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グッドモーニング・コール 2, episode 10「明日もグッドモーニング・コール」

episode 10「 明日 も グッドモーニング ・ コール 」

( ベル の 音 )

( 菜緒 ( なお )) ハァ …

( 上原 ( うえ はら )) イテッ

( 上原 ) あっ

いただき ます

別れよ っか

え ?

別れよう 上原 君

おはよう 上原 君

( 上原 ) おう

じゃあ ね

( 阿部 ( あ べ )) 別れた ?

( 上原 ) ああ

それ って つまり 吉川 ( よし かわ ) 夏目 ( なつ め ) の ヤツ に ?

さあ

さあ って お前 …

元 は と いえば お前 が 吉川 に 距離 置こう なんて 言う から だ ろ

変わって くんだ よ

( 阿部 ) は ?

環境 と か 付き合い 方 と か

周り が 変われば 人 の 気持ち なんか 変わって くんだ よ

( 阿部 ) 吉川 が 変わる わけ ねえ だ ろ

あいつ は な 24 時間 100% 上原 ラブ な の

女 って の は わざと 爆弾 落として ―

男 の 気持ち を 揺さぶる こと が あんだ よ

多分

なあ 上原

うる せ え !

( 上原 ) 悪い

( 太田 ( おお た )) えっ すごい これ 菜緒 ちゃん の 手作り ?

( 菜緒 ) 節約 の ため に も これ から は お 弁当 作ろう と 思って さ

( まり な ) い っつ も 寝坊 する くせ に どういう 風 の 吹き 回し ?

( 太田 ) って か 菜緒 ちゃん 服 の 趣味 変わった ?

( まり な ) あっ しか も 大人っぽい ネイル して る し

( 菜緒 ) フフフ …

さては

菜緒 ちゃん 上原 君 と 距離 置く 問題 解決 した んだ

もう 本当 人騒がせな んだ から

( まり な ・ 太田 ) ねえ

別れた よ

( まり な ・ 太田 ) え ?

別れた って どういう こと ?

私 ずーっと 思って た こと が あって

だから 1 回 リセット する こと に した の

え ? ちょ … はしょり すぎ はしょり すぎ

ちゃんと 説明 して

私 同居 って いう 恵まれた 環境 が なかったら

上原 君 と 付き合って もらえて なかった かも しれ ない じゃ ん ?

( まり な ) 菜緒 いつまで そんな こと 言って ん の ?

そう いつまでも 一緒な の

私 ずっと 分かって た

1 人 で 不安に なって 空回り して

ゆり りん の 時 と 何も 変わって ない なって

結局 自分 の 問題 な んだ よ ね

( 太田 ) 菜緒 ちゃん に 自信 が ない から ?

( 菜緒 ) うん

上原 君 に 距離 置こう って 言わ れた 時 も

もう フラ れちゃ うんじゃ ない か って ―

どう しよう も なく 不安に なっちゃ って

そ したら 昨日 上原 君 と 久々に 話す 機会 が あって さ

気まずかった んだ

う うん

かっこよかった 上原 君

( 太田 ) え ?

何 か 紗栄 子 ( さえ こ ) さん と 難しい 研究 成功 した と か で

す っ ごい 大人 に 見えて

何 か 遠く に 行っちゃ った 気 が して さ

で 思った の

やっぱり 私 は 上原 君 に は ふさわしく ない んだ なって

( まり な ) 菜緒 …

だから

これ から は 彼 氏 じゃ なくて 単なる ご 近所 さん

菜緒 ちゃん 本当に それ で いい の ?

うん

で …

一 から 好きに なって もらう んだ

( まり な ・ 太田 ) は ?

フフフッ

あっ

私 自分 に 自信 持てる ように 頑張る

で 幸運 と か 環境 と か 抜きで

上原 君 に 一 から 好きに なって もらう

( 太田 ) ちょ ちょ … ちょっと 私 ついて け ない んだ けど

( まり な ) うん 私 も 予測 不能 すぎて

うん … おいしい

♪~

~♪

( 菜緒 ) 一緒に 成長 しよう ね

あっ あっ あっ

どう し よう どうし …

( 菜緒 ) ブリリアン ブリ … ブリリアント

ト … トレ トレジャー

( 男性 ) どこ 見て んだ バカ 野郎

( 菜緒 ) トレ … トレ …

( 自転車 の ベル の 音 )

あっ

( イヤホン : 女性 ) brilliant

brilliant

treasure

treasure

( 夏目 ) 自分 に 自信 ねえ

うん

それ が ない かぎり 結局 うまく いか ない 気 が して

夏目 君

やっぱり 私 夏目 君 の 気持ち に は 応え られ ない

ごめんなさい

俺 は 今 の まま の 菜緒 ちゃん が 好きだ よ

言った でしょ

好きな 人 より

好きに なって くれる 人 と 一緒に いた ほう が 楽だ よって

そんな 顔 し ない

俺 が そういう 気持ち だって 知 っと いて ほしい だけ

夏目 君

私 ずっと 気 に なって た こと が ある んだ けど

上原 君 と 最近 全然 話して ない よ ね

菜緒 ちゃん が 心配 する こと じゃ ない よ

所詮 お互い 一 匹 オオカミ だ し

元 に 戻った だけ

紗栄 子 さん

( 紗栄 子 ) あっ 告白 の 件 だ けど あの 私 返事 求めて ない から

( 上原 ) でも … ( 紗栄 子 ) この 私 を 振る と か

そういう の やめて よね フフフ …

( カップ が 割れる 音 )

( 紗栄 子 ) ごめん ごめん …

やっちゃ …

えっ と いや 大体 さ 分かって る よ あの …

上原 君 は 吉川 さん の こと で 頭 いっぱい な んでしょ

大学 でも 家 でも 顔 を 合わせる ようじゃ ねえ

忘れ たくて も 忘れ られ ない だろう し

あー や だ や だ 恋愛 に 振り回さ れる 男 なんて

( ドア が 開く 音 )

( ドア が 閉まる 音 )

( 菜緒 ) あっ あと … あと ちょっと

( せき込み )

あと あとち ょっ …

ゴール

ハァ ハァ ハァ …

( 千 崎 ( せ ん ざ き )) あれ ? 菜緒 ちゃん じゃ ない ?

ああ 千 崎 さん 桃山 ( もも やま ) さん

( まみ ) お 久しぶり

( 菜緒 ) お 久しぶりです

2 人 と も ここ ら 辺 に 住んで る んです か ?

( 千 崎 ) うん すぐ そこ で

( 菜緒 ) あっ もし かして …

同棲 ( どう せい )?

( まみ ) いや 1 年 前 の 吉川 さん と 上原 君 に 影響 さ れて

え ?

私 2 人 に 憧れて た んだ

す っ ごく ステキな カップル だ なって

( 千 崎 ) 上原 元気 ?

あっ

あの …

今 は …

えっ …

いろいろ あって リセット しよう って 感じ で

ハハッ …

あっ じゃあ 私 戻ら なきゃ いけない んで

失礼 し ます

ハァ ハァ …

( 足音 )

あっ あっ あっ …

や っぱ 上原 君 だ

こんな 格好 見 られちゃ ったら

好きに なって もらう 計画 台なしじゃ ん

( 鍵 を 閉める 音 )

( 菜緒 ) ん ?

あれ ?

あれ …

ど っか 落 っこ と しちゃ った

あっ

あれ ?

あれ ?

ちょっと ちょ っ …

ちょっと 開いて よ

ちょ … ちょっと 何で 開か ない の

( 菜緒 ) 開いて 開いて って ば ( 上原 ) 何 やって んだ よ

( 菜緒 ) ごめん ね 迷惑 かけちゃ って

( 上原 ) 別に

上原 君 模様替え した んだ ね

( 上原 ) おう

って か お前 な ―

こんな 夜中 に ジョギング なんて する な よ

変な ヤツ が いたら どう すんだ よ

大体 お前 は い っつ も …

いや …

何でもない

( 菜緒 ) 前 に も こういう こと あった よ ね

私 が ゴキコロ たいちゃ って 部屋 に 入れ なく なった 時

半分 私 のでしょ

( 上原 ) 返せよ

私 い っつ も 上原 君 に 迷惑 かけちゃ って る ね

( 上原 ) 吉川

鍵 出て きた と して も 絶対 作り替えろ よ

他の 誰 か が 拾って スペア 作って る かも しれ ない し

うん そう だ よ ね

( 上原 ) それ と ―

寝坊 する 癖 何とか しろ よ

え ?

( 上原 ) い っつ も ギリギリ に 起きて バタバタ して

そんな ん だ から 忘れ物 ばっ か する んだ よ

いや …

今 は して ない もん

( 上原 ) 時間 なくて も 出かける 前 は ―

火の元 と 戸締まり は ちゃんと 確認 しろ よ

あと 服 直し ながら 歩く の も 人 と して どう な んだ よ

上原 君 こそ

( 上原 ) は ?

( 菜緒 ) バカ みたいに ご飯 食べる 癖 あれ 直した ほう が いい と 思う よ

あと 夜中 に 食べる ピザ

あれ も 絶対 やめた ほう が いい と 思う

ああ

( 菜緒 ) それ と たまに ベッド じゃ ない 所 で 寝る の ―

風邪 ひくから やめた ほう が いい と 思う

冬 は こたつ に 入って そのまま 寝て た の 誰 だ よ

( 菜緒 ) 朝 まで ゲーム して た の は 誰 です か

ヤケ 食い して 救急 車 で 運ば れた こと も あった よ な

( 菜緒 ) それ は 上原 君 の せい じゃ ん

上原 君 が ウザ いと か 言う から

お前 が 邪魔 ばっ か する から 悪い …

しょうがない じゃ ん 上原 君 の こと が 好きな んだ から

いや …

そういう 時 も あった よ ね

吉川

吉川 俺 さ …

( 菜緒 ) 大丈夫

私 上原 君 に 迷惑 かけ ない ように する から

これ から は 私 ちゃん と する から

そ っか

うん

だから 安心 して 上原 君

( 上原 ) ああ

( 上原 ) もう 寝る ぞ

うん

( 菜緒 ) おはよう 上原 君

あっ あの 菜緒 ちゃん 菜緒 ちゃん 今 …

菜緒 ちゃん 大丈夫 ?

何 か ひどい 顔 だ よ

やっぱり 無理な の か な

え ?

上原 君 に 一 から 好きに なって もらう の

菜緒 ちゃん …

自分 に 自信 持つ って どう したら いい の ?

菜緒 ちゃん !

菜緒 ちゃん に 必要な の は 自信 じゃ ない と 思う よ

だって まだ 好きな んでしょ 上原 君 の こと

自信 より その 気持ち の ほう が よっぽど 大事だ よ

上原 君 さっき 来て たよ ドア の 前 まで

え ?

菜緒 ちゃん

向こう も 同じ こと 考えて る って 思わ ない ?

同じ こと ?

( 太田 ) うん

夏目 君 と の キス の こと が あって

菜緒 ちゃん の 気持ち が

離れちゃ うんじゃ ない か って 勘違い して

とにかく

菜緒 ちゃん の こと が 好きだ から こそ 何 か 考え が ある の かも

( 菜緒 ) やっぱり 信じて ない んだ 私 の こと

信じ たい から だ よ

( 上原 ) 吉川 俺 さ …

( 菜緒 ) 大丈夫

私 上原 君 に ちゃんと 話して くる

( 太田 ) うん

お 疲れ さ まで す

( 紗栄 子 の 洟 ( は な ) を すする 音 )

( 上原 ) 紗栄 子 さん ?

通った

論文

( 上原 ) あの 改定 論文 が 認め られた んです ね

( 紗栄 子 ) それ と ―

さっき 審査 を 担当 して る 研究 者 から 連絡 が 入って

新 プロジェクト の メンバー に 私 を 迎えた いって

すごい じゃ ないで す か

上原 君 の おかげ だ よ

積み上げて きた もの

捨てる なんて 許し ませ ん !

上原 君 が ああ 言って くれた から

私 諦め ず に 済んだ

お 祝い 何 が いい です か ?

すいません

どうしても 吉川 さん じゃ ない と ダメ ?

まあ …

あいつ は もう 俺 じゃ ダメ みたいです けど

そ っか

吉川 さん と は 別れちゃ った んだ

って こと は

彼女 の 心 は もう 夏目 君 に ある って こと だ よ ね

( 上原 ) でも

だ と して も 俺 は

じゃあ これ から も ずっと 彼女 の こと 思い 続ける の ?

すぐ そば に いたら 忘れ たくて も 忘れ られ ない じゃ ない

お 姉さん の 時 みたいに

ごめん

( 上原 ) 俺 ―

もう あの 部屋 出よう と 思う んです

その ほう が あいつ 気 が 楽だろう し

紗栄 子 さん が 言う ように

あいつ の そば に いたら

俺 今 まで と 同じだ から

紗栄 子 さん

向こう 行って も 頑張って ください

俺 …

ずっと 応援 して ます

( 夏目 ) 菜緒 ちゃん ?

夏目 君

私 授業 遅れ そうだ から じゃ あね

何 が あった の ?

何でもない よ

菜緒 ちゃん

俺 あいつ の こと 好きな まん まで いい よ

俺 の こと 利用 して 忘れれば いい

でき ない よ

( 夏目 ) どうして ?

だって 夏目 君 に 失礼だ もん

( 夏目 ) 俺 が いい って 言って ん のに ?

それ でも

私 は

上原 君 が 好きな の

上原 君 は

たまたま 私 と 同居 して

たまたま 私 の こと を 好きに なった の かも しれ ない けど

でも

私 は 上原 君 じゃ ない と ダメな の

( 夏目 ) 俺 も 同じだ よ どうしても 菜緒 ちゃん じゃ ない と …

( 菜緒 ) ごめん

ごめん

もったいな

あー もったいな

こんな いい 男 拒否 る なんて

もう いい よ 行って

つま ん ねえ から 俺 授業 サボって デート でも しよ っと

誰 に しよう か な

( 夏目 ) 振り向く な よ

こっち 見 ん なって

( ドア が 開く 音 )

( ドア が 閉まる 音 )

( 夏目 ) へえ

い なく なっちゃ うんだ

お前 って 本当 潔い な

( 上原 ) 何 し に 来た んだ よ

その 言いぐさ は ね えんじゃ ねえ の

この 間 まで すげ え って 慕って た くせ に

本当 は 聞き たい んだ ろ

俺 と 菜緒 ちゃん が どう なって ん の か

菜緒 ちゃん ね 言って たよ

たまたま 同居 して なかったら お前 と 付き合って なかった って

お前 は どう 思う ?

俺 は どこ で どう 会って も

吉川 の こと 好きに なって た よ

ふ ー ん

もう いい だ ろ

最後に いい こと 教えて やる

俺 と 菜緒 ちゃん これ から 東和 公園 で 待ち合わせ して ん の

旅行 行く 約束 した んだ

今 は まだ 菜緒 ちゃん 頭 の 中 に お前 が ある みたい

でも まあ 所詮 男 と 女

一緒に いれば …

( 夏目 ) 何 だ 殴れ んじゃ ん

でも もう 遅 ( おせ ) えよ

( ドア の 開閉 音 )

( メール の 送信 音 )

( メール の 着信 音 )

( 紗栄 子 ) これ 今朝 送ら れて きた の

掲載 ページ の ゲラ

すげ え

真っ先 に 上原 君 に 見せ たくて

紗栄 子 さん おめでとう ございます

ウソ

え ?

本当 は ね 最後 の 悪あがき し に 来た の

みっともない よ ね いい 年 して 往生 際 悪くて

紗栄 子 さん

でも かっこ つけて 逃げて る より は マシ

おめでとう なんて 今 の あんた に 祝って ほしく ない わ

大体 諦める な と か チャンス を 逃す な と か ?

私 に は さんざん 偉 そうな こ と 言って

自分 の こと は 全然 ダメじゃ ん

こんな 男 好きに なった なんて 私 の 人生 最大 の 汚点 だ わ

吉川 さん の ため に も

自分 が この 部屋 を 出た ほう が いい って ?

笑わ せ ないで

怖かった んでしょ

吉川 さん が 自分 から 離れて く の が

夏目 君 と いる ほう が 幸せに なれる かも って 言い訳 して

ただ 逃げた だけ 自分 が 傷つき たく なくて

あんた は ね

結局 自分 が 傷つく こと が 何より も 嫌いな の

自分 が 一 番 かわいい の 違う ?

積み上げて きた もの を 捨てる なんて 絶対 に 許さ ない !

あんた が 私 に そう 言った んだ よ

いつまでも 逃げて んじゃ ない わ よ !

ありがとう ございました

私 に だって 人 の 役 に 立てる こと ある し

( 菜緒 ) 私 たち さ

もし 一緒に 住んで なかったら …

( 菜緒 ) 上原 君 言った よ ね

俺 の 気持ち 勝手に 決める なって

何で 上原 君 は 私 の 気持ち 勝手に 決める の ?

( 携帯 電話 の 着信 音 )

( 菜緒 ) もしもし 夏目 君 ?

どこ に いる の ?

( 夏目 ) ごめん 菜緒 ちゃん ハート の オブジェ 見える ?

( 菜緒 ) うん

( 夏目 ) その 奥 の 道 を まっすぐ 来て

( 携帯 電話 の 着信 音 )

どこ いる の ? 夏目 君

( 夏目 ) そこ から 風車 見える でしょ

その先 の 噴水 の 前 に 俺 が いる

うん

夏目 君 ?

( 夏目 ) 菜緒 ちゃん

最後 の 頼み 聞いて くれて ありがとう

俺 から の プレゼント だ よ

( 菜緒 ) 上原 君

どうして ?

行か せ ない

夏目 の とこ に は 行か せ ない

いや 私 は

夏目 君 に 愛 梨 ( あい り ) ちゃん が 作った ポシェット 渡 し たい って 言わ れて

あいつ …

上原 君

どうして ?

( 上原 ) 吉川

俺 前 に 言った よ な

“ もっと 俺 の こと を 信用 しろ ” って

( 菜緒 ) うん

信用 して ない の は 俺 の ほう だった

もし …

違う 出会い 方 を して たら

お前 は 俺 の こと 好きに なら なかった んじゃ ない か って

あいつ は

夏目 は

俺 に ない もの たくさん 持って る し

あの ね 私 は …

でも もう そういうふうに 考える の やめる

もう 逃げる の は やめる

お前 が 他の 誰 を 好きだ と して も 関係ない

俺 は 吉川 と 一緒に い たい んだ

( 上原 ) 今さら ごめん

( 上原 ) でも … ( 菜緒 ) バカ !

バカだ よ

ごめん

私 と 上原 君

え ?

私 …

上原 君 の こと が 好きだ よ

私 …

上原 君 に いっぱい 迷惑 かけちゃ うし

勝手に 牛乳 プリン 食べちゃ うし

鍵 落としちゃ うし

でも

上原 君 の こと が 好きな の

( 上原 ) 牛乳 プリン 取り合ったり

腹 壊したり

こたつ で うたた寝 したり

そういう 小さい こと 全部 含めて

今 の 俺 ら な んだ よ

( 紗栄 子 ) 何 ? やっと フラ れた ?

はい

( 夏目 ) 俺 たち ―

もう 少し 出会う の が 早ければ 好きに なって もらえ ました か ね

( 紗栄 子 ) そんな の 分かって る くせ に

私 たち お互い ―

一 度 も 見て もらった こと ない じゃ ん

です ね

( 紗栄 子 ) もう 次 よ 次

そんな 顔 して 言わ れて も 全然 説得 力ない んです けど

うるさい なあ

フラ れた 者 同士 付き合っちゃ い ます ?

チャラ 男 なんて お 断り

お 願い 聞いて くれる ?

( 上原 ) ん ?

私 上原 君 と 一緒に 帰り たい

上原 君 と コンビニ 行って

牛乳 プリン 買って

上原 君 と 一緒に 帰り たい

うん

( 光 石 ( み ついし )) 自分 ちから 自分 ち に 引っ越し って 何 だ よ

エアー 引っ越し かよ

( 上原 ) 悪い わざわざ 来て もらって

( 光 石 ) 本当だ よ

俺 7 時 の 飛行機 に 乗 ん なきゃ いけない のに さ

まり な と の イチャイチャ 時間 が さ

( 阿部 ) でも まり な に 手伝え って 言わ れた んだ ろ ?

( 光 石 ) そう な んだ よ 冷たい よ な

俺 は さ あの 何 つう の …

( 阿部 ) まあ いい じゃ ん いつも どおり って 感じ で さ

( 光 石 ) そう っす か

それ より 俺 は 親友 の 幸せ が うれしい よ

( 上原 ) 阿部 ( 阿部 ) ん ?

この 本 もう 読んだ から お前 に やる よ

えっ 演劇 の 本 じゃ ん いい の か ?

( 上原 ) 親友 だし ?

( 光 石 ) イッタ …

上原 !

( チャイム )

( 夏目 ) これ

差し入れ

上原

あの さ

( 上原 ) あり が と な

お前 は や っぱ 自分 の こと 後回し な んだ な

いや 言 っと く けど お前 の ため じゃ ない から

あっ それ に ほら 俺 女の子 は いくら でも いる けど

男 友達 は めったに でき ない し

上原

いい から

バーカ

( 夏目 ) は ? ( 上原 ) 何 だ その とぼけた 顔 は

うる せ えよ

2 人 と も 何 して ん の ? みんな 待って る よ

( 阿部 ) 上原 行く ぞ

( 美紀子 ) は ー い お 待た せ

吉川 家 特製 コロッケ よ

( 菜緒 ) ありがとう お 母さん

( 美紀子 ) みんな 大学生 に なって も ―

菜緒 と 仲よく して くれて あり が と ね

( 上原 ) いただき ます

( 菜緒 ) ちょっと ちょっと まだ 乾杯 して ない じゃ ん

( 上原 ) 何 に だ よ

そう いや これ 何の パーティー だ っけ

もちろん 私 と 上原 君 の ラブ ラブ 記念 パーティー ?

( 阿部 ) それ より も 俺 と 上原 の 親友 記念 パーティー だ よ な

( まり な ) って か みっ ちゃん 北海道 帰っちゃ った し

( 菜緒 ) しょうがない じゃ ん 明日 試験 なんだ から

( 阿部 ) 俺 は 試験 でも 絶対 参加 する けど な

親友 だし 親友 記念 パーティー だ し

じゃあ 私 の 論文 掲載 と 旅立ち を 兼ねて

( 七瀬 ( なな せ ))1 ミリ も 興味 ないし

相変わらず かわいく ない

あんた ね 誰 の おかげ で 両 思い に なれた と 思って ん の ?

( 七 瀬 ) 最終 的に は 自分 の おかげ です

は ? 調子 乗って んじゃ ない わ よ

( 大地 ( だいち )) まあまあ

( 夏目 ) 凛 ( りん ) ちゃん 変わった ね

あんな 自信 ない 子 だった のに

夏目 お前 七瀬 の こと 名前 で 呼ぶ の やめろ

大地

あら 大 ちゃん 彼女 さん ?

( 大地 ) はい ( 美紀子 ) あら

( 太田 ) あー あ いい な 私 も 彼 氏 欲しい な

( 阿部 ) 本当 やって らん ねえ よ な

( 上原 ) 阿部 ジュース 早く

( 阿部 ) は ー い

( 上原 ) 準備 できて ん の か よ

( 阿部 ) できて る よ 持って くね

( 太田 ) うん ( 紗栄 子 ) 喉 渇いた

( 阿部 ) どけ 夏目 上原 の 隣 は 俺 様 だ

( 上原 ) 何で お前 向こう 行けよ

( 阿部 ) 危ない 危ない …

何だか んだ 言って あ べ っち って いい ヤツ だ よ ね

ちょっと あんた 早く 酒 持ってきて よ

イヤです よ また 絡ま れる んだ から

( 紗栄 子 ) 何 …

( せきばらい )

( 菜緒 ) えー 皆さん グラス は 回り ました でしょう か

この度 は みんな に ご 心配 お かけ し ました が

私 吉川 菜緒 と 上原 久志 ( ひさし ) は

これ まで 以上 に ラブ ラブ な カップル を 目指し

フフフフ … フフッ

( 夏目 ・ 上原 ) 乾杯

( 一同 ) 乾杯

乾杯 !

( 七 瀬 ) 大地 から 揚げ 取って

ちょっと 何 イチャ ついちゃ って

( 七 瀬 ) 別に いい じゃ ないで す か

( 紗栄 子 ) 私 の おかげ だ よ 知って る ? 聞いた ?

( 夏目 ) 凛 ちゃん も 箸

夏目 この コロッケ が うまい ぞ

じゃあ ね

みんな 気 を つけて ね

( まり な ) ごちそうさま でした

( 阿部 ) また な 上原

( まり な ) はい いい よ 行く よ

またな

おう

何 か あっという間 だった ね

ああ

静かに なっちゃ った

だ な

( 菜緒 ) ちょっと … ちょっと 上原 君 待って よ

( 上原 ) 電車 間に合わ なかったら お前 の せい だ から な

いい じゃ ん せっかく の 旅行 なんだ から

ちょっと ぐらい 機嫌 直して よ

( 上原 ) お前 が 寝坊 する から だ ろ

( 菜緒 ) ちょっと 待って って ば 上原 君

( 菜緒 ) ちょっと 待って よ …

( 菜緒 ) 私 と 上原 君 は ―

同じ マンション の 隣 同士 に 住む ラブラブカップル

( 上原 ) ヤッベ マジ 乗り遅れる よ

( 菜緒 ) ケンカ したり 周り に 迷惑 かけたり ―

いろんな こと が ある けど

ほら 行く ぞ

( 菜緒 ) 何はともあれ ―

これ から も ずっと ラブッラブ な ―

ラブッラブ な カップル な のです !

♪~

~♪


episode 10「 明日 も グッドモーニング ・ コール 」 |あした|||こーる

( ベル の 音 ) べる||おと

( 菜緒 ( なお )) ハァ … なお||

( 上原 ( うえ はら )) イテッ うえはら|||

( 上原 ) あっ うえはら|

いただき ます

別れよ っか わかれよ|

え ?

別れよう 上原 君 わかれよう|うえはら|きみ

おはよう 上原 君 |うえはら|きみ

( 上原 ) おう うえはら|

じゃあ ね

( 阿部 ( あ べ )) 別れた ? あべ|||わかれた

( 上原 ) ああ うえはら|

それ って つまり 吉川 ( よし かわ ) 夏目 ( なつ め ) の ヤツ に ? |||きちかわ|||なつめ||||やつ|

さあ

さあ って お前 … ||おまえ

元 は と いえば お前 が 吉川 に 距離 置こう なんて 言う から だ ろ もと||||おまえ||きちかわ||きょり|おこう||いう|||

変わって くんだ よ かわって||

( 阿部 ) は ? あべ|

環境 と か 付き合い 方 と か かんきょう|||つきあい|かた||

周り が 変われば 人 の 気持ち なんか 変わって くんだ よ まわり||かわれば|じん||きもち||かわって||

( 阿部 ) 吉川 が 変わる わけ ねえ だ ろ あべ|きちかわ||かわる||||

あいつ は な 24 時間 100% 上原 ラブ な の |||じかん|うえはら|らぶ||

女 って の は わざと 爆弾 落として ― おんな|||||ばくだん|おとして

男 の 気持ち を 揺さぶる こと が あんだ よ おとこ||きもち||ゆさぶる||||

多分 たぶん

なあ 上原 |うえはら

うる せ え !

( 上原 ) 悪い うえはら|わるい

( 太田 ( おお た )) えっ すごい これ 菜緒 ちゃん の 手作り ? おおた||||||なお|||てづくり

( 菜緒 ) 節約 の ため に も これ から は お 弁当 作ろう と 思って さ なお|せつやく|||||||||べんとう|つくろう||おもって|

( まり な ) い っつ も 寝坊 する くせ に どういう 風 の 吹き 回し ? |||||ねぼう|||||かぜ||ふき|まわし

( 太田 ) って か 菜緒 ちゃん 服 の 趣味 変わった ? おおた|||なお||ふく||しゅみ|かわった

( まり な ) あっ しか も 大人っぽい ネイル して る し |||||おとなっぽい||||

( 菜緒 ) フフフ … なお|

さては

菜緒 ちゃん 上原 君 と 距離 置く 問題 解決 した んだ なお||うえはら|きみ||きょり|おく|もんだい|かいけつ||

もう 本当 人騒がせな んだ から |ほんとう|ひとさわがせな||

( まり な ・ 太田 ) ねえ ||おおた|

別れた よ わかれた|

( まり な ・ 太田 ) え ? ||おおた|

別れた って どういう こと ? わかれた|||

私 ずーっと 思って た こと が あって わたくし||おもって||||

だから 1 回 リセット する こと に した の |かい|りせっと|||||

え ? ちょ … はしょり すぎ はしょり すぎ

ちゃんと 説明 して |せつめい|

私 同居 って いう 恵まれた 環境 が なかったら わたくし|どうきょ|||めぐまれた|かんきょう||

上原 君 と 付き合って もらえて なかった かも しれ ない じゃ ん ? うえはら|きみ||つきあって|||||||

( まり な ) 菜緒 いつまで そんな こと 言って ん の ? ||なお||||いって||

そう いつまでも 一緒な の ||いっしょな|

私 ずっと 分かって た わたくし||わかって|

1 人 で 不安に なって 空回り して じん||ふあんに||からまわり|

ゆり りん の 時 と 何も 変わって ない なって |||じ||なにも|かわって||

結局 自分 の 問題 な んだ よ ね けっきょく|じぶん||もんだい||||

( 太田 ) 菜緒 ちゃん に 自信 が ない から ? おおた|なお|||じしん|||

( 菜緒 ) うん なお|

上原 君 に 距離 置こう って 言わ れた 時 も うえはら|きみ||きょり|おこう||いわ||じ|

もう フラ れちゃ うんじゃ ない か って ―

どう しよう も なく 不安に なっちゃ って ||||ふあんに||

そ したら 昨日 上原 君 と 久々に 話す 機会 が あって さ ||きのう|うえはら|きみ||ひさびさに|はなす|きかい|||

気まずかった んだ きまずかった|

う うん

かっこよかった 上原 君 |うえはら|きみ

( 太田 ) え ? おおた|

何 か 紗栄 子 ( さえ こ ) さん と 難しい 研究 成功 した と か で なん||ささかえ|こ|||||むずかしい|けんきゅう|せいこう||||

す っ ごい 大人 に 見えて |||おとな||みえて

何 か 遠く に 行っちゃ った 気 が して さ なん||とおく||おこなっちゃ||き|||

で 思った の |おもった|

やっぱり 私 は 上原 君 に は ふさわしく ない んだ なって |わたくし||うえはら|きみ||||||

( まり な ) 菜緒 … ||なお

だから

これ から は 彼 氏 じゃ なくて 単なる ご 近所 さん |||かれ|うじ|||たんなる||きんじょ|

菜緒 ちゃん 本当に それ で いい の ? なお||ほんとうに||||

うん

で …

一 から 好きに なって もらう んだ ひと||すきに|||

( まり な ・ 太田 ) は ? ||おおた|

フフフッ

あっ

私 自分 に 自信 持てる ように 頑張る わたくし|じぶん||じしん|もてる|よう に|がんばる

で 幸運 と か 環境 と か 抜きで |こううん|||かんきょう|||ぬきで

上原 君 に 一 から 好きに なって もらう うえはら|きみ||ひと||すきに||

( 太田 ) ちょ ちょ … ちょっと 私 ついて け ない んだ けど おおた||||わたくし|||||

( まり な ) うん 私 も 予測 不能 すぎて |||わたくし||よそく|ふのう|

うん … おいしい

♪~

~♪

( 菜緒 ) 一緒に 成長 しよう ね なお|いっしょに|せいちょう||

あっ あっ あっ

どう し よう どうし … |||どう し

( 菜緒 ) ブリリアン ブリ … ブリリアント なお||ぶり|

ト … トレ トレジャー

( 男性 ) どこ 見て んだ バカ 野郎 だんせい||みて||ばか|やろう

( 菜緒 ) トレ … トレ … なお||

( 自転車 の ベル の 音 ) じてんしゃ||べる||おと

あっ

( イヤホン : 女性 ) brilliant |じょせい|

brilliant

treasure

treasure

( 夏目 ) 自分 に 自信 ねえ なつめ|じぶん||じしん|

うん

それ が ない かぎり 結局 うまく いか ない 気 が して ||||けっきょく||||き||

夏目 君 なつめ|きみ

やっぱり 私 夏目 君 の 気持ち に は 応え られ ない |わたくし|なつめ|きみ||きもち|||こたえ||

ごめんなさい

俺 は 今 の まま の 菜緒 ちゃん が 好きだ よ おれ||いま||||なお|||すきだ|

言った でしょ いった|

好きな 人 より すきな|じん|

好きに なって くれる 人 と 一緒に いた ほう が 楽だ よって すきに|||じん||いっしょに||||らくだ|

そんな 顔 し ない |かお||

俺 が そういう 気持ち だって 知 っと いて ほしい だけ おれ|||きもち||ち||||

夏目 君 なつめ|きみ

私 ずっと 気 に なって た こと が ある んだ けど わたくし||き||||||||

上原 君 と 最近 全然 話して ない よ ね うえはら|きみ||さいきん|ぜんぜん|はなして|||

菜緒 ちゃん が 心配 する こと じゃ ない よ なお|||しんぱい|||||

所詮 お互い 一 匹 オオカミ だ し しょせん|おたがい|ひと|ひき|おおかみ||

元 に 戻った だけ もと||もどった|

紗栄 子 さん ささかえ|こ|

( 紗栄 子 ) あっ 告白 の 件 だ けど あの 私 返事 求めて ない から ささかえ|こ||こくはく||けん||||わたくし|へんじ|もとめて||

( 上原 ) でも … ( 紗栄 子 ) この 私 を 振る と か うえはら||ささかえ|こ||わたくし||ふる||

そういう の やめて よね フフフ …

( カップ が 割れる 音 ) かっぷ||われる|おと

( 紗栄 子 ) ごめん ごめん … ささかえ|こ||

やっちゃ …

えっ と いや 大体 さ 分かって る よ あの … |||だいたい||わかって|||

上原 君 は 吉川 さん の こと で 頭 いっぱい な んでしょ うえはら|きみ||きちかわ|||||あたま|||

大学 でも 家 でも 顔 を 合わせる ようじゃ ねえ だいがく||いえ||かお||あわせる||

忘れ たくて も 忘れ られ ない だろう し わすれ|||わすれ||||

あー や だ や だ 恋愛 に 振り回さ れる 男 なんて |||||れんあい||ふりまわさ||おとこ|

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( 菜緒 ) あっ あと … あと ちょっと なお||||

( せき込み ) せきこみ

あと あとち ょっ …

ゴール ごーる

ハァ ハァ ハァ …

( 千 崎 ( せ ん ざ き )) あれ ? 菜緒 ちゃん じゃ ない ? せん|さき||||||なお|||

ああ 千 崎 さん 桃山 ( もも やま ) さん |せん|さき||ももやま|||

( まみ ) お 久しぶり ||ひさしぶり

( 菜緒 ) お 久しぶりです なお||ひさしぶり です

2 人 と も ここ ら 辺 に 住んで る んです か ? じん|||||ほとり||すんで||ん です|

( 千 崎 ) うん すぐ そこ で せん|さき||||

( 菜緒 ) あっ もし かして … なお|||

同棲 ( どう せい )? どうせい||

( まみ ) いや 1 年 前 の 吉川 さん と 上原 君 に 影響 さ れて ||とし|ぜん||きちかわ|||うえはら|きみ||えいきょう||

え ?

私 2 人 に 憧れて た んだ わたくし|じん||あこがれて||

す っ ごく ステキな カップル だ なって |||すてきな|かっぷる||

( 千 崎 ) 上原 元気 ? せん|さき|うえはら|げんき

あっ

あの …

今 は … いま|

えっ …

いろいろ あって リセット しよう って 感じ で ||りせっと|||かんじ|

ハハッ …

あっ じゃあ 私 戻ら なきゃ いけない んで ||わたくし|もどら|||

失礼 し ます しつれい||

ハァ ハァ …

( 足音 ) あしおと

あっ あっ あっ …

や っぱ 上原 君 だ ||うえはら|きみ|

こんな 格好 見 られちゃ ったら |かっこう|み||

好きに なって もらう 計画 台なしじゃ ん すきに|||けいかく|だいなしじゃ|

( 鍵 を 閉める 音 ) かぎ||しめる|おと

( 菜緒 ) ん ? なお|

あれ ?

あれ …

ど っか 落 っこ と しちゃ った ||おと||||

あっ

あれ ?

あれ ?

ちょっと ちょ っ …

ちょっと 開いて よ |あいて|

ちょ … ちょっと 何で 開か ない の ||なんで|あか||

( 菜緒 ) 開いて   開いて って ば ( 上原 ) 何 やって んだ よ なお|あいて|あいて|||うえはら|なん|||

( 菜緒 ) ごめん ね 迷惑 かけちゃ って なお|||めいわく||

( 上原 ) 別に うえはら|べつに

上原 君 模様替え した んだ ね うえはら|きみ|もようがえ|||

( 上原 ) おう うえはら|

って か お前 な ― ||おまえ|

こんな 夜中 に ジョギング なんて する な よ |よなか||じょぎんぐ||||

変な ヤツ が いたら どう すんだ よ へんな|やつ|||||

大体 お前 は い っつ も … だいたい|おまえ||||

いや …

何でもない なんでもない

( 菜緒 ) 前 に も こういう こと あった よ ね なお|ぜん|||||||

私 が ゴキコロ たいちゃ って 部屋 に 入れ なく なった 時 わたくし|||||へや||いれ|||じ

半分 私 のでしょ はんぶん|わたくし|

( 上原 ) 返せよ うえはら|かえせよ

私 い っつ も 上原 君 に 迷惑 かけちゃ って る ね わたくし||||うえはら|きみ||めいわく||||

( 上原 ) 吉川 うえはら|きちかわ

鍵 出て きた と して も 絶対 作り替えろ よ かぎ|でて|||||ぜったい|つくりかえろ|

他の 誰 か が 拾って スペア 作って る かも しれ ない し たの|だれ|||ひろって||つくって|||||

うん そう だ よ ね

( 上原 ) それ と ― うえはら||

寝坊 する 癖 何とか しろ よ ねぼう||くせ|なんとか||

え ?

( 上原 ) い っつ も ギリギリ に 起きて バタバタ して うえはら||||ぎりぎり||おきて||

そんな ん だ から 忘れ物 ばっ か する んだ よ ||||わすれもの|||||

いや …

今 は して ない もん いま||||

( 上原 ) 時間 なくて も 出かける 前 は ― うえはら|じかん|||でかける|ぜん|

火の元 と 戸締まり は ちゃんと 確認 しろ よ ひのもと||とじまり|||かくにん||

あと 服 直し ながら 歩く の も 人 と して どう な んだ よ |ふく|なおし||あるく|||じん||||||

上原 君 こそ うえはら|きみ|

( 上原 ) は ? うえはら|

( 菜緒 ) バカ みたいに ご飯 食べる 癖 あれ 直した ほう が いい と 思う よ なお|ばか||ごはん|たべる|くせ||なおした|||||おもう|

あと 夜中 に 食べる ピザ |よなか||たべる|ぴざ

あれ も 絶対 やめた ほう が いい と 思う ||ぜったい||||||おもう

ああ

( 菜緒 ) それ と たまに ベッド じゃ ない 所 で 寝る の ― なお||||べっど|||しょ||ねる|

風邪 ひくから やめた ほう が いい と 思う かぜ|||||||おもう

冬 は こたつ に 入って そのまま 寝て た の 誰 だ よ ふゆ||||はいって||ねて|||だれ||

( 菜緒 ) 朝 まで ゲーム して た の は 誰 です か なお|あさ||げーむ|||||だれ||

ヤケ 食い して 救急 車 で 運ば れた こと も あった よ な |くい||きゅうきゅう|くるま||はこば||||||

( 菜緒 ) それ は 上原 君 の せい じゃ ん なお|||うえはら|きみ||||

上原 君 が ウザ いと か 言う から うえはら|きみ|||||いう|

お前 が 邪魔 ばっ か する から 悪い … おまえ||じゃま|||||わるい

しょうがない じゃ ん 上原 君 の こと が 好きな んだ から しょうが ない|||うえはら|きみ||||すきな||

いや …

そういう 時 も あった よ ね |じ||||

吉川 きちかわ

吉川 俺 さ … きちかわ|おれ|

( 菜緒 ) 大丈夫 なお|だいじょうぶ

私 上原 君 に 迷惑 かけ ない ように する から わたくし|うえはら|きみ||めいわく|||よう に||

これ から は 私 ちゃん と する から |||わたくし||||

そ っか

うん

だから 安心 して 上原 君 |あんしん||うえはら|きみ

( 上原 ) ああ うえはら|

( 上原 ) もう 寝る ぞ うえはら||ねる|

うん

( 菜緒 ) おはよう 上原 君 なお||うえはら|きみ

あっ あの 菜緒 ちゃん 菜緒 ちゃん 今 … ||なお||なお||いま

菜緒 ちゃん 大丈夫 ? なお||だいじょうぶ

何 か ひどい 顔 だ よ なん|||かお||

やっぱり 無理な の か な |むりな|||

え ?

上原 君 に 一 から 好きに なって もらう の うえはら|きみ||ひと||すきに|||

菜緒 ちゃん … なお|

自分 に 自信 持つ って どう したら いい の ? じぶん||じしん|もつ|||||

菜緒 ちゃん ! なお|

菜緒 ちゃん に 必要な の は 自信 じゃ ない と 思う よ なお|||ひつような|||じしん||||おもう|

だって まだ 好きな んでしょ 上原 君 の こと ||すきな||うえはら|きみ||

自信 より その 気持ち の ほう が よっぽど 大事だ よ じしん|||きもち|||||だいじだ|

上原 君 さっき 来て たよ ドア の 前 まで うえはら|きみ||きて||どあ||ぜん|

え ?

菜緒 ちゃん なお|

向こう も 同じ こと 考えて る って 思わ ない ? むこう||おなじ||かんがえて|||おもわ|

同じ こと ? おなじ|

( 太田 ) うん おおた|

夏目 君 と の キス の こと が あって なつめ|きみ|||きす||||

菜緒 ちゃん の 気持ち が なお|||きもち|

離れちゃ うんじゃ ない か って 勘違い して はなれちゃ|||||かんちがい|

とにかく

菜緒 ちゃん の こと が 好きだ から こそ 何 か 考え が ある の かも なお|||||すきだ|||なん||かんがえ||||

( 菜緒 ) やっぱり 信じて ない んだ 私 の こと なお||しんじて|||わたくし||

信じ たい から だ よ しんじ||||

( 上原 ) 吉川 俺 さ … うえはら|きちかわ|おれ|

( 菜緒 ) 大丈夫 なお|だいじょうぶ

私 上原 君 に ちゃんと 話して くる わたくし|うえはら|きみ|||はなして|

( 太田 ) うん おおた|

お 疲れ さ まで す |つかれ|||

( 紗栄 子 の 洟 ( は な ) を すする 音 ) ささかえ|こ||はな|||||おと

( 上原 ) 紗栄 子 さん ? うえはら|ささかえ|こ|

通った かよった

論文 ろんぶん

( 上原 ) あの 改定 論文 が 認め られた んです ね うえはら||かいてい|ろんぶん||みとめ||ん です|

( 紗栄 子 ) それ と ― ささかえ|こ||

さっき 審査 を 担当 して る 研究 者 から 連絡 が 入って |しんさ||たんとう|||けんきゅう|もの||れんらく||はいって

新 プロジェクト の メンバー に 私 を 迎えた いって しん|ぷろじぇくと||めんばー||わたくし||むかえた|

すごい じゃ ないで す か

上原 君 の おかげ だ よ うえはら|きみ||||

積み上げて きた もの つみあげて||

捨てる なんて 許し ませ ん ! すてる||ゆるし||

上原 君 が ああ 言って くれた から うえはら|きみ|||いって||

私 諦め ず に 済んだ わたくし|あきらめ|||すんだ

お 祝い 何 が いい です か ? |いわい|なん||||

すいません

どうしても 吉川 さん じゃ ない と ダメ ? |きちかわ|||||だめ

まあ …

あいつ は もう 俺 じゃ ダメ みたいです けど |||おれ||だめ|みたい です|

そ っか

吉川 さん と は 別れちゃ った んだ きちかわ||||わかれちゃ||

って こと は

彼女 の 心 は もう 夏目 君 に ある って こと だ よ ね かのじょ||こころ|||なつめ|きみ|||||||

( 上原 ) でも うえはら|

だ と して も 俺 は ||||おれ|

じゃあ これ から も ずっと 彼女 の こと 思い 続ける の ? |||||かのじょ|||おもい|つづける|

すぐ そば に いたら 忘れ たくて も 忘れ られ ない じゃ ない ||||わすれ|||わすれ||||

お 姉さん の 時 みたいに |ねえさん||じ|

ごめん

( 上原 ) 俺 ― うえはら|おれ

もう あの 部屋 出よう と 思う んです ||へや|でよう||おもう|ん です

その ほう が あいつ 気 が 楽だろう し ||||き||らくだろう|

紗栄 子 さん が 言う ように ささかえ|こ|||いう|よう に

あいつ の そば に いたら

俺 今 まで と 同じだ から おれ|いま|||おなじだ|

紗栄 子 さん ささかえ|こ|

向こう 行って も 頑張って ください むこう|おこなって||がんばって|

俺 … おれ

ずっと 応援 して ます |おうえん||

( 夏目 ) 菜緒 ちゃん ? なつめ|なお|

夏目 君 なつめ|きみ

私 授業 遅れ そうだ から じゃ あね わたくし|じゅぎょう|おくれ|そう だ|||

何 が あった の ? なん|||

何でもない よ なんでもない|

菜緒 ちゃん なお|

俺 あいつ の こと 好きな まん まで いい よ おれ||||すきな||||

俺 の こと 利用 して 忘れれば いい おれ|||りよう||わすれれば|

でき ない よ

( 夏目 ) どうして ? なつめ|

だって 夏目 君 に 失礼だ もん |なつめ|きみ||しつれいだ|

( 夏目 ) 俺 が いい って 言って ん のに ? なつめ|おれ||||いって||

それ でも

私 は わたくし|

上原 君 が 好きな の うえはら|きみ||すきな|

上原 君 は うえはら|きみ|

たまたま 私 と 同居 して |わたくし||どうきょ|

たまたま 私 の こと を 好きに なった の かも しれ ない けど |わたくし||||すきに||||||

でも

私 は 上原 君 じゃ ない と ダメな の わたくし||うえはら|きみ||||だめな|

( 夏目 ) 俺 も 同じだ よ どうしても 菜緒 ちゃん じゃ ない と … なつめ|おれ||おなじだ|||なお||||

( 菜緒 ) ごめん なお|

ごめん

もったいな

あー もったいな

こんな いい 男 拒否 る なんて ||おとこ|きょひ||

もう いい よ 行って |||おこなって

つま ん ねえ から 俺 授業 サボって デート でも しよ っと ||||おれ|じゅぎょう|さぼって|でーと|||

誰 に しよう か な だれ||||

( 夏目 ) 振り向く な よ なつめ|ふりむく||

こっち 見 ん なって |み||

( ドア が 開く 音 ) どあ||あく|おと

( ドア が 閉まる 音 ) どあ||しまる|おと

( 夏目 ) へえ なつめ|

い なく なっちゃ うんだ

お前 って 本当 潔い な おまえ||ほんとう|いさぎよい|

( 上原 ) 何 し に 来た んだ よ うえはら|なん|||きた||

その 言いぐさ は ね えんじゃ ねえ の |いいぐさ|||||

この 間 まで すげ え って 慕って た くせ に |あいだ|||||したって|||

本当 は 聞き たい んだ ろ ほんとう||きき|||

俺 と 菜緒 ちゃん が どう なって ん の か おれ||なお|||||||

菜緒 ちゃん ね 言って たよ なお|||いって|

たまたま 同居 して なかったら お前 と 付き合って なかった って |どうきょ|||おまえ||つきあって||

お前 は どう 思う ? おまえ|||おもう

俺 は どこ で どう 会って も おれ|||||あって|

吉川 の こと 好きに なって た よ きちかわ|||すきに|||

ふ ー ん |-|

もう いい だ ろ

最後に いい こと 教えて やる さいごに|||おしえて|

俺 と 菜緒 ちゃん これ から 東和 公園 で 待ち合わせ して ん の おれ||なお||||とうわ|こうえん||まちあわせ|||

旅行 行く 約束 した んだ りょこう|いく|やくそく||

今 は まだ 菜緒 ちゃん 頭 の 中 に お前 が ある みたい いま|||なお||あたま||なか||おまえ|||

でも まあ 所詮 男 と 女 ||しょせん|おとこ||おんな

一緒に いれば … いっしょに|

( 夏目 ) 何 だ 殴れ んじゃ ん なつめ|なん||なぐれ||

でも もう 遅 ( おせ ) えよ ||おそ||

( ドア の 開閉 音 ) どあ||かいへい|おと

( メール の 送信 音 ) めーる||そうしん|おと

( メール の 着信 音 ) めーる||ちゃくしん|おと

( 紗栄 子 ) これ 今朝 送ら れて きた の ささかえ|こ||けさ|おくら|||

掲載 ページ の ゲラ けいさい|ぺーじ||

すげ え

真っ先 に 上原 君 に 見せ たくて まっさき||うえはら|きみ||みせ|

紗栄 子 さん おめでとう ございます ささかえ|こ|||

ウソ うそ

え ?

本当 は ね 最後 の 悪あがき し に 来た の ほんとう|||さいご||わるあがき|||きた|

みっともない よ ね いい 年 して 往生 際 悪くて ||||とし||おうじょう|さい|わるくて

紗栄 子 さん ささかえ|こ|

でも かっこ つけて 逃げて る より は マシ |||にげて||||

おめでとう なんて 今 の あんた に 祝って ほしく ない わ ||いま||||いわって|||

大体 諦める な と か チャンス を 逃す な と か ? だいたい|あきらめる||||ちゃんす||のがす|||

私 に は さんざん 偉 そうな こ と 言って わたくし||||えら|そう な|||いって

自分 の こと は 全然 ダメじゃ ん じぶん||||ぜんぜん|だめじゃ|

こんな 男 好きに なった なんて 私 の 人生 最大 の 汚点 だ わ |おとこ|すきに|||わたくし||じんせい|さいだい||おてん||

吉川 さん の ため に も きちかわ|||||

自分 が この 部屋 を 出た ほう が いい って ? じぶん|||へや||でた||||

笑わ せ ないで わらわ||

怖かった んでしょ こわかった|

吉川 さん が 自分 から 離れて く の が きちかわ|||じぶん||はなれて|||

夏目 君 と いる ほう が 幸せに なれる かも って 言い訳 して なつめ|きみ|||||しあわせに||||いい わけ|

ただ 逃げた だけ 自分 が 傷つき たく なくて |にげた||じぶん||きずつき||

あんた は ね

結局 自分 が 傷つく こと が 何より も 嫌いな の けっきょく|じぶん||きずつく|||なにより||きらいな|

自分 が 一 番 かわいい の 違う ? じぶん||ひと|ばん|||ちがう

積み上げて きた もの を 捨てる なんて 絶対 に 許さ ない ! つみあげて||||すてる||ぜったい||ゆるさ|

あんた が 私 に そう 言った んだ よ ||わたくし|||いった||

いつまでも 逃げて んじゃ ない わ よ ! |にげて||||

ありがとう ございました

私 に だって 人 の 役 に 立てる こと ある し わたくし|||じん||やく||たてる|||

( 菜緒 ) 私 たち さ なお|わたくし||

もし 一緒に 住んで なかったら … |いっしょに|すんで|

( 菜緒 ) 上原 君 言った よ ね なお|うえはら|きみ|いった||

俺 の 気持ち 勝手に 決める なって おれ||きもち|かってに|きめる|

何で 上原 君 は 私 の 気持ち 勝手に 決める の ? なんで|うえはら|きみ||わたくし||きもち|かってに|きめる|

( 携帯 電話 の 着信 音 ) けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

( 菜緒 ) もしもし 夏目 君 ? なお||なつめ|きみ

どこ に いる の ?

( 夏目 ) ごめん 菜緒 ちゃん ハート の オブジェ 見える ? なつめ||なお||はーと|||みえる

( 菜緒 ) うん なお|

( 夏目 ) その 奥 の 道 を まっすぐ 来て なつめ||おく||どう|||きて

( 携帯 電話 の 着信 音 ) けいたい|でんわ||ちゃくしん|おと

どこ いる の ? 夏目 君 |||なつめ|きみ

( 夏目 ) そこ から 風車 見える でしょ なつめ|||かざぐるま|みえる|

その先 の 噴水 の 前 に 俺 が いる そのさき||ふんすい||ぜん||おれ||

うん

夏目 君 ? なつめ|きみ

( 夏目 ) 菜緒 ちゃん なつめ|なお|

最後 の 頼み 聞いて くれて ありがとう さいご||たのみ|きいて||

俺 から の プレゼント だ よ おれ|||ぷれぜんと||

( 菜緒 ) 上原 君 なお|うえはら|きみ

どうして ?

行か せ ない いか||

夏目 の とこ に は 行か せ ない なつめ|||||いか||

いや 私 は |わたくし|

夏目 君 に 愛 梨 ( あい り ) ちゃん が 作った ポシェット 渡 し たい って 言わ れて なつめ|きみ||あい|なし|||||つくった||と||||いわ|

あいつ …

上原 君 うえはら|きみ

どうして ?

( 上原 ) 吉川 うえはら|きちかわ

俺 前 に 言った よ な おれ|ぜん||いった||

“ もっと 俺 の こと を 信用 しろ ” って |おれ||||しんよう||

( 菜緒 ) うん なお|

信用 して ない の は 俺 の ほう だった しんよう|||||おれ|||

もし …

違う 出会い 方 を して たら ちがう|であい|かた|||

お前 は 俺 の こと 好きに なら なかった んじゃ ない か って おまえ||おれ|||すきに||||||

あいつ は

夏目 は なつめ|

俺 に ない もの たくさん 持って る し おれ|||||もって||

あの ね 私 は … ||わたくし|

でも もう そういうふうに 考える の やめる |||かんがえる||

もう 逃げる の は やめる |にげる|||

お前 が 他の 誰 を 好きだ と して も 関係ない おまえ||たの|だれ||すきだ||||かんけいない

俺 は 吉川 と 一緒に い たい んだ おれ||きちかわ||いっしょに|||

( 上原 ) 今さら ごめん うえはら|いまさら|

( 上原 ) でも … ( 菜緒 ) バカ ! うえはら||なお|ばか

バカだ よ ばかだ|

ごめん

私 と 上原 君 わたくし||うえはら|きみ

え ?

私 … わたくし

上原 君 の こと が 好きだ よ うえはら|きみ||||すきだ|

私 … わたくし

上原 君 に いっぱい 迷惑 かけちゃ うし うえはら|きみ|||めいわく||

勝手に 牛乳 プリン 食べちゃ うし かってに|ぎゅうにゅう|ぷりん|たべちゃ|

鍵 落としちゃ うし かぎ|おとしちゃ|

でも

上原 君 の こと が 好きな の うえはら|きみ||||すきな|

( 上原 ) 牛乳 プリン 取り合ったり うえはら|ぎゅうにゅう|ぷりん|とりあったり

腹 壊したり はら|こわしたり

こたつ で うたた寝 したり ||うたたね|

そういう 小さい こと 全部 含めて |ちいさい||ぜんぶ|ふくめて

今 の 俺 ら な んだ よ いま||おれ||||

( 紗栄 子 ) 何 ? やっと フラ れた ? ささかえ|こ|なん|||

はい

( 夏目 ) 俺 たち ― なつめ|おれ|

もう 少し 出会う の が 早ければ 好きに なって もらえ ました か ね |すこし|であう|||はやければ|すきに|||||

( 紗栄 子 ) そんな の 分かって る くせ に ささかえ|こ|||わかって|||

私 たち お互い ― わたくし||おたがい

一 度 も 見て もらった こと ない じゃ ん ひと|たび||みて|||||

です ね

( 紗栄 子 ) もう 次 よ 次 ささかえ|こ||つぎ||つぎ

そんな 顔 して 言わ れて も 全然 説得 力ない んです けど |かお||いわ|||ぜんぜん|せっとく|ちからない|ん です|

うるさい なあ

フラ れた 者 同士 付き合っちゃ い ます ? ||もの|どうし|つきあっちゃ||

チャラ 男 なんて お 断り |おとこ|||ことわり

お 願い 聞いて くれる ? |ねがい|きいて|

( 上原 ) ん ? うえはら|

私 上原 君 と 一緒に 帰り たい わたくし|うえはら|きみ||いっしょに|かえり|

上原 君 と コンビニ 行って うえはら|きみ||こんびに|おこなって

牛乳 プリン 買って ぎゅうにゅう|ぷりん|かって

上原 君 と 一緒に 帰り たい うえはら|きみ||いっしょに|かえり|

うん

( 光 石 ( み ついし )) 自分 ちから 自分 ち に 引っ越し って 何 だ よ ひかり|いし|||じぶん||じぶん|||ひっこし||なん||

エアー 引っ越し かよ |ひっこし|

( 上原 ) 悪い わざわざ 来て もらって うえはら|わるい||きて|

( 光 石 ) 本当だ よ ひかり|いし|ほんとうだ|

俺 7 時 の 飛行機 に 乗 ん なきゃ いけない のに さ おれ|じ||ひこうき||じょう|||||

まり な と の イチャイチャ 時間 が さ |||||じかん||

( 阿部 ) でも まり な に 手伝え って 言わ れた んだ ろ ? あべ|||||てつだえ||いわ|||

( 光 石 ) そう な んだ よ 冷たい よ な ひかり|いし|||||つめたい||

俺 は さ あの 何 つう の … おれ||||なん||

( 阿部 ) まあ いい じゃ ん いつも どおり って 感じ で さ あべ||||||||かんじ||

( 光 石 ) そう っす か ひかり|いし|||

それ より 俺 は 親友 の 幸せ が うれしい よ ||おれ||しんゆう||しあわせ|||

( 上原 ) 阿部 ( 阿部 ) ん ? うえはら|あべ|あべ|

この 本 もう 読んだ から お前 に やる よ |ほん||よんだ||おまえ|||

えっ 演劇 の 本 じゃ ん いい の か ? |えんげき||ほん|||||

( 上原 ) 親友 だし ? うえはら|しんゆう|

( 光 石 ) イッタ … ひかり|いし|

上原 ! うえはら

( チャイム ) ちゃいむ

( 夏目 ) これ なつめ|

差し入れ さしいれ

上原 うえはら

あの さ

( 上原 ) あり が と な うえはら||||

お前 は や っぱ 自分 の こと 後回し な んだ な おまえ||||じぶん|||あとまわし|||

いや 言 っと く けど お前 の ため じゃ ない から |げん||||おまえ|||||

あっ それ に ほら 俺 女の子 は いくら でも いる けど ||||おれ|おんなのこ|||||

男 友達 は めったに でき ない し おとこ|ともだち|||||

上原 うえはら

いい から

バーカ

( 夏目 ) は ? ( 上原 ) 何 だ その とぼけた 顔 は なつめ||うえはら|なん||||かお|

うる せ えよ

2 人 と も 何 して ん の ? みんな 待って る よ じん|||なん|||||まって||

( 阿部 ) 上原 行く ぞ あべ|うえはら|いく|

( 美紀子 ) は ー い お 待た せ みきこ||-|||また|

吉川 家 特製 コロッケ よ きちかわ|いえ|とくせい|ころっけ|

( 菜緒 ) ありがとう お 母さん なお|||かあさん

( 美紀子 ) みんな 大学生 に なって も ― みきこ||だいがくせい|||

菜緒 と 仲よく して くれて あり が と ね なお||なかよく||||||

( 上原 ) いただき ます うえはら||

( 菜緒 ) ちょっと ちょっと まだ 乾杯 して ない じゃ ん なお||||かんぱい||||

( 上原 ) 何 に だ よ うえはら|なん|||

そう いや これ 何の パーティー だ っけ |||なんの|ぱーてぃー||

もちろん 私 と 上原 君 の ラブ ラブ 記念 パーティー ? |わたくし||うえはら|きみ||らぶ|らぶ|きねん|ぱーてぃー

( 阿部 ) それ より も 俺 と 上原 の 親友 記念 パーティー だ よ な あべ||||おれ||うえはら||しんゆう|きねん|ぱーてぃー|||

( まり な ) って か みっ ちゃん 北海道 帰っちゃ った し ||||||ほっかいどう|かえっちゃ||

( 菜緒 ) しょうがない じゃ ん 明日 試験 なんだ から なお|しょうが ない|||あした|しけん||

( 阿部 ) 俺 は 試験 でも 絶対 参加 する けど な あべ|おれ||しけん||ぜったい|さんか|||

親友 だし 親友 記念 パーティー だ し しんゆう||しんゆう|きねん|ぱーてぃー||

じゃあ 私 の 論文 掲載 と 旅立ち を 兼ねて |わたくし||ろんぶん|けいさい||たびだち||かねて

( 七瀬 ( なな せ ))1 ミリ も 興味 ないし ななせ|||みり||きょうみ|

相変わらず かわいく ない あいかわらず||

あんた ね 誰 の おかげ で 両 思い に なれた と 思って ん の ? ||だれ||||りょう|おもい||||おもって||

( 七 瀬 ) 最終 的に は 自分 の おかげ です なな|せ|さいしゅう|てきに||じぶん|||

は ? 調子 乗って んじゃ ない わ よ |ちょうし|のって||||

( 大地 ( だいち )) まあまあ だいち||

( 夏目 ) 凛 ( りん ) ちゃん 変わった ね なつめ|りん|||かわった|

あんな 自信 ない 子 だった のに |じしん||こ||

夏目 お前 七瀬 の こと 名前 で 呼ぶ の やめろ なつめ|おまえ|ななせ|||なまえ||よぶ||

大地 だいち

あら 大 ちゃん 彼女 さん ? |だい||かのじょ|

( 大地 ) はい ( 美紀子 ) あら だいち||みきこ|

( 太田 ) あー あ いい な 私 も 彼 氏 欲しい な おおた|||||わたくし||かれ|うじ|ほしい|

( 阿部 ) 本当 やって らん ねえ よ な あべ|ほんとう|||||

( 上原 ) 阿部 ジュース 早く うえはら|あべ|じゅーす|はやく

( 阿部 ) は ー い あべ||-|

( 上原 ) 準備 できて ん の か よ うえはら|じゅんび|||||

( 阿部 ) できて る よ 持って くね あべ||||もって|

( 太田 ) うん ( 紗栄 子 ) 喉 渇いた おおた||ささかえ|こ|のど|かわいた

( 阿部 ) どけ 夏目 上原 の 隣 は 俺 様 だ あべ||なつめ|うえはら||となり||おれ|さま|

( 上原 ) 何で お前 向こう 行けよ うえはら|なんで|おまえ|むこう|いけよ

( 阿部 ) 危ない 危ない … あべ|あぶない|あぶない

何だか んだ 言って あ べ っち って いい ヤツ だ よ ね なんだか||いって||||||やつ|||

ちょっと あんた 早く 酒 持ってきて よ ||はやく|さけ|もってきて|

イヤです よ また 絡ま れる んだ から いや です|||からま|||

( 紗栄 子 ) 何 … ささかえ|こ|なん

( せきばらい )

( 菜緒 ) えー 皆さん グラス は 回り ました でしょう か なお||みなさん|ぐらす||まわり|||

この度 は みんな に ご 心配 お かけ し ました が このたび|||||しんぱい|||||

私 吉川 菜緒 と 上原 久志 ( ひさし ) は わたくし|きちかわ|なお||うえはら|ひさし||

これ まで 以上 に ラブ ラブ な カップル を 目指し ||いじょう||らぶ|らぶ||かっぷる||まなざし

フフフフ … フフッ

( 夏目 ・ 上原 ) 乾杯 なつめ|うえはら|かんぱい

( 一同 ) 乾杯 いちどう|かんぱい

乾杯 ! かんぱい

( 七 瀬 ) 大地 から 揚げ 取って なな|せ|だいち||あげ|とって

ちょっと 何 イチャ ついちゃ って |なん|||

( 七 瀬 ) 別に いい じゃ ないで す か なな|せ|べつに|||||

( 紗栄 子 ) 私 の おかげ だ よ 知って る ? 聞いた ? ささかえ|こ|わたくし|||||しって||きいた

( 夏目 ) 凛 ちゃん も 箸 なつめ|りん|||はし

夏目 この コロッケ が うまい ぞ なつめ||ころっけ|||

じゃあ ね

みんな 気 を つけて ね |き|||

( まり な ) ごちそうさま でした

( 阿部 ) また な 上原 あべ|||うえはら

( まり な ) はい いい よ 行く よ |||||いく|

またな

おう

何 か あっという間 だった ね なん||あっというま||

ああ

静かに なっちゃ った しずかに||

だ な

( 菜緒 ) ちょっと … ちょっと 上原 君 待って よ なお|||うえはら|きみ|まって|

( 上原 ) 電車 間に合わ なかったら お前 の せい だ から な うえはら|でんしゃ|まにあわ||おまえ|||||

いい じゃ ん せっかく の 旅行 なんだ から |||||りょこう||

ちょっと ぐらい 機嫌 直して よ ||きげん|なおして|

( 上原 ) お前 が 寝坊 する から だ ろ うえはら|おまえ||ねぼう||||

( 菜緒 ) ちょっと 待って って ば 上原 君 なお||まって|||うえはら|きみ

( 菜緒 ) ちょっと 待って よ … なお||まって|

( 菜緒 ) 私 と 上原 君 は ― なお|わたくし||うえはら|きみ|

同じ マンション の 隣 同士 に 住む ラブラブカップル おなじ|まんしょん||となり|どうし||すむ|

( 上原 ) ヤッベ   マジ 乗り遅れる よ うえはら|||のりおくれる|

( 菜緒 ) ケンカ したり 周り に 迷惑 かけたり ― なお|けんか||まわり||めいわく|

いろんな こと が ある けど

ほら 行く ぞ |いく|

( 菜緒 ) 何はともあれ ― なお|なにはともあれ

これ から も ずっと ラブッラブ な ―

ラブッラブ な カップル な のです ! ||かっぷる||の です

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