい

あの 子 だけ お 昼寝 から 目 が 覚め なかった の |こ|||ひるね||め||さめ||

心 不全 って 言わ れ た こころ|ふぜん||いわ||

お 葬式 の 後 戸隠 から 長野 に 引っ越し て |そうしき||あと|とがくし||ながの||ひっこし|

真澄 の 名前 は 殆ど 禁句 ますみ||なまえ||ほとんど|きんく

真澄 くん ご 両親 の 前 に は 出 て いか ない の ますみ|||りょうしん||ぜん|||だ||||

母 は 普通 の 人 な の よ はは||ふつう||じん|||

でも 泉 水子 ちゃん が うち に 来 て くれ て 本当 に 嬉しい |いずみ|みずこ|||||らい||||ほんとう||うれしい

ええ 後 どれ くらい かかん の ？ |あと||||

もう ロータリー に いる ん だ けど |ろーたりー|||||

うち へ は 車 で 10 分 ほど な の |||くるま||ぶん|||

母 が 車 で 迎え に 来 て くれ てる はず だった ん だ けど はは||くるま||むかえ||らい||||||||

ね 君 ら どこ に 行く の ？ |きみ||||いく|

待ち合わせ ？ 誰 と ？ まちあわせ|だれ|

俺 たち と だ よ ね おれ|||||

お茶 でも 行 こ う か おちゃ||ぎょう|||

すみません 約束 が ある ので |やくそく|||

そんな こと 言わ ない で さ ||いわ|||

ちょっと だけ でも

本当 に 後 5 分 で 着く ん だ よ ね ほんとう||あと|ぶん||つく||||

ええ ？ 何 ？ 聞こえ ない |なん|きこえ|

ああ 分かった |わかった

じゃあ このまま 待って る から ||まって||

わざと ナンパ さ れ た がって ん の 常識 不足 ||||||||じょうしき|ふそく

何 言って ん の 自分 こそ 合宿 より 多 比 優先 だって 言って た くせ に なん|いって|||じぶん||がっしゅく||おお|ひ|ゆうせん||いって|||

多 比 は 大事 だ おお|ひ||だいじ|

ええ と 多 比 って なに ？ ||おお|ひ||

俺 たち の 最初 の 馬 だ よ おれ|||さいしょ||うま||

" 馬 ？ 馬 って … うま|うま|

こいつ

戸隠 の 乗馬 クラブ で 面倒 見 て もらって る ん だ とがくし||じょうば|くらぶ||めんどう|み|||||

もう ずいぶん 年寄り だ けど ||としより||

真澄 を 乗せ た こと も ある ん だ よ ますみ||のせ|||||||

かわいい

やっぱり 泉 水子 ちゃん は 分かって る |いずみ|みずこ|||わかって|

会う ？ 紹介 する よ あう|しょうかい||

戸 隠って どんな ところ ？ と|こもって||

涼しく て 空気 の きれい な 高原 すずしく||くうき||||こうげん

そば が うまい よ

修験 道 で 有名 な 場所 だ な しゅげん|どう||ゆうめい||ばしょ||

戸隠 流 忍者 の 里 で 有名 な ところ で も ある とがくし|りゅう|にんじゃ||さと||ゆうめい|||||

忍者 ？ にんじゃ

うち の 遠い 先祖 は 戸隠 神社 の 祭 司 だった って ||とおい|せんぞ||とがくし|じんじゃ||さい|つかさ||

神社 の … じんじゃ|

だから 宿 の 伝 が あった わけ |やど||つたい|||

ごめん 待った ？ |まった

こういう の ずっと 憧れ て た |||あこがれ||

今夜 は バーベキュー パーティー よ こんや||ばーべきゅー|ぱーてぃー|

お 父さん の 大学 の 人 も 招 い てる から |とうさん||だいがく||じん||まね|||

賑やか に なる わ よ にぎやか||||

やった 肉 だ 肉 肉 |にく||にく|にく

いつも それ

何も ちっとも 太ら ない ん だ から なにも||ふとら||||

全く 双子 な のに どうして こんなに 違う の かしら ね まったく|ふたご|||||ちがう|||

さあ 高校 生 諸君 準備 を 手伝って もらう わ よ |こうこう|せい|しょくん|じゅんび||てつだって|||

また 黒く なった ん じゃ ない の かい 真夏 くん |くろく|||||||まなつ|

流鏑馬 は 続け て いる の 小笠原 流 の ？ やぶさめ||つづけ||||おがさはら|りゅう|

もちろん

真 響 ちゃん は また きれい に なった ね まこと|ひび|||||||

そろそろ お 婿 さん を 探し 始め ない と ||むこ|||さがし|はじめ||

ええ 見つかる の か な |みつかる|||

聞こえ てるよ 真夏 きこえ||まなつ

相楽 くん 遠慮 せ ず に たくさん 食べ なさい さがら||えんりょ|||||たべ|

はい ありがとう ござい ます

それにしても 相楽 くん が 羽 黒山 に 行った こと が ある と は ね |さがら|||はね|くろやま||おこなった||||||

教授 も い ら した こと が ？ きょうじゅ||||||

戸隠 も 羽黒 も 修験 道 と いう 共通 点 が ある から ね とがくし||はぐろ||しゅげん|どう|||きょうつう|てん||||

それ は そう と 鳳城 学園 の 話 を 聞か せ て もらえ ない … ||||おおとりしろ|がくえん||はなし||きか||||

泉 水子 ちゃん フルーツ 食べる ？ いずみ|みずこ||ふるーつ|たべる

うん いただき ます

はい

ありがとう

そう だ 真夏 くん SMF って 知って る ？ ||まなつ||||しって|

それ って 何 か の 会 ？ 真夏 くん は 入って たり する ？ ||なん|||かい|まなつ|||はいって||

入って ない よ 真 響 の ファン クラブ な ん か … はいって|||まこと|ひび||ふぁん|くらぶ|||

ファン クラブ ？ ふぁん|くらぶ

真夏 くん まなつ|

泉 水子 ちゃん から そんな 冗談 聞か さ れる と は 思わ なかった よ いずみ|みずこ||||じょうだん|きか|||||おもわ||

まだ 彼女 と か でき ない の |かのじょ|||||

ええ また その ネタ です か |||ねた||

勘弁 し て ください よ かんべん||||

宗 田 真 響 ファン クラブ SMF はじめ|た|まこと|ひび|ふぁん|くらぶ|

なんで 深 行く ん 私 に 聞い て おけ なんて 言った ん だ ろ う |ふか|いく||わたくし||ききい||||いった||||

鳳城 学園 は いい ところ な ん だ ろ う ね おおとりしろ|がくえん|||||||||

自主 独立 の 気風 が ありがたい です ね じしゅ|どくりつ||きふう||||

将来 は どう する ん だ しょうらい|||||

もっと 遊ば ない と 学生 は 学生 らしく … |あそば|||がくせい||がくせい|

真 響 さん も 真夏 くん も そして 相楽 くん も まこと|ひび|||まなつ||||さがら||

普通 の 高校 生 に 見える ふつう||こうこう|せい||みえる

そんな こと は ない でしょ う

泉 水子 ちゃん いずみ|みずこ|

どう し た の ちょっと 変 だ よ |||||へん||

大丈夫 ふわふわ し て いい 気持ち だいじょうぶ|||||きもち

ふわふわ ？

これ どれ くらい 食べ た の ？ |||たべ||

シロップ に リキュール が かなり 入って た のに しろっぷ|||||はいって||

ちょっと それ や ばい

かなり や ばい から

深 行く ん おかしい ふか|いく||

お前 なあ とにかく すこし 横 に なって ろ おまえ||||よこ|||

酔い 覚まし って どう する ん だ っけ よい|さまし||||||

何 か 飲ま せる ん だ っけ なん||のま||||

こんなに 気持ち の いい 時 に 体 を 休ま れる わけない じゃ ない |きもち|||じ||からだ||やすま||||

おい 鈴 原 |すず|はら

ちょっと 大丈夫 ？ 泉 水子 ちゃん |だいじょうぶ|いずみ|みずこ|

もう 寝 ちゃ った ん だ 真 響 さ ん |ね|||||まこと|ひび||

真夏 くん と 深 行く ん は 起き てる かな まなつ|||ふか|いく|||おき||

なん だ 私 夢 を 見て いる ん だ ||わたくし|ゆめ||みて|||

そっち じゃ ない よ

ええ ？

俺 は こっち おれ||

ああ なん だ

真澄 くん ますみ|

鈴 原 さん だ よ ね すず|はら||||

覚え て い て くれ た ん だ おぼえ|||||||

こんな 所 で 何 し て いる の |しょ||なん||||

ここ で 会う と は 思わ なかった な ||あう|||おもわ||

今 真夏 と 真 響 で すら 俺 を 見つけ られ ない のに いま|まなつ||まこと|ひび|||おれ||みつけ|||

一 人 で お うち に 来 て いる こと が ある の ひと|じん|||||らい||||||

いや 別に お うち と か 関係なく |べつに|||||かんけいなく

あっ そう か これ 私 の 夢 だ よ ね ||||わたくし||ゆめ|||

面白い 人 だ ね 鈴 原 さん おもしろい|じん|||すず|はら|

あの 二 人 抜き で 俺 と しゃべった の 鈴 原 さん が 初めて だ な |ふた|じん|ぬき||おれ||||すず|はら|||はじめて||

そう な の

鈴 原 さん 俺 に ナンパ さ れ ない ？ すず|はら||おれ|||||

鈴 原 さん って いい かも しれ ない すず|はら||||||

意味 分かって る ？ いみ|わかって|

もちろん

真澄 くん の ナンパ って こっち に は どういう 意味 か 分から ない よ ますみ|||||||||いみ||わから||

戸隠 へ 行け ば 分かる よ もう 一 度 戸隠 で 会い 直 そ う とがくし||いけ||わかる|||ひと|たび|とがくし||あい|なお||

食い すぎ くい|

量 を 弁え ない から ああいう こと に なる ん だ りょう||わきまえ||||||||

俺 は シン コウ に びび ら さ れ た よ マジ で 泡 食って る ん だ もん な おれ|||||||||||||あわ|くって|||||

うるさい な

おはよう

待た せ た かしら また|||

いいえ そんな こと あり ませ ん

これ で 全員 揃った わ ね ||ぜんいん|そろった||

宗 田 さん 合宿 中 は 仕切り を 頼む わ よ はじめ|た||がっしゅく|なか||しきり||たのむ||

任せ て ください まかせ||

合宿 提案 し た の は 私 です から がっしゅく|ていあん|||||わたくし||

戸隠 山 は 標高 １９０４ メートル とがくし|やま||ひょうこう|めーとる

天 照 大 御 神 が 天 の 岩戸 に 隠れ た 時 てん|あきら|だい|ご|かみ||てん||いわと||かくれ||じ

天 手 力男 命 が 抉じ開け た 岩戸 を この 地 まで 投げ飛ばし た と いう 神話 に 由来 し ます てん|て|りきお|いのち||こじあけ||いわと|||ち||なげとばし||||しんわ||ゆらい||

戸隠 神社 の 祭神 は 九 頭 龍 大神 と とがくし|じんじゃ||さいじん||ここの|あたま|りゅう|おおがみ|

古く は 比叡山 高野山 と 並ぶ ふるく||ひえいざん|こうやさん||ならぶ

玉 倉 と 違う 所 も ある たま|くら||ちがう|しょ||

でも 同じ 所 も ある |おなじ|しょ||

同じ 霊山 だ から ？ おなじ|りょうぜん||

宗 田 さん 毎年 この 宿 へ 来 て いる の はじめ|た||まいとし||やど||らい|||

そう で も ない ん です けど

この 近く に 昔 から お 世話 に なって いる 乗馬 クラブ が あったり |ちかく||むかし|||せわ||||じょうば|くらぶ||

宗 田 さん が 執行 部 と は 別に 活動 し てる 日本 史 研究 会 も 合宿 する ん でしょ う はじめ|た|||しっこう|ぶ|||べつに|かつどう|||にっぽん|し|けんきゅう|かい||がっしゅく||||

すぐ そば で

あなた 一体 何 を 企 ん でる の |いったい|なん||たくら|||

企 ん で なん か い ませ ん たくら|||||||

どうして そう 思う ん です か ||おもう|||

日本 史 研究 会 が あなた の ファン クラブ だって こと は 誰 だって 知って いる もの にっぽん|し|けんきゅう|かい||||ふぁん|くらぶ||||だれ||しって||

執行 部 の 人間 を そちら に 組み入れよ う と 動 い て いる こと も ね しっこう|ぶ||にんげん||||くみいれよ|||どう||||||

生徒 会 を 私物 化 しよ う と して も 思いどおり に は なら ない わ よ せいと|かい||しぶつ|か||||||おもいどおり||||||

秋 乃 川 先輩 私物 化 って あき|の|かわ|せんぱい|しぶつ|か|

私 そこ まで 言わ れる よう な こと を し た 覚え は あり ませ ん わたくし|||いわ||||||||おぼえ||||

私 が 執行 部 に い て は なら ない 理由 を 教え て ください わたくし||しっこう|ぶ|||||||りゆう||おしえ||

玲奈 は い て は なら ない なんて 言って ない よ れいな||||||||いって||

ちょっと 玲奈 の 言い 方 が きつかった けれど |れいな||いい|かた|||

早め に はっきり さ せ て おき たかった だけ はや め||||||||

生徒 会 執行 部 は 来る もの を 拒ま ない 場所 だ けど せいと|かい|しっこう|ぶ||くる|||こばま||ばしょ||

中立 の 立場 は 徹底 的 に 守って る の ちゅうりつ||たちば||てってい|てき||まもって||

学園 内 で の いかなる 勝負 に も 立ち入ら ない と いう ね がくえん|うち||||しょうぶ|||たちいら||||

なぜなら 私 たち が 判定 者 だ から |わたくし|||はんてい|もの||

これ でも 判定 者 の 一 人 な んで ね ||はんてい|もの||ひと|じん|||

判定 者 はんてい|もの

宗 田 さん が ＳＭＦ を つくったり はじめ|た|||||

自分 に 有利 な 情勢 を つくろう と して いる こと まで は 否定 し なく て いい よ じぶん||ゆうり||じょうせい|||||||||ひてい|||||

高柳 一 条 だって ほか で 動 い て た ん だ し たかやなぎ|ひと|じょう||||どう||||||

ただ 生徒 会 を 簡単 に 左右 できる と は 思わ ない で |せいと|かい||かんたん||さゆう||||おもわ||

分かり まし た 気 を 付け ます わかり|||き||つけ|

ここ 素敵 な 避暑 地 だ と 思う |すてき||ひしょ|ち|||おもう

せっかく の 場所 へ 来 て 喧嘩 は つまらない から やめ ま しょ う ||ばしょ||らい||けんか|||||||

では 秋 の 学園 祭 に つい て 会議 を 始め ます |あき||がくえん|さい||||かいぎ||はじめ|

実行 委員 長 の 二 年生 早川 芳樹 が 野球 部 の 合宿 で 欠席 です が じっこう|いいん|ちょう||ふた|ねんせい|はやかわ|よしき||やきゅう|ぶ||がっしゅく||けっせき||

会議 は 進め ます かいぎ||すすめ|

先日 決め た とおり テーマ は 戦国 学園 祭 です せんじつ|きめ|||てーま||せんごく|がくえん|さい|

どういう こと だ ろ う

日本 史 研究 会 が ＳＭＦ だ なんて にっぽん|し|けんきゅう|かい||||

如月 さん も 中立 を 守る って きさらぎ|||ちゅうりつ||まもる|

高柳 くん と 真 響 さん に 特別 な 力 の 対立 が あった こと を たかやなぎ|||まこと|ひび|||とくべつ||ちから||たいりつ||||

一体 どの くらい の 数 の 生徒 が 知って いる ん だ ろ う いったい||||すう||せいと||しって|||||

スケジュール は 以上 すけじゅーる||いじょう

では 夕食 まで 自由 時間 と し ます |ゆうしょく||じゆう|じかん|||

終 わ ちゃ った しま|||

はい じゃ そういう こと で お 願い し ます ||||||ねがい||

真 響 さ ん ここ に いたん だ まこと|ひび||||||

泉 水子 ちゃん いずみ|みずこ|

あの さっき 如月 さん の 言って た こと ||きさらぎ|||いって||

ああ あれ ね

参った な ー 出鼻 を 挫か れ た 感じ まいった||-|でばな||くじか|||かんじ

真 響 さん は 高柳 くん と 何 を 争って る の まこと|ひび|||たかやなぎ|||なん||あらそって||

どうして 相手 が 高柳 くん な の |あいて||たかやなぎ|||

泉 水子 ちゃん ちょっと 散歩 行 こ う か いずみ|みずこ|||さんぽ|ぎょう|||

そう ね 陰 陽師 の 技 が 気 に 障る の は 確か ||かげ|ようし||わざ||き||さわる|||たしか

私 と は 相容れない と 思う わたくし|||あいいれない||おもう

真 響 さん の 先祖 が 神社 の 祭 司 だったり まこと|ひび|||せんぞ||じんじゃ||さい|つかさ|

戸隠 が 忍者 の 里 だったり する こと と 関係 が ある の とがくし||にんじゃ||さと|||||かんけい|||

かも しれ ない

でも それ だけ でも ない よ

如月 先輩 の 言って た こと きさらぎ|せんぱい||いって||

ずいぶん 耳寄り の 情報 だった |みみより||じょうほう|

秋 乃 川 さん あんなに きつく 言って い た のに あき|の|かわ||||いって|||

本当の こと だ し ね ほんとうの||||

日本 史 研究 会 宗 田 真 響 ファン クラブ も ？ にっぽん|し|けんきゅう|かい|はじめ|た|まこと|ひび|ふぁん|くらぶ|

そう 言わ れ て いる の は 知って いる し |いわ||||||しって||

知って い ながら 放置 し て い た の も 私 しって|||ほうち|||||||わたくし

でも 一 番 大事 な の は |ひと|ばん|だいじ|||

生徒 会 執行 部 が 中立 の 立場 だ と はっきり 教え て くれ た こと よ せいと|かい|しっこう|ぶ||ちゅうりつ||たちば||||おしえ|||||

たぶん 鳳城 学園 の 中 でも 最高 と 言え る 極秘 事項 だ と 思う |おおとりしろ|がくえん||なか||さいこう||いえ||ごくひ|じこう|||おもう

判定 者 が どこ に いる か と いう こと なんて はんてい|もの|||||||||

極秘 ごくひ

泉 水子 ちゃん 如月 先輩 に 誘わ れ て 村上 穂高 元 生徒 会長 に 会って いる でしょ う いずみ|みずこ||きさらぎ|せんぱい||さそわ|||むらかみ|ほたか|もと|せいと|かいちょう||あって|||

知って い た の しって|||

恐らくは もう 高柳 も ね おそらくは||たかやなぎ||

でも そこ で 何 が あった か まで は 知ら ない よ |||なん||||||しら||

ごめん ね 黙って い て ||だまって||

でも いつ どう やって 話せ ば いい か 分から なく て ||||はなせ||||わから||

言わ なかった の は お互い様 だ から いわ||||おたがいさま||

あの ね 真 響 さ ん ||まこと|ひび||

如月 さん に は お 稽古 の 見学 に 誘わ れ た だけ な の きさらぎ|||||けいこ||けんがく||さそわ|||||

そんな もの な ん でしょ う ね

目立った 審判 など どこ に も ない めだった|しんぱん|||||

けれども 見抜く 力 の ある 人 は 見抜 い て しまう |みぬく|ちから|||じん||みぬ|||

私 ね 鳳城 学園 は 学園 祭 を 決戦 と して 二 つ に 分かれる こと に なる の で は と 思って い た の わたくし||おおとりしろ|がくえん||がくえん|さい||けっせん|||ふた|||わかれる||||||||おもって|||

でも 第 三 の 真空 地帯 も ある って こと が 分かった |だい|みっ||しんくう|ちたい||||||わかった

二 つ って 真 響 さ ん 派 と 高柳 くん 派 って こと ？ ふた|||まこと|ひび|||は||たかやなぎ||は||

彼 は 学園 の 大 本命 だ から かれ||がくえん||だい|ほんめい||

もともと 学園 そのもの が 高柳 の 力量 を 試す ため に 設立 さ れ た ふし さえ ある ん だ も の |がくえん|その もの||たかやなぎ||りきりょう||ためす|||せつりつ||||||||||

そんな まさか

式 神 が 生徒 に なって いる 学校 だ よ しき|かみ||せいと||||がっこう||

私 は そんな 術 施 そ う と は 思わ ない けれど わたくし|||じゅつ|ほどこ|||||おもわ||

真 響 さん が 高柳 くん に 対抗 する 気 に なる の は 真澄 くん が いる から だ よ ね まこと|ひび|||たかやなぎ|||たいこう||き|||||ますみ|||||||

うん 真澄 の ため |ますみ||

それ と 真夏 の ため に も ||まなつ||||

決戦 に 勝つ と どう なる の けっせん||かつ||||

えっ それ も 知ら ない の |||しら||

泉 水子 ちゃん って 何一つ 知ら さ れ ず に 入学 し た の いずみ|みずこ|||なにひとつ|しら|||||にゅうがく|||

ねぇ せっかく だ から 奥 社 まで 行か ない ？ ||||おく|しゃ||いか|

うん

決戦 に 勝つ と ね 世界 遺産 候補 に なる の けっせん||かつ|||せかい|いさん|こうほ|||

世界 遺産 候補 ？ せかい|いさん|こうほ

途 轍 も ない メリット が ある でしょ う よ と|わだち|||めりっと|||||

当人 に も その 周囲 の 人間 に とって も とうにん||||しゅうい||にんげん|||

相楽 と は そういう 話 した こと ない の さがら||||はなし||||

ない ない

もしかしたら 知って いる かも しれ ない けど |しって|||||

相楽 くん 全部 を 私 に 話す と は 限ら ない から さがら||ぜんぶ||わたくし||はなす|||かぎら||

読め ない ところ ある よ ね 相楽 って よめ||||||さがら|

真夏 と 相楽 この 近く に いる って まなつ||さがら||ちかく|||

えっ そう な の

うん ちょうど いい ちょっと 行って み ない ||||おこなって||

何 だ よ ちょうど いい って なん|||||

相楽 に は 高柳 一 条 を 抜く 気 が ある の か どう か 聞い て おき たい と 思って さがら|||たかやなぎ|ひと|じょう||ぬく|き|||||||ききい|||||おもって

成績 の 話 ？ せいせき||はなし

分かって いる くせ に わかって|||

高柳 の 一 位 は 式 神 の 絡 繰り が ある ん じゃ ない の か たかやなぎ||ひと|くらい||しき|かみ||から|くり|||||||

そう だ から あいつ の 絡 繰り を 破る こと の できる 生徒 で ない と |||||から|くり||やぶる||||せいと|||

成績 も 抜け ない わけ せいせき||ぬけ||

別に 俺 は 一 位 に なり たい と は 思わ ない よ べつに|おれ||ひと|くらい||||||おもわ||

それ なら なぜ 生徒 会 執行 部 に 入った の |||せいと|かい|しっこう|ぶ||はいった|

私 たち の こと も 誘った の は わたくし|||||さそった||

それ は 生徒 会 が 中立 だ から だ ||せいと|かい||ちゅうりつ|||

自分 だけ じゃ なく 皆 も 中立 に し て おき たかった ？ じぶん||||みな||ちゅうりつ|||||

その パートナー 枠 って の は そもそも 何の ため に ある ん だ よ |ぱーとなー|わく|||||なんの||||||

俺 たち や 宗 田 以外 に も そんな 生徒 が いる の か おれ|||はじめ|た|いがい||||せいと||||

私 ね これ は 高柳 と 高柳 の 式 神 の ため の 優遇 措置 だった と 思って いる わたくし||||たかやなぎ||たかやなぎ||しき|かみ||||ゆうぐう|そち|||おもって|

つまり パートナー 枠 を 適用 さ れる の は |ぱーとなー|わく||てきよう||||

ある 程度 高柳 に 対抗 できる 存在 な の よ |ていど|たかやなぎ||たいこう||そんざい|||

だから 私 そろそろ 相楽 の 正体 が 知り たい の |わたくし||さがら||しょうたい||しり||

参戦 する 人 な の か し ない 人 な の か さんせん||じん||||||じん|||

とっくに 知って い た ん じゃ ない の か |しって|||||||

俺 み たい な 護身 の 初心 者 に 宗 田 の 向こう を 張れ る はず が ない だ ろ う おれ||||ごしん||しょしん|もの||はじめ|た||むこう||はれ|||||||

私 も そう 思って いた ん だ けど ね わたくし|||おもって|||||

お 父さん の 見立て は そう じゃ なかった の |とうさん||みたて|||||

他 に も 何 か ある って た|||なん|||

そんな 話 教授 と し た 覚え は ない ぞ |はなし|きょうじゅ||||おぼえ|||

それ が 目的 で 俺 たち を 家 に 呼 ん だ わけ ？ ||もくてき||おれ|||いえ||よ|||

その ため って わけ じゃ ない よ

今 言って も しょうがない けど いま|いって||しょうが ない|

私 泉 水子 ちゃん が 味方 に ほしい の わたくし|いずみ|みずこ|||みかた|||

泉 水子 ちゃん に は 式 神 を 見抜く 力 が ある いずみ|みずこ||||しき|かみ||みぬく|ちから||

だから 高柳 に 当たる 前 に |たかやなぎ||あたる|ぜん|

相楽 と 私 が 優劣 を 付け なくて は なら ない さがら||わたくし||ゆうれつ||つけ||||

俺 は 鈴 原 を 従え て など い ない おれ||すず|はら||したがえ||||

まとも な 道 を とって 大学 に 行き ||どう|||だいがく||いき

まとも な 職業 に 就き たい ん だ ||しょくぎょう||つき|||

それ らしく 聞こえる けど ||きこえる|

でも だめ

私 お 父さん の 言う こと の ほう を 信用 する わたくし||とうさん||いう|||||しんよう|

相楽 の 本当 の 力 見せ て もらう さがら||ほんとう||ちから|みせ||

誰 か が 私 を 呼ぶ の だれ|||わたくし||よぶ|

どこ か で 私 を 呼ぶ |||わたくし||よぶ

遠く から 近づ い てる とおく||ちかづ||

優しい 響き やさしい|ひびき

心 動き出し て こころ|うごきだし|

一 つ 教え て ひと||おしえ|

この 切ない 予感 の 前 で |せつない|よかん||ぜん|

まだ 知ら ず に い た |しら||||

思い が 広がり かけ てる の おもい||ひろがり|||

夢見 て い た 自由 に ゆめみ||||じゆう|

戸惑い がち の まま とまどい|||

小さな 声 で 願う ちいさな|こえ||ねがう

みんな と 一緒 に ||いっしょ|

笑い 合い たい ね わらい|あい||