Bakuman . Episode 4
( 真 城 最高 ( ま しろ もり たか ) ) ごめん 僕 … 叔父さん は 自殺 だ と 思って た
( 真 城 昌弘 ( まさ ひろ ) ) あいつ は そんな 根性 なし じゃ ない
逆境 に なれ ば なる ほど 歯 を 食いしばって 頑張る やつ だ
泣き言 ひと つ 言わ ず に な
( 最高 ) そう だ ね
本当 に 寝る 間 も 惜し ん で
ひたすら 何 か を 描 い て い た
( 昌弘 ) 最高 「 巨人 ( きょじん ) の 星 ( ほし ) 」 は 読 ん だ か ?
( 最高 ) えっ うん …
( 昌弘 ) じゃあ 坂本 龍 馬 ( さ かも とりょう ま ) の セリフ 知って る な ?
うん
( 昌弘 ) 「 あした の ジョー 」 は 大好き だった な ?
( 最高 ) あっ …
うん
父さん もう 言わ なく て いい
ありがとう
( 昌弘 ) うん
( 高木 秋 人 ( た かぎ あき と ) ・ 最高 ) 亜豆 ( あずき ) ?
母ちゃん だ !
亜豆 の 母ちゃん だ よ これ
( 亜豆 美雪 ( みゆき ) ) 立派 な マンガ 家 さん に なって
私 も 陰ながら 応援 し て ます
はい ! ありがとう ございます
はい !
( 最高 ) 俺 恵まれ てる な
( 秋 人 ) “ 俺 ” じゃ なく て “ 俺 たち ” ね
( 最高 ) 俺 絶対 この 夢 現実 に する
これ で やら なきゃ ―
男 じゃ ない
男 じゃ ねえ よ !
俺 明日 … いや 今日 から
自分 の 絵 を マンガ の 絵 に する の を 始める !
( 秋 人 ) よ ー し 俺 も ネーム に 挑戦 する !
♪ ~
~ ♪
( 真 城 信弘 ( のぶ ひろ ) ) プロ は ほとんど が G ( ジー ) ペン
線 の 強弱 が つく から 絵 に 雰囲気 が 出る
俺 は 使いこな せ なく て カブラ ペン
ギャグ マンガ なら ギリギリ これ でも あり だ が
プロ なら G ペン だ
たま に 挑戦 し て みる けど これ が 難しい
あ あっ
ハア …
( 担任 ) 真 城
真 城 ! 起きろ
え ?
や べ !
( 生徒 たち の 笑い声 ) ( 担任 ) 真 城
徹夜 で 頑張る の は いい が テスト 中 寝 て たら 意味 ない ぞ
( 最高 ) す っ すいません
やっと 終わった
大丈夫 か ?
テスト 中 に 爆睡 ( ば く すい ) し てる やつ なんて 初めて 見 た ぞ
( 鈴木 ( すずき ) ) 最高 ( サイコー ) !
居眠り する ほど 勉強 し て た の か ?
別に
( 川崎 ( かわさ き ) ) それ より さ
テスト 終わった ん だ し 映画 行 か ね ?
( 鈴木 ) そう そう あの エロ い やつ !
エロ い やつ ?
悪 ( わり ) い やる こと ある ん だ
( 川崎 ) なん だ よ
あいつ ら ここん とこ ずっと つる ん でる な
ひょっとして 徹夜 で 絵 の 練習 し て た の か ?
仕事場 で 0 時 過ぎ まで
それ から 家 に 帰って 学校 へ 行く まで ずっと
登校 中 に 頭 冷え て なかったら ペン で テスト を 受ける 勢い だった
すげ え マジ で 持って き てる
とにかく これ に 慣れ なきゃ 話 に なら ない
マンガ に 限界 ない し な
限界 ?
テスト と 違って 答え が ある わけ じゃ ない
絵 も 話 も 上限 ない じゃ ん
このまま 仕事場 行く けど 秋 人 ( シュー ジン ) も 行く ?
おう !
( 最高 ) うれし そう だ な 秋 人 ( シュー ジン )
ほ い 合 鍵 秋 人 ( シュー ジン ) の 分
あっ
い … いい の か ?
( 最高 ) 秋 人 ( シュー ジン ) も 好き な 時 に 行 け た ほう が いい だ ろ ?
サ … サンキュー
( 最高 ) テスト も 終わった し 思いっきり 打ち込 め る な
( 秋 人 ) すげ え !
や っぱ 最高 ( サイコー ) の 才能 半端 じゃ ねえ よ !
たった 1 日 で マンガ の 絵 描 け てる
全然 ダメ だ って
どこ が ?
線 が 硬い し 太 さ が めちゃくちゃ
マンガ の 絵 に は なって ない
そう か ?
( 最高 ) や っぱ G ペン って 難 ( む ず ) いよ
頭 の 中 で イメージ し てる 太 さ に 描 け ない
難 ( む ず ) い から 一 度 カブラ ペン も 使って み た
あ ? カブラ ペン ?
( 最高 ) これ
ああ 俺 つけ ペン って これ の こと だ と 思って た
叔父さん も G ペン 知ら ず に これ で 描 い て た ん だって さ
( 秋 人 ) へえ
… で 編集 者 に G ペン 使え って 言わ れ た ん だ けど
もう 変 な 癖 が つい て て 使いこな せ なく て
ずっと カブラ ペン 使って た らしい
線 の 強弱 は 出 にくい けど 逆 に 一定 の 太 さ の 線 は 描き やすい
G ペン は 線 の 強弱 が つけ やすい けど
紙 に 引っかかり やすい
なるほど
叔父さん が カブラ ペン で プロ と し て やって た から って
それ じゃ ダメ な ん だ よ な
ダメ に 決まって ん だ ろ
絵 に 味 も 雰囲気 も 出 ない
叔父さん “ 絵 が 下手 ” って 開き直って たし
ギャグ だ から ギリギリ あり だった ん だ って
( 秋 人 ) だ よ な …
とにかく 鉛筆 で デッサン 描く の や 筆 で 水彩 画 描く の と 全く 違う
ひたすら 描 い て 慣れる しか ない
これ も 昨日 描 い て み た
( 秋 人 ) あ ?
( 秋 人 の 声 ) あっ うめ え !
… て 言わ ない ほう が いい ん だ ろ う な
最高 ( サイコー ) は 満足 し て ない ん だ ろ う し
( 最高 ) 背景 は カブラ ペン の ほう が うまく 描 ける
すごく 細い 線 は 丸 ( まる ) ペン
( 秋 人 ) へえ
あっ あれ 見 て 描 い た の か ?
( 最高 ) ああ
段ボール に 入って た の 全部 出し て 並べ た ん だ
こんな 資料 売って ん だ
これ で 原稿 バッチリ 描 ける じゃ ん
( 最高 ) 効果 も 入れ ない と
( 秋 人 ) 効果 ?
( 最高 ) これ な ( 秋 人 ) ん ?
( 最高 ) 叔父さん は 番 号 で アシスタント に 指示 出し て た みたい だ けど
まず 自分 で でき なきゃ
こんな 線 全部 手 で 描く の か ?
( 最高 ) こう いう 定規 使い ながら な
俺 たち に は アシスタント い ない から ―
スクリーン トーン だって 自分 で 貼 ん なきゃ なら ない
これ は カッター で 切り 出し て 貼る
つまり 1 枚 の 原稿 を 作る に は …
( 最高 ) まず ネーム を 基 に 原稿 用紙 に 下 描き を し て
( 秋 人 ) キャラ と 背景 に ペン を 入れる
( 最高 ) そう
… で ベタ 塗り に 効果
スクリーン トーン を 貼って
( 秋 人 ) これ で やっと 完成 か
やる こと いっぱい ある な
( 最高 ) ああ
人 に よって 工程 は 違う かも しれ ない けど
大体 こんな 感じ だ と 思う
持ち込み できる よう な もの を 描く まで
どれ だけ マスター し なきゃ なら ない こと が ある ん だ って ―
気づ い て 焦った
止まって いる 人間 は 簡単 だ けど
動き
表情
構図
すべて 描 け なきゃ プロ に は な れ ない
どれ だけ 時間 が かかる か …
今 思う と ―
叔父さん が ズブ の 素人 から 3 年 で デビュー し た って ―
すごい と 思う
あの 人 ホワイト の 存在 知ら ない で
少し 失敗 し たら 全部 描き 直し て た らしい から
えっ … へえ そう な ん だ
( 最高 ) で も やる しか ない !
18 まで に アニメ 化
ホント に 1 秒 も ムダ に でき ねえ !
( 秋 人 ) 最高 ( サイコー ) ( 最高 ) ん ?
( 秋 人 ) 気持ち は 分かる けど
テスト の 前 の 日 くらい 勉強 し た ほう が いい と 思う
分かって る
昨日 も 少し は 勉強 する つもり だった けど
気づ い たら 朝 に なって た
気づ い たら って …
とにかく 今 は 努力 し ない と
叔父さん も 言って た マンガ 家 に なる 条件 の 1 つ だって
( 秋 人 ) マンガ 家 に なる 条件 ?
川口 ( かわ ぐち ) たろう 流 の な
天才 じゃ ない 場合 の 三 大 条件
お … 俺 に も 教え て !
( 最高 ) その 一
うぬぼれ
自分 は ほか の やつ より できる と 思い込め
それ は 持って る な
もっとも うぬぼれ じゃ なく 本当 に 才能 が …
それ を うぬぼれ って いう ん だ ろ
その 二
努力
お っ まとも な こ と 言う ん だ 川口 たろう 先生
( 最高 ) … で 最後
うん
そう 運
え ?
なん だ よ 最後 は 運 か よ
当たり前 だ ろ ?
天才 じゃ ない ん だ し ばくち 打ち な ん だ から
夢 は 語って る だけ じゃ 実現 し ない から な
この 週 末 は ずっと 描き 続ける
よし !
じゃあ 俺 は ここ に ある マンガ 全部 読む !
( 秋 人 ) う っ う う …
この 「 父 ( ちち ) の 魂 ( たましい ) 」 って 泣ける な
( 泣き声 )
( 岩瀬 愛子 ( いわ せ あいこ ) ) “ 人々 は 途中 に 立ち 並び て ”
“ 後 影 ( うしろ かげ ) の 見 ゆる まで は と 見送る なる べし ”
( 教師 ) はい そこ まで
じゃあ 次 は … 鈴木
( 鈴木 ) あっ はい !
( 教師 ) … は やめ とい て
( 生徒 たち の 笑い声 ) ( 鈴木 ) な … なんで です か !
( 教師 ) 別 に 意味 は ない ん だ けど な
( 鈴木 ) ひ ど っ !
( 教師 ) じゃあ 川崎
( 川崎 ) え え ~ ?
( 秋 人 ) このまま 仕事場 行く よ な ?
( 最高 ) ああ
( 秋 人 ) 「 ジャック 」 買って く ぞ
( 最高 ) よろしく
( 秋 人 ) 今週 の 巻頭 カラー は ?
( 最高 ) あと 必要 な 物 は …
( 秋 人 ) 最高 ( サイコー ) ! ( 最高 ) ん ?
ちょ … ちょっと ちょっと
これ !
( 最高 ) あっ 手塚 ( て づか ) 賞
準 入選 出 た ん だ
こ … この 準 入選
何 だ よ ?
年 ( と し ) … 見 て みろ 年 !
( 最高 ) うん ?
あっ …
15 歳
( 最高 ) 15 歳
高校 生 だって さ
全 審査 員 絶賛 だって
新妻 ( に い づま ) エイジ
なんか ムカ つく な こいつ
( 秋 人 ) ん ? ( 最高 ) 受賞 の 言葉
“ みんな が ゲーム し て 遊 ん で いる 時 に も ― ”
“ 我慢 し て 努力 し た 甲斐 ( かい ) が あり まし た ”
“ これ から も 頑張って ― ”
“ 「 ジャック 」 誌面 で 活躍 し たい です ”
この 間 まで ゲーム ばっ か し て た 俺 へ の 当てつけ に 見える よ
こんな やつ 俺 たち なら すぐ 追い越 せる って
よく 見 たら 褒め られ てる の 画 力 ( が りょく ) ばっかり だ し
すごい 自信 だ な
自信 努力 運 だ から な
( 最高 ) うぬぼれ 努力 運 だって
“ 自信 ” の ほう が 聞こえ が いい じゃ ん
あっ そんな こと より 「 こ ち 亀 ( かめ ) 」 は … っと
( 最高 の 声 ) 15 歳 で 準 入選 か
( 真 城 加代子 ( か よこ ) ) 最高
ん ?
( 加代子 ) 鍵 を もらって うれしい の は 分かる けど
毎日 叔父さん の 仕事場 に 入り浸って
あなた 受験 生 な の よ
( 最高 ) 分かって る
ホント に 分かって る の ?
だったら ちゃんと 勉強 …
( 真 城 二三男 ( ふみ お ) ) おかわり もら える かい ?
( 加代子 ) あ … はい
( 二三男 ) 悪い ねえ 加代子 さん
ん ?
俺 屋上 行く
( 秋 人 ) 待て よ ! 俺 も 行く
( 男子 生徒 ) いい ねえ 超 萌 ( も ) え って 感じ で
( 男子 生徒 ) なんか すぐ プロ の マンガ 家 に な れ そう じゃ ん
( 石沢 ( いし ざ わ ) ) まあ ね 俺 が 本気 出せ ば 業界 変わっちゃ う かも ね
( 男子 生徒 ) そう だ !
今度 僕 が 話 考える から 石沢 君 絵 描 い て よ
まっ いい けど 俺 の 要求 は 高い よ
( 見 吉 香 耶 ( みよし かや ) ) ふ ー ん ( 石沢 ) あ ?
あの さ 1 つ 聞い て いい ?
( 石沢 ) 何 だ よ
( 見 吉 ) なんで みんな 同じ 方向 見 て ん の ?
肩 まで しか 描 い て ない し
( 最高 ・ 秋 人 ) ブフッ … ( 石沢 ) ん ?
あいつ ら 今 笑った よ な ?
( 男子 生徒 ) 2 組 の 高木 君 だった
( 石沢 ) もう 1 人 は ?
( 男子 生徒 ) さあ … 誰 だ っけ ?
( 最高 ) あいつ 誰 だ っけ ?
( 秋 人 ) 見 吉 香 耶
亜豆 の 一 番 の 親友
( 最高 ) 知って る
じゃ なく て 絵 描 い て た やつ
( 秋 人 ) 石沢
2 年 の 時 同じ クラス だった
( 最高 ) あいつ も マンガ 家 目指し てん の かな
( 秋 人 ) さあ
マンガ 描 い て ます って アピール し て ―
注目 浴び たい だけ じゃ ね ?
まっ 見 吉 に ツッコ ま れる よう じゃ ―
たかが 知れ てる だ ろ う けど な
( 担任 ) みんな 中間 テスト 終わった から って ―
気 抜く な よ
本番 は あくまで 高校 入試 だ から な
今回 の テスト を 基 に ―
もう 一 度 進路 に つい て 真剣 に 考える よう に
( 生徒 たち ) は ー い
( 担任 ) じゃあ 授業 始める ぞ
( 秋 人 ) よし ! ストーリー も 十分 に 練れ た
仕事場 行って バリバリ ネーム 描く ぞ !
ん っ ? 最高 ( サイコー )
( 最高 ) なあ
俺 たち くらい で マンガ 家 目指す やつ
結構 多い の かも な
( 秋 人 ) かも な 新妻 エイジ は 15 歳 って 言って たし
石沢 だ って …
どこ まで 本気 か 分か ん ねえ けど
俺 高校 もう 谷 草 北 ( やく さ きた ) で いい
えっ ?
( 秋 人 ) 谷 草 北 って …
( 最高 ) 成績 トップ の 秋 人 ( シュー ジン ) から 見 たら ―
楽勝 かも しん ない けど
うち の 親 が 許す 最低 レベル
少し でも マンガ 描く 時間 に 充て たい ん だ
すべて は マンガ 家 に なる ため … か
俺 こんなに 時間 が もったいない って 思った こと ない
こんなに 真剣 に 何 か に 打ち込 ん だ こと も
でも 最高 ( サイコー )
亜豆 と 同じ 高校 行か なく て いい の か ?
( 最高 ) どこ 行く か 知ら ねえ し
女子 校 かも しれ ねえ じゃ ん
聞け ば いい じゃ ん
いや 違う 高校 へ 行く
その ほう が …
ロマンチック だ
( 秋 人 の 声 ) 出 た ! ロマンチスト の DNA
( 最高 ) 中学 を 卒業 し て 次に 会う の は
俺 が マンガ 家
亜豆 が 声優 に なった 時
( 秋 人 ) “ それ まで は メール と か だけ で 励まし合う の ”
… なんだ な
( 最高 ) ああ
( 秋 人 ) なあ そこ まで 叔父さん の まね し なく て も いい ん じゃ ねえ ?
( 最高 ) 俺 が そう し たい ん だ
きっと 亜豆 も そう し たい と 思って る
( 秋 人 ) 最高 ( サイコー )
亜豆 が ほか の 高校 で 彼 氏 が でき ちゃ う なんて こと ―
考え て ねえ だ ろ
考え て ねえ よ
俺 は 亜豆 を 信じ てる
亜豆 と 離れ離れ に なった と し て も
ホント に 北 高 ( きた こう ) 行く ん だ な ?
マンガ を 描く 時間 を 取る ため に
( 最高 ) ああ
じゃあ 俺 も 北 高 だ
( 最高 ) は あ ?
秋 人 ( シュー ジン ) は ちゃんと 進学 校 行け よ !
( 秋 人 ) 一緒に マンガ 家 目指す なら ―
同じ 高校 行った ほう が 何 か と 都合 が いい し ―
時間 が もったいない
最高 ( サイコー ) と 同じ 気持ち だ よ
それ に …
これ もらって 俺 す っ げ え うれしかった
マンガ 家 に な れ なかった 時 の 保険 に ―
いい 大学 行 こ う と 思って た けど ―
な れ なかった 時 を 優先 し て ちゃ ダメ だ ろ
秋 人 ( シュー ジン )
( 秋 人 ) 北 高 決まり な
落ちる な よ 最高 ( サイコー )
ああ
あっさり 決め て マンガ に 集中 する
これ 以上 同年 代 の やつ ら に 差 つけ られ て たまる か
( 秋 人 ) そう だ な
当面 の ライバル は 新妻 エイジ って とこ か
エイジ は もう 担当 編集 と “ 高校 卒業 と 同時に 連載 ”
… なんて 話 してん だ ろ う な
えっ ? もう 担当 と か 付い て ん の か よ
100 % 付い てる ! 賞 に 入れ ば 自動 的 に
入ら なく たって
気 に 入って くれ た 編集 が いれ ば 担当 し て くれる
そう 叔父さん が 言って た
担当 か
1 歩 も 2 歩 も エイジ に 先 越さ れ てる な
担当 と いって も ピンキリ だ から
付け ば いい って もん で も ない らしい けど
マンガ 家 の ほう から は 選 べ ない から
いい 担当 付く か どう か は
運 か
的外れ な 批評 ばかり する やつ と か
原稿 を 取り に 来る 以外 は 遊び ほう け てる 担当 と か
いろいろ いる らしい
ひで え
じゃあ 今度 は ―
俺 が ちょっと 感動 し た 編集 の 話 な
おう
( 最高 ) ほか の 雑誌 で 読み切り が 載った こと の ある 新人 に
見込み が ある から どんどん 描 い て 持ってこい って 言って ―
次々 と 描か せ た
でも 10 回 目 くらい に 持ち込 ん だ 原稿 を 読み 終わる と
( 秋 人 ) シュレッダー に かけ た ?
なんで それ に 感動 す ん だ よ
その 新人 は いつも 最初 の 数 ページ 読ま れ た だけ で ―
ボツ って 言わ れ て た ん だ って
だから 最後 まで 読 ん で くれ た こと に 喜 ん だ
そして シュレッダー に かけ られ た 悔し さ を バネ に
人気 作家 の 仲間 入り を し た
( 秋 人 ) おお そこ まで 聞く と なんか いい 話 だ
( 最高 ) それ で 連載 の 打ち合わせ 中 …
( 編集 者 ) あの 時 は すま なかった
でも ここ で 褒め ない ほう が もっと 伸びる と 思った ん だ
( マンガ 家 ) う っ う う … ありがとう ございます
( 秋 人 ) ウソ くせ え
その 編集 は のち に 編集 長 に なった ん だ って
それ こそ マンガ み たい な 話 じゃ ん
ほとんど の 編集 は それ くらい マンガ に 情熱 持って やって る って ―
叔父さん が 言って た
みんな マンガ が 好き な やつ ばっかり だ って
なあ
( 最高 ) ん ?
( 秋 人 ) 編集 に 会い に 行か ねえ ?
な っ …
持ち込み し たい ん です けど って 電話 すれ ば 会 える ん だ ろ ?
( 最高 ) 会え っけ ど
持ち込む 原稿 まだ ねえ じゃ ん
夏 休み 中 に 1 本 仕上げよ う ぜ
あっ
それ で 「 ジャック 」 に 持ち込む
連載 する と し たら
アニメ 化 ねらう なら 「 ジャック 」 だ よ な
ダメ で もともと じゃ ん
俺 たち の 原稿 を 見 て ―
編集 が どう いう 反応 を する か 見 に 行く
2 人 の 力 が 通用 する か どう か 試し て みよ う ぜ !
よし やろ う !
夏 休み 中 に 作品 を 完成 さ せ て ―
「 ジャック 」 に 持ち込む
( 秋 人 ) うん
そう と 決まれ ば
仕事場 行 こ う ぜ !
( 最高 ) おう !
( 秋 人 ) おい あれ …
え ? あっ …
亜豆 …
小 5 の 妹 いる って の は 知って た けど
妹 も かわいい な
や べ え な どう しよ う
や べ え じゃ ない だ ろ
メアド 聞く チャンス じゃ ん
( 最高 ) あの 強力 な 母親 と 一緒 だ ぞ
( 秋 人 ) 1 対 1 なら 聞 けん の かよ
うる せ え って
気づか ない ふり し て 黙って 通りすぎる
いい な ?
( 秋 人 ) 普通 気 づく だ ろ
( 最高 ) いい から !
( 秋 人 ) お っ
亜豆 も 気づ い た みたい だ ぞ
( 最高 ) う …
( 秋 人 ) 明らか に 顔 を 赤く し て
親 の 後ろ に 回った
実況 し なく て い い っつ う の
( 美雪 ) あら 美保 ( みほ ) 同じ クラス の お 友達 じゃ ない ?
( 亜豆 美奈 ( みな ) ) あっ お 姉 ( ねえ ) 顔 が 赤い
( 亜豆 美保 ) 美奈 !
… に し て も 亜豆 も 最高 ( サイコー ) も シャイ だ よ な
よく 同じ 教室 で 知ら ん ぷり し て い られる よ
黙って ろ って
ハア …
あっ …
( 服部 雄二郎 ( はっと り ゆうじ ろう ) ) 君 の 作品 は 編集 長 も 高く 評価 し て いる
もちろん 僕 も 君 に は 才能 が ある と 思って る
( 新妻 エイジ ) ゴオー !
( 雄二郎 ) それ で ぜひ 上京 し て み て は どう か と …
( エイジ ) ドオー !
( 雄二郎 ) 新妻 君 ?
( エイジ ) ダアー !
♪ ~
~ ♪
( 見 吉 ) 高木 さ 美保 の こと 好き な ん じゃ ない の ?
だって 前 に 美保 の 夢 は 何 か 探り 入れ て き た じゃ ん
( 亜豆 ) それ は … ( 見 吉 ) 何 ? 何 ?
( 亜豆 ) その うち 分かる かも ( 見 吉 ) “ かも ” ?
( 亜豆 ) 次回 「 夏 と ネーム 」
夢 追い 人 の 夏 は 忙しい