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ぼくたちは勉強ができない, Bokutachi wa Benkyou ga Dekinai (We Never Learn: BOKUBEN) Episode 13

( 理 珠 ( り ず ) ) 関城 ( せきじょう ) さん

今夜 うち に 泊まり に 来 ませ ん か ?

( 紗和 子 ( さわ こ ) ) えっ えっ …

えっ !

えっ えっ えっ えっ えっ えっ …

え ?

しっ しかたない わ ね も う ~ !

( うる か ) うる か ちゃん 発案

ドキッ 女 だらけ の パジャマ で 勉強 会

in リズ りん 家 ( ち ) !

( 文乃 ( ふみの ) ) イエ ~ イ ! タイトル 長 ~ い !

いや それ で どう し て 私 を …

だって いつも 図書 室 で りっ ちゃん の こと 見 てる から

誘ったら 喜ぶ ん じゃ ない か と 思って

ブフッ !

は あ ? 全然 見 て ませ ん けど ?

大体 何 よ パジャマ 勉強 会 って

パジャマ と か 最高 じゃ ない の よ !

( 理 珠 ) 関城 さん

え ? 何 ?

この 人物 の 心情 が 分から ない の です が …

あっ あたし は この 長文 和訳

( 文乃 ) 私 は ここ の 公式 が ちょっと …

え ? ちょ … そんな いっぺん に …

( うる か ) これ ( 文乃 ) こっち も

( 理 珠 ) 関城 さん

ええ ?

う う ~

( うる か ) 大丈夫 ? さわ ちん ?

( 文乃 ) ごめん ね つい …

( 理 珠 ) すみません

いつも 唯 我 ( ゆい が ) さん に やって いる 調子 で 立て続け に 質問 し て しまい まし た

( 紗和 子 ) え ? あいつ いつも こんな 目 に 遭って る の ?

( 文乃 ) え ~ と … ハハハ …

( うる か ) て いう か 成幸 ( なりゆき ) 相手 だ と もっと 激しい かも

ハア

めん ど い 質問 責め に つきあって くれる なんて

あなた たち 幸せ 者 よ そんな 教育 係 が いる なんて

フフ …

ヘヘッ

けど

唯 我 成幸 って 将来 絶対 苦労 し ょい 込む タイプ よ ね

お人よし って いう か 巻き込ま れ 体質 と いう か …

彼 女 に なる 人 と か 大変 そう ね

( 3 人 が 動揺 する 声 )

♪ ~

~ ♪

( お囃子 )

( 人々 の 話し声 )

( 男の子 ) 見 て !

( 葉月 ( はづき ) ) わ ~ い ! わ ~ い !

( 和樹 ( かず き ) ) お祭り だ ~ !

( 花枝 ( は なえ ) ) 悪い わ ね 成幸

勉強 ある の に つきあって もらっちゃ っ て

( 成幸 ) いい よ 母 さん 気分 転換 も 必要 だ し さ

( 和樹 ) あっ

( 成幸 ) まっ 軽く ひと 回り する くらい なら そんなに 遅く も なら ない だ ろ う

帰ったら 気合い で 取り戻 そ う

( 文乃 ) あれ ? やっぱり 唯 我 君 だ

え ? 成幸 ?

古橋 ( ふる は し ) 武 元 ( たけ もと ) お前 ら も 来 て た の か

うん ちょっと 気分 転換 に ね

唯 我 君 の 弟 さん と 妹 さん ?

( 成幸 ) ああ

和 樹 で ~ す

葉月 で ~ す

花 枝 で ~ す

( 成幸 ) って 母 さん !

( うる か ) う う … ( 文乃 ) フフッ

う わ !

ねえ ねえ どう かな ? 唯 我 君 浴衣 似合って る ?

あ あっ ちょ … ちょっと

ああ … ふ っ 2 人 と も 似合って る な

古橋 なんて 特に 板 に つい てる と いう か

大和 撫子 ( やま と なで しこ ) って 感じ だ よ な

え ? そ … そう ?

( 文乃 ) も う ~ こっち は 褒め て も 意味 ない って ば

悪い 気 は し ない けど

板 に つい てる ?

確か 浴衣 の 似合う 人 の 体型 って …

( 文乃 ) フフ フフ … こら こら 少年 少女 たち

それ 以上 は 許さ ん

( うる か ) 似合って る って 言って くれ た 成幸 が 似合って る って …

着付け 大変 だった けど 頑張って 着 て き て よかった

成幸 が 似合って る って … うれしい

( 文乃 ) わ っ 乙女 オーラ だ だ 漏れ だ よ うる か ちゃん

フフ … 成幸

せっかく だ から その 子 たち と 一緒に 回って き なさい

え ? 何 だ よ それ

( 文乃 ) アハ ハハ …

あっ !

あ ~ !

ごめん 私 タコ焼き 買い に 行 こ う と 思って た ん だ

( うる か ) え ?

うる か ちゃんと 2 人 で 回って て

( うる か ) えっ ? ( 成幸 ) おい 古橋 ?

どう し た ん だ ? 古橋 の ヤツ

ね ~ 買い物 くらい つきあう のに な ~

お前 その 髪 型 似合 う っ つう か …

かわいい よ な

( 成幸 ) いや 関係ない だ ろ う

あれ の せい かも って どんな 思い上がり だっ つう の

( うる か ) ねえ ねえ 成幸 見 て 見 て

ひ は まっ ひ ん く

う っ

あっ 成幸 も ひと 口 欲しい ?

いや 違う ! 全然 大丈夫 !

( 成幸 ) だ から 変 な 意識 す ん の やめ ろ って の 俺 !

( 理 珠 の 父 ) お っ ! 先生 じゃ ねえ か

( 理 珠 ) こんばんは 唯 我 さん 武 元 さん

緒方 ( お がた ) ! おやじ さん ! 出店 出し て たんす か ?

( 父 ) おう ! 見 て の とおり 大 盛況 よ

( 客 ) こっち 焼き うどん 3 人 前 ( 父 ) ほ い

( 客 ) こっち は 5 人 前 ね !

( 父 ) は い よ ! ちょっくら 待って くん な

( 父 ) 喜んで !

イエッサー !

そろそろ 出前 に 行く 時間 です が 1 人 で 大丈夫 です か ? お 父さん

おう 死ぬ 気 で やりゃ なんとか なら あな !

ふ っ う う …

( 成幸 ) って 量 !

( 客 ) 焼き うどん まだ ~ ?

( 客 ) こっち 4 人 前 ね ~

( 袋 が 破ける 音 ) ( 理 珠 ) う わ !

お 父さん 袋 が 破れ まし た

( 父 ) お っ 嬢 ちゃん すげ え 手際 いい な

ヘッヘ ~ 料理 は 得意 な ん で どんどん 切っちゃ い ます よ ~

( 文乃 ) うる か ちゃん うまく いった かな

あ ! 星 きれい

ちょっと 山 の ほう に 来る だけ で こんなに しっかり 見える ん だ

( 荒い 息遣い )

まいど ! 緒方 うどん です !

( 理 珠 ) ハアハア

焼き うどん 2 人 前 お 待ち ! です

( イカ 焼き 屋 ) ど … どう も

よし 次 は どこ だ ? 緒方

( 理 珠 ) 次 は 5 軒 先 の 金魚すくい 屋 さん です

その 次 が タコ焼き 屋 さん

( 成幸 ) 次 は ? ( 理 珠 ) かき氷 屋 さん

( 理 珠 ) そして はす向かい の あんず 飴 ( あめ ) 屋 さん

( あんず 飴 屋 ) 暑い 中 出前 ご苦労さま

これ よかったら 食べ て よ

( 理 珠 ) じ ~ ( 成幸 ) ハア やっと 半分 か

( 成幸 ) ん ? あ ~ せっかく だ し 食べる か ?

ほら

あ ~ ん

( 成幸 ) マジ か

( 成幸 ) なんか 小 動物 みたい で かわいい

( 成幸 ) あ ~ ! 終わった ~ !

感謝 です

では 私 は 先 に 戻り ます が

唯 我 さん は 無理 せ ず 休 ん で い て ください

えっ ? おい 緒方 !

( 子供 たち ) おお ~ !

( 成幸 ) お ?

( パン ! ) ( 子供 たち ) お ~ !

( 子供 たち ) お っ お っ お ~ !

( 店主 ) ひ い ~ !

( 子供 たち ) お ~ !

すげ え ぞ あの 仮面 の 美女 … か どう か は 分から ん けど

百発百中 だ

めぼしい 景品 根こそぎ かっぱ ら っち まっ た !

( 子供 ) まさに ミステリアス ビューティー

( 子供 ) 俺 も 撃た れ たい !

( 子供 ) むしろ 踏ま れ たい !

何 やって る ん です か 桐 須 ( きり す ) 先生

いや 桐 須 先生 です よ ね ?

あっ !

( 真冬 ( まふゆ ) ) いっ … !

あ あっ ! ( ドスン ! )

先生 ~ !

つまり 学園 長 命令 で 生徒 が はめ を 外さ ない か

一般 人 に 紛れ て 見回り を ?

( 真冬 ) 屈辱 … 屈辱 よ 生徒 に おんぶ さ れる だ なんて

え ?

( 成幸 ) ああ この 間 の あれ は 覚え て ない の か

( 成幸 ) ほら 先生 むくれ て ない で

救護 スペース に 着き まし た よ

( 真冬 ) むくれ て なんて い ませ ん

( 成幸 ) めん どくさい な ~

( あ すみ ) よう 後輩 ケガ でも し た か ?

( 成幸 ) 先輩 まで

あっ いや 俺 じゃ なく て …

ああ なん だ まふゆ センセ か

なん だ と は 何かしら 小 美 浪 ( こみ なみ ) さん

う ~ ん

あたし も おやじ も すぐ に は 手 が 離 せ ない ん だ よ な

( あ すみ ) 後輩 頼む ! ( 成幸 ) えっ

( 成幸 ) あの … 先生 が 自分 で やる と いう 手 は …

無理 怖い もの

お っ お 願い する わ

ああ … はい それ じゃ 失礼 し ます

( 成幸 ) う っ なんか 大人っぽい いい 匂い が …

って アホ 落ち着け !

こんな こと 考え てる の バレ たら 殺さ れる

心頭 滅 却 心頭 滅 却 …

ひ ゃ うん !

う う …

( 成幸 ) 先生 ! 変 な 声 出さ ん で ください !

( 真冬 ) 心外 … ひ ゃ うん !

( 成幸 ) 先生 !

ほ え ~

はっ !

あ ああ あ ~ えっ ?

ウソ 終電 ギリギリ ?

何 やって ん の 私 の バカ ~ !

( 荒い 息遣い )

( 泣き声 )

( かな の 姉 ) お 母 さ ~ ん ! かな ~ ど こ ~ ?

( 文乃 ) あ ~ も う ~

( あす み の 父 ) こんな 時間 まで 手伝わ せ て しまって すま なかった ね

いえ まだ 終電 に 間に合い ます し

( 父 ) 娘 の 彼 氏 だ から と いって 甘え 過ぎ て しまった かな

( 成幸 ) ええ まあ お 気遣い なく

( 成幸 ) そう いや そんな 設定 だった な

( 父 ) さっ 帰 ろ う あす み

( あ すみ ) あっ … なあ 後輩

次 は さ 2 人 で 一緒に 回り たい な 縁日

なん つ って な

( 成幸 ) だ から ! あんた は また そう いう …

( あ すみ ) ヘ へ へ ヘッ じゃ あな !

ハア まったく あの 人 は

とにかく 終電 も 近い し 急 い で 帰ら ね ば

( 泣き声 )

( 成幸 ) あ ?

( かな ) お 母 さ ~ ん お 姉ちゃん ど こ ~ ?

( 成幸 ) あ ~ も う ~ !

( かな の 母 ) かな ~ ?

( 姉 ) かな ~ !

( 母 ) どこ な の ? 返事 し て ~ !

お 姉 ちゃ ~ ん ! お 母 さ ~ ん !

( 母 ) かな ! ああ よかった

2 人 と も はぐれ た とき は どう しよ う か と …

( かな ) あの ね あの ね !

そこ の お にいちゃん が 探す の 手伝って くれ た の

って あれ ? い ない …

あれ ?

奇 遇 ね かな

お 姉ちゃん も 今 さっき ね

きれい な お ねえさん が

お 母 さん を 探す の 手伝って くれ た の

( 駆ける 足音 )

( 成幸 の 荒い 息遣い )

( 成幸 ) 間に合わ なかった …

ああ … どう しよ う

( 文乃 ) あれ ? ( 成幸 ) ん ?

( 文乃 ) えっ え ?

( 成幸 ) え ?

え ?

唯 我 君 ?

( 成幸 ) 古橋

なんで ここ に ?

あ ~ いや それ は …

( 文乃 ) 星 見 て たら 終電 間際 に なっちゃ っ た

なんて バカ すぎ て 言 え ない

ゆ っ 唯 我 君 女の子 は みんな ね

何かしら 人 に は 言 え ない 秘密 を 持って いる もの な ん だ よ

べ っ 勉強 に なり ます ! 師匠 !

( 成幸 ) タクシー 来る 気配 ない な

大通り の 方 へ 行って みよ う

そ したら 走って る かも しれ ない し

( 成幸 ) だいぶ 歩 い た けど

タクシー どころ か ほとんど 車 すら 通ら ん と は …

( 文乃 ) い た た … ( 成幸 ) あっ

あいた ~

どう し た 古橋 大丈夫 か ?

うん 慣れ ない 下駄 ( げた ) で 歩 い た から ちょっと 擦れ ちゃ って

( 成幸 ) これ 以上 歩か せ ない ほう が いい か …

つって も こんな 田舎 に ファミレス も カラオケ も …

あっ あれ !

ん ?

旅館 ?

( 仲居 ) ごめんなさい ね

もう ひと 部屋 しか 空 い て ない ん です よ

( 文乃 ) あ あっ … ( 成幸 ) そう です か

じゃあ 俺 は 歩 い て 帰る から お前 は 泊まって いって くれ

( 文乃 ) 諦め が 早い よ !

だって 無理 に 決まって ん だ ろ ! そんな !

地元 駅 まで 何 キロ ある と 思って ん の ?

( 仲居 ) あの … あなた たち 高校 生 ?

( 2 人 ) う っ …

高校 生 の 男女 が ひと つ の 部屋 に って いう の は

ちょっと ねえ …

そ っ そう です よ …

大丈夫 です

姉弟 です から !

( 成幸 ) ふ … 古橋 さん ?

( 仲居 ) ああ な ~ んだ そう な の

( 文乃 ) ねっ 成幸 君 !

( 成幸 ) えっ お ま …

( 文乃 ) なりゆき くん !

( 成幸 ) う っ うん … 文乃 姉ちゃん …

( 文乃 ) “ 唯 我 文乃 ”

なんか 変 な 感じ

おい やっぱり マズ い だ ろ こんな の

( 文乃 ) 今更 何 言って る の

大丈夫 だ よ お 布団 しっかり 離し て 寝 れ ば

( 仲居 ) あ ~ いけ ない !

布団 が ひと 組 しか ない ん だった わ

すみません

お 代 は もちろん 格安 に さ せ て いただき ます ので

でも まあ 姉弟 なら 大丈夫 かしら ね ?

( 成幸 ) この 仲居 さん 試し て いる の か ?

う う …

う う …

( 成幸 ) 風呂 いい お 湯 だった な

( 文乃 ) う っ うん いい お 湯 だった ね …

( 成幸 ) 間 が もた ん

こんな こと なら 勉強 道具 持って くる ん だった

あの … 布団 古橋 が 使って くれ

夏 だ し 俺 は 床 で 全然 大丈夫 だ から

な っ !

そ っ そんな の ダメ ! 唯 我 君 が 使って

私 畳 で 直 ( じか ) に 寝る の 夢 だった し

いやいや 風邪 でも ひ い たら どう す ん だ ?

唯 我 君 こそ !

( 2 人 ) ハックショイ !

山 の ほう だ から 結構 冷える ね

とりあえず 入る ? お 布団 …

ひ あ ああ あ ~ !

いや ! 変 な 意味 じゃ ない から !

2 人 で 風邪 ひ い ちゃ ったら シャレ に なら ない でしょ

私 は 別に 唯 我 君 が 変 な こと する よう な 人 じゃ ない って

分かって る し

別に 気 に し ない けど ?

唯 我 君 が 嫌 じゃ ない なら だ けど

いや 俺 だって そりゃ …

同じ 布団 と か 兄弟 多い から 慣れ てる し ?

古橋 が 嫌 じゃ ない なら 別に 全然 余裕 だ が …

( 2 人 ) そう 余裕 …

( 成幸 ) な わけ ねえ だ ろ !

なんで こいつ こんな いい 匂い す ん の ?

同じ シャン プー 使った よ ね ?

( 文乃 ) おお お … 男の子 と 同じ 布団 !

直 に 触れ てる わけ じゃ ない けど 唯 我 君 の 背中 の 熱 が 伝わって き て …

は わ わ わ わ !

( 2 人 ) ひ ゃ ああ ああ !

( 成幸 ) ダメ だ なんか 会話 し て 気 を 紛らわさ ん と どう しよ う も …

う う ~ 話題 話題 …

あっ ああ …

古橋 窓 …

あ …

ああ …

きれい

うん

( 文乃 ) あっ ほら 唯 我 君 あれ が てんびん 座

あっ ち が 北 の 皿 “ キファ ・ ボレ アリス ” で

少し 見え にくい こっち が 南 の 皿 “ キファ ・ アウストラリス ” だ よ

( 成幸 ) 分から ん

あっ ち に は いて 座 の “ ルク バト ” “ アル カブ ” “ アルナスル ”

フッ 星 本当 に 好き な ん だ な

エヘ へ

うん … 今夜 は 特に きれい

まさに 「 天 の 光 は すべて 星 」 だ ね

( 成幸 ) うん ? ( 文乃 ) あっ えっ と …

( 文乃 ) そう いう タイトル の 古い 本 が あって ね

簡単 に 言う と 一 度 夢 を 失った 元 宇宙 飛行 士 の 主人公 が

57 歳 と いう 年齢 で

再び 宇宙 を 目指し て 夢 を 追い かける お 話

“ 肉体 で は なく 魂 だけ を 飛ば せ ば ”

“ 恒星 に だって 一瞬 で たどりつく こと が できる ” なんて

いわゆる 精神 テレポート み たい な 話 も 出 て き て ね

( 静 流 ( し ずる ) ) あら 文乃

文乃 に その 本 は まだ 難しい わ よ

( 文乃 ) 何 回 も 読め ば 分かる もん !

好き だった な …

かっこいい よ な 古橋 は

え ?

緒方 も 武 元 も 小 美 浪 先輩 も そう だ けど

苦手 な もの を 克服 し て まで 追いかけ たい 夢 が ある の って

や っぱ かっこいい よ

俺 は まあ 家族 に 楽 さ せ たい と は 思って る けど

俺 自身 が 具体 的 に これ を し たい って 夢 が ある わけ じゃ ない し

正直 羨ま し い と 思う

アハハ … 夢 が ある から って 別に 偉い わけ じゃ ない と 思う けど ね

でも もしも …

いつか 君 が 本当 に やり たい こと を 見つけ た とき は

お 姉ちゃん が 全力 で 応援 する から ね

成幸 君

なんて ね

じゃあ 受験 が 終わったら どう す ん だ ?

( 成幸 ) 受験 が 終わったら か …

俺 が 本当 に やり たい こと …

あっ

お っ … おい 古橋 … 寝 た ?

( 文乃 ) お 母 さん …

( 幼少 の 文乃 ) お 母 さん ! お 母 さん !

( 静 流 ) いい ? 文乃

お 母 さん は ね い なく なったり し ない の よ

あなた の 好き な その 本 に 出 て くる テレポート で 星 に 行く だけ

そこ から いつも あなた を 見 て いる から

だから ね 文乃

星 の きれい な 夜 に は きっと 見つけ て ちょうだ いね

( 文乃 ) 少し ひんやり し て で も 心地よく 包み込 ん で くれる

ああ これ は お 母 さん の 手

あ …

あっ !

( 文乃 ) はっ 恥ずかし すぎる

疲れ て た と は いえ 昨日 は なんで あんな こと を …

( 成幸 ) 起き たら め っちゃ 抱き締め て た

すま ん 古橋 ! マジ で すま ん !

( 文乃 ) 違う から !

りっち ゃん うる か ちゃん 全然 違う から ね ~ !

♪ ~

~ ♪

( 成幸 ) それ じゃあ 俺 こっち だ から

( 文乃 ) うん

唯 我 君

あ …

また ね

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( 理 珠 ( り ず ) ) 関城 ( せきじょう ) さん

今夜 うち に 泊まり に 来 ませ ん か ?

( 紗和 子 ( さわ こ ) ) えっ えっ …

えっ !

えっ えっ えっ えっ えっ えっ …

え ?

しっ しかたない わ ね も う ~ !

( うる か ) うる か ちゃん 発案

ドキッ 女 だらけ の パジャマ で 勉強 会

in リズ りん 家 ( ち ) !

( 文乃 ( ふみの ) ) イエ ~ イ ! タイトル 長 ~ い !

いや それ で どう し て 私 を …

だって いつも 図書 室 で りっ ちゃん の こと 見 てる から

誘ったら 喜ぶ ん じゃ ない か と 思って

ブフッ !

は あ ? 全然 見 て ませ ん けど ?

大体 何 よ パジャマ 勉強 会 って

パジャマ と か 最高 じゃ ない の よ !

( 理 珠 ) 関城 さん

え ? 何 ?

この 人物 の 心情 が 分から ない の です が …

あっ あたし は この 長文 和訳

( 文乃 ) 私 は ここ の 公式 が ちょっと …

え ? ちょ … そんな いっぺん に …

( うる か ) これ ( 文乃 ) こっち も

( 理 珠 ) 関城 さん

ええ ?

う う ~

( うる か ) 大丈夫 ? さわ ちん ?

( 文乃 ) ごめん ね つい …

( 理 珠 ) すみません

いつも 唯 我 ( ゆい が ) さん に やって いる 調子 で 立て続け に 質問 し て しまい まし た

( 紗和 子 ) え ? あいつ いつも こんな 目 に 遭って る の ?

( 文乃 ) え ~ と … ハハハ …

( うる か ) て いう か 成幸 ( なりゆき ) 相手 だ と もっと 激しい かも

ハア

めん ど い 質問 責め に つきあって くれる なんて

あなた たち 幸せ 者 よ そんな 教育 係 が いる なんて

フフ …

ヘヘッ

けど

唯 我 成幸 って 将来 絶対 苦労 し ょい 込む タイプ よ ね

お人よし って いう か 巻き込ま れ 体質 と いう か …

彼 女 に なる 人 と か 大変 そう ね

( 3 人 が 動揺 する 声 )

♪ ~

~ ♪

( お囃子 )

( 人々 の 話し声 )

( 男の子 ) 見 て !

( 葉月 ( はづき ) ) わ ~ い ! わ ~ い !

( 和樹 ( かず き ) ) お祭り だ ~ !

( 花枝 ( は なえ ) ) 悪い わ ね 成幸

勉強 ある の に つきあって もらっちゃ っ て

( 成幸 ) いい よ 母 さん 気分 転換 も 必要 だ し さ

( 和樹 ) あっ

( 成幸 ) まっ 軽く ひと 回り する くらい なら そんなに 遅く も なら ない だ ろ う

帰ったら 気合い で 取り戻 そ う

( 文乃 ) あれ ? やっぱり 唯 我 君 だ

え ? 成幸 ?

古橋 ( ふる は し ) 武 元 ( たけ もと ) お前 ら も 来 て た の か

うん ちょっと 気分 転換 に ね

唯 我 君 の 弟 さん と 妹 さん ?

( 成幸 ) ああ

和 樹 で ~ す

葉月 で ~ す

花 枝 で ~ す

( 成幸 ) って 母 さん !

( うる か ) う う … ( 文乃 ) フフッ

う わ !

ねえ ねえ どう かな ? 唯 我 君 浴衣 似合って る ?

あ あっ ちょ … ちょっと

ああ … ふ っ 2 人 と も 似合って る な

古橋 なんて 特に 板 に つい てる と いう か

大和 撫子 ( やま と なで しこ ) って 感じ だ よ な

え ? そ … そう ?

( 文乃 ) も う ~ こっち は 褒め て も 意味 ない って ば

悪い 気 は し ない けど

板 に つい てる ?

確か 浴衣 の 似合う 人 の 体型 って …

( 文乃 ) フフ フフ … こら こら 少年 少女 たち

それ 以上 は 許さ ん

( うる か ) 似合って る って 言って くれ た 成幸 が 似合って る って …

着付け 大変 だった けど 頑張って 着 て き て よかった

成幸 が 似合って る って … うれしい

( 文乃 ) わ っ 乙女 オーラ だ だ 漏れ だ よ うる か ちゃん

フフ … 成幸

せっかく だ から その 子 たち と 一緒に 回って き なさい

え ? 何 だ よ それ

( 文乃 ) アハ ハハ …

あっ !

あ ~ !

ごめん 私 タコ焼き 買い に 行 こ う と 思って た ん だ

( うる か ) え ?

うる か ちゃんと 2 人 で 回って て

( うる か ) えっ ? ( 成幸 ) おい 古橋 ?

どう し た ん だ ? 古橋 の ヤツ

ね ~ 買い物 くらい つきあう のに な ~

お前 その 髪 型 似合 う っ つう か …

かわいい よ な

( 成幸 ) いや 関係ない だ ろ う

あれ の せい かも って どんな 思い上がり だっ つう の

( うる か ) ねえ ねえ 成幸 見 て 見 て

ひ は まっ ひ ん く

う っ

あっ 成幸 も ひと 口 欲しい ?

いや 違う ! 全然 大丈夫 !

( 成幸 ) だ から 変 な 意識 す ん の やめ ろ って の 俺 !

( 理 珠 の 父 ) お っ ! 先生 じゃ ねえ か

( 理 珠 ) こんばんは 唯 我 さん 武 元 さん

緒方 ( お がた ) ! おやじ さん ! 出店 出し て たんす か ?

( 父 ) おう ! 見 て の とおり 大 盛況 よ

( 客 ) こっち 焼き うどん 3 人 前 ( 父 ) ほ い

( 客 ) こっち は 5 人 前 ね !

( 父 ) は い よ ! ちょっくら 待って くん な

( 父 ) 喜んで !

イエッサー !

そろそろ 出前 に 行く 時間 です が 1 人 で 大丈夫 です か ? お 父さん

おう 死ぬ 気 で やりゃ なんとか なら あな !

ふ っ う う …

( 成幸 ) って 量 !

( 客 ) 焼き うどん まだ ~ ?

( 客 ) こっち 4 人 前 ね ~

( 袋 が 破ける 音 ) ( 理 珠 ) う わ !

お 父さん 袋 が 破れ まし た

( 父 ) お っ 嬢 ちゃん すげ え 手際 いい な

ヘッヘ ~ 料理 は 得意 な ん で どんどん 切っちゃ い ます よ ~

( 文乃 ) うる か ちゃん うまく いった かな

あ ! 星 きれい

ちょっと 山 の ほう に 来る だけ で こんなに しっかり 見える ん だ

( 荒い 息遣い )

まいど ! 緒方 うどん です !

( 理 珠 ) ハアハア

焼き うどん 2 人 前 お 待ち ! です

( イカ 焼き 屋 ) ど … どう も

よし 次 は どこ だ ? 緒方

( 理 珠 ) 次 は 5 軒 先 の 金魚すくい 屋 さん です

その 次 が タコ焼き 屋 さん

( 成幸 ) 次 は ? ( 理 珠 ) かき氷 屋 さん

( 理 珠 ) そして はす向かい の あんず 飴 ( あめ ) 屋 さん

( あんず 飴 屋 ) 暑い 中 出前 ご苦労さま

これ よかったら 食べ て よ

( 理 珠 ) じ ~ ( 成幸 ) ハア やっと 半分 か

( 成幸 ) ん ? あ ~ せっかく だ し 食べる か ?

ほら

あ ~ ん

( 成幸 ) マジ か

( 成幸 ) なんか 小 動物 みたい で かわいい

( 成幸 ) あ ~ ! 終わった ~ !

感謝 です

では 私 は 先 に 戻り ます が

唯 我 さん は 無理 せ ず 休 ん で い て ください

えっ ? おい 緒方 !

( 子供 たち ) おお ~ !

( 成幸 ) お ?

( パン ! ) ( 子供 たち ) お ~ !

( 子供 たち ) お っ お っ お ~ !

( 店主 ) ひ い ~ !

( 子供 たち ) お ~ !

すげ え ぞ あの 仮面 の 美女 … か どう か は 分から ん けど

百発百中 だ

めぼしい 景品 根こそぎ かっぱ ら っち まっ た !

( 子供 ) まさに ミステリアス ビューティー

( 子供 ) 俺 も 撃た れ たい !

( 子供 ) むしろ 踏ま れ たい !

何 やって る ん です か 桐 須 ( きり す ) 先生

いや 桐 須 先生 です よ ね ?

あっ !

( 真冬 ( まふゆ ) ) いっ … !

あ あっ ! ( ドスン ! )

先生 ~ !

つまり 学園 長 命令 で 生徒 が はめ を 外さ ない か

一般 人 に 紛れ て 見回り を ?

( 真冬 ) 屈辱 … 屈辱 よ 生徒 に おんぶ さ れる だ なんて

え ?

( 成幸 ) ああ この 間 の あれ は 覚え て ない の か

( 成幸 ) ほら 先生 むくれ て ない で

救護 スペース に 着き まし た よ

( 真冬 ) むくれ て なんて い ませ ん

( 成幸 ) めん どくさい な ~

( あ すみ ) よう 後輩 ケガ でも し た か ?

( 成幸 ) 先輩 まで

あっ いや 俺 じゃ なく て …

ああ なん だ まふゆ センセ か

なん だ と は 何かしら 小 美 浪 ( こみ なみ ) さん

う ~ ん

あたし も おやじ も すぐ に は 手 が 離 せ ない ん だ よ な

( あ すみ ) 後輩 頼む ! ( 成幸 ) えっ

( 成幸 ) あの … 先生 が 自分 で やる と いう 手 は …

無理 怖い もの

お っ お 願い する わ

ああ … はい それ じゃ 失礼 し ます

( 成幸 ) う っ なんか 大人っぽい いい 匂い が …

って アホ 落ち着け !

こんな こと 考え てる の バレ たら 殺さ れる

心頭 滅 却 心頭 滅 却 …

ひ ゃ うん !

う う …

( 成幸 ) 先生 ! 変 な 声 出さ ん で ください !

( 真冬 ) 心外 … ひ ゃ うん !

( 成幸 ) 先生 !

ほ え ~

はっ !

あ ああ あ ~ えっ ?

ウソ 終電 ギリギリ ?

何 やって ん の 私 の バカ ~ !

( 荒い 息遣い )

( 泣き声 )

( かな の 姉 ) お 母 さ ~ ん ! かな ~ ど こ ~ ?

( 文乃 ) あ ~ も う ~

( あす み の 父 ) こんな 時間 まで 手伝わ せ て しまって すま なかった ね

いえ まだ 終電 に 間に合い ます し

( 父 ) 娘 の 彼 氏 だ から と いって 甘え 過ぎ て しまった かな

( 成幸 ) ええ まあ お 気遣い なく

( 成幸 ) そう いや そんな 設定 だった な

( 父 ) さっ 帰 ろ う あす み

( あ すみ ) あっ … なあ 後輩

次 は さ 2 人 で 一緒に 回り たい な 縁日

なん つ って な

( 成幸 ) だ から ! あんた は また そう いう …

( あ すみ ) ヘ へ へ ヘッ じゃ あな !

ハア まったく あの 人 は

とにかく 終電 も 近い し 急 い で 帰ら ね ば

( 泣き声 )

( 成幸 ) あ ?

( かな ) お 母 さ ~ ん お 姉ちゃん ど こ ~ ?

( 成幸 ) あ ~ も う ~ !

( かな の 母 ) かな ~ ?

( 姉 ) かな ~ !

( 母 ) どこ な の ? 返事 し て ~ !

お 姉 ちゃ ~ ん ! お 母 さ ~ ん !

( 母 ) かな ! ああ よかった

2 人 と も はぐれ た とき は どう しよ う か と …

( かな ) あの ね あの ね !

そこ の お にいちゃん が 探す の 手伝って くれ た の

って あれ ? い ない …

あれ ?

奇 遇 ね かな

お 姉ちゃん も 今 さっき ね

きれい な お ねえさん が

お 母 さん を 探す の 手伝って くれ た の

( 駆ける 足音 )

( 成幸 の 荒い 息遣い )

( 成幸 ) 間に合わ なかった …

ああ … どう しよ う

( 文乃 ) あれ ? ( 成幸 ) ん ?

( 文乃 ) えっ え ?

( 成幸 ) え ?

え ?

唯 我 君 ?

( 成幸 ) 古橋

なんで ここ に ?

あ ~ いや それ は …

( 文乃 ) 星 見 て たら 終電 間際 に なっちゃ っ た

なんて バカ すぎ て 言 え ない

ゆ っ 唯 我 君 女の子 は みんな ね

何かしら 人 に は 言 え ない 秘密 を 持って いる もの な ん だ よ

べ っ 勉強 に なり ます ! 師匠 !

( 成幸 ) タクシー 来る 気配 ない な

大通り の 方 へ 行って みよ う

そ したら 走って る かも しれ ない し

( 成幸 ) だいぶ 歩 い た けど

タクシー どころ か ほとんど 車 すら 通ら ん と は …

( 文乃 ) い た た … ( 成幸 ) あっ

あいた ~

どう し た 古橋 大丈夫 か ?

うん 慣れ ない 下駄 ( げた ) で 歩 い た から ちょっと 擦れ ちゃ って

( 成幸 ) これ 以上 歩か せ ない ほう が いい か …

つって も こんな 田舎 に ファミレス も カラオケ も …

あっ あれ !

ん ?

旅館 ?

( 仲居 ) ごめんなさい ね

もう ひと 部屋 しか 空 い て ない ん です よ

( 文乃 ) あ あっ … ( 成幸 ) そう です か

じゃあ 俺 は 歩 い て 帰る から お前 は 泊まって いって くれ

( 文乃 ) 諦め が 早い よ !

だって 無理 に 決まって ん だ ろ ! そんな !

地元 駅 まで 何 キロ ある と 思って ん の ?

( 仲居 ) あの … あなた たち 高校 生 ?

( 2 人 ) う っ …

高校 生 の 男女 が ひと つ の 部屋 に って いう の は

ちょっと ねえ …

そ っ そう です よ …

大丈夫 です

姉弟 です から !

( 成幸 ) ふ … 古橋 さん ?

( 仲居 ) ああ な ~ んだ そう な の

( 文乃 ) ねっ 成幸 君 !

( 成幸 ) えっ お ま …

( 文乃 ) なりゆき くん !

( 成幸 ) う っ うん … 文乃 姉ちゃん …

( 文乃 ) “ 唯 我 文乃 ”

なんか 変 な 感じ

おい やっぱり マズ い だ ろ こんな の

( 文乃 ) 今更 何 言って る の

大丈夫 だ よ お 布団 しっかり 離し て 寝 れ ば

( 仲居 ) あ ~ いけ ない !

布団 が ひと 組 しか ない ん だった わ

すみません

お 代 は もちろん 格安 に さ せ て いただき ます ので

でも まあ 姉弟 なら 大丈夫 かしら ね ?

( 成幸 ) この 仲居 さん 試し て いる の か ?

う う …

う う …

( 成幸 ) 風呂 いい お 湯 だった な

( 文乃 ) う っ うん いい お 湯 だった ね …

( 成幸 ) 間 が もた ん

こんな こと なら 勉強 道具 持って くる ん だった

あの … 布団 古橋 が 使って くれ

夏 だ し 俺 は 床 で 全然 大丈夫 だ から

な っ !

そ っ そんな の ダメ ! 唯 我 君 が 使って

私 畳 で 直 ( じか ) に 寝る の 夢 だった し

いやいや 風邪 でも ひ い たら どう す ん だ ?

唯 我 君 こそ !

( 2 人 ) ハックショイ !

山 の ほう だ から 結構 冷える ね

とりあえず 入る ? お 布団 …

ひ あ ああ あ ~ !

いや ! 変 な 意味 じゃ ない から !

2 人 で 風邪 ひ い ちゃ ったら シャレ に なら ない でしょ

私 は 別に 唯 我 君 が 変 な こと する よう な 人 じゃ ない って

分かって る し

別に 気 に し ない けど ?

唯 我 君 が 嫌 じゃ ない なら だ けど

いや 俺 だって そりゃ …

同じ 布団 と か 兄弟 多い から 慣れ てる し ?

古橋 が 嫌 じゃ ない なら 別に 全然 余裕 だ が …

( 2 人 ) そう 余裕 …

( 成幸 ) な わけ ねえ だ ろ !

なんで こいつ こんな いい 匂い す ん の ?

同じ シャン プー 使った よ ね ?

( 文乃 ) おお お … 男の子 と 同じ 布団 !

直 に 触れ てる わけ じゃ ない けど 唯 我 君 の 背中 の 熱 が 伝わって き て …

は わ わ わ わ !

( 2 人 ) ひ ゃ ああ ああ !

( 成幸 ) ダメ だ なんか 会話 し て 気 を 紛らわさ ん と どう しよ う も …

う う ~ 話題 話題 …

あっ ああ …

古橋 窓 …

あ …

ああ …

きれい

うん

( 文乃 ) あっ ほら 唯 我 君 あれ が てんびん 座

あっ ち が 北 の 皿 “ キファ ・ ボレ アリス ” で

少し 見え にくい こっち が 南 の 皿 “ キファ ・ アウストラリス ” だ よ

( 成幸 ) 分から ん

あっ ち に は いて 座 の “ ルク バト ” “ アル カブ ” “ アルナスル ”

フッ 星 本当 に 好き な ん だ な

エヘ へ

うん … 今夜 は 特に きれい

まさに 「 天 の 光 は すべて 星 」 だ ね

( 成幸 ) うん ? ( 文乃 ) あっ えっ と …

( 文乃 ) そう いう タイトル の 古い 本 が あって ね

簡単 に 言う と 一 度 夢 を 失った 元 宇宙 飛行 士 の 主人公 が

57 歳 と いう 年齢 で

再び 宇宙 を 目指し て 夢 を 追い かける お 話

“ 肉体 で は なく 魂 だけ を 飛ば せ ば ”

“ 恒星 に だって 一瞬 で たどりつく こと が できる ” なんて

いわゆる 精神 テレポート み たい な 話 も 出 て き て ね

( 静 流 ( し ずる ) ) あら 文乃

文乃 に その 本 は まだ 難しい わ よ

( 文乃 ) 何 回 も 読め ば 分かる もん !

好き だった な …

かっこいい よ な 古橋 は

え ?

緒方 も 武 元 も 小 美 浪 先輩 も そう だ けど

苦手 な もの を 克服 し て まで 追いかけ たい 夢 が ある の って

や っぱ かっこいい よ

俺 は まあ 家族 に 楽 さ せ たい と は 思って る けど

俺 自身 が 具体 的 に これ を し たい って 夢 が ある わけ じゃ ない し

正直 羨ま し い と 思う

アハハ … 夢 が ある から って 別に 偉い わけ じゃ ない と 思う けど ね

でも もしも …

いつか 君 が 本当 に やり たい こと を 見つけ た とき は

お 姉ちゃん が 全力 で 応援 する から ね

成幸 君

なんて ね

じゃあ 受験 が 終わったら どう す ん だ ?

( 成幸 ) 受験 が 終わったら か …

俺 が 本当 に やり たい こと …

あっ

お っ … おい 古橋 … 寝 た ?

( 文乃 ) お 母 さん …

( 幼少 の 文乃 ) お 母 さん ! お 母 さん !

( 静 流 ) いい ? 文乃

お 母 さん は ね い なく なったり し ない の よ

あなた の 好き な その 本 に 出 て くる テレポート で 星 に 行く だけ

そこ から いつも あなた を 見 て いる から

だから ね 文乃

星 の きれい な 夜 に は きっと 見つけ て ちょうだ いね

( 文乃 ) 少し ひんやり し て で も 心地よく 包み込 ん で くれる

ああ これ は お 母 さん の 手

あ …

あっ !

( 文乃 ) はっ 恥ずかし すぎる

疲れ て た と は いえ 昨日 は なんで あんな こと を …

( 成幸 ) 起き たら め っちゃ 抱き締め て た

すま ん 古橋 ! マジ で すま ん !

( 文乃 ) 違う から !

りっち ゃん うる か ちゃん 全然 違う から ね ~ !

♪ ~

~ ♪

( 成幸 ) それ じゃあ 俺 こっち だ から

( 文乃 ) うん

唯 我 君

あ …

また ね