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ブギーポップは笑わない, Boogiepop wa Warawanai (2019) Episode 3

♪ ~

~ ♪

( 携帯 電話 の 呼び出し 音 )

( 機械 音声 ) ただいま 電話 に 出る こと が でき ませ ん

( ブギー ポップ ) 弓道 に おける 美 と は ―

“ 真 ( まこと ) ” の 形 と “ 善 ” の 心 が 一体 と なった とき に 現れる そう だ ね

( 女子 生徒 ) 敬 ( けい ) 1 年 の 男子 が 呼 ん でる わ よ

( 敬 ) あ …

( 田中 ( た なか ) ) 先輩 今朝 当番 で 校門 に い まし た よ ね ?

( 敬 ) ええ まあ …

( 田中 ) 紙 木城 ( かみ きしろ ) さん は 見 ませ ん でし た か ?

直子 ( なお こ ) さん ?

そう いえ ば 今日 は 見 て ない けど ?

そう です か

また サボって る ん じゃ ない ?

それ は ない ん です ( 敬 ) え ?

もう 間に合わ ない かも しれ ない

( 教師 ) 紙 木城 も ?

( 教師 ) あの 子 確か 志望 校 A 判定 よ ね ?

( 教師 ) ええ 悩み らしい 悩み は ない と 思う ん です

ただ 数 日 家 に も 帰って ない と いう 話 も あって …

あ … 先生 ノート ここ に 置 い て おき ます

( 敬 ) 直子 さん 家 に も あんまり 帰って ない みたい ね

( 田中 ) 彼女 の 家 今 誰 も い ない ん です

両親 が 離婚 協議 中 らしく …

( 敬 ) そう な の ( 田中 ) ええ

だから 余計 に 心配 で

( イス を 引く 音 ) ( 早乙女 ( さおとめ ) ) それ なら …

( 早乙女 ) 霧 間 ( き り ま ) 凪 ( なぎ ) に 聞く と いい ん じゃ ない か ?

正美 ( まさみ ) なんで お前 …

まんざら 僕 も 知ら ない 話 じゃ なかった んで

何 か 知って る の か ?

( 早乙女 ) 彼女 なら 何 か 知って る かも しれ ない

紙 木城 先輩 と は 中学 から の 友人 だ から ね

霧 間 さん なら 今日 見かけ た けど ?

( 早乙女 ) よし

( 敬 ) あ … 待って

( 末 真 ( す えま ) ) 霧 間 さん 来 てる はず な ん だ けど …

( 田中 ) 来 てる の に 授業 に 出 て ない と いう こと です か ?

( 末 真 ) うん 彼女 らしい と いえ ば そう な ん だ けど

やっぱり 何 か あり そう だ な

( 田中 ) うん

( 田中 ) なあ 正美

お前 どう し て 霧 間 先輩 の こと を そんなに 知って る ん だ よ

彼女 に は フラ れ た こと が あって ね

そう な の ! ?

昔 の 話 だ よ

( 敬 ) 屋上 に も い なかった わ

霧 間 さん

そっち は どう ?

そ っか

すいません 僕 の ため に

別に 直子 さん が 気 に なる だけ よ

ちなみに 田中 君 は 直子 さん と は どう いう 関係 な の ?

えっ と …

( 早乙女 ) こいつ ―

紙 木城 先輩 と つきあって る らしい ん です

え えー ! ?

おい 正美 内緒 だって

委員 長 あと 校 内 で 人目 に つか ない 所 って ―

まだ あり ます か ?

えっ ? ん ー っと …

体育 倉庫 くらい かな

( 田中 ) どう だ ? 正美

( 早乙女 ) 誰 も い ない なあ

人 が い た よう な 形跡 も ない ね

( 敬 ) おかしい わ ね

思った ん です が いっそ の こと ―

放送 で 霧 間 凪 を 呼び出す と いう の は どう です か ね ?

( 敬 ) 怒ら れる わ よ

当直 の 先生 だって いる し

けど もう それ くらい しか …

まあ 確か に その ほう が 早い かも ね

いい わ 先生 に は 私 が 叱ら れる

さすが 委員 長

( 敬 ) 2 年 B 組 の 霧 間 凪 さん

至急 放送 室 まで 来 て ください

紙 木城 直子 さん の こと で お 話 が あり ます

霧 間 凪 さん

紙 木城 直子 さん の こと で お 話 が あり ます

至急 放送 室 まで 来 て ください

( 凪 ) エコーズ マンティコア の 気配 は ある の か ?

なんで だ よ

ワナ だ から か ?

だったら なおさら だ

ここ で 俺 たち が 引っかから なかったら ヤツ は 逃げる

そ したら もう 追 え ない ぜ

( エコーズ ) どっち な の だ ろ う

来 ない です ね

( 敬 ) 先生 も 来 ない わ ね

どう し た の かしら ?

( 田中 ) 霧 間 さん もう 校 内 に い ない の かも しれ ませ ん ね

いや 絶対 に いる はず だ ( 敬 ) え ?

もう 一 度 放送 し て みよ う

( ブレーカー が 落ちる 音 ) ( 早乙女 ) あっ

( 敬 ) わ っ ( 田中 ) 停電 ! ?

チッ … ブレーカー か

あっ

( 田中 ) あっ

えっ ?

( 早乙女 ) 霧 間 さん ! これ は 一体 どう いう こと です か

( 凪 ) あんた ら は 知ら なく て いい こと だ

( 敬 ) 霧 間 さん …

あっ ん ん …

( 凪 ) この 中 に は い ない ん だ な ? エコーズ

( エコーズ ) あ … い ない

誰 ?

( 凪 ) 改造 さ れ た 形跡 も ない し な

そう か 悪い こと を し た な

疑い は 晴れ た

あんた ら に は 帰って もらう

えっ ?

ちょっと ! 訳 が 分か ん ない ん だ けど

この 人 誰 ?

うち の 学校 の 生徒 じゃ ない でしょ ?

( 凪 ) 新 刻 ( に い とき ) さん

この 2 人 は 分かる と し て なんで あんた が ここ に いる ん だ ?

( 敬 ) それ は こっち の セリフ よ

一体 何 が どう なって る の よ !

( 田中 ) そ そう です よ

僕 たち は 紙 木城 さん を 捜し てる だけ で …

直子 の こと は 俺 も 心配 し てる

だから 説明 し て って 言って … う っ

あっ …

あ … ありがとう

( 凪 ) ここ で あった こと は 黙って い て もらい たい

その ほう が あんた たち の ため だ

( 敬 ) は あ ? こんな こと まで し て おい て ―

そんな 話 通じる と でも 思って る の ! ?

( 田中 ) 紙 木城 さん は 無事 な ん でしょ う か ?

( 敬 ) 直子 さん は 私 の 知り合い よ

何 か 知って る なら 教え て

私 たち だって 協力 できる わ !

( 凪 ) いや 無理 だ

え ? どう し て よ

これ は 普通 じゃ ない

俺 みたい な 異常 な ヤツ で ない と 対処 でき ない 事態 な ん だ

また “ 普通 で は ダメ ” です か

( 凪 ) あんた は 普通 の ヤツ だ ろ ?

俺 に 関わる と トラブル に なる から さ

ごめん な

( 凪 ) 志郎 ( しろう ) 君 だった な

直子 の こと は もう 忘れ た ほう が いい

どう し て です か ! ?

ねえ あなた さっき から 何 な の ?

何だか 知ら ない けど ―

全部 自分 1 人 で 背負って る みたい な 顔 し て !

まあまあ 新 刻 さ ん

( 敬 ) だって …

しかた あり ませ ん よ

霧 間 さん に は 霧 間 さん の 事 情 が ある ん です から

ねっ 霧 間 さん

僕 に は 分かり ます よ

そう

普通 で は 僕ら は 満足 でき ない

何 の こと だ ?

( 早乙女 ) あなた に フラ れ て ―

かえって よかった と 今 は 思って る ん です よ

何せ もし あなた と 共に 行動 し て た と し たら ―

僕 は きっと 彼女 と 出会って も 敵 に 回って い た でしょ う から ね

だから 何 の こと だ ?

だから ―

僕 に とって あなた の ほう が

もう 普通 の 側 で しか ない と いう こと です よ

今や あなた は 僕ら の 敵 だ

マンティコア か …

( 敬 ) あっ

( 倒れる 音 )

あっ

( 百合 原 ( ゆり はら ) ) う っ

( 百合 原 ) あ …

追え !

今 なら 勝 てる

( 田中 ) う っ …

う ああ ああ あっ

( 田中 の 叫び声 )

( 敬 ) あっ

( 早乙女 の 笑い声 )

( 早乙女 ) ホント は 僕 が 殺さ れ たかった ん です けど ね

まっ これ は これ で 快感 で し た よ

( 凪 の せきこみ )

( 早乙女 ) 自分 で やる ほう も ―

病みつき に なり そう です よ

( おびえる 声 )

( 田中 の 叫び声 )

( エコーズ ) どっち な の だ

( エコーズ ) ん …

( 足音 )

( 走り去る 足音 )

逃がす か

( 敬 ) ハァ ハァ ハァ …

ん っ

( 早乙女 ) いい ねえ 新 刻 さ ん

その 目 は いい

僕 は そう いう 意志 の ある 力強い 目 が 大好き な ん だ

( 敬 ) 何 な の よ あなた たち

百合 原 美奈子 ( みな こ ) は …

一体 あれ は 何 な の よ ?

( 早乙女 ) 本物 の 百合 原 は もう 死 ん で いる

は ?

彼女 は マンティコア だ

( 敬 ) マンティコア ?

人 を 喰 ( く ) う もの だ よ ( 敬 ) え ?

それ じゃ 最近 失踪 し た 人 たち って みんな …

( 早乙女 ) ああ 大体 はね

( 敬 ) そ っか それ で 霧 間 さん ―

ずっと あなた たち の こと を 捜し て た の ね

( 早乙女 ) バカ な ん だ

自分 は エコーズ の 味方 を し て い た くせ に ―

敵 に も 同じ ように 味方 が いる と は 思わ なかった らしい

( 百合 原 ) う っ

( 敬 ) あっ

( 百合 原 ) もう いい わ 早乙女 君

あと は 私 が やる から ( 早乙女 ) そうかい

( エコーズ ) ん っ う っ … あっ

( 敬 ) あっ

( エコーズ ) う っ ん っ …

( 敬 ) だ 大丈夫 ?

( 足音 )

( 百合 原 ) そい つ に 助け を 求め て も ムダ よ

もう 死ぬ もの

ペン に 毒 を 仕込 ん で おい た の さ

再生 能力 を 封じる ため に ね

しかし 君 の オリジナル と いう わり に は ―

大した こと なかった な

( 百合 原 ) ええ もっと 強い はず な ん だ けど …

( 早乙女 ) むしろ 霧 間 凪 の ほう が やっかい だった

( 百合 原 ) ウフッ だ から 彼 女 に なる ん でしょ

隠れみの と し て も 格好 の 素材 だ し

それ に 早乙女 君 あなた に とって も

フッ

な 何 を 言って る の よ ( 百合 原 ) ん ?

この 体 を 捨て て 霧 間 凪 に 変わる の よ

( 敬 ) は ?

( 百合 原 ) フフッ 大丈夫

あんた も 世間 的 に は 死ぬ こと は ない わ

改造 さ れ スレイブ と し て 生き 続ける こと に なる

スレイブ ?

( 百合 原 ) そう あんた は 生き た しかばね に なる の

あんた の 心 は なくなって ―

たとえ 好き な 男 を 見 て も 何 も 感じ なく なっちゃ う けど ね

あなた たち は 悪魔 よ !

悪 … 魔

( エコーズ ) 人間 は どっち な の だ ろ う か

( 百合 原 ) 悪魔 ? 大いに 結構

私 は もと から 人間 じゃ ない し ―

早乙女 君 だって あんた ら みたい な 愚か な 人間 と は 全然 違う の

( 敬 ) 人間 が 愚か です って ?

私 と この 人 は たぶん ここ で 死ぬ けれど ―

私 と 同じ ように あなた たち を 許 せ ない と 考える 人 は 必ず いる !

あなた たち が どこ へ 行った って 誰 か が 必ず 見つけ出す !

( 敬 の 泣き声 )

( エコーズ ) 人間 は …

何 の つもり ?

まだ 何 か しよ う って いう の ?

は あ ?

( エコーズ ) 我が身 を “ 情報 ” に 変え て ―

今 御 許 ( みもと ) に “ 報告 ” を 送る

( 早乙女 ) う う っ ( 百合 原 ) あっ

( 敬 ) う っ 何 … 何 な の ?

エコーズ …

( 百合 原 の すすり泣き )

( 百合 原 ) う っ

う わ あ ああ ああ あっ

ひ いっ

殺す

何もかも 1 人 残ら ず 全て 殺し 尽くし て やる !

( 笑い声 )

( 敬 ) ハァ ハァ … あっ

くっ …

あっ

あっ

あ あっ

( 百合 原 の うめき声 )

( うめき声 )

( ブギー ポップ ) 腕 は 簡単 に 切断 でき た が ―

首 は そう は いか ない な

み … 宮下 ( みや した ) さん ?

今 は ブギー ポップ だ

マンティコア と いった な ?

君 は 人間 以上 の 力 を 持って いる よう だ が ―

この 僕 も 人間 が ふだん 無意識 に セーブ し て いる 力 を ―

自由 に 使える ん だ

今 だ 志郎 君

もしも その 手 で 真実 を 射 ぬ ける と し たら ―

君 に その 覚悟 は ある かい ?

あ …

( 田中 ) 大丈夫 です か ?

( 敬 ) あっ うん … けど …

( 田中 ) お 知り合い です か ?

知って は … 知って は いる ん だ けど …

( 振り返る 音 ) ( 2 人 ) あっ

( ブギー ポップ ) もう 少し だけ 手 を 貸し て ほしい

( 凪 ) ん … ( 敬 ) あっ

霧 間 さん

( ブギー ポップ ) エコーズ は 命 を 分けて いた ん だ

この 死 に 損ない に ね

さっき の マンティコア は ―

エコーズ と いう 怪人 が 弱 すぎる と 言って い た が ―

これ が 原因 だ

や あ 炎 の 魔女

( 凪 ) お前 か

出 て い た ん なら もっと 早く 出 て こい よ な

( ブギー ポップ ) まあ そう 言う な よ

( 凪 ) 終わった の か ? ( ブギー ポップ ) ああ

エコーズ と いう 人 の 犠牲 と ―

2 人 の 勇気 ある 行動 の おかげ で ね

( 凪 ) そう か

( 敬 ) 結局 は 何も なかった こと に なって しまう ん でしょ う ね

( 凪 ) ああ

直子 さん は やっぱり …

( 凪 ) たぶん な

( 田中 ) どう も ありがとう ござい まし た

うまく 言 え ませ ん が ―

たぶん 僕 が 紙 木城 さん に 代わって ―

お 礼 を 言わ なきゃ なら ない ん だ と 思い ます

( 敬 ) あの 人 たち は 何者 だった の かしら ?

( 凪 ) さあ な

ただ エコーズ は 天使 だって 直子 は 言って た

( 敬 ) 天使 ?

( 凪 ) 天 の 神様 に 命じ られ て ―

人類 を 生かす か 滅ぼす か どう か の 最後 の 審判 の 審査 に 来 た ん だ って

人間 が 善 か 悪 か どちら な の か 判断 する ため に ね

もし それ が 本当 なら 今回 は 見逃し て もら え た らしい

( 敬 ) じゃあ 世界 を 救った の は …

( 凪 ) ああ

でも 俺 たち は あいつ に ―

“ ありがとう ” すら 言う こと が でき ない ん だ もう

( 敬 ) ブギー ポップ は どう 思って る の か な ?

( 凪 ) さあ ね 何 なら 本人 に 聞い て みる か ?

え ?

( 凪 ) 何 も 覚え ちゃ い ない だ ろ う けど

( 凪 ) ん っ ( 敬 ) あっ

( 藤 花 ( とうか ) ) ふう ん

( 藤 花 ) あっ ( 竹田 ( たけ だ ) ) あ …

大丈夫 だ よ

( 敬 ) あら 先輩 今 帰り です か ? ( 竹田 ) ああ

男女 交際 は 規則 違反 です が

今回 は 特別 に 見逃し ます よ

( 凪 ) ふう ん ( 竹田 ) ん …

あんた が 宮下 藤 花 か

俺 は 霧 間 凪 だ よろしく

よろしく

( 透 子 ( すいこ ) ) 始まり の 終わり は 同時に 終わり の 始まり で も ある の よ

ブギー ポップ

♪ ~

~ ♪

♪ ~

~ ♪

( 携帯 電話 の 呼び出し 音 )

( 機械 音声 ) ただいま 電話 に 出る こと が でき ませ ん

( ブギー ポップ ) 弓道 に おける 美 と は ―

“ 真 ( まこと ) ” の 形 と “ 善 ” の 心 が 一体 と なった とき に 現れる そう だ ね

( 女子 生徒 ) 敬 ( けい ) 1 年 の 男子 が 呼 ん でる わ よ

( 敬 ) あ …

( 田中 ( た なか ) ) 先輩 今朝 当番 で 校門 に い まし た よ ね ?

( 敬 ) ええ まあ …

( 田中 ) 紙 木城 ( かみ きしろ ) さん は 見 ませ ん でし た か ?

直子 ( なお こ ) さん ?

そう いえ ば 今日 は 見 て ない けど ?

そう です か

また サボって る ん じゃ ない ?

それ は ない ん です ( 敬 ) え ?

もう 間に合わ ない かも しれ ない

( 教師 ) 紙 木城 も ?

( 教師 ) あの 子 確か 志望 校 A 判定 よ ね ?

( 教師 ) ええ 悩み らしい 悩み は ない と 思う ん です

ただ 数 日 家 に も 帰って ない と いう 話 も あって …

あ … 先生 ノート ここ に 置 い て おき ます

( 敬 ) 直子 さん 家 に も あんまり 帰って ない みたい ね

( 田中 ) 彼女 の 家 今 誰 も い ない ん です

両親 が 離婚 協議 中 らしく …

( 敬 ) そう な の ( 田中 ) ええ

だから 余計 に 心配 で

( イス を 引く 音 ) ( 早乙女 ( さおとめ ) ) それ なら …

( 早乙女 ) 霧 間 ( き り ま ) 凪 ( なぎ ) に 聞く と いい ん じゃ ない か ?

正美 ( まさみ ) なんで お前 …

まんざら 僕 も 知ら ない 話 じゃ なかった んで

何 か 知って る の か ?

( 早乙女 ) 彼女 なら 何 か 知って る かも しれ ない

紙 木城 先輩 と は 中学 から の 友人 だ から ね

霧 間 さん なら 今日 見かけ た けど ?

( 早乙女 ) よし

( 敬 ) あ … 待って

( 末 真 ( す えま ) ) 霧 間 さん 来 てる はず な ん だ けど …

( 田中 ) 来 てる の に 授業 に 出 て ない と いう こと です か ?

( 末 真 ) うん 彼女 らしい と いえ ば そう な ん だ けど

やっぱり 何 か あり そう だ な

( 田中 ) うん

( 田中 ) なあ 正美

お前 どう し て 霧 間 先輩 の こと を そんなに 知って る ん だ よ

彼女 に は フラ れ た こと が あって ね

そう な の ! ?

昔 の 話 だ よ

( 敬 ) 屋上 に も い なかった わ

霧 間 さん

そっち は どう ?

そ っか

すいません 僕 の ため に

別に 直子 さん が 気 に なる だけ よ

ちなみに 田中 君 は 直子 さん と は どう いう 関係 な の ?

えっ と …

( 早乙女 ) こいつ ―

紙 木城 先輩 と つきあって る らしい ん です

え えー ! ?

おい 正美 内緒 だって

委員 長 あと 校 内 で 人目 に つか ない 所 って ―

まだ あり ます か ?

えっ ? ん ー っと …

体育 倉庫 くらい かな

( 田中 ) どう だ ? 正美

( 早乙女 ) 誰 も い ない なあ

人 が い た よう な 形跡 も ない ね

( 敬 ) おかしい わ ね

思った ん です が いっそ の こと ―

放送 で 霧 間 凪 を 呼び出す と いう の は どう です か ね ?

( 敬 ) 怒ら れる わ よ

当直 の 先生 だって いる し

けど もう それ くらい しか …

まあ 確か に その ほう が 早い かも ね

いい わ 先生 に は 私 が 叱ら れる

さすが 委員 長

( 敬 ) 2 年 B 組 の 霧 間 凪 さん

至急 放送 室 まで 来 て ください

紙 木城 直子 さん の こと で お 話 が あり ます

霧 間 凪 さん

紙 木城 直子 さん の こと で お 話 が あり ます

至急 放送 室 まで 来 て ください

( 凪 ) エコーズ マンティコア の 気配 は ある の か ?

なんで だ よ

ワナ だ から か ?

だったら なおさら だ

ここ で 俺 たち が 引っかから なかったら ヤツ は 逃げる

そ したら もう 追 え ない ぜ

( エコーズ ) どっち な の だ ろ う

来 ない です ね

( 敬 ) 先生 も 来 ない わ ね

どう し た の かしら ?

( 田中 ) 霧 間 さん もう 校 内 に い ない の かも しれ ませ ん ね

いや 絶対 に いる はず だ ( 敬 ) え ?

もう 一 度 放送 し て みよ う

( ブレーカー が 落ちる 音 ) ( 早乙女 ) あっ

( 敬 ) わ っ ( 田中 ) 停電 ! ?

チッ … ブレーカー か

あっ

( 田中 ) あっ

えっ ?

( 早乙女 ) 霧 間 さん ! これ は 一体 どう いう こと です か

( 凪 ) あんた ら は 知ら なく て いい こと だ

( 敬 ) 霧 間 さん …

あっ ん ん …

( 凪 ) この 中 に は い ない ん だ な ? エコーズ

( エコーズ ) あ … い ない

誰 ?

( 凪 ) 改造 さ れ た 形跡 も ない し な

そう か 悪い こと を し た な

疑い は 晴れ た

あんた ら に は 帰って もらう

えっ ?

ちょっと ! 訳 が 分か ん ない ん だ けど

この 人 誰 ?

うち の 学校 の 生徒 じゃ ない でしょ ?

( 凪 ) 新 刻 ( に い とき ) さん

この 2 人 は 分かる と し て なんで あんた が ここ に いる ん だ ?

( 敬 ) それ は こっち の セリフ よ

一体 何 が どう なって る の よ !

( 田中 ) そ そう です よ

僕 たち は 紙 木城 さん を 捜し てる だけ で …

直子 の こと は 俺 も 心配 し てる

だから 説明 し て って 言って … う っ

あっ …

あ … ありがとう

( 凪 ) ここ で あった こと は 黙って い て もらい たい

その ほう が あんた たち の ため だ

( 敬 ) は あ ? こんな こと まで し て おい て ―

そんな 話 通じる と でも 思って る の ! ?

( 田中 ) 紙 木城 さん は 無事 な ん でしょ う か ?

( 敬 ) 直子 さん は 私 の 知り合い よ

何 か 知って る なら 教え て

私 たち だって 協力 できる わ !

( 凪 ) いや 無理 だ

え ? どう し て よ

これ は 普通 じゃ ない

俺 みたい な 異常 な ヤツ で ない と 対処 でき ない 事態 な ん だ

また “ 普通 で は ダメ ” です か

( 凪 ) あんた は 普通 の ヤツ だ ろ ?

俺 に 関わる と トラブル に なる から さ

ごめん な

( 凪 ) 志郎 ( しろう ) 君 だった な

直子 の こと は もう 忘れ た ほう が いい

どう し て です か ! ?

ねえ あなた さっき から 何 な の ?

何だか 知ら ない けど ―

全部 自分 1 人 で 背負って る みたい な 顔 し て !

まあまあ 新 刻 さ ん

( 敬 ) だって …

しかた あり ませ ん よ

霧 間 さん に は 霧 間 さん の 事 情 が ある ん です から

ねっ 霧 間 さん

僕 に は 分かり ます よ

そう

普通 で は 僕ら は 満足 でき ない

何 の こと だ ?

( 早乙女 ) あなた に フラ れ て ―

かえって よかった と 今 は 思って る ん です よ

何せ もし あなた と 共に 行動 し て た と し たら ―

僕 は きっと 彼女 と 出会って も 敵 に 回って い た でしょ う から ね

だから 何 の こと だ ?

だから ―

僕 に とって あなた の ほう が

もう 普通 の 側 で しか ない と いう こと です よ

今や あなた は 僕ら の 敵 だ

マンティコア か …

( 敬 ) あっ

( 倒れる 音 )

あっ

( 百合 原 ( ゆり はら ) ) う っ

( 百合 原 ) あ …

追え !

今 なら 勝 てる

( 田中 ) う っ …

う ああ ああ あっ

( 田中 の 叫び声 )

( 敬 ) あっ

( 早乙女 の 笑い声 )

( 早乙女 ) ホント は 僕 が 殺さ れ たかった ん です けど ね

まっ これ は これ で 快感 で し た よ

( 凪 の せきこみ )

( 早乙女 ) 自分 で やる ほう も ―

病みつき に なり そう です よ

( おびえる 声 )

( 田中 の 叫び声 )

( エコーズ ) どっち な の だ

( エコーズ ) ん …

( 足音 )

( 走り去る 足音 )

逃がす か

( 敬 ) ハァ ハァ ハァ …

ん っ

( 早乙女 ) いい ねえ 新 刻 さ ん

その 目 は いい

僕 は そう いう 意志 の ある 力強い 目 が 大好き な ん だ

( 敬 ) 何 な の よ あなた たち

百合 原 美奈子 ( みな こ ) は …

一体 あれ は 何 な の よ ?

( 早乙女 ) 本物 の 百合 原 は もう 死 ん で いる

は ?

彼女 は マンティコア だ

( 敬 ) マンティコア ?

人 を 喰 ( く ) う もの だ よ ( 敬 ) え ?

それ じゃ 最近 失踪 し た 人 たち って みんな …

( 早乙女 ) ああ 大体 はね

( 敬 ) そ っか それ で 霧 間 さん ―

ずっと あなた たち の こと を 捜し て た の ね

( 早乙女 ) バカ な ん だ

自分 は エコーズ の 味方 を し て い た くせ に ―

敵 に も 同じ ように 味方 が いる と は 思わ なかった らしい

( 百合 原 ) う っ

( 敬 ) あっ

( 百合 原 ) もう いい わ 早乙女 君

あと は 私 が やる から ( 早乙女 ) そうかい

( エコーズ ) ん っ う っ … あっ

( 敬 ) あっ

( エコーズ ) う っ ん っ …

( 敬 ) だ 大丈夫 ?

( 足音 )

( 百合 原 ) そい つ に 助け を 求め て も ムダ よ

もう 死ぬ もの

ペン に 毒 を 仕込 ん で おい た の さ

再生 能力 を 封じる ため に ね

しかし 君 の オリジナル と いう わり に は ―

大した こと なかった な

( 百合 原 ) ええ もっと 強い はず な ん だ けど …

( 早乙女 ) むしろ 霧 間 凪 の ほう が やっかい だった

( 百合 原 ) ウフッ だ から 彼 女 に なる ん でしょ

隠れみの と し て も 格好 の 素材 だ し

それ に 早乙女 君 あなた に とって も

フッ

な 何 を 言って る の よ ( 百合 原 ) ん ?

この 体 を 捨て て 霧 間 凪 に 変わる の よ

( 敬 ) は ?

( 百合 原 ) フフッ 大丈夫

あんた も 世間 的 に は 死ぬ こと は ない わ

改造 さ れ スレイブ と し て 生き 続ける こと に なる

スレイブ ?

( 百合 原 ) そう あんた は 生き た しかばね に なる の

あんた の 心 は なくなって ―

たとえ 好き な 男 を 見 て も 何 も 感じ なく なっちゃ う けど ね

あなた たち は 悪魔 よ !

悪 … 魔

( エコーズ ) 人間 は どっち な の だ ろ う か

( 百合 原 ) 悪魔 ? 大いに 結構

私 は もと から 人間 じゃ ない し ―

早乙女 君 だって あんた ら みたい な 愚か な 人間 と は 全然 違う の

( 敬 ) 人間 が 愚か です って ?

私 と この 人 は たぶん ここ で 死ぬ けれど ―

私 と 同じ ように あなた たち を 許 せ ない と 考える 人 は 必ず いる !

あなた たち が どこ へ 行った って 誰 か が 必ず 見つけ出す !

( 敬 の 泣き声 )

( エコーズ ) 人間 は …

何 の つもり ?

まだ 何 か しよ う って いう の ?

は あ ?

( エコーズ ) 我が身 を “ 情報 ” に 変え て ―

今 御 許 ( みもと ) に “ 報告 ” を 送る

( 早乙女 ) う う っ ( 百合 原 ) あっ

( 敬 ) う っ 何 … 何 な の ?

エコーズ …

( 百合 原 の すすり泣き )

( 百合 原 ) う っ

う わ あ ああ ああ あっ

ひ いっ

殺す

何もかも 1 人 残ら ず 全て 殺し 尽くし て やる !

( 笑い声 )

( 敬 ) ハァ ハァ … あっ

くっ …

あっ

あっ

あ あっ

( 百合 原 の うめき声 )

( うめき声 )

( ブギー ポップ ) 腕 は 簡単 に 切断 でき た が ―

首 は そう は いか ない な

み … 宮下 ( みや した ) さん ?

今 は ブギー ポップ だ

マンティコア と いった な ?

君 は 人間 以上 の 力 を 持って いる よう だ が ―

この 僕 も 人間 が ふだん 無意識 に セーブ し て いる 力 を ―

自由 に 使える ん だ

今 だ 志郎 君

もしも その 手 で 真実 を 射 ぬ ける と し たら ―

君 に その 覚悟 は ある かい ?

あ …

( 田中 ) 大丈夫 です か ?

( 敬 ) あっ うん … けど …

( 田中 ) お 知り合い です か ?

知って は … 知って は いる ん だ けど …

( 振り返る 音 ) ( 2 人 ) あっ

( ブギー ポップ ) もう 少し だけ 手 を 貸し て ほしい

( 凪 ) ん … ( 敬 ) あっ

霧 間 さん

( ブギー ポップ ) エコーズ は 命 を 分けて いた ん だ

この 死 に 損ない に ね

さっき の マンティコア は ―

エコーズ と いう 怪人 が 弱 すぎる と 言って い た が ―

これ が 原因 だ

や あ 炎 の 魔女

( 凪 ) お前 か

出 て い た ん なら もっと 早く 出 て こい よ な

( ブギー ポップ ) まあ そう 言う な よ

( 凪 ) 終わった の か ? ( ブギー ポップ ) ああ

エコーズ と いう 人 の 犠牲 と ―

2 人 の 勇気 ある 行動 の おかげ で ね

( 凪 ) そう か

( 敬 ) 結局 は 何も なかった こと に なって しまう ん でしょ う ね

( 凪 ) ああ

直子 さん は やっぱり …

( 凪 ) たぶん な

( 田中 ) どう も ありがとう ござい まし た

うまく 言 え ませ ん が ―

たぶん 僕 が 紙 木城 さん に 代わって ―

お 礼 を 言わ なきゃ なら ない ん だ と 思い ます

( 敬 ) あの 人 たち は 何者 だった の かしら ?

( 凪 ) さあ な

ただ エコーズ は 天使 だって 直子 は 言って た

( 敬 ) 天使 ?

( 凪 ) 天 の 神様 に 命じ られ て ―

人類 を 生かす か 滅ぼす か どう か の 最後 の 審判 の 審査 に 来 た ん だ って

人間 が 善 か 悪 か どちら な の か 判断 する ため に ね

もし それ が 本当 なら 今回 は 見逃し て もら え た らしい

( 敬 ) じゃあ 世界 を 救った の は …

( 凪 ) ああ

でも 俺 たち は あいつ に ―

“ ありがとう ” すら 言う こと が でき ない ん だ もう

( 敬 ) ブギー ポップ は どう 思って る の か な ?

( 凪 ) さあ ね 何 なら 本人 に 聞い て みる か ?

え ?

( 凪 ) 何 も 覚え ちゃ い ない だ ろ う けど

( 凪 ) ん っ ( 敬 ) あっ

( 藤 花 ( とうか ) ) ふう ん

( 藤 花 ) あっ ( 竹田 ( たけ だ ) ) あ …

大丈夫 だ よ

( 敬 ) あら 先輩 今 帰り です か ? ( 竹田 ) ああ

男女 交際 は 規則 違反 です が

今回 は 特別 に 見逃し ます よ

( 凪 ) ふう ん ( 竹田 ) ん …

あんた が 宮下 藤 花 か

俺 は 霧 間 凪 だ よろしく

よろしく

( 透 子 ( すいこ ) ) 始まり の 終わり は 同時に 終わり の 始まり で も ある の よ

ブギー ポップ

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