Bokurano Episode 9
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( 犬 の ほえる 声 )
( 配達 員 ) じゃ いって き ます
( 健吾 ( けん ご ) ) ダイチ ヤマダ さん とこ 取り 置き し と い て くれ な
( ダイチ ) あっ はい
( ダイチ ) 3 年 前 親父 ( おやじ ) が 失踪 し た
僕 が 10 歳 の とき だった
それ 以来 叔父さん … N 親父 の 弟 の 健吾 さん の 店 で ―
新聞 配達 を さ せ て もらい ながら きょう だい だけ で 暮らし て き た
( 遮断 機 の 音 )
( 遮断 機 の 音 )
( ドア の 開く 音 ) ( ダイチ ) ただいま
( フタバ ) お かえり ( サンタ ) お かえり
( フタバ ) 朝 ご飯 の 支度 でき てる よ ( サンタ ) でき てる よ
( ダイチ ) ああ
( フタバ ) こら ! ( 殴る 音 )
( サンタ ) ンンッ …
( フタバ ) ほら ヨシ 起こし て ( サンタ ) チェッ …
( ふすま の 開く 音 ) ( サンタ ) ヨシ 起きろ !
( アナウンサー ) 巨大 ロボット の 出現 に より ―
ここ スズガモリ 水族 館 で は たくさん の 魚 が 犠牲 に なり まし た が
幸い イルカ たち は 海 に 逃げ た と 思わ れ
関係 者 を ホッ と さ せ て い ます
どう し た の ? ( ダイチ ) あっ … いや
( サンタ ) あ あっ ! 姉ちゃん ヨシ おね しょ !
あら ら ら … N ( サンタ ) おね しょ ! おね しょ !
( フタバ ) サンタ だって する でしょ う
し ねえ よ ( フタバ ) する でしょ う
( サンタ ) し ねえ よ !
手伝 お う か ? ( フタバ ) やる から
( サンタ ) あっ 冷 て え ここ !
( フタバ ) もう いい から … N ( サンタ ) おい ヨシ 起きろ よ !
( ダイチ ) とうとう …
( ダイチ ) とうとう 来 た か
( ナカマ ) 大丈夫 ?
( ダイチ ) 大丈夫 … 大丈夫 だ
でも 俺 が い なく なった あと
妹 たち は どう なる か と 今更 思 っち まっ て
( ウシロ ) ここ で やめる なんて 言う な よ
なに ?
あれ だけ 正義 漢 ぶ っと い て いざ と なったら 死ぬ の が 怖い か ?
そんな こと は 言って ない だ ろ う ( ナカマ ) ちょっと 今 は やめ て
お前 は 家族 を 言い訳 に し てる だけ だ ろ う
( 美 純 ( みす み ) ) 宇 白 ( うしろ ) 君 やめ なさい
怖い の は みんな 同じ な の よ
ンンッ …
( コエムシ ) フッ …
( ダイチ ) コエムシ ひと つ 聞き たい こと が ある
何 だ ?
死 ん だ 俺 ら の 死体 は 一体 どう なる ん だ ?
( コエムシ ) どう に でも できる ぜ ( モジ ) どういう こと ?
て め え の 家 ( うち ) へ 帰す の が 基本 だ が
さっぱり 消す こと も できる し 隠す こと だって できる
( コエムシ ) 何せ こいつ は 隙間 が 多い
だったら そう して くれ
ジアース の 中 でも どこ でも いい から 隠し て くれ
( コエムシ ) は い よ ( ダイチ ) それ と もう ひと つ
俺 は 必ず 逃げ ず に 戻って くる
だから 強制 的 に 連れ戻さ ない で ほしい
( ダイチ ) 妹 たち と の 最後 の 暮らし を ジャマ し ない で ほしい
( 健吾 ) おい !
これ ど っか に 貼 っと い て くれ
( 配達 員 ) 何 ス か ? それ
( 健吾 ) 避難 場所 の 地図 だ もしも の とき って な
ああ あの 怪獣 の …
まったく あんな 漫画 み て え な 物 ( もん ) が ホント に 出 てき や がる と は な
終わり まし た ( 健吾 ) おお ダイチ
ちょっと こっち 来い ( ダイチ ) はい
うん ? 何 です か ?
避難 場所 だって さ 見 とい た ほう が いい ぞ
( ダイチ ) ああ … どうも
これ 持って け ( ダイチ ) えっ ?
あっ これ 営業 用 でしょ う ? こんな の もらえ ない です よ
いい から 気 に す ん な 4 枚 ある から ―
フタバ たち と 遊 ん で こい ( ダイチ ) でも …
お前 の ため じゃ ねえ 妹 たち の ため だ
( 健吾 ) サンタ も ヨシ も たまに は お前 と 遊び たい ん だ ぞ
叔父さん …
フゥ … あした は ちょうど 日曜 だ
夕刊 も ねえ から 朝 も 休 ん で いい
いい か ? 来 て も 仕事 は ねえ ぞ
ありがとう ござい ます
だから そんなに 気 を 遣う な って ( ダイチ ) はい …
( 健吾 ) お前 ( め え ) は よく やって る よ
お前 は 兄貴 と は 違う ん だ
ンッ …
叔父さん ( 健吾 ) うん ?
前 から 言って くれ て た 一緒 に 住む 話 な ん だ けど
えっ ? あ … ああ
俺 たち やっぱり …
叔父さん の お 世話 に な ろうか と 思う ん です
あっ …
今 から でも いい です か ?
そ … そう か そう か
もちろん だ と も ! よく 決心 し て くれ た な ハハハッ …
よろしく お 願い し ます
うん うん それ で いい ん だ
お前 は 俺 の 息子 も 同然 な ん だ から な
( ダイチ ) はい
( ダイチ ) それ じゃ お 先 し ます
( 健吾 ) おう 楽 しん で こい よ ( ダイチ ) はい
( 健吾 ) あした 帰り に うち に メシ 食い に 来い
いい な ? 女房 も 喜ぶ
( ダイチ ) 親父 が 失踪 し た あと ―
叔父さん から “ 一緒 に 住ま ない か ” と 言わ れ た
その あと も ずっと 言って くれ て い た けど
一緒 に は 住め なかった
それ は 遠慮 だけ が 理由 じゃ ない
( 健吾 ) それ で い なく なる とき 兄貴 は 何 か 言って なかった か ?
( ダイチ ) “ ちょっと 行って くる ” って
( ダイチ ) それ でも ―
親父 の 帰って こ れる 場所 だけ は 残し て おき たかった
でも …
( サンタ ・ ヨシ ) やった ー ! 遊園地 !
いつ ? いつ ? ( ヨシ ) ねえ いつ ?
う ~ ん … あした だ
( サンタ ・ ヨシ ) やった ー !
あした だ あした ! ( ヨシ ) あした あした !
兄ちゃん 大丈夫 ? そんなに 慌て なく て も いい よ
フフッ …
( サンタ ) ヨシ は 乗せ て や ん ねえ ( ヨシ ) え ~ っ ? 乗る もん
子供 だ から ダメ だ ( ヨシ ) 乗る もん 乗る もん !
( 関 ( せき ) ) ハァ … あんな 子供 に 期待 し なけ れ ば なら ない 私 たち って
一体 何 な ん でしょ う ね
決して 指 を くわえ て 見て いる つもり は ない わ
私 たち は その ため に 契約 し た ん だ から
( コエムシ ) あの 関 って 野郎 …
あんな 小細工 し や がって
( 電子 音 )
( 機械 音 )
( コエムシ ) おいおい ( 関 ) あっ こっち か
( 電子 音 )
( コエムシ ) お前 ら の イス は その うち 出 て くる から よ
それ まで お 利口 に 待って な
… たく 猿 以下 の 知恵 だ ぜ
大 一 ( だいいち ) も 悟り きった 顔 し や がって よ ど っか おかしい ぜ
まあ コマ に は 使える けど な
えっ ? 宇 白 ?
そう いや 妙に 絡 ん で た よ な どう で も いい のに よ
見込み は ある かも な あれ こそ まとも な 神経 って もん だ
うん ?
そろそろ だ な
眠れ ない の ? ( ダイチ ) 目 が 覚め ち まった
最近 兄ちゃん 変 だ よ
あっ … そう か ?
( フタバ ) 何 か 困った こと ?
( フタバ ) 兄ちゃん
昨日 叔父さん と 話し た ん だ けど な
やっぱり 俺 たち 叔父さん たち と 住む こと に し た よ
そう お 父さん 待って て も しょうがない もん ね
俺 は 親父 の こと は 今 でも 信じ てる
何 か きっと …
どうにも なら ない 事情 が あった ん じゃ な いか って
うん
だから フタバ も 兄ちゃん を 信じ て くれ
うん
( ダイチ ) ちょっと 外 の 空気 を 吸って くる
( ドア の 開く 音 )
ンンッ …
あっ …
( ダイチ ) なんで 今日 な ん だ …
( サイレン )
( フタバ ) サンタ ヨシ 起き て !
もう 遊園地 行く の ?
そう よ みんな で 出かける の ( ダイチ ) 行く ぞ
( ドア の 開く 音 )
ハァ ハァ ハァ ハァ …
ハァ ハァ ハァ ハァ …
( ざわめき )
( アナウンス ) 次 の 避難 ルート は ヨコ シマ 町 より サカミ 町 方面 へ
軍 の 指示 に 従い 避難 用 バス に 乗って ください
( 健吾 ) ダイチ !
( 健吾 ) こっち だ こっち ! ( ダイチ ) 叔父さん !
( 健吾 ) よい しょ っと
( 係員 ) 順番 に
( 係員 ) 慌て ない で ください
どう し た ? 早く 乗れ
( 健吾 ) おい !
叔父さん …
妹 たち を よろしく お 願い し ます
な … なん だって ?
兄ちゃん なんで ? どこ 行く の ?
兄ちゃん な … N 兄ちゃん 用事 が ある ん だ
だから ちょっと 行って くる
えっ ?
2 人 を 頼む な ( フタバ ) えっ ?
な っ …
ダ … ダイチ ! ( フタバ ) 兄ちゃん !
兄ちゃん !
兄 ちゃ ー ん !
うん ?
何 が あった か 知ら ねえ が 俺 は お前 を 信じ てる ぞ
ハァ ハァ ハァ …
これ で いい ん だ よ な ?
( コエムシ ) 意外 と 早かった じゃ ねえ か
田中 ( た なか ) さん 町 の 人 の 避難 に は どれ くらい かかる ん です か ?
そう ね … 最低 20 分
なら 20 分間 は 動き ませ ん
( ダイチ ) その あと なるべく 早く 片づけ て 町 の 被害 を 抑え ます
分かった 国防 軍 も 全力 で 避難 ルート を 確保 する わ
だから 頑張って
( 偵察 機 の 音 )
( 機械 音 )
( モジ ) う … 動 い た ( ダイチ ) くそ !
( ナカマ ) あっ !
( 破壊 音 )
( カンジ ) なんて ヤツ だ
止め て やる !
くそ ! ( マキ ) 早く !
捕まえ た !
( カンジ ) ダメ だ ( ダイチ ) あっ …
( 火花 の 散る 音 )
( コエムシ ) おいおい 装甲 が 削ら れ てん ぞ
( ナカマ ) ダイチ 君 ( ダイチ ) それ なら …
( 一同 ) あっ …
うん ?
大 一 君 右 後ろ の 方向 に ―
全域 避難 完了 し た 地域 が ある わ ( ダイチ ) 分かり まし た
あと もう 少し
( 美 純 ) ここ よ
あっ …
( アンコ ) 遊園地 …
ここ は ダメ だ
( カンジ ) う わ 回り 始め た !
そう は いく か !
( 剥がれる 音 )
( モジ ) 敵 の 動き を 弱点 に 変え た !
( 剥がれる 音 )
信じ られ ない よ な
( 剥がれる 音 )
( 回転 の 止まる 音 )
( ダイチ ) 自分 が 地球 上 の 全 人類 の …
全 生物 の 命 を 預かって る なんて
そんな 大きな こと を 言わ れ て も …
全く 実感 が 湧か ない
でも …
お前 たち の 未来 が …
今 この 瞬間 …
自分 に 懸かって いる の なら
( 泣き声 )
コエムシ 約束 頼む な ( コエムシ ) はい よ
ウシロ ( ウシロ ) 何 だ よ ?
カナ ちゃん くらい は 大事 に して やれ
( カナ の 泣き声 )
いく ぞ !
( 突き刺す 音 )
( 笛 の 音 )
♪ ( 園 内 の BGM )
やって る … 信じ られ ない
( 従業 員 ) こういう とき こそ やら なく ちゃ って ね
奇跡 的 に ここ は 無事 だ から さあ どうぞ どうぞ
入 ろ う サンタ ヨシ
どう し た の ?
ダイチ 兄ちゃん は 来 ない の ?
ヨシ …
ダイチ 兄ちゃん い ない と つま ん ねえ
( ヨシ ) ねえ ダイチ 兄ちゃん いつ 来る ?
( サンタ ) 早く 早く ! 早く 兄ちゃん 呼べ !
( ヨシ ) 早く ! 早く !
( フタバ の 泣き声 )
♪~
~♪
( ナカマ ) 誰 に も 悪く 言わ れ ない よう に
ちゃんと し て よ う って ずっと 思って き た けど
何 か が 違う 何 を 間違え て いる ん だ ろ う
次回 「 ぼくら の 」 “ 仲間 ”