×

Vi använder kakor för att göra LingQ bättre. Genom att besöka sajten, godkänner du vår cookie policy.


image

ヒナまつり, Hinamatsuri (Hina Festival) Episode 6

( 新田 ( に った ) 義史 ( よし ふみ ) ) ただいま

( ヒナ ) もしもし ? ( 新田 ) ん ?

( ヒナ ) うん うん

( 新田 ) 勧誘 と か だったら さっさと 切れよ

( ヒナ ) ふ ー ん 新田 の 母ちゃん か

( 新田 ) えっ !

うん 新田 と 住 ん でる よ

ん ?

あ いった ー !

もしもし ?

( 新田 の 母 ) 義史 ? 今 の 女の子 は 一体 どう し た の !

女の子 ? 何 それ ?

霊 的 な 何 か 受信 し ちゃ った ?

( 新田 の 母 ) ん な わけ ない でしょ う が !

( ヒナ ) なぜ … ホワーイ ?

♪~

~♪

( 鈴 ( りん ) の 音 )

( ヒナ ) 何 して ん の ?

( 新田 ) お参り だ よ 親父 ( おやじ ) が 死 ん で て な

挨拶 す ん の

オヤジ は 死 ん で た の ? 動 い て た よ

( 新田 ) その オヤジ じゃ ない 俺 の 親父

次 は 家族 へ の 挨拶 だ が … N ヒナ 頼む ぞ

任せ な よ 大船 だ よ

不安 しか ねえ

( 新田 ) ヒナ

俺 の 母親 と 妹 の 美佳 ( みか ) だ

挨拶 しろ

( ヒナ ) 私 安達 ( あだ ち ) ヒナ 13 歳 で ー す

お 父さん が 刑務所 行って 身寄り が ない ので ―

新田 さん と 一緒に 暮らし て ま ー す

新田 さん は とても 親切 な の で

毎日 とても 楽しい で ー す

( 新田 の 母 ) そ … そう な ん だ

( 新田 美佳 ) えっ と ヒナ ちゃん は いつ から 兄ちゃん と 暮らし てん の ?

( 新田 ) ああ … ちょっと !

ヒナ へ の 質問 は 全部 俺 を 通し て くれる ?

どこ の マネージャー ?

身寄り が ない って お 母さん の ほう も な の ?

ん …

私 安達 ヒナ 13 歳 で ー す

( 新田 ) イカ れ た ロボット か !

ちょっと 来い

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) あ …

あと は 説明 し とく から お前 は 外 で 遊 ん でろ

( ヒナ ) 練習 どおり 頑張って る よ

だが 応用 力 は ゼロ だ

めん ど くさく なら ない よう に 預かった 子 に し た ん だ

バレ て ややこしい こと に なったら お互い 困る だ ろ

だから 頑張る よ

ああ

( ゲーム の 操作 音 )

( 新田 ) 頑張って 外 に い なさい

( 新田 の 母 ) ヒナ ちゃん に そんな こと が …

( 新田 ) ああ …

抗争 で な 家族 で 食事 中 に 母親 は 撃た れ

父親 は 応戦 し て 2 人 殺し て しまった ん だ

世話 に なった アニキ だった から 居て も 立って も い られ なく て ―

引き取る こと に し た ん だ よ

ヒナ ちゃん に ケガ は なかった の ?

あっ ああ … N エビ チリ 食って た らしい

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) えっ …

( 銃声 )

エビ チリ を ! ?

( 銃声 )

( 銃声 )

おかわり

( 銃声 )

( 新田 ) ただ もう あまり の ショック から ―

エビ チリ の こと しか 覚え て なく て …

( 美佳 ) 何て こと …

( 新田 ) 預かった 最初 の 頃 は ほとんど ひと言 も しゃべら なく て

でも 最近 ようやく 少しずつ だ けど …

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) あ …

しゃべる よう に なった ん だ

( 2 人 ) あ あ ~ !

あれ ?

でも さっき 毎日 楽しい と か 言って なかった ?

う ぐ っ … それ は …

フッ …

多分 俺 に 心配 かけ まい と ―

無理 し て ん だ よ

バカ 野郎 !

( 新田 ) だ から 過去 の こと は 聞か ない で あげ て くれ

( 新田 ) ブッフフフ …

何 だ よ エビ チリ って …

ああ ヤベ え な 俺 役者 の 才能 ある ん じゃ ねえ の ?

( 新田 の 母 ) 義史 そろそろ 夕食 の 時間 な ん だ けど

( 新田 ) ああ … そう か

( 2 人 ) うん

義史 の 夕 ごはん が ~

食べ た ~ い

俺 客 だ ろ

いやいや だって 兄ちゃん が 来る って いう から

安心 し て 昼間 から 飲 ん で た ん だ よ ほら ほら ~

( 新田 ) いろいろ と おかしい だ ろ どこ から 突っ込め ば いい の よ ?

あー そう です か 分かり まし た よ 作り ます よ

お 湯 沸かせ ば 3 分 で 出来る んで

( 新田 の 母 ) いや 私 は 3 分 も いら ない ね 2 分 で 十 分

( 美佳 ) あっ 分かる ー

分かり まし た よ 作り ます よ

( 美佳 ) え ー ヒナ ちゃん 中 1 か ~

学校 楽しい ?

( ヒナ ) 全然 寝る だけ でも 給食 は 楽しい

( 新田 ) クソッ 学校 行か せる の いろいろ と カネ かかって ん だ ぞ

ニャハハハッ じゃあ 宿題 なんて し て な さ そう だ ね

( ヒナ ) あ … 宿題 … N ( 美佳 ) ん ?

今日 持って き た

( 新田 ) えっ … そんな の 持ってき て た の ?

やって る の 見 た こと ねえ のに この タイミング で ?

いや 待て 宿題 やっ ときゃ それ で 話題 は 終わる か …

よし ナイス 宿題 ! ナイス !

( 美佳 ) どれ どれ ? ああ ほら ―

ちゃんと 名前 書か ない と

( ヒナ ) そ っか

フフ …

ん ?

えっ …

( 美佳 ) “ 新田 ヒナ ” ? ( 新田 ) う っ …

ああ それ は です ねえ !

パッパ ~

学校 側 と 相談 し て 名字 が 違う と 何かと 言わ れる かも しれ ない と

考慮 し た 結果 な ん です よ ~ !

は あ …

ヒナ ちゃん は ちゃんと 納得 し てる の ?

そりゃ もちろん

なあ ヒナ

え ?

( 新田 ) ん …

ハッ …

私 安達 ヒナ 13 歳 で ー す

( 美佳 ・ 新田 の 母 ・ ヒナ ) わ あ ~

( 美佳 ) うん

や っぱ 兄ちゃん の ごはん は うまい わ ~

でも こうして 見る と ほんと に 楽し そう に 暮らし て いる の ねえ

( 美佳 ) 兄ちゃん と 一緒 で 何 が 楽しかった ?

いろいろ あった けど …

( すする 音 )

( ヒナ ) キャバクラ かな ( 新田 ) ブッ …

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) は ? ( 新田 ) い … いや その …

( 新田 ) ヒナ が 行き たい って 言う から …

いや いや いや いや

分かって る バカ な こと し てる って

でも ―

ヒナ の 笑顔 が 見 たく て つい 甘やかし ちゃ う ん だ よ な

( 美佳 ) う っ …

まあ これ から は 気 を つけ なさい よ ( 新田 ) ああ

( 新田 ) この 設定 強い の ? 意外 と ちょ ろ い ん じゃ ね ?

( 新田 の 母 ) あんた も ちょっと 飲 ん だ ら ?

( 新田 ) ああ そう だ な

( 花火 の 音 )

何で 花火 あん の ?

夏 に 親戚 の 子 たち が 来 た とき の が 残って た の よ

( 美佳 ) 何 やって ん の ? ん ?

ククク … N ア … アリ の 行列 殺し てる

クッ クック …

( 美佳 ) バカ 野郎 ! ( ヒナ ) あい たっ

どんな 生き物 だって 必死 に 生き て ん だ

みんな 友達 な ん だ ぜ ー !

( ヒナ ) こい つら …

友達 か …

ああ … 何で ?

あ …

この世 は 弱肉強食

強者 は 戯れ に 助け も する し また 殺し も する

は あ …

あいつ むちゃくちゃ だ な

酔っ払い だ から ね

あんた も これ から は 顔 見せる よう に し なさい

ん ?

( 新田 の 母 ) ご 近所 に 言え る よう な 職業 じゃ ない し

あんた も 遠慮 し て た ん だ ろ う けど

私 たち は 家族 な ん だ から ね

ああ … そうだ な

ヒナ ちゃん 育てる の は 大変 だ ろ う けど

これ から は 私 たち も 手伝う わ よ

フッ … 確かに 大変 だ な

この 前 な ん か 怒って 家 を たたき出し たら

離れ て 暮らし て た ところ を 引き取った ん じゃ ない の か って

怒ら れ ち まう し

( 新田 の 母 ) どういう こと だい ? それ …

えっ …

う っ … う う …

あ …

( 新田 ) ヤバ い ヤバ い ! 酔って うまく 言い訳 が …

それ だ と ヒナ ちゃん が あんた の 娘 って こと でしょ ?

ちゃ … ちゃ い ます って ~

あんた 何 か 隠し てる ん じゃ ない でしょ う ね !

う っ … ああ …

( ヒナ ) 新田 は ウソ つい て ない よ

( 新田 の 母 ・ 新田 ) あ …

( 新田 の 母 ) でも …

ヒナ ちゃん の 家族 に 関わる こと よ

( 美佳 ) ちょっと 母ちゃん やめ な よ !

ヒナ ちゃん は ショック で エビ チリ の こと しか 覚え て ない ん だ よ

え …

( 美佳 ) ねえ !

エ … エビチリ ?

エ …

エ …

エビ チリ って あの …

エビ が チリ チリ し てる やつ ?

( 美佳 ) は ? 何 それ ?

( 新田 ) ヒ … ヒナ が 頑張って る …

あの 様子 じゃ エビチリ が 何 な の か 分かって ない くせ に …

あいつ が 来 た 頃 に 比べ て ―

何て 成長 し た ん だ …

バカ だ けど 最近 は 結構 言う こと 聞い て くれる し

バカ だ けど …

チリ チリ って 何 ?

( ヒナ ) あの … そ … それ は …

( 新田 ) ヒナ もう いい ん だ

エビ チリ 知ら ない くせ に よく 頑張った

感動 し た !

どういう こと ?

( 新田 ) 実は ウソ を つい て い た

えっ ?

ヒナ は 俺 の 娘 だ !

やっぱり !

ヘイ ! なぜ その よう な ウソ を ! ?

( 新田 ) 娘 と 分かった の が 最近 で

説明 し て も 信じ て もらえ る か 不安 だった

だが しかし ! 俺 は もう ためらわ ない と 決め た !

それ って …

( 新田 の 母 ) 待ち なさい 美佳 ( 美佳 ) あっ …

( 新田 の 母 ) あれ は 本気 の 目 だ よ

詳しい 話 は あと で いい

とりあえず ヒナ ちゃん は 実の 娘 な ん だ ね ?

( 新田 ) そうだ

俺 の 娘 だ

あ …

( 美佳 ) 変 な おじさん っぽく 言って

そう です 彼女 が あ たす の 娘 です

ニャハハハハ …

( 新田 の 母 ) 美佳 ( 美佳 ) 分かって る

( 美佳 ) まずは とりあえず

新しく 1 人 増え た 新田 家 の 子供 に 乾杯 だい !

( 美佳 ) 新しい 家族 ヒナ ちゃん に

( 新田 ・ 新田 の 母 ・ 美佳 ) 乾杯 ! ( ヒナ ) あ いった !

( 新田 の 母 ) 父ちゃん

義史 が 孫娘 を 連れ て き た よ

ほら こうして 見る と 目元 が 父ちゃん に 似 てる かも ねえ

( 新田 ) ブハッ 何 だ よ そりゃ

どう し た の ?

( 新田 ) いや … 何でもない

義史 あんた も 挨拶 し な

なあ 親父

顔 を 見せる こと は でき なかった けど あんた に 孫 が でき た ぜ

( 美佳 ) 足り ない 足り ない !

そんな ん じゃ 天国 まで 届か ねえ ぞ ー !

これ から は 新田 家 の 一員 と して ヒナ を よろしく 頼む ぜ ー い !

( 新田 の 母 ) 義史 ( 新田 ) あ …

( 新田 の 母 ) 義史 よ

お前 は ヒナ に ちゃんと 愛情 を 注 い で いる か ね ?

( 新田 ) 注 い で ます !

と いう こと は ~ ?

これ から も 俺 は ヒナ を 大切 に 育て て いく ぜ !

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) イエーイ !

( 新田 の 母 ・ 新田 ・ 美佳 ) イエーイ !

イエーイ ! イエーイ !

( 新田 ) オラオラ ヒナ も 天国 の じいさん に 何 か 言って やれ よ !

( 新田 の 母 ・ 美佳 ) カモン ! ( ヒナ ) え …

いや … その …

と …

特に は … ない です

( 新田 ) そう か

( 詩子 ( うた こ ) ) ホームレス の 居場所 を 守れ ー !

( 一同 ) ホームレス の 居場所 を 守れ ー !

( 詩子 ) 公園 が 最後 の とりで だ ー !

( 一同 ) 公園 が 最後 の とりで だ ー !

( 詩子 ) ホームレス の 居場所 を 守れ ー !

( アンズ ) ねえ やっ さん

( やっ さん ) ん ?

( アンズ ) 外 の 人 たち が 言って た の は 何 か 知って る ?

( やっ さん ) ああ …

ん ?

もう 隠し きれ ない か …

え …

( やっ さん ) アンズ ちゃん 心して 聞い て くれ

ん ?

この 公園 に は ―

もう 少し で

住め なく なり ます

えっ …

ええ ー !

( 後藤 ( ご とう ) ) そう か … N アンズ ちゃん に も 伝わった の か

( シゲ さん ) 短い 間 だった けど

アンズ ちゃん が い て くれ て 楽しかった なあ

( 後藤 ) 家 作った とき は ほんと 喜 ん で た な

( ホームレス ) あや とり が あんなに 楽しい と は 思わ なかった よ

( ホームレス ) あった なあ …

そう いえ ば やっ さん

詩子 さん に 頼 ん で た の は どう なった ?

( やっ さん ) アンズ ちゃん を 引き取って くれる 人 は ―

見つかった みたい だ

ここ ら が いい 機会 だ

あの 子 の この先 の 人生 に 俺 たち は いら ない

( 後藤 ) 幸せ に なって もらい たい な

( シゲ さん ) ああ

( トンカチ の 音 )

でき た !

ねえ みんな

アンズ ちゃん

そろそろ 片づけ ない と … N って ―

何 だ そりゃ ?

外 で やって た 人 み たい に 私 たち も やろ う よ

( 後藤 ・ ホームレス ) え ?

あ …

ああ …

フゥ …

そんな こと し たら 捕ま っち まう もう 決まった こと な ん だ

( アンズ ) 何で 諦め ちゃ う の ! ?

( やっ さん ) 何 やって ん だい ? ( アンズ ) あ … やっ さん

( アンズ ) やっ さん は 手伝って くれる よ ね ?

みんな の 家 を 守 ろ う よ !

ハァ …

ん …

残念 だ が

( アンズ ) いい よ … N じゃあ 私 が 何とか する

私 だったら 追 っ 払え る もん !

( やっ さん ) そんな こと し たら アンズ ちゃん が 捕まって しまう

絶対 に ダメ だ

( アンズ ) じゃあ … じゃあ …

この あと 最後 の 打ち上げ を する ん だ

もう 忘れ て 楽しく やろ う

( やっ さん ) それ じゃあ

あと 少し で 私 たち の うち は なくなって しまい ます が ―

それぞれ の 新 天地 を 求め て ―

乾杯 !

( アンズ ) 待って ! ( ホームレス たち ) ん ?

出 て いか なきゃ いけない なら また 別 の 場所 見つけよ う よ

そこ で みんな で 暮ら そ う !

( ホームレス たち ) あ …

( 後藤 ) そりゃ 無理 だ

ここ 以外 大勢 で い られる 所 は ない ん だ

そんな こと ない !

みんな で 探せ ば きっと 見つかる よ !

あ …

くっ …

私 みんな を …

( 後藤 ) もう いいかげん に し て くれ !

みんな みんな って そんな とこ ねえ ん だ !

俺 たち は 自分 1 人 が 精いっぱい な ん だ !

もう ほっと い て くれ !

ハッ …

ん …

( アンズ の すすり泣き )

うわ ー ん !

( やっ さん ) 後藤 さん イヤ な 役 さ せ た な

( 後藤 ) いや そんな いい もん じゃ ない さ

ん ?

( 後藤 ) 自分 が 何も でき ない こと 見せつけ られ てる よう で ―

イラ つい て あた っち まっ た

もう 何度 目 だ ろ う な

ホームレス に なって 後悔 し た の は

クソッ

ん …

アンズ ちゃん …

( 後藤 ) おい やめ とけ

別れ づらく なる から って 話 に なった ろ

う …

( やっ さん ) 詩子 さん あと は …

( 詩子 ) ええ

( やっ さん ) アンズ ちゃん

それ じゃあ ね 達者 で 暮らせ よ

あ …

( すすり泣き )

( シゲ さん ) 大 の 大人 が 泣 い てん じゃ ねえ よ

( 後藤 ) そういう シゲ さん だって 泣 い てん じゃ ねえ か

( シゲ さん ) バカ 野郎 ! って 何 だ やっ さん も か

( 林 ( はやし ) ) この 子 が アンズ ちゃん かい ?

ん っ

あなた を 預かって くれる 来 来 軒 ( ら いらい けん ) の 林 さん 夫妻 よ

今日 から うち で 暮らす と い いよ

( 林 の 妻 ) わ あ …

( 林 ) すごい いでたち だ な

( 詩子 ) それ じゃあ よろしく お 願い し ます

( 林 ) ああ

( 林 ) さあ 召し上がれ

あ … どう した ん だい ?

え …

( 林 の 妻 ) 食べ ない の かい ?

( アンズ ) こんな ごちそう 一体 いくら する の か …

うち の ごはん は タダ だ よ

ちゃ っちゃ と 作った だけ だ けど ―

うれしい ねえ フフッ …

( 茶わん と 箸 を 置く 音 ) ( 林 夫妻 ) ん ?

( 林 ) どう した ん だい ?

( 林 の 妻 ) 口 に 合わ なかった ?

う うん おいしい …

すごく おいしい

( アンズ ) けど … N ( 林 夫妻 ) あっ …

( はな を すする 音 )

( アンズ ) けど …

( すすり泣き )

私 1 人 だけ こんなに おいしい ごはん 食べ て て いい の か な …

みんな バラバラ に なって 1 人 に なって る のに …

私 1 人 だけ …

う っ …

( 林 の 妻 ) アンズ ちゃん

あまり 考え ない ほう が いい

( 林 ) 横 に なった ほう が いい か ね

( 林 の 妻 ) アンズ ちゃん 大丈夫 かしら

こういう の は 時間 が かかる

しばらく は 待つ しか ない だ ろ

でも な ―

あの 子 は いい 子 だ と 思う

俺 は できる だけ 力 に なって やり たい と 思った よ

あれ ?

あ … そ っか …

もう 空き缶 拾い に 行か なく て も いい ん だ

これ から 何 し たら いい の か 分か ん ない よ

やっ さん …

( 林 夫妻 ) ん ?

ああ アンズ ちゃん おはよう

何 やって る の ?

( 林 の 妻 ) これ から 店 開け て 仕事 な の よ

仕事 …

( アンズ ) 私 も やる ( 林 夫妻 ) え …

別に 気 を 使わ なく て も いい ん だ よ

( アンズ ) う うん

仕事 し て お 金 もらう から ごはん 食べ られる ん だ もん

もう そんな こと し なく て も …

( 林 ) 待て 母さん ( 林 の 妻 ) ん ?

そりゃ 誰 か に 教わった の かい ?

やっ さん が 教え て くれ た

それ じゃ やって みる か

えっ ? あんた …

アンズ ちゃん の 中 に は ちゃんと やっ さん の 教え が 生き てる ん だ

いい こと じゃ ねえ か

えっ … 私 の 中 に ?

( 林 ) そうだ よ

ちゃんと 息づ い てる じゃ ない か

やっ さん だけ じゃ ない みんな に いろいろ 教え て もらった

シゲ さん に は 雑誌 の 売り 方 教え て もらった

瞳 ( ひとみ ) に は 空き缶 の 場所 教え て もらった

みんな に は 家 の 作り 方 と か …

ほか に も ほか に も …

そう かい 人 は 1 人 じゃ 生き て いけ ねえ から なあ

アンズ ちゃん の 中 に は 大勢 の 人 が いる ん だ

私 は 1 人 じゃ ない の ?

これ から は 俺 たち が いろいろ 教え て やる

そう やって どんどん 増え て くん だ

それ に きっと アンズ ちゃん も みんな の 中 に いる

私 教え て もらう だけ だった よ

( 林 ) それ だけ じゃ ない ん だ ( アンズ ) え ?

アンズ ちゃん と 今 まで 過ごし た 思い出 が ―

みんな の 中 に ある

じゃあ …

じゃあ …

( やっ さん ) や あ シゲ さん も い た の かい

おお やっ さん

あ …

気 に なって ん の か アンズ ちゃん の こと

やっぱり 分かる かい ?

僕ら の こと を 忘れ て ほしく て あっさり 別れ た けど ―

僕ら は 大 なり 小 なり 間違え て き た から ―

また 間違え た かも しれ ない と 思って ね …

( シゲ さん ) でも 俺 は こう 思った よ

ん ?

俺 たち に も まだ 泣 い て くれる 人 が いる ん だ

もう ち っと 生き て みる かって なあ

( 2 人 ) フフ …

( アンズ ) じゃあ … じゃあ …

みんな も 1 人 じゃ ない の ?

( 林 ) そうだ よ

みんな も 1 人 じゃ ない

( アンズ の すすり泣き )

( 林 夫妻 ) あ …

ヘヘッ … エヘヘ …

うん !

( 林 の 妻 ) ちょっと ティッシュ ティッシュ

( 林 ) あ … 俺 に も くん ない ?

( すすり泣き )

( 林 ) ほら

そんなに 泣 い て ちゃ 仕事 でき ない ぞ

( アンズ ) うん …

♪~

~♪

( 新田 ) 次回 …


( 新田 ( に った ) 義史 ( よし ふみ ) ) ただいま

( ヒナ ) もしもし ? ( 新田 ) ん ?

( ヒナ ) うん うん

( 新田 ) 勧誘 と か だったら さっさと 切れよ

( ヒナ ) ふ ー ん 新田 の 母ちゃん か

( 新田 ) えっ !

うん 新田 と 住 ん でる よ

ん ?

あ いった ー !

もしもし ?

( 新田 の 母 ) 義史 ? 今 の 女の子 は 一体 どう し た の !

女の子 ? 何 それ ?

霊 的 な 何 か 受信 し ちゃ った ?

( 新田 の 母 ) ん な わけ ない でしょ う が !

( ヒナ ) なぜ … ホワーイ ?

♪~

~♪

( 鈴 ( りん ) の 音 )

( ヒナ ) 何 して ん の ?

( 新田 ) お参り だ よ 親父 ( おやじ ) が 死 ん で て な

挨拶 す ん の

オヤジ は 死 ん で た の ? 動 い て た よ

( 新田 ) その オヤジ じゃ ない 俺 の 親父

次 は 家族 へ の 挨拶 だ が …\ N ヒナ 頼む ぞ

任せ な よ 大船 だ よ

不安 しか ねえ

( 新田 ) ヒナ

俺 の 母親 と 妹 の 美佳 ( みか ) だ

挨拶 しろ

( ヒナ ) 私 安達 ( あだ ち ) ヒナ 13 歳 で ー す

お 父さん が 刑務所 行って 身寄り が ない ので ―

新田 さん と 一緒に 暮らし て ま ー す

新田 さん は とても 親切 な の で

毎日 とても 楽しい で ー す

( 新田 の 母 ) そ … そう な ん だ

( 新田 美佳 ) えっ と ヒナ ちゃん は いつ から 兄ちゃん と 暮らし てん の ?

( 新田 ) ああ … ちょっと !

ヒナ へ の 質問 は 全部 俺 を 通し て くれる ?

どこ の マネージャー ?

身寄り が ない って お 母さん の ほう も な の ?

ん …

私 安達 ヒナ 13 歳 で ー す

( 新田 ) イカ れ た ロボット か !

ちょっと 来い

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) あ …

あと は 説明 し とく から お前 は 外 で 遊 ん でろ

( ヒナ ) 練習 どおり 頑張って る よ

だが 応用 力 は ゼロ だ

めん ど くさく なら ない よう に 預かった 子 に し た ん だ

バレ て ややこしい こと に なったら お互い 困る だ ろ

だから 頑張る よ

ああ

( ゲーム の 操作 音 )

( 新田 ) 頑張って 外 に い なさい

( 新田 の 母 ) ヒナ ちゃん に そんな こと が …

( 新田 ) ああ …

抗争 で な 家族 で 食事 中 に 母親 は 撃た れ

父親 は 応戦 し て 2 人 殺し て しまった ん だ

世話 に なった アニキ だった から 居て も 立って も い られ なく て ―

引き取る こと に し た ん だ よ

ヒナ ちゃん に ケガ は なかった の ?

あっ ああ …\ N エビ チリ 食って た らしい

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) えっ …

( 銃声 )

エビ チリ を ! ?

( 銃声 )

( 銃声 )

おかわり

( 銃声 )

( 新田 ) ただ もう あまり の ショック から ―

エビ チリ の こと しか 覚え て なく て …

( 美佳 ) 何て こと …

( 新田 ) 預かった 最初 の 頃 は ほとんど ひと言 も しゃべら なく て

でも 最近 ようやく 少しずつ だ けど …

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) あ …

しゃべる よう に なった ん だ

( 2 人 ) あ あ ~ !

あれ ?

でも さっき 毎日 楽しい と か 言って なかった ?

う ぐ っ … それ は …

フッ …

多分 俺 に 心配 かけ まい と ―

無理 し て ん だ よ

バカ 野郎 !

( 新田 ) だ から 過去 の こと は 聞か ない で あげ て くれ

( 新田 ) ブッフフフ …

何 だ よ エビ チリ って …

ああ ヤベ え な 俺 役者 の 才能 ある ん じゃ ねえ の ?

( 新田 の 母 ) 義史 そろそろ 夕食 の 時間 な ん だ けど

( 新田 ) ああ … そう か

( 2 人 ) うん

義史 の 夕 ごはん が ~

食べ た ~ い

俺 客 だ ろ

いやいや だって 兄ちゃん が 来る って いう から

安心 し て 昼間 から 飲 ん で た ん だ よ ほら ほら ~

( 新田 ) いろいろ と おかしい だ ろ どこ から 突っ込め ば いい の よ ?

あー そう です か 分かり まし た よ 作り ます よ

お 湯 沸かせ ば 3 分 で 出来る んで

( 新田 の 母 ) いや 私 は 3 分 も いら ない ね 2 分 で 十 分

( 美佳 ) あっ 分かる ー

分かり まし た よ 作り ます よ

( 美佳 ) え ー ヒナ ちゃん 中 1 か ~

学校 楽しい ?

( ヒナ ) 全然 寝る だけ でも 給食 は 楽しい

( 新田 ) クソッ 学校 行か せる の いろいろ と カネ かかって ん だ ぞ

ニャハハハッ じゃあ 宿題 なんて し て な さ そう だ ね

( ヒナ ) あ … 宿題 …\ N ( 美佳 ) ん ?

今日 持って き た

( 新田 ) えっ … そんな の 持ってき て た の ?

やって る の 見 た こと ねえ のに この タイミング で ?

いや 待て 宿題 やっ ときゃ それ で 話題 は 終わる か …

よし ナイス 宿題 ! ナイス !

( 美佳 ) どれ どれ ? ああ ほら ―

ちゃんと 名前 書か ない と

( ヒナ ) そ っか

フフ …

ん ?

えっ …

( 美佳 ) “ 新田 ヒナ ” ? ( 新田 ) う っ …

ああ それ は です ねえ !

パッパ ~

学校 側 と 相談 し て 名字 が 違う と 何かと 言わ れる かも しれ ない と

考慮 し た 結果 な ん です よ ~ !

は あ …

ヒナ ちゃん は ちゃんと 納得 し てる の ?

そりゃ もちろん

なあ ヒナ

え ?

( 新田 ) ん …

ハッ …

私 安達 ヒナ 13 歳 で ー す

( 美佳 ・ 新田 の 母 ・ ヒナ ) わ あ ~

( 美佳 ) うん

や っぱ 兄ちゃん の ごはん は うまい わ ~

でも こうして 見る と ほんと に 楽し そう に 暮らし て いる の ねえ

( 美佳 ) 兄ちゃん と 一緒 で 何 が 楽しかった ?

いろいろ あった けど …

( すする 音 )

( ヒナ ) キャバクラ かな ( 新田 ) ブッ …

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) は ? ( 新田 ) い … いや その …

( 新田 ) ヒナ が 行き たい って 言う から …

いや いや いや いや

分かって る バカ な こと し てる って

でも ―

ヒナ の 笑顔 が 見 たく て つい 甘やかし ちゃ う ん だ よ な

( 美佳 ) う っ …

まあ これ から は 気 を つけ なさい よ ( 新田 ) ああ

( 新田 ) この 設定 強い の ? 意外 と ちょ ろ い ん じゃ ね ?

( 新田 の 母 ) あんた も ちょっと 飲 ん だ ら ?

( 新田 ) ああ そう だ な

( 花火 の 音 )

何で 花火 あん の ?

夏 に 親戚 の 子 たち が 来 た とき の が 残って た の よ

( 美佳 ) 何 やって ん の ? ん ?

ククク …\ N ア … アリ の 行列 殺し てる

クッ クック …

( 美佳 ) バカ 野郎 ! ( ヒナ ) あい たっ

どんな 生き物 だって 必死 に 生き て ん だ

みんな 友達 な ん だ ぜ ー !

( ヒナ ) こい つら …

友達 か …

ああ … 何で ?

あ …

この世 は 弱肉強食

強者 は 戯れ に 助け も する し また 殺し も する

は あ …

あいつ むちゃくちゃ だ な

酔っ払い だ から ね

あんた も これ から は 顔 見せる よう に し なさい

ん ?

( 新田 の 母 ) ご 近所 に 言え る よう な 職業 じゃ ない し

あんた も 遠慮 し て た ん だ ろ う けど

私 たち は 家族 な ん だ から ね

ああ … そうだ な

ヒナ ちゃん 育てる の は 大変 だ ろ う けど

これ から は 私 たち も 手伝う わ よ

フッ … 確かに 大変 だ な

この 前 な ん か 怒って 家 を たたき出し たら

離れ て 暮らし て た ところ を 引き取った ん じゃ ない の か って

怒ら れ ち まう し

( 新田 の 母 ) どういう こと だい ? それ …

えっ …

う っ … う う …

あ …

( 新田 ) ヤバ い ヤバ い ! 酔って うまく 言い訳 が …

それ だ と ヒナ ちゃん が あんた の 娘 って こと でしょ ?

ちゃ … ちゃ い ます って ~

あんた 何 か 隠し てる ん じゃ ない でしょ う ね !

う っ … ああ …

( ヒナ ) 新田 は ウソ つい て ない よ

( 新田 の 母 ・ 新田 ) あ …

( 新田 の 母 ) でも …

ヒナ ちゃん の 家族 に 関わる こと よ

( 美佳 ) ちょっと 母ちゃん やめ な よ !

ヒナ ちゃん は ショック で エビ チリ の こと しか 覚え て ない ん だ よ

え …

( 美佳 ) ねえ !

エ … エビチリ ?

エ …

エ …

エビ チリ って あの …

エビ が チリ チリ し てる やつ ?

( 美佳 ) は ? 何 それ ?

( 新田 ) ヒ … ヒナ が 頑張って る …

あの 様子 じゃ エビチリ が 何 な の か 分かって ない くせ に …

あいつ が 来 た 頃 に 比べ て ―

何て 成長 し た ん だ …

バカ だ けど 最近 は 結構 言う こと 聞い て くれる し

バカ だ けど …

チリ チリ って 何 ?

( ヒナ ) あの … そ … それ は …

( 新田 ) ヒナ もう いい ん だ

エビ チリ 知ら ない くせ に よく 頑張った

感動 し た !

どういう こと ?

( 新田 ) 実は ウソ を つい て い た

えっ ?

ヒナ は 俺 の 娘 だ !

やっぱり !

ヘイ ! なぜ その よう な ウソ を ! ?

( 新田 ) 娘 と 分かった の が 最近 で

説明 し て も 信じ て もらえ る か 不安 だった

だが しかし ! 俺 は もう ためらわ ない と 決め た !

それ って …

( 新田 の 母 ) 待ち なさい 美佳 ( 美佳 ) あっ …

( 新田 の 母 ) あれ は 本気 の 目 だ よ

詳しい 話 は あと で いい

とりあえず ヒナ ちゃん は 実の 娘 な ん だ ね ?

( 新田 ) そうだ

俺 の 娘 だ

あ …

( 美佳 ) 変 な おじさん っぽく 言って

そう です 彼女 が あ たす の 娘 です

ニャハハハハ …

( 新田 の 母 ) 美佳 ( 美佳 ) 分かって る

( 美佳 ) まずは とりあえず

新しく 1 人 増え た 新田 家 の 子供 に 乾杯 だい !

( 美佳 ) 新しい 家族 ヒナ ちゃん に

( 新田 ・ 新田 の 母 ・ 美佳 ) 乾杯 ! ( ヒナ ) あ いった !

( 新田 の 母 ) 父ちゃん

義史 が 孫娘 を 連れ て き た よ

ほら こうして 見る と 目元 が 父ちゃん に 似 てる かも ねえ

( 新田 ) ブハッ 何 だ よ そりゃ

どう し た の ?

( 新田 ) いや … 何でもない

義史 あんた も 挨拶 し な

なあ 親父

顔 を 見せる こと は でき なかった けど あんた に 孫 が でき た ぜ

( 美佳 ) 足り ない 足り ない !

そんな ん じゃ 天国 まで 届か ねえ ぞ ー !

これ から は 新田 家 の 一員 と して ヒナ を よろしく 頼む ぜ ー い !

( 新田 の 母 ) 義史 ( 新田 ) あ …

( 新田 の 母 ) 義史 よ

お前 は ヒナ に ちゃんと 愛情 を 注 い で いる か ね ?

( 新田 ) 注 い で ます !

と いう こと は ~ ?

これ から も 俺 は ヒナ を 大切 に 育て て いく ぜ !

( 美佳 ・ 新田 の 母 ) イエーイ !

( 新田 の 母 ・ 新田 ・ 美佳 ) イエーイ !

イエーイ ! イエーイ !

( 新田 ) オラオラ ヒナ も 天国 の じいさん に 何 か 言って やれ よ !

( 新田 の 母 ・ 美佳 ) カモン ! ( ヒナ ) え …

いや … その …

と …

特に は … ない です

( 新田 ) そう か

( 詩子 ( うた こ ) ) ホームレス の 居場所 を 守れ ー !

( 一同 ) ホームレス の 居場所 を 守れ ー !

( 詩子 ) 公園 が 最後 の とりで だ ー !

( 一同 ) 公園 が 最後 の とりで だ ー !

( 詩子 ) ホームレス の 居場所 を 守れ ー !

( アンズ ) ねえ やっ さん

( やっ さん ) ん ?

( アンズ ) 外 の 人 たち が 言って た の は 何 か 知って る ?

( やっ さん ) ああ …

ん ?

もう 隠し きれ ない か …

え …

( やっ さん ) アンズ ちゃん 心して 聞い て くれ

ん ?

この 公園 に は ―

もう 少し で

住め なく なり ます

えっ …

ええ ー !

( 後藤 ( ご とう ) ) そう か …\ N アンズ ちゃん に も 伝わった の か

( シゲ さん ) 短い 間 だった けど

アンズ ちゃん が い て くれ て 楽しかった なあ

( 後藤 ) 家 作った とき は ほんと 喜 ん で た な

( ホームレス ) あや とり が あんなに 楽しい と は 思わ なかった よ

( ホームレス ) あった なあ …

そう いえ ば やっ さん

詩子 さん に 頼 ん で た の は どう なった ?

( やっ さん ) アンズ ちゃん を 引き取って くれる 人 は ―

見つかった みたい だ

ここ ら が いい 機会 だ

あの 子 の この先 の 人生 に 俺 たち は いら ない

( 後藤 ) 幸せ に なって もらい たい な

( シゲ さん ) ああ

( トンカチ の 音 )

でき た !

ねえ みんな

アンズ ちゃん

そろそろ 片づけ ない と …\ N って ―

何 だ そりゃ ?

外 で やって た 人 み たい に 私 たち も やろ う よ

( 後藤 ・ ホームレス ) え ?

あ …

ああ …

フゥ …

そんな こと し たら 捕ま っち まう もう 決まった こと な ん だ

( アンズ ) 何で 諦め ちゃ う の ! ?

( やっ さん ) 何 やって ん だい ? ( アンズ ) あ … やっ さん

( アンズ ) やっ さん は 手伝って くれる よ ね ?

みんな の 家 を 守 ろ う よ !

ハァ …

ん …

残念 だ が

( アンズ ) いい よ …\ N じゃあ 私 が 何とか する

私 だったら 追 っ 払え る もん !

( やっ さん ) そんな こと し たら アンズ ちゃん が 捕まって しまう

絶対 に ダメ だ

( アンズ ) じゃあ … じゃあ …

この あと 最後 の 打ち上げ を する ん だ

もう 忘れ て 楽しく やろ う

( やっ さん ) それ じゃあ

あと 少し で 私 たち の うち は なくなって しまい ます が ―

それぞれ の 新 天地 を 求め て ―

乾杯 !

( アンズ ) 待って ! ( ホームレス たち ) ん ?

出 て いか なきゃ いけない なら また 別 の 場所 見つけよ う よ

そこ で みんな で 暮ら そ う !

( ホームレス たち ) あ …

( 後藤 ) そりゃ 無理 だ

ここ 以外 大勢 で い られる 所 は ない ん だ

そんな こと ない !

みんな で 探せ ば きっと 見つかる よ !

あ …

くっ …

私 みんな を …

( 後藤 ) もう いいかげん に し て くれ !

みんな みんな って そんな とこ ねえ ん だ !

俺 たち は 自分 1 人 が 精いっぱい な ん だ !

もう ほっと い て くれ !

ハッ …

ん …

( アンズ の すすり泣き )

うわ ー ん !

( やっ さん ) 後藤 さん イヤ な 役 さ せ た な

( 後藤 ) いや そんな いい もん じゃ ない さ

ん ?

( 後藤 ) 自分 が 何も でき ない こと 見せつけ られ てる よう で ―

イラ つい て あた っち まっ た

もう 何度 目 だ ろ う な

ホームレス に なって 後悔 し た の は

クソッ

ん …

アンズ ちゃん …

( 後藤 ) おい やめ とけ

別れ づらく なる から って 話 に なった ろ

う …

( やっ さん ) 詩子 さん あと は …

( 詩子 ) ええ

( やっ さん ) アンズ ちゃん

それ じゃあ ね 達者 で 暮らせ よ

あ …

( すすり泣き )

( シゲ さん ) 大 の 大人 が 泣 い てん じゃ ねえ よ

( 後藤 ) そういう シゲ さん だって 泣 い てん じゃ ねえ か

( シゲ さん ) バカ 野郎 ! って 何 だ やっ さん も か

( 林 ( はやし ) ) この 子 が アンズ ちゃん かい ?

ん っ

あなた を 預かって くれる 来 来 軒 ( ら いらい けん ) の 林 さん 夫妻 よ

今日 から うち で 暮らす と い いよ

( 林 の 妻 ) わ あ …

( 林 ) すごい いでたち だ な

( 詩子 ) それ じゃあ よろしく お 願い し ます

( 林 ) ああ

( 林 ) さあ 召し上がれ

あ … どう した ん だい ?

え …

( 林 の 妻 ) 食べ ない の かい ?

( アンズ ) こんな ごちそう 一体 いくら する の か …

うち の ごはん は タダ だ よ

ちゃ っちゃ と 作った だけ だ けど ―

うれしい ねえ フフッ …

( 茶わん と 箸 を 置く 音 ) ( 林 夫妻 ) ん ?

( 林 ) どう した ん だい ?

( 林 の 妻 ) 口 に 合わ なかった ?

う うん おいしい …

すごく おいしい

( アンズ ) けど …\ N ( 林 夫妻 ) あっ …

( はな を すする 音 )

( アンズ ) けど …

( すすり泣き )

私 1 人 だけ こんなに おいしい ごはん 食べ て て いい の か な …

みんな バラバラ に なって 1 人 に なって る のに …

私 1 人 だけ …

う っ …

( 林 の 妻 ) アンズ ちゃん

あまり 考え ない ほう が いい

( 林 ) 横 に なった ほう が いい か ね

( 林 の 妻 ) アンズ ちゃん 大丈夫 かしら

こういう の は 時間 が かかる

しばらく は 待つ しか ない だ ろ

でも な ―

あの 子 は いい 子 だ と 思う

俺 は できる だけ 力 に なって やり たい と 思った よ

あれ ?

あ … そ っか …

もう 空き缶 拾い に 行か なく て も いい ん だ

これ から 何 し たら いい の か 分か ん ない よ

やっ さん …

( 林 夫妻 ) ん ?

ああ アンズ ちゃん おはよう

何 やって る の ?

( 林 の 妻 ) これ から 店 開け て 仕事 な の よ

仕事 …

( アンズ ) 私 も やる ( 林 夫妻 ) え …

別に 気 を 使わ なく て も いい ん だ よ

( アンズ ) う うん

仕事 し て お 金 もらう から ごはん 食べ られる ん だ もん

もう そんな こと し なく て も …

( 林 ) 待て 母さん ( 林 の 妻 ) ん ?

そりゃ 誰 か に 教わった の かい ?

やっ さん が 教え て くれ た

それ じゃ やって みる か

えっ ? あんた …

アンズ ちゃん の 中 に は ちゃんと やっ さん の 教え が 生き てる ん だ

いい こと じゃ ねえ か

えっ … 私 の 中 に ?

( 林 ) そうだ よ

ちゃんと 息づ い てる じゃ ない か

やっ さん だけ じゃ ない みんな に いろいろ 教え て もらった

シゲ さん に は 雑誌 の 売り 方 教え て もらった

瞳 ( ひとみ ) に は 空き缶 の 場所 教え て もらった

みんな に は 家 の 作り 方 と か …

ほか に も ほか に も …

そう かい 人 は 1 人 じゃ 生き て いけ ねえ から なあ

アンズ ちゃん の 中 に は 大勢 の 人 が いる ん だ

私 は 1 人 じゃ ない の ?

これ から は 俺 たち が いろいろ 教え て やる

そう やって どんどん 増え て くん だ

それ に きっと アンズ ちゃん も みんな の 中 に いる

私 教え て もらう だけ だった よ

( 林 ) それ だけ じゃ ない ん だ ( アンズ ) え ?

アンズ ちゃん と 今 まで 過ごし た 思い出 が ―

みんな の 中 に ある

じゃあ …

じゃあ …

( やっ さん ) や あ シゲ さん も い た の かい

おお やっ さん

あ …

気 に なって ん の か アンズ ちゃん の こと

やっぱり 分かる かい ?

僕ら の こと を 忘れ て ほしく て あっさり 別れ た けど ―

僕ら は 大 なり 小 なり 間違え て き た から ―

また 間違え た かも しれ ない と 思って ね …

( シゲ さん ) でも 俺 は こう 思った よ

ん ?

俺 たち に も まだ 泣 い て くれる 人 が いる ん だ

もう ち っと 生き て みる かって なあ

( 2 人 ) フフ …

( アンズ ) じゃあ … じゃあ …

みんな も 1 人 じゃ ない の ?

( 林 ) そうだ よ

みんな も 1 人 じゃ ない

( アンズ の すすり泣き )

( 林 夫妻 ) あ …

ヘヘッ … エヘヘ …

うん !

( 林 の 妻 ) ちょっと ティッシュ ティッシュ

( 林 ) あ … 俺 に も くん ない ?

( すすり泣き )

( 林 ) ほら

そんなに 泣 い て ちゃ 仕事 でき ない ぞ

( アンズ ) うん …

♪~

~♪

( 新田 ) 次回 …